「観葉植物をお部屋に飾りたいけど、ゴキブリの発生源になりそう」「そもそも観葉植物は、ゴキブリが住み着くの?」といった不安や疑問を持っていませんか。
ゴキブリは18℃を超えると活動時期に入ると言われています。春夏の暖かくなる時期に適切な知識や対策を知っておかないと、気づいたら住処になっているかもしれません。
「気付いたら観葉植物の下から大量にゴキブリが…」という最悪の事態を避けるためにも、あらかじめゴキブリ発生の原因と対策を知っておくことが大切です。
そこで、今回は観葉植物に発生するゴキブリについて詳しく紹介します。
観葉植物がゴキブリの発生源になりやすい理由や発生した際の対策、駆除方法についても解説します。発生理由や対策を知っておくと、いざ発生した場合にすぐに対処できるでしょう。
観葉植物がゴキブリの発生源になりやすい理由
観葉植物がゴキブリの発生源になりやすい理由は、以下の3つです。
- 隠れられるスペース
- 湿度や温度が一定
- 土に含まれる有機質
ゴキブリは観葉植物そのものから発生したり、集まったりしているわけではありません。正確に言うと、観葉植物を植えている鉢や土が発生源になっています。
それぞれ、発生源になっている理由について見ていきましょう。
隠れられるスペース
観葉植物の鉢下や受け皿の隙間、鉢と壁の間などは、ゴキブリにとって隠れられる絶好のスペースです。ゴキブリは天敵から身を守るために、見つかりにくい場所に隠れます。
観葉植物に限った話ではありませんが、何もないお部屋にモノを置くだけで、床や壁との隙間は、ゴキブリにとって隠れるスペースの1つとなります。
湿度や温度が一定
観葉植物の鉢下は、湿度や温度が一定になりやすいです。ゴキブリは、暗くジメジメとした暖かい環境を好むため、観葉植物の鉢下や受け皿の中は発生源となりやすい傾向があります。
観葉植物を育てる以上、温度や水やりの管理は必要です。室温を一定に保っていたり、水のやりすぎで土が常に湿っていたりすると、ゴキブリが好む環境になっていきます。
土に含まれる有機質
観葉植物がゴキブリの発生源になりやすい理由は、土に含まれる有機質です。ゴキブリは雑食性であり、腐葉土やたい肥などの有機質を食べます。
そのため、有機質が含まれている土に観葉植物を植えている場合は、ゴキブリが集まり発生しやすい場所と言えるでしょう。土上にゴキブリがいなくても、鉢底穴の隙間から侵入・発生することもあります。
観葉植物に発生するゴキブリ対策

観葉植物に発生するゴキブリ対策は、以下の5つです。
- 無機質の土に植え替える
- 水栽培に切り替える
- 受け皿に溜まった水はすぐに捨てる
- 風通しを良くする
- 置き場所をよく掃除する
それぞれ詳しく解説します。
①無機質の土に植え替える

観葉植物の鉢や土からゴキブリが発生した場合、無機質の土に植え替えましょう。ゴキブリは土に含まれている有機質を食べるために集まっているのかもしれません。
主な無機質の土の種類は、以下の通りです。
- 赤玉土
- 鹿沼土
- 軽石
- パーライト
- バーミキュライト
- ゼオライト
有機質の土を綺麗に取り除き、上記の無機質の土をブレンドして観葉植物を植え替えます。筆者おすすめの無機質用土のブレンドは、「赤玉土:鹿沼土:軽石=6:2:2」です。
育てる観葉植物の性質に合わせて、軽石の量を増やしたりゼオライトを加えたりすると、さらに育ちの良い無機質用土になるでしょう。
筆者はゴキブリが苦手なので、育てている観葉植物の土は無機質用土にしています。
ANDPLANTSでは、有機物無配合の「INLIVING 観葉植物の土」の取り扱いがあります。無機質の土のブレンドが大変な場合は、ぜひこちらの無機質用土も使ってみてください。
[https://andplants.jp/products/inliving-soil-2l]②水栽培に切り替える

