植物とロマンが同居する家。DIYと試行錯誤を楽しむ実験精神と緑があふれる暮らし DATE : 2026.07.23
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植物とロマンが同居する家。DIYと試行錯誤を楽しむ実験精神と緑があふれる暮らし

神奈川県で中古の戸建てをリノベし、植物とヴィンテージ家具に囲まれて暮らすモリタさん。塊根植物からビカクシダ、定番の観葉植物まで幅広く育てる日常や、園芸に使える100均アイテムなどを教えていただきました。

名前:モリタさん
職業:会社員
Instagram:https://www.instagram.com/k.tem05/

「なんだこれは?」好奇心から始まった植物ライフ

ー お部屋を見渡すと、定番の観葉植物からビカクシダ、塊根(かいこん)植物まで本当にたくさんの植物を育てていますね。今、どれくらいの数と暮らしているんですか?

モリタさん: 植物自体は10年くらい前から育てているんですけど、数でいうと鉢物が20〜30、ビカクシダも入れて全体で50株くらいだと思います。

植物を育て始めるきっかけとなったグラキリス

ー 50株! すごいボリュームですね。そもそも、植物に興味を持った最初のきっかけは何だったんですか?

モリタさん: 最初は「部屋に植物を置きたいな」っていう、ごく普通の動機でした。当時、Instagramのおすすめに塊根植物が出てきて、「なんだこれ!?」っていう好奇心からリンクを辿っていったのが始まりです。最初はパキポディウムが気になったんですけど、当時はどこに売っているのか、買い方すら分からなくて。

ー たしかに10年前だと、今ほど専門店も多くなかったですし、買える場所が限られていましたよね。初めて迎えた植物はどこで購入されたんですか?

モリタさん: ネットですね。楽天の中の園芸店だったと思います。初めて迎えたのが「ドルステニア・フォエチダ」でした。そこから少しずつ増やしていった感じです。

ー はじまりは一般的な観葉植物ではなく、塊根植物だったんですね。

モリタさん: そうですね。その後にビカクシダにハマっていきました。その時も初めて塊根植物を見たときと同じで、リドレイを見て「なんだこれは!」となって(笑)。ただ、リドレイを調べたら、いきなり育てるのは難しそうだなと感じたので、まずは他の育てやすい種類のビカクシダから始めて、管理を多少勉強してからリドレイを迎えました。

ー ちゃんとステップを踏まれたんですね。実際に育ててみて、どうですか?

モリタさん: 僕はもともと、試行錯誤することがすごく好きなのもあって、育てる「過程」そのものにめちゃくちゃ魅力を感じています。 特に深くハマるきっかけになったのは「グラキリス」との出会いです。独特な見た目はもちろんですが、発根していない株(未発根株)からの発根管理に試行錯誤する中で、「育てるプロセスの面白さ」に完全に気づきました。今の目標は「実生(みしょう。種から育てること)」をやりたくて。その種を採るために、株の数を増やしました。

塊根植物は2階のベランダで管理

タンクブロメリアも2階で管理

あえて「簡単?」に挑む。定番の観葉植物が見せる奥深さ

ー お部屋にはフィカス・ウンベラータやシダ、ベンジャミン・バロック、ポトスといった定番の観葉植物も並んでいて、どれも綺麗に育っていますね。これらはどういう出会い方だったんですか。

モリタさん: これも「試行錯誤」じゃないですけど、一種の実験的要素があるんです。あえて誰もが知っていて、どこでも手に入りやすく、かつ「簡単に育てられる」と言われている品種を、「うちの環境で育ててみたらどうなるんだろう?」って思ったのが買い始めたきっかけなんです。

ー たしかに「簡単」と言われていても、実際に家で育ててみると「あれ?」となるケース、よくありますね。実際に育ててみていかがですか。

モリタさん: 「気になるからやってみよう!」で始めてみたものの、実際に育ててみると、ポトスやパキラみたいに一般的に強いとか育てやすいと言われている種類でも、間延びさせずに綺麗な姿をキープして育てるのって実はすごく難しいな、と感じました。よく見かける観葉植物ならではの相性や奥深さに、また新しく出会えた気がしています。

バーはご自身で取り付け。植物や冬は洗濯物干しとしても使用

ー 普段、植物たちはどこで購入されることが多いですか。

モリタさん: 観葉植物に関しては、茅ヶ崎にある「LUFT(ルフト)」さんというお店で買うことが多いですね。すごく素敵なお店なんです。あとは、ホームセンターが多いですね。まだ子どもが小さいので、ホームセンターならファミリーで気兼ねなく行けることもあって、最近の出会いの場はもっぱらホームセンターです(笑)。ビカクシダを仕立てるための板やワイヤーなどの資材も揃うので、よく行きます。

