モンステラとは?
モンステラは、熱帯アメリカ(メキシコからパナマにかけて)のジャングルを原産とするサトイモ科モンステラ属の常緑多年草です。高温多湿な環境を好み、その独特でエキゾチックな葉の形から、インテリアグリーンとして非常に高い人気を誇ります。
半つる性の性質を持ち、成長すると気根(きこん)と呼ばれる根を空中に伸ばして、自分を支えたり水分を吸収したりしながら大きく育ちます。
代表的な品種には、大型で切れ込みが深く迫力のある「モンステラ・デリシオサ」や、小型で葉に穴が開く可愛らしい「モンステラ・アダンソニー(マドカズラ)」などがあります。
耐陰性が高く、初心者でも比較的育てやすいため、初めて観葉植物を迎える方にもおすすめの植物です。健康に育ったモンステラは、剪定や増やし作業を通じて、より多くの株を楽しむことができます。
モンステラを増やすのに適した時期
モンステラを増やすための最適な時期は、成長期にあたる5月から9月です。 この時期は気温が20〜30℃前後で安定しており、植物の生命力が活発なため、挿し木や水挿しを行っても発根しやすく、成功率が高まります。
特に5月から7月の梅雨時期は湿度も高く、モンステラが最も好む環境であるため、増やし作業にはベストなタイミングと言えます。
一方で、気温が10℃を下回る冬場(10月から3月)は、モンステラの成長が緩慢になり、休眠状態に近くなるため避けるべきです。この時期にカットすると株へのダメージが大きく、発根もほとんど期待できません。
また、真夏の8月も注意が必要です。気温が高すぎると水耕栽培の水温が上昇し、雑菌が繁殖して根腐れを起こしやすくなるため、極端な猛暑日は避けるのが無難です。
モンステラを増やすときの切る場所
モンステラを増やす際は、どこで切るかが成功の鍵を握ります。最も重要なポイントは、必ず「節(ふし)」を含めてカットすることです。節とは、茎の節目でかつて葉が付いていた場所を指し、ここには発根に必要な組織が集中しています。
また、節から伸びている「気根」がある茎は、より発根のスピードが早く、成功率が高まります。
カットする際は、節の少し上にある「成長点」を意識してください。成長点は葉の根元付近にあるポコっとした突起状の部分です。
この成長点の上を、消毒した清潔で切れ味の良いハサミで、一刀で滑らかに切るようにしましょう。断面が潰れるとそこから腐りやすくなるため注意が必要です。
また、葉が多すぎると蒸散が激しくなるため、上部に1〜2枚残し、下の葉は取り除いて整理してから作業を行いましょう。
モンステラの増やし方の種類と特徴比較
モンステラの増やし方にはいくつかの手法があります。ご自身の環境や目的に合わせて最適な方法を選びましょう。
| 方法 | 特徴・難易度 |
|---|---|
| 水挿し | 最も簡単で初心者におすすめ。水中で発根が見えるため安心。 |
| 挿し木 | 土に直接植える方法。水挿しより少し難易度が高め。 |
| 茎伏せ | 葉がない茎でも増やせる。剪定後の茎を有効活用できる。 |
| 株分け | 植え替えと同時に行う。親株を増やしたい場合に有効。 |
| 取り木 | 株から切り離さず発根させる。最も失敗が少ない確実な方法。 |
水挿し(水差し)で増やす方法と手順

水挿しは、モンステラの増やし方の中で最も成功率が高く、初心者の方にもっともおすすめの方法です。気根付きの節を使用することで、スムーズに水栽培用の根を伸ばすことができます。
水挿しの準備するもの
- ・節を含んだ茎
- ・清潔なガラス容器や花瓶
- ・清潔なハサミ
- ・液体活力剤(あれば)
水挿しの手順
- モンステラの節を含んだ茎を、成長点の上でカットする。
- 下の葉を取り除き、上部の葉を1〜2枚に整理する。
