「観葉植物をお部屋に飾りたいけど、管理が面倒」
「そもそもハイドロカルチャーって何?」
「ハイドロカルチャー」といった言葉は聞いたことがあっても、楽しみ方や管理方法について、よくわからない方は多いのではないでしょうか。
そこで、今回はハイドロカルチャーを徹底解説します。メリット・デメリットや管理のコツ、おすすめ観葉植物まで紹介します。
初心者も簡単に楽しめる内容なので、ぜひ一読してみてください。
AND PLANTSでは、「クリアプランツ」としてハイドロカルチャーを取り扱っています。お部屋で清潔に楽しめる観葉植物を、ぜひ飾ってみてください。
[https://andplants.jp/collections/clear_plants]ハイドロカルチャーとは
ハイドロカルチャーとは、土を使わない水耕栽培のことです。水だけで育てる水栽培も水耕栽培の一種と言えます。
主に、ハイドロカルチャーは無機質素材を土の代用品として利用していることが多いです。鉢底穴の開いていない容器に水を溜めて、観葉植物を育てます。
土栽培とハイドロカルチャーの違いを、メリット・デメリットとして見ていきましょう。
- ハイドロカルチャーのメリット
- ハイドロカルチャーのデメリット
ハイドロカルチャーのメリット
ハイドロカルチャーのメリットは、以下の通りです。
- 害虫が発生しにくい
- 嫌なにおいがしにくい
- 水管理がしやすい
- 土栽培に比べて衛生的
- 穴の開いていない容器を利用できる
有機物を含む土を使わないため、害虫や嫌なにおいが発生しにくく衛生的です。また、穴が開いていない鉢を使用するため、水の管理も簡単。
透明なガラスや陶器の湯飲みなどを容器として使うと、インテリア性を高めることもできます。
ハイドロカルチャーのデメリット
ハイドロカルチャーのデメリットは、以下の通りです。
- 気温の影響を受けやすい
- 成長が遅い
- 徒長しやすい
ハイドロカルチャーは、水を溜めて管理する仕組みなので、気温の影響を大きく受けます。真夏はお湯になって根が茹ってしまったり、真冬は水が冷たくなって根傷みしたりしやすいです。
真夏は冷房が効いた部屋に、真冬は暖房の効いた部屋で管理すると良いでしょう。水だけで育てる形なので、土栽培に比べて成長が遅いです。
しかし、小さく管理したい方にとってはメリットとも言えます。ただし、根を常に水に浸していると、徒長しやすい点には注意してください。
日頃から、日当たりの良い場所で管理すると、徒長を防ぎやすいです。
ハイドロカルチャーの管理方法

ハイドロカルチャーの管理方法を、以下の5つのポイントに絞って解説します。
- 置き場所と日当たり
- 温度
- 水やり
- 肥料
- 植え替え
それぞれ詳しく見ていきましょう。
置き場所と日当たり

ハイドロカルチャーは、日当たりと風通しの良い場所に置いてください。土栽培と同様に暗い場所に置くと、葉がポロポロと落ちたり徒長したりする原因になります。
土の代用として無機質資材を使用していても、風通しが悪い環境ではカビが発生する可能性があります。ホコリや空気中の養分を媒介にしてカビが生えることがあるためです。
季節を問わず、日当たりと風通しのよい環境に置いて管理してください。
温度

温度については、ハイドロカルチャーに利用している観葉植物の最低温度を守りましょう。例えば、最低温度を10℃以上が必要なコーヒーの木であれば、室内温度が10℃を下回らないように管理します。
ハイドロカルチャーは、温度の影響を受けやすい育て方です。冬は冷え込む窓際から20~30㎝ほど離して、冷気の影響を受けないようにしてください。
使用しているガラス容器や溜めている水が、冷たくなると根傷みの原因となります。冬は、なるべく暖かい場所で管理すると安心です。
水やり

ハイドロカルチャーの水やり方法は、季節を問わず、水がなくなったら水やりしてください。ガラスやプラスチックなどの透明な容器に植えている場合は、一目で水量が確認できます。
容器に溜まっている水がなくなったら、容器の1/5ほどの水を注いでください。もし、水を入れすぎた場合は、無機質素材がこぼれないように容器を傾けて排水します。
陶器のように不透明な容器の場合は、あらかじめ水やり前の重さを確認しておくことが重要です。植物の状態と重さを確認して、水やりします。
水耕栽培専用の水位計を使うと、初心者の方でも一目で水管理がしやすいでしょう。ハイドロカルチャーは、水をやりすぎると根腐れに繋がるので、与えすぎには注意してください。
肥料

ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる場合、基本的に肥料は与えない方が管理しやすいです。肥料を与えることで、ガラス容器にコケが生えたり無機質素材にカビが生えたりする原因になります。
ハイドロカルチャーは生育がゆっくりであるため、大きく育てることには向いていない育て方です。なるべく肥料を与えずに育てた方が、姿かたちを維持したまま管理できます。
もし、葉色の薄さが気になる場合は、ハイドロカルチャー用の液肥を与えると良いでしょう。
植え替え

無機質素材を使ったハイドロカルチャーの場合、植え替えは必要です。無機質素材の表面に根が見えたり、容器の底で根がグルグルと回っていたりすると根詰まりをし始めています。
植え替え時期は、4~10月です。容器から無機質素材ごと取り出します。根を傷めないようにほぐして、新しい無機質素材を使って植え替えしてください。
素材によっては、うまく根を取り出すことができないかもしれません。もし綺麗に根を取り出せない場合は、傷んでいる根だけを取り除き、一回り大きな容器に入れます。周囲の空いたスペースに新しい無機質素材を入れてください。
ハイドロカルチャーで育てる際の注意点

ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる際の注意点は、以下の3点です。
- 容器に直射日光を当てない
- 水温を下げ過ぎない
- 不安定な場所に置かない
注意点に気を付けるだけでも、ハイドロカルチャーはグッと管理しやすくなるので、ぜひチェックしてみてください。
容器に直射日光を当てない
ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる場合は、容器に直射日光を当てないでください。温度の影響を受けやすいため、直射日光によって容器内の水が温められて根傷みを引き起こすためです。
特に、透明な容器に水だけで育てている場合は、根に直接日光が当たります。根は本来、真っ暗な土の中を伸びるため、日光に当たることを嫌います。
直接日光が根に当たると、根の生育に悪影響を与えるので注意してください。
また、透明容器に直射日光が当たると苔の発生に繋がります。特にハイドロカルチャー用の肥料を使用していると、苔が発生しやすいです。
インテリアとしての見た目が悪くなるだけでなく、吸水の阻害にもつながるので、容器には直射日光が当たらないように管理してください。
水温を下げ過ぎない
ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる際は、水温を下げ過ぎないように気を付けましょう。温度の影響を受けやすいため、冬に容器内の水が冷やされると、根傷みに繋がります。
また、ハイドロカルチャーで育てている観葉植物を屋外で管理している場合は、気温が下がり始める秋には、室内に移動させてください。さらに、冬の窓際は冷え込むので、冷気の影響を受けないように窓から20~30㎝離しておくと安心です。
暖房の効いたお部屋で管理してください。就寝後に温度がグッと下がる場合は、植物用のヒーターマットを利用すると、冬でもハイドロカルチャーの管理が簡単です。
不安定な場所に置かない
ハイドロカルチャーの観葉植物は、不安定な場所を避けてください。理由は以下の通りです。
- ガラスや陶器鉢などに植えられているので割れる可能性があるから
- 水を溜めているため、倒れるとこぼれてしまうから
容器の見栄えも意識して、ガラスや陶器などを利用している方は、不安定な場所に置いて倒れないように注意してください。ガラスや陶器は倒れたり落ちたりすると割れやすく、怪我の原因になります。
安全にハイドロカルチャーを楽しむためにも、ガラスや陶器の容器を利用する場合は、不安定な場所には置かないようにしましょう。
また、水がこぼれるとトラブルになる場所には注意してください。電子機器やシミができやすい床などの周囲に置く際には、「不安定でないか」確認しておくと安心です。
ハイドロカルチャーにおすすめの観葉植物

ハイドロカルチャーにおすすめの観葉植物を、5種類紹介します。
- オキシカルジューム
- テーブルヤシ
- ポトス
- ヘデラ
- ガジュマル
これからハイドロカルチャーを楽しむ方は、ぜひ参考にしてみてください。
オキシカルジューム
日当たり | 風通しのよい日陰(室内) |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2~3日後 |
オキシカルジュームは、ポトスの仲間で初心者の方にも育てやすい植物です。つる性の植物で、着生できるヘゴ板やコルクなどがなければ、枝垂れるように茎が伸びます。
垂れ下がる姿を楽しむハイドロカルチャーとして、インテリアに人気です。暑さには強いですが、寒さには弱いため気温が下がりやすい場所に置くのは避けましょう。
サイズ感もコンパクトなので、棚やデスクに飾るハイドロカルチャーとして楽しんでみてください。
[https://andplants.jp/collections/oxycardium]テーブルヤシ