ー お部屋に植物をお迎えする基準って何か決めていたりするんですか。

モリタさん: まずはやっぱり、直感で見た目が好きかどうかが一番。その次に自分がちゃんと育てられそうかを考えます。うちでいうなら、塊根植物とビカクシダは見た目重視で、そこから育て方を考えて。塊根植物とビカクシダに手がかかる分、後から選んだ観葉植物は、比較的手をかけなくても育てられるかどうかを考慮して迎えました。

朝も夜も。日々のリアルな植物ライフ

ー 普段、植物の管理はどうされていますか。

モリタさん: 夜は子どもが起きている時間は管理ができないので、寝かしつけをしてからチェックをしています。疲れていると一緒に寝ちゃう時もあるんですけど。その時は次の日の朝にシャワーでざーっと水やりをします。この家に引っ越す前はベランダとお風呂場を何回も往復していましたが、今は庭に出して水やりできるので、めちゃくちゃ楽になりましたね。

ー 10年近く植物と暮らしてみて、心情の変化や気づきはありましたか?

モリタさん: ありましたね。まず、天気予報をすごくよく見るようになったし、湿度や気温の変化には自分自身も敏感になりました。

あとは、お世話をしなきゃいけないという義務感よりは、ちょっと今、水やりしようかなって動く時間が、すごくいいリフレッシュになっているんです。仕事で疲れていたり、色々忙しかったりしても、その時だけはパッと気持ちが切り替わるというか。その瞬間って、それ以外のことを考えないじゃないですか。だからすごくいい変化だなと思っています。

妻のリサさんが愛着を持って選んだチランジア

ー 植物を育てる上で、一番意識していることってありますか。

モリタさん: やっぱり、よく見ることですかね。葉っぱの状態を見たり、土や水苔を触ったり。それは意識しているというより、必要だからやっている感じです。というのも、僕、いつ水やりしたかを頭で覚えていられなくて(笑)。

ー 管理する数が増えると、もう記憶だけじゃ無理ですよね。

モリタさん: そうなんですよ。「なんとなく1日前くらいにやった気がするけど、どうだっけな。乾いてるかな、どうかな」みたいな。だからこそ、自分の目で見て、実際に触って確かめるっていうのが、僕にとっての一番の管理方法なんです。

ー ちなみに、そうした植物関連のケアグッズで、これはお気に入り、手放せない!というものはありますか。

モリタさん: なんだろう……。実は、ハサミとか霧吹きとかは、あんまりこだわりがなくて。100均のものをそのまま使っていたりするんですけど。あ、でも、ひとつだけ「これはめちゃくちゃいい!」っていうのがあります。

ー お、なんですか。

モリタさん: ダイソーに売っている粘着式の綿棒です。これ、カイガラムシを取るのにめちゃくちゃいいんですよ!

ー え!? カイガラムシに粘着綿棒ですか!?

モリタさん: そう、めちゃくちゃいいんです(笑)。もう手放せない。最初はガムテープを丸めてペタペタやって虫を取っていたんですけど、絶対に何かちょうどいいグッズがあるはずだと思って探したら、綿棒コーナーで見つけて。この粘着綿棒なら、虫だけをピンポイントで綺麗にくっつけて取れるんです。

本来は耳掃除とか細かい場所の掃除用なんだと思いますけど、虫取りのために作られたんじゃないかっていうくらいフィットします。カラテアの新芽の隙間に入り込んだ虫とか、手では取れない場所もこれがあれば一発です。

ー それはすごいライフハックですね! 私も今度買ってみます。

ロマンを押し通したフルリノベーションと、空間をゆるく仕切るアンティーク

ー ここからは、リノベーションとお部屋づくり全体のお話を聞かせてください。このおうちは、中古マンションを購入してフルリノベーションされたんですよね。インテリアも含めて、何かコンセプトや軸にしていたことはありますか。

モリタさん: もともとは、ここは普通の和室だったんです。壁を取って広い洋室に変更し、キッチンとも繋げて、ひとつの広い空間にしました。僕の憧れとして、広い空間に、大きなソファと、大きい机を置きたいというのがまず最初にあって、それをベースに作っていきました。 あとは、家具を見てもらうと分かる通り、茶色というか、木製のものを選んでいます。木製のものは他のアイテムとも合わせやすいので、大きな家具を選ぶときは意識して選ぶようにしていますね。

ー インテリアの中で、最近の特にお気に入りや、これは買って正解だった!というアイテムはありますか。

モリタさん: 最近すごく推しているのは、古いアンティークのパーテーションですね。これが本当に便利で。

ー パーテーションは具体的にどういう用途で使われているんですか。

モリタさん: 例えば、あっちに置いてある木のパーテーション。あの裏には、炊飯器や魚焼きグリル、電子レンジを隠しているんです。生活する上で必要なんだけど、リビングから丸見えになるとちょっと生活感が出すぎるかな、というものをゆるく隠してくれる。 あとは、空間を物理的な壁で区切るんじゃなくて、なんとなく「ここからは作業する側」「ここからはご飯を食べる側」っていうエリアの境界線を作れるのが、すごく便利だなと感じています。

料理が好きなのでキッチンは広々

ー なるほど。庭に続くグレーの床の境界に置いてあるパーテーションも、同じ役割ですか?