観葉植物に発生するゴキブリ対策には、水栽培への切り替えも効果的です。土そのものを使用せず、水だけで育てることで、ゴキブリの発生確率が減少します。
育てる植物の種類や大きさなどは限られてしまいますが、ゴキブリが隠れられるスペースや食べる有機物がなくなると、観葉植物から発生することは少なくなるでしょう。
特に、ハイドロボールやセラミス、パフカルチップなどを使用した観葉植物の水耕栽培(ハイドロカルチャー)よりも、水だけを容器に溜めて育てる水栽培がおすすめです。
③受け皿に溜まった水はすぐに捨てる
観葉植物に水やりした後に、受け皿に溜まった水はすぐに捨てるお手入れも、ゴキブリ対策に効果があります。受け皿に水が溜まっていると、鉢の周囲はゴキブリが好むジメジメした環境になりやすいためです。
さらに、土が湿り続けていると、観葉植物そのものが腐って枯れる点にも注意してください。腐って枯れた観葉植物は、ゴキブリが食べに集まりやすくなります。
観葉植物の受け皿に溜まった水はすぐに捨てて、鉢の周囲がジメジメしたり根腐れさせたりしないようにしてください。
④風通しを良くする
観葉植物に発生するゴキブリ対策には、風通しを良くする管理がおすすめです。具体的には以下の方法で風通しを良くしましょう。
- こまめに窓を開ける
- サーキュレーターを使う
- ハンギングで吊るす
- スタンドを使って鉢と床に空間を作る
ゴキブリはジメジメした環境を好みます。土の乾燥を早めたり、湿った空気が流れたりする工夫は、ゴキブリ対策に効果的です。
プラントハンガーやプラントスタンドを使って観葉植物を床から離すだけでも、鉢下に風通しが生まれます。さらに、ゴキブリが隠れる場所も減るので、ぜひ利用してみてください。
[https://andplants.jp/products/plant-stand-wood-l]⑤置き場所をよく掃除する
観葉植物を置いている場所は、よく掃除をして綺麗にしておきましょう。部屋に観葉植物を多く飾っている方ほど、置き場所の周囲に土やホコリなどが溜まりやすいためです。
ゴキブリは土に含まれる有機質だけでなく、食事の食べかすや抜け毛なども食べます。そのため、鉢周囲のこぼれた土や溜まったホコリは、そのままにすることはないようにしてください。
常に置き場所を綺麗に掃除することで、ゴキブリが住み着きにくく集まりにくい環境を維持できます。また、受け皿に溜まった水や土の状態にも気づきやすくなるでしょう。
観葉植物に発生するゴキブリの駆除方法

観葉植物に発生するゴキブリの駆除方法を4つ紹介します。
- 市販のゴキブリ用駆除スプレーを使用する
- トラップ型の毒餌を置く
- ニームエキス(ニームオイル)を噴霧する
- 鉢の中にゴキブリがいる場合|鉢ごと水に浸ける
それぞれの駆除方法を見ていきましょう。
市販のゴキブリ用駆除スプレーを使用する
観葉植物からゴキブリが発生した場合は、市販のゴキブリ用駆除スプレーを使用しましょう。
ただし、ゴキブリ用駆除スプレーは、ゴキブリ駆除に特化した殺虫剤であるため、成分によっては、観葉植物に大量にかかると枯れる恐れがあります。なるべく、観葉植物にはかからないように、スプレーしてゴキブリ駆除をしてください。
筆者はゴキブリが発生した際に、園芸用の殺虫剤であるベニカスプレーを噴霧したことがありますが、まったく効き目はありませんでした。そのため、ゴキブリが観葉植物から発生した際は、市販のゴキブリ用駆除スプレーで素早く退治すると安心です。

トラップ型の毒餌を置く
観葉植物の鉢や受け皿にゴキブリが発生している場合は、市販のトラップ型の毒餌を近くに置いておくのも効果的です。
ゴキブリは見つけ次第、駆除する方法がおすすめですが、非常に動きが素早いため、逃げられることもあります。あらかじめ、トラップ型の毒餌を置いておくと、自然とゴキブリを駆除できるでしょう。
ただし、トラップ型の毒餌はゴキブリが食べないと効果を発揮しない点には注意が必要です。ゴキブリ用駆除スプレーと併用して、駆除していくと良いでしょう。

ニームエキス(ニームオイル)を噴霧する
ゴキブリ用の殺虫剤で観葉植物が枯れることを心配する場合は、ニームエキス(ニームオイル)を利用するのもおすすめです。ニームエキスに含まれる「アザディラクチン」と呼ばれる成分はゴキブリの成長を抑制させ、最終的に殺虫効果を発揮します。
また、ゴキブリにも効果のある害虫忌避成分の「サラニン」も含まれています。ニームエキスは「ニームの木(インドセンダン)」から抽出されるものであり、植物や人間に無害であるため、安心して使用できるでしょう。
ただし、遅効性なのですぐに駆除できるわけではありません。ゴキブリがいそうな観葉植物や土、鉢下に定期的な噴霧をすることが重要です。
参考資料:ニームの木は地球を救う

