「鉢植えには鉢底石を入れるもの」と考えている方は多いと思いますが、「鉢底石はいらない」という意見も耳にすることがあるのではないでしょうか。
植え替えのたびに石を洗ったり、分別したりするのは手間がかかるため、もし不要なら省きたい方も多いはず。そこで今回は、「鉢底石はいらない」は本当かどうか解説します。
鉢底石の役割から、不要と言われる科学的な理由、ケース別の判断基準まで詳しく解説するので、ぜひ最後まで一読してみてください。
[https://andplants.jp/products/andplants_drainagestones]鉢底石とは?
鉢底石とは、プランターや鉢の底に敷き詰める大粒の石のことです。土の層の下に隙間の多い石の層を作ることで、排水をスムーズにする役割があります。
主な種類
鉢底石には、主に以下の種類があります。
- 軽石:一般的によく利用される通気性が良く安価なもの
- ビーナスライト:黒曜石を高温で焼いて発泡させたもの
- ゼオライト:アルミノケイ酸塩でできた多孔質の天然鉱物
ゼオライトは、多田の鉢底石としての利用でなく、根腐れ防止剤や水質浄化としての働きもあります。そのため、粒の小さいものは土に混ぜたり、ハイドロカルチャーとして利用されたりもすることも多いです。
鉢底石の必要性

鉢底石の最大の目的は、「排水性(水はけ)」と「通気性」の確保です。 鉢の底は水が溜まりやすく、酸素が不足しやすい場所です。
鉢の形状や底穴の数によっては、鉢底に水が溜まりやすい場合があります。鉢底石を敷くことで底穴が土で塞がるのを防ぎ、余分な水を素早い排出が可能です。
鉢内の水がスッと流れると、根が呼吸困難に陥って腐ってしまう「根腐れ」を防ぐことができます。
[https://andplants.jp/products/andplants_drainagestones]「鉢底石はいらない」と言われる理由

「鉢底石はいらない」と言われる理由には、「毛細管現象」による科学的な根拠があります。
性質の異なる「土の層」と「石の層」が重なると、その境界線で水の移動がスムーズに行われず、かえって土の層の下部に水が溜まってしまうとされるためです。
また、浅い鉢の場合は鉢底石を入れることで土の容量が減り、逆に乾燥しやすくなったり、根が伸びるスペースを奪ったりするデメリットがあります。それらの理由から「鉢底石はいらない」という説が広がっています。
ただし、毛細管現象に関しては、土がピートモス単体、またはピートモス含量が多い繊維質な土でない限り、あまり影響はないと感じています。
筆者はさまざまな土を利用して植物を育ててきました。団粒構造がしっかりとした無機質主体の土であれば、毛細管現象による「土の層」と「石の層」の境界線による水分移動の悪影響は感じたことはありません。
そのため、極端に小さかったり浅かったりする鉢でない限り、基本的には排水性と通気性を確保するために入れた方が良いでしょう。
ケース別|鉢底石の必要・不要

栽培環境や使用する鉢の種類よっては、鉢底石の必要性は異なるケースもあります。鉢底石が必要なケースと不要なケースを紹介します。
鉢底石が必要なケース
鉢底石が必要なケースは、以下の通りです。
- 鉢底穴が1つしかない鉢
- 5号以上の大きな鉢やプランター
- 根腐れしやすい植物
鉢底穴が1つしかない鉢は、目詰まりをして水の排出がうまくできない場合が多いので、鉢底石を入れて土が詰まらないようにしましょう。
大型の鉢やプランターほど、土の重みで鉢底の土が固まりやすいので、気を付けてください。
鉢底石がいらないケース
鉢底石がいらないケースは、以下の3通りです。
- スリット鉢
- 3号以下の小さな育苗用の鉢やポット
- 排水性の高い土
スリット鉢とは、側面に排水用の切れ込みがある鉢です。排水性と通気性が非常に良いので、鉢底石を入れなくても根腐れを起こしにくい特徴があります。
あまりに小さい鉢に鉢底石を入れると、土の容量が少なくなります。根を回すためにも石を入れるスペースを土に充てた方が生育が良いでしょう。
粗めの多肉植物の土やサボテンの土の場合は、元々が排水性と通気性がよく、大きめの軽石が使用されていることも多いため、鉢底石を省略しやすいです。
鉢底石の代用品に使えるアイテム

鉢底石を利用するにあたり、「重いのが嫌」「分別が大変で面倒」「いつも使っている鉢底石がない」といった方も多いはず。そんな場合は、以下の代用品がおすすめです。
- 発泡スチロール
- 割れた素焼き鉢の破片
- ハイドロボール
- 大きめの化粧石
- 河原や草むらに落ちている石
発泡スチロールは筆者もよく鉢底石代わりに利用しますが、非常に軽く排水性を良くしてくれるアイテムです。ただし、空気が乾燥していると静電気で鉢の周囲にくっつくので、植え替え作業がしにくい場合がある点には注意してください。
鉢底石の代用品になるアイテムは、適度な隙間ができて鉢底で崩れにくいことがポイントです。また、鉢底石を洗濯ネットのような網に入れて利用すると、分別や植え替え作業を簡略化することができます。
まとめ
鉢底石は、大切な植物を根腐れから守るための「保険」のような存在です。近年の鉢や土の進化により、スリット鉢や高機能な培養土を使えば、鉢底石を入れずに植物を育てられるケースは増えています。
しかし、大きな鉢や水はけに不安がある場合は、やはり敷いておくのが無難です。使う土や鉢の形状、植物の性質を見極めて、上手に使い分けてみてください。
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