日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光を避ける) |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
テーブルヤシは鮮やかな濃緑の葉が特徴のミニサイズのヤシ科植物です。涼しげな見た目と南国の雰囲気、初心者でも育てやすい特徴から、インテリアグリーンとしても人気があります。
明るい場所であれば簡単に育つので、机や本棚などちょっとしたスペースにおすすめです。耐陰性も持っているため、初めてお部屋に植物を飾る方にも安心して育てられます。
園芸店やお花屋さん、ホームセンターなどで、テーブルヤシはハイドロカルチャーとして販売されていることがよくあります。南国の雰囲気を楽しめるハイドロカルチャーとして育ててみてはいかがでしょうか。
[https://andplants.jp/collections/parlorpalm]ポトス
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから2~3日後 |
ポトスは、ハート型の葉が人気の観葉植物です。斑入り葉や葉色などが異なる品種が多く、どんなインテリアにもピッタリと調和する魅力があります。
挿し木で増やしやすい性質があり、水に茎を浸ける水挿しでも簡単に発根します。そのまま、水栽培も可能です。
そのため、ハイドロカルチャーとしても非常に育てやすいので、初心者におすすめの植物と言えるでしょう。比較的、日光の条件に対して寛容なので、普段忙しい方でも管理しやすいです。
[https://andplants.jp/collections/pothos]ヘデラ

日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから2~3日後 |
ヘデラは、丸みのある星型の葉が可愛らしいツル性植物です。ハート型やカール型などの葉の形もあり、葉色や模様も品種によって異なります。
植物を初めて迎える方にも育てやすく、増やすことも簡単なため人気の植物です。水挿しで簡単に発根して、そのまま水栽培としても育てることができます。
ツルをぐんぐん伸ばす特徴があるので、支柱や針金でトピアリーを作ったりハンギングでツルを枝垂れさせたりするとおしゃれです。清潔に楽しめる最初のハイドロカルチャーとしていかがでしょうか。
[https://andplants.jp/collections/ivy]ガジュマル

日当たり | 日当たりのよい置き場所(室内) |
温度 | 最低0℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
ガジュマルは、たくましい幹をしているユニークな観葉植物。お世話もしやすいので植物初心者の方にもおすすめです。
ガジュマルは幹の途中から「気根」と呼ばれる根っこを出して、空気中の水分を吸収して体内に取り込む性質があります。気根は切っても問題ないですが、そのままにしておくとガジュマルのワイルドなインテリア性を高めてくれるでしょう。
水耕栽培としても育てやすく、ユニークな幹をおしゃれに楽しむことができます。
[https://andplants.jp/collections/chinesebanyan]ハイドロカルチャーの作り方

ハイドロカルチャーの作り方は以下の手順で行います。
- 観葉植物の土を綺麗に洗い落とす
- 発根剤に1時間ほど浸しておく
- 容器を消毒しておく
- 植え込み資材を洗う
- 植え込み資材と一緒に植える
ハイドロカルチャーをご自身で作る場合は、土に植えられている観葉植物の根を綺麗にするところから始めます。水挿しで増やせる観葉植物であれば、茎やツルを剪定して発根するのを待つのも良いでしょう。
容器はあらかじめ、煮沸消毒やアルコール消毒しておくと安心です。容器が汚れていると、植え込んだ後に雑菌が繁殖して、生育に悪影響を与える場合があります。
無機質の植え込み資材の種類にもよりますが、埃や塵、屑などが混入していることもあるので、植え込み前に洗って乾かしておくと安心です。筆者はハイドロボールを購入した際に、袋内で崩れていたりゴミが入っていた経験があります。
綺麗な植え込み資材と一緒に観葉植物を植え付ければ完成です。
ハイドロカルチャーの植え込み資材