鉢の中にゴキブリがいる場合|鉢ごと水に浸ける
鉢の中に小さなゴキブリがいる場合は、深いバケツに水を溜めて鉢ごと浸けて沈めてください。土の中にいるゴキブリを窒息させて退治します。
ただし、全身を油膜で覆われているゴキブリは、水をはじきます。幼虫であっても、完全に窒息させることは難しいでしょう。
そのため、溜めた水にニームエキスやスミチオン乳剤を適量薄める駆除効果があります。スミチオンは市販用や業務用のゴキブリ駆除剤にも使われている薬剤なので、駆除効果が高いです。
幼虫のゴキブリは3~10㎜程度なので、鉢底に網をしていても、網の隙間によっては鉢や土の中に侵入します。そのため、鉢を持ち上げた際に、受け皿に小さなゴキブリを見つけた場合は、鉢底の土内にもゴキブリの幼虫がいると考えて、駆除しましょう。
ゴキブリが嫌う観葉植物

ゴキブリが嫌う成分を持つ観葉植物を、3種類紹介します。
- アロマティカス
- ニームの木(インドセンダン)
- タイム
ただし、お部屋に飾るだけで完全にゴキブリの駆除や忌避ができるわけではありません。紹介する植物が持つ成分を上手に利用することで、ゴキブリが発生しにくい環境を作れます。
ゴキブリが嫌う成分と利用方法も併せて見ていきましょう。
アロマティカス

日当たり | 日当たりの良い置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)1週間後 |
アロマティカスは、ハッカミントのような爽やかな香りが楽しめる多肉植物です。ふわふわとした小さなグリーンの葉を楽しめます。
アロマティカスには、ゴキブリが嫌う「リナロール」「チモール」「シトロネラール」などの成分を持っています。特に「チモール」はゴキブリの忌避に有効とされる成分です。
お部屋に置くだけで、忌避効果があるとされています。ただし、置くだけでは効果は薄いため、アロマティカスのチンキ剤を作って、観葉植物の鉢底や土などにスプレーすると効果的です。
作り方は密閉できるガラス瓶にアロマティカスの葉を入れて、無水エタノールを注ぐだけ。2週間ほど冷暗所に保管して、1日1回瓶を振ると成分が抽出されます。
後は、布で濾して抽出液をガラス瓶に入れて冷暗所で保管します。使用するときは、水に薄めてスプレーしてください。
[https://andplants.jp/products/plectranthusaromaticus-tableplants-s]ニームの木(インドセンダン)

日当たり | 日当たりの良い置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2~3日後 |
ニームの木は「インドセンダン」とも呼ばれる植物です。虫除け以外にも、抗菌や解熱、抗関節炎などの効果を持つハーブまたは常緑高木として知られています。
ニームの木には、「アザディラクチン」と呼ばれる成分が含まれており、ゴキブリの成長を阻害する効果があります。また、害虫にたいして忌避効果を持つ「セラニン」と呼ばれる成分も含んでいるため、ゴキブリ対策としても有用な植物です。
ニームの木は、ハーブとして苗木が園芸店で販売されていることがあります。そのため、観葉植物のようにお部屋で育てるのもおすすめです。
利用方法としては、一掴みできるほどのニームの葉を1Lの水で半量の500mlになるまで煮だします。煮だした水溶液を冷まして、ゴキブリが潜んでいそうな場所にスプレーすると効果的とされています。
タイム

日当たり | 日当たりの良い屋外 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2~3日後 |
タイムは、強い抗菌・殺菌作用を持つハーブです。葉の香りや葉色、模様などが異なる品種があり、観葉植物のように楽しめます。
ただし、室内で育てるとひょろひょろになり、香りも弱くなるので、日当たりの良い屋外で育ててください。タイムは、ゴキブリの忌避に有効な「チモール」を含んでいます。
アロマティカス同様に、無水エタノールでチンキ剤を作り、水に薄めて観葉植物の鉢下や土にあらかじめスプレーしておくと良いでしょう。
まとめ
観葉植物に発生するゴキブリについて紹介させていただきました。ゴキブリは暗くジメジメした環境を好み、天敵から身を守るため隠れられる場所に住み着きやすい傾向があります。
水のやりすぎによって、土が常に湿っている観葉植物はゴキブリの発生原因になります。また、有機質が含まれる土で植えている場合も注意が必要です。
風通しを良くしたり、観葉植物の周りを綺麗に掃除したりしてゴキブリが集まりにくく住み着きにくい環境を作ることが予防になります。もし観葉植物からゴキブリが発生した場合は、素早く市販のゴキブリ用駆除スプレーを使って対処してください。
お部屋の中で化学的な殺虫剤を使いたくない方は、ニームエキスを利用するとよいかもしれません。ゴキブリが鉢下や受け皿から出てくると嫌な気持ちになるので、紹介したゴキブリ対策や駆除方法を試して、安心して観葉植物を育ててください。