植物系YouTuberとしてSNSや書籍でわかりやすい園芸情報を発信しているそらベジガーデンハックさん。今回は植物のことはもちろん、プライベートについてもインタビュー。育てやすい植物や愛用アイテムなども紹介していただきました。
土壌改良は子どものころから。好きに、まっすぐ精神を育む日々
− 家庭菜園に園芸と様々な植物の育て方やライフハックを発信されていますが、そらベジさんって一体どんな方なんだろうと。簡単に今までの経歴を知りたいです。また、植物との出会いはどんなことだったのでしょうか。
そらベジさん:物心がついた頃から植物や小さな生き物が好きでした。自分は一人っ子で家族内に特別自然が好きな人もいなかったので、よく一人で川に繰り出してはヘラブナ釣りをしているおじさんに話しかけ、釣りの仕方や魚や川、自然の事を教えてもらいました。

当時暮らしていた家が賃貸の小さな庭付きアパートだったので、学校帰りなどは友達と遊ぶより庭の生き物を観察したり、植物に水やりをしたりと自分の興味にまっすぐ。土を大量に買って土壌改良をするようなこともしていました。プレゼントにクワやスコップを貰うと喜ぶ子供でしたね。
− 子どもの頃から土壌改良とは、園芸歴はだいぶ長いということが分かりました。現在は何種類の植物(野菜も込みで)を育てていますか。
そらベジさん:実は家の他に温室を借りていて、そこで育てている植物も含めると種類は50種類以上になりそうです!温室では大きく育つ野菜や、家で育てるには大きくなり過ぎてしまった観葉植物を育てています。他にも過去の植物の種も全て保存していて、それも含めると相当な数になるかと…
− 観葉植物がどれくらい大きく育っているのか非常に気になるところです笑 植物はどういったお店をチェックしていますか。
そらベジさん:お気に入りのお店はホームセンターコーナンの港北インター店の園芸館「Gardens」です!ここはお店自体が温室になっていて植物が生き生きとしていることが特徴的です。値段もお手頃で、珍しい植物もいっぱいあります。園芸グッズのラインナップも豊富なので、見ているだけでも楽しめるところもいいなと。すぐ近くにIKEAもあるのでセットで行くと1日楽しめますよ。
あとはメルカリ。メルカリはなんと言っても安いこと、特定の面白い植物を買うことが出来ることがメリットですね。でも、届くまで状態がわからないというデメリットもあるのかなと。ナメクジがたくさんついている植物が届いたこともありましたので…。
忙しくても育てられる植物をセレクト
− いろいろお忙しいと思いますが、普段の植物のお手入れはどうされていますか。
そらベジさん:室内植物はタイマーで自動点灯管理にしたライトを設置しています。時間は8〜17の9時間点灯しています。水やりに関しては、週に一度水やりをするくらい。冬場は夜の葉水も追加で行っています。
肥料は3週間に一度程度のざっくりとした管理です。この管理でも問題ない植物を中心に育てています。
− ベランダがとてもにぎやかで。特にモンステラはとても大きいですが何年くらい育てているのですか。
そらベジさん:壁を這っているモンステラは実は1年目なんです!正確には去年大きく育っていたモンステラが寒さにやられて一度葉っぱが全滅しまい…そこからの復活1年目です。
− そんな事が起きていてとは思えないほど立派ですが、何か特別なことをしたのですか。
そらベジさん:やったことは2つ、1つは葉水をたくさんして湿度を高くすること。もう1つは出てきた気根をしっかり活かしてあげる。気根はそのままぶら下げている方も多いのですが、向きを曲げて土に挿すとしっかりとした根に変化をして栄養を吸いはじめます。
植物は根があればあるだけ成長するので、気根を根に変える流れを繰り返すと驚くほど元気に育ちます。これはガジュマルやフィカス(ゴムの木)全般にも使える方法なのでぜひ試してみてください。
食べてしまうほど、好きな植物たち
− 気のせいではなく、シダ植物が多いと気づいたのですがアスプレニウムがお好きなんですか。
そらベジさん:室内の植物の9割近くはシダ植物が占めています!お気に入りはシダの中でも目を惹くオオタニワタリ(アスプレニウム)ですね!