ハイドロカルチャーの植え込み資材にはさまざまな種類があります。ここでは、土の代用としてよく使用される無機物素材を5つ紹介します。
- オアシス
- ハイドロコーン(ハイドロボール)
- エコ杉
- 炭
- ピュアライト
- パフカル
ハイドロカルチャーの育てやすさや、雰囲気などを左右する無機物の植え込み資材。質感や色などは、インテリア性に大きく影響するので、お部屋の雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。
無機物とは、鉱物や人工物など自然界の生命活動に関与しない物質のことをさします。無機物は有機物と違い、虫の発生の原因にならない清潔な用土です。
虫の発生を極力避けたい方は、無機物にこだわってハイドロカルチャーとして観葉植物を育ててみてください。
それぞれの無機物素材の特徴については、「観葉植物の水耕栽培」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
ハイドロカルチャーによくある質問

最後に、ハイドロカルチャーによくある質問についてお答えします。
- ハイドロカルチャーにおすすめの鉢は?
- ハイドロカルチャーにはゴキブリが出る?
- ハイドロカルチャーの植え込み資材やガラス容器が白くなるのはどうしたらいい?
- ハイドロカルチャーの植え込み資材の選び方は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハイドロカルチャーにおすすめの鉢は?
ハイドロカルチャーにおすすめの鉢は、透明で深さのあるガラス容器がおすすめです。透明の容器であれば、水量の確認をしやすいため、水のやりすぎによる根腐れを防ぐことができます。
また、厚みのあるガラス容器ほど、夏や冬の温度変化の影響を受けにくいです。プラスチックや金属の容器は温度の影響を受けて、根傷みに繋がるのでおすすめしません。
もしプラスチックや金属の容器でハイドロカルチャーを楽しむ場合は、夏は涼しく冬は暖かい場所で管理してください。
ハイドロカルチャーにはゴキブリが出る?
ハイドロカルチャーであっても、ゴキブリが発生する原因になります。いくら清潔な無機質の植え込み資材であっても、観葉植物自体が有機物であるためです。
管理方法や寒さなどによって、観葉植物が枯れた場合はゴキブリが発生しやすい状況です。屋外から侵入したゴキブリが、枯れた観葉植物周囲に住み着くことも考えられます。
ゴキブリを見つけたら殺虫剤で適切に対処してください。枯れている観葉植物は処分して、新しい植物をハイドロカルチャーとして楽しむと良いでしょう。
ゴキブリを発生させないためにも、常に手入れして元気に育ててください。
ハイドロカルチャーの植え込み資材やガラス容器が白くなるのはどうしたらいい?
ハイドロカルチャーの植え込み資材やガラス容器が白くなるのは、水に含まれるミネラルが原因です。いわゆる水回りで起こる水垢と同じと考えてください。
白くなった植え込み資材は、新しいものに交換することをおすすめします。容器に付着したミネラル分は、水垢落とし用のクエン酸スプレーや洗剤などで擦り落とすことができます。
白くなっている部分がふわふわとしている場合は、カビである可能性が高いです。カビの場合は、新しい植え込み資材と容器で植えなおして管理を見直しましょう。
ハイドロカルチャーの植え込み資材の選び方は?
ハイドロカルチャーの植え込み資材には、さまざまな種類があります。見た目や性能などの特徴が大きく異なるため、「飾り方」「育て方」を基準に選ぶと良いでしょう。
例えば、おしゃれに楽しみたい方は「炭」「エコ杉」の植え込み資材がおすすめです。インテリア性が高く、お部屋の雰囲気を高めてくれるでしょう。
ハイドロカルチャーでも生育を楽しみたい方は、「ピュアライト」「パフカル」の植え込み資材が良いでしょう。どちらも水と空気を植物にバランスよく供給できるので、元気に育ちやすいです。
ぜひ飾り方や育て方などを考えて、植え込み素材を選んでみましょう。
まとめ
ハイドロカルチャーについて紹介させていただきました。ハイドロカルチャーは、観葉植物をお部屋に置くことに抵抗がある方でも、取り入れやすい育て方です。
清潔で虫の発生も少ないので、安心して育てられるでしょう。透明な容器であれば水管理も簡単です。
観葉植物や無機質の植え込み資材にこだわれば、おしゃれなインテリアグリーンとして活躍します。ぜひ素敵なハイドロカルチャーをお部屋で楽しんでください。
AND PLANTSでは、「クリアプランツ」としてハイドロカルチャーを取り扱っています。お部屋で清潔に楽しめる観葉植物を、インテリアに合わせておしゃれに飾ってみてはいかがでしょうか。
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