モリタさん: そうですね。リビングのあのエリアは、もともと半分土足くらいで、外と繋がってガシガシ遊んでもいい場所っていう感覚で作っていて。元の家の時も縁側だったんです。お庭へのアクセス動線でもあるんですけど、そこにパーテーションが1枚あることで、インドアの空間と外の空間が、より自然に分かれている感じがするんです。

ー 空間を仕切りつつ、インテリアのアクセントにもなっていて素敵です。こういうアンティーク調の家具やパーテーションって、普段はどこで見つけてくるんですか。

モリタさん: 辻堂にある「jumble(ジャンブル)」さんというお店でパーテーションに出会いました。セレクトがノスタルジックな玉のれんだったり、僕たちの好みにすごく合っているので気に入っています。

ー この室内につけられている大きな扉が本当に可愛いです。スライド式になってますけど、アンティークの建具をスライドにするのって、施工が大変だったんじゃないですか。

こだわって選んだ黄色い扉

モリタさん: そう、めちゃくちゃ大変だったみたいです(笑)。これ、元々はヨーロッパの本物の玄関扉らしくて。だから、ものすごく分厚くて重たいんですよ。 元々は和室の壁と長押(なげし)があった場所に、どうしてもこの扉をつけたいって工務店さんに相談したら、「重すぎて普通のドア(開き戸)にするのは難しい」と言われて。じゃあスライドにしようとなったんですけど、アンティークだから元からめちゃくちゃ歪んでるんですよね。隙間もあるし、カチッと100%は閉まらない。

最終的には、本来は外にある倉庫とかにつける用のパーツを使って、無理やり吊り下げてスライドにしてもらいました。寒くても隙間があってもいいので、とにかくこれを付けたいんです!ってロマンを押し通しました。表が黄色い塗装なのも、このすりガラスの雰囲気もすごく気に入っています。……まあ、冬はすごく寒い急ですけど(笑)。

ー そのこだわり、最高です。キッチンもかっこいいので、こだわっているのかなと。

モリタさん: 僕も妻も背が高いので、普通のシステムキッチンだと作業するときに腰が痛くなっちゃうんです。だから天板の高さを高くしたくて、自由に高さを選べるtoolboxで選びました。

グリルなしのすっきりしたデザインにして、魚を焼くときは独立した卓上コンロを別に買えばいいかっていう話になって。だからさっきのパーテーションの裏に、そのグリルが隠してあります。

椅子は2脚で80円。 DIY精神で突き詰めるこれからの実験

ー それにしても、お話を伺っていると、ご自身で手を動かすDIYの領域がかなり広いですよね。

モリタさん: そうですね、やれるところは自分でやりたくて。天井にバーをつけたり、塗装屋さんが入る前に、柱や壁を自分で白く塗ったりしました。

シートを張り替えたジモティで2脚80円の椅子

ー 本当に器用ですよね。

モリタさん: 椅子はジモティで見つけたもので飛騨産業の「キツツキマーク」のヴィンテージチェアなんですけど、2脚で80円だったんですよ。

ー は、80円!? 桁が違いますね(笑)。

モリタさん: そう(笑)。ただ、座面の布がボロボロだったので、自分で張り替えました。意外とやってみたら上手くできて。最近はヴィンテージ家具を探すのに、ヤフオクをめちゃくちゃ使っています。ちゃんと目利きをして選べば、オークションは本当に掘り出し物の宝庫ですね。

ベゴニア・マクラータ

株分してみたカラテア

 

ー 最後にこれからやってみたいことなど今後のことをお聞かせください。

モリタさん: 実は、これだけ長く植物を育ていて、この間、初めて挿し木をやったんです。ベゴニア・マクラータでやってみました。それがすごく面白くて、ちょっと色々チャレンジしていこうかなと思っています。

あとは昔、ビカクシダを胞子から育てる胞子培養に挑戦して、その時は全滅して失敗しちゃったので、それもいつかリベンジしたいですし。あとは先にもお話した塊根植物の実生ですね。まずはどうやったら毎年、うちの環境で綺麗に花を咲かせられるか、そこからじっくり実験して、突き詰めていきたいなと思っています。プライベートでは妻が夢だったヴィンテージショップを茅ヶ崎にオープンしまして。応援していきたいです。


AFTER INTERVIEW編集後記

モリタさんの好奇心と試行錯誤を重ねるお家。そこには、大切に育てているグラキリスだけでなく、妻のリサさんが愛着を持って選んだチランジアやオージープランツ、子供たちと一緒に成長を見守る家庭菜園など、家族みんなの育てる喜びが溢れていました。一歩足を踏み入れた瞬間に心から温まるのを感じる。それはきっとこの空間で、植物たちと一緒に家族の思い出も大切に育まれているからなのだと思いました。


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