− シダ植物の「ここが好き!」ポイントはどんなところですか。
そらベジさん:シダは形や発色が好きなのはもちろん、全体的に育てやすい植物です。陽が入りにくい室内でもぐんぐん育つだけではなく、肥料がなくても問題なく育ちます。価格も財布に優しく、水をやりすぎても大丈夫!さらに虫がつきづらい!など、おすすめポイントがぎゅっと詰まった植物なんです!
しかも、沖縄ではシマオオタニワタリを天ぷらにして食べられているという!非常食(?)にもなっちゃう植物なんです!自分も食べましたが、葉っぱ独特の苦味もなくワラビのようなクセのない山菜味でした。いろんな形が生産されていているので、お気に入りの子を探す楽しみもありますよ!(※観葉植物のシダは食用ではないため、食べないでください)
− オオタニワタリ、食べてみたいです!食べると言えば、パッションフルーツがお好きなんですよね。パッションフルーツはどういう食べ方がおすすめですか。
そらベジさん:パッションフルーツは大好きです!食べ方はスムージーがおすすめです。種ごと他のフルーツとミキサーで撹拌してできあがり。
タネの中にはアンチエイジングの成分が入っていたりホルモンバランスを整えるビタミンB6が入っていたり、さらに「女性のビタミン」とも呼ばれる葉酸も多く、女性の健康に役立つフルーツなんです!また、タネが食感のアクセントにもなっています。
− そらベジさんが思う植物の魅力はなんですか。また、植物は好きだけれどうまく育てられないなどお悩みを抱えている方へアドバイスをいただきたいです。
そらベジさん:自分が思う植物の魅力は1つとして同じものはない事です!同じ環境、条件で育てていても違った仕上がりになったり、突然変異で葉っぱがカールしてみたり。白くなる斑入り植物に変化することもあります。
剪定をして、自分だけのお気に入り植物を好みに仕立てることができることも植物の楽しさの1つだと思います。
うまく育てられないなど、お悩みについては日々たくさんの質問をいただいているのですが、不調の原因は土にあることが非常に多いです!植物の健康は土が8割と言っても過言ではないかもしれないです。安くても大丈夫なので、必ずホームセンターで土を買って使うことをおすすめしています!
ちなみに先日「AND PLANTS SOIL」を使ったのですが、有機質が多く良い土でしたよ。あと、水のやりすぎも不調の原因になりますので、土の状態をチェックして管理することが大事だと思います。
[https://andplants.jp/products/andplantssoil-25l]− これから育ててみたい植物、気になっている植物はなんですか。
そらベジさん:これから育ててみたい植物は、巨大なシダ植物ですね。シダ植物の中でも木生シダという種類は巨大になるのですが、その中でも約3億6000年前から存在し、生きた化石と呼ばれているヒカゲヘゴが欲しいです!
高さは最大で15mほど、葉っぱだけでも2m近くまで成長するワイルドなやつです。恐竜がいた頃からそのままの植物っていうのもロマンがあっていいなと。部屋の中で育てたらそこはもうジュラシック・パークになってしまうかもしれませんね!
− 植物を購入するとき、ここは要チェック、気にしてちゃんと見てから買ったほうがいい!というところを知りたいです。また、ネット通販で買う時のポイントも。
そらベジさん:基本的に鉢の底から根が溢れすぎていないかを見ることが多いです。根が詰まり過ぎているとすぐに植え替えが必要だったり、どうしても健康な状況とは呼べないことが多いです。
野菜なら下葉が残っているものを選ぶと良いですね。種から芽が出てずっと健康に育ってきたバロメーターになるので、大事な見極めポイントです!すごくシンプルなところだと葉っぱが沢山あるものは元気なことが多いです。
食べ終わったアケビのタネを発芽させたもの。コーヒーカップは小さな温室として再利用
− 今までいろんな園芸グッズを使ってきたと思います。中でも「これは本当に使える!」というアイテムを教えてください。
そらベジさん:先ほど「土が8割」とお伝えしましたが、残りの2割、いや3割ぐらいは鉢が大事だったりします!スリット鉢を使っておけばどんな植物も元気にぐんぐん育ちます!
室内で育てるなら、植物ライトはインテリアとしても非常に優秀なのでおすすめです。あと、スクイーズボトル。植物の隙間にもピンポイントに水やりをすることが出来るので、室内で植物を育てる時には重宝しますよ!
モンステラに使うためのライトは色調の幅が広く太陽光に近いものをセレクト
他にもAmazonなどで売っているミスト噴霧器スプレーも好きで使っています。肥料ではハイポネックスとか。
− ミスト噴霧器スプレーは私も愛用していますが、本当使えますよね。手も疲れないし。
ベランダが良すぎて引っ越せない家は最初は二人暮らしだった
− つい植物のことをたくさん聞きたくなってしまいますが、お家のことを。この家に住み始めてから何年目ですか。また、選んだきっかけもお聞かせください。
そらベジさん:今の家は4年目くらいになります。選んだきっかけはとにかく広いベランダと陽当たりを重視しました。友達とシェアハウスとして借りたので、間取りは2DKです。後に友達と円満別居となり、一人でずっと住み続けている感じです。この家はベランダが良すぎて他の家に引っ越せないのが悩みですね。
− 円満でなにより笑 そしてベランダ事情は嬉しい悩みですね。家の中は植物、デスクとチェアと家電とだいぶミニマムですが、これは意図あってのことなんでしょうか。
そらベジさん:物が増えると落ち着かなくて、捨てたり売ったりを繰り返した結果、ミニマムに収まってました。今は撮影もあるので室内は植物でもりもりですが、元々はベランダで楽しむ植物だけだったので、室内は何もない空間が広がっていました。
− 特にこれといった収納もなく、キッチンに少しあるだけですね。本や服などそういった物は別の部屋に収納されているのですか。
そらベジさん:別の部屋に収納しているのですが、それも他の方と比べるとかなり少ない方だと思います。家に遊びにきた友達から、物が無さすぎて驚かれるくらいなので。
− キッチン周りも必要最低限、炊飯器などもないようですが、自炊するんですか?
食器は使う分だけ。収納は換気扇の上を利用
そらベジさん:お米はフライパンを使って炊いています!毎度違った仕上がりになるので、それも面白がって炊いています。基本食事は自炊なんですが、調理自体は味噌やめんつゆを使った炒め物がメインで、包丁も洗うのが手間に思えてしまうので、キッチンバサミで切って調理しています。もっと凝った料理にもこれからチャレンジしようと思っていますよ。
− きっと植物のための環境作りも意識されているとは思いますが、インテリアで気にしていることやポイントがあれば教えてください。
そらベジさん:気にしているポイントはものを増やさないことです!ものが増えるといろんなところに気が散ってしまうので、なるべくシンプルにして目を瞑っていても家事のすべてこなせるような環境を作ろうと思っています。
照明に関しては大事にしていてソケットライトを4つ部屋に配置してます。シーリングライトも調光のものにしていて、夜は暖色中心の明るすぎない、落ち着きのある空間になるようにしています
− これからこの部屋をアップデートする予定はありますか。その場合、今気になっているアイテムなどを知りたいです。
そらベジさん:アップデートの予定は植物の台を増やそうと思っています!アンドプランツさんの台がちょうどいい高さで近日購入予定です。気になっているというか欲しいものは、欲をいうとDRAW A LINE(ドローアライン)はかなり気になっています…とっても欲しいアイテムです…!
− DRAW A LINEが取り付けられて目を瞑って家事をこなせるようになった時はまた取材させてくださいね!ありがとうございました!