- 容器に水(薄めた液体活力剤を混ぜると発根がスムーズになります)を入れ、節が浸かるように茎を挿す。
- 直射日光を避け、20〜25℃の明るい室内に置く。
- 水は毎日(または2〜3日に1回)交換し、清潔な状態を保つ。
水挿しで出た根は「水栽培用の根」であり、土植えに移行すると、その環境に合わせて新たに土用の根が出てきます。発根までは2〜4週間程度が目安です。根が伸びてきたら、土植えへの切り替え時となります。
関連記事:モンステラの水挿し|手順と成功させるコツ
挿し木で増やす方法と手順
挿し木は、節付きの茎を直接土に挿して育てる方法です。水挿しよりも環境変化が少ないため、根が定着すれば力強く育ちますが、土の管理が必要なため少し難易度が上がります。
挿し木の準備するもの
- ・節を含んだ茎(2〜3節分あると良い)
- ・観葉植物用の清潔な土
- ・鉢と鉢底石
- ・消毒したハサミ
挿し木の手順
- 節を2〜3節含んだ状態で茎をカットする。
- 余分な葉を1枚程度に減らし、蒸散(葉から水分が抜けること)を抑える。
- 準備した土に節がしっかり隠れるように挿し、その後、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりを行う。
- 直射日光の当たらない明るい日陰で管理する。
- その後も土の表面が乾かないよう、こまめに水やりを行う。
茎伏せで増やす方法と手順
茎伏せは、気根がない茎でも増やすことができる画期的な方法です。葉がついていない茎でも、節さえあればそこから新しい芽と根が展開します。
茎伏せの準備するもの
- ・節を含んだ茎の断片
- ・平たい鉢やトレイ
- ・清潔な土(水苔でも可)
茎伏せの手順
- 節を含んだ茎を数センチの長さにカットする。
- 土を入れた容器の上に茎を横に寝かせる。
- 新芽が出る部分(ふくらみ)が上を向くように配置する。
- 茎の下半分が土に埋まるように軽く押し付ける。
- 土がカラカラに乾かないよう定期的に水やりを行い、常に土がしっとり湿った状態をキープする。
茎伏せは剪定後の茎を無駄なく活用できるため、効率よく株を増やしたい方に適しています。
関連記事:モンステラを茎伏せで増やす方法と手順|トラブル対処も解説
株分けで増やす方法と手順
株分けは、成長したモンステラを植え替えるタイミングで行うのが最も効率的です。鉢から出した際に、根元から分かれている子株を切り離すことで、親株の負担を減らしつつ新しい株を得ることができます。
手順としては、まず鉢から株全体を優しく取り出し、古い土を落としながら根の状態を確認します。自然に分かれている箇所を見つけたら、清潔なハサミで根を傷つけないように切り分けます。
切り分けた株は、それぞれ新しい鉢に植え付け、たっぷりと水を与えて日陰で養生させます。5〜6月の植え替え時期に合わせて行うのが成功の秘訣です。
取り木で増やす方法と手順
取り木は、株から切り離さずに根を出す方法で、最も失敗しにくい確実な手法です。茎に傷をつけることで栄養の通り道を制限し、発根を促進させます。
取り木の準備するもの
- ・ビニール袋(透明なもの)と水苔
- ・結束バンドや紐
- ・清潔なカッター
取り木の手順
- 気根(茶色い根の突起)が出ている節の部分を選ぶ。
- 十分に湿らせた水苔を、気根を包み込むように茎に巻きつける。
- その上からビニール袋やラップで包み、上下を結束バンドや紐でしっかり固定して密閉する。
- 外から見て、白い根が十分に伸びてくるまで1〜2ヶ月待つ。
- 根がしっかり確認できたら、包んでいた部分のすぐ下で茎をカットして鉢に植える。
増やしたモンステラの発根後の管理
根が5cm以上伸びたら、土への植え替えが可能なサインです。植え替え直後は植物にとって負担がかかるため、直射日光を避けた明るい日陰(間接光)で管理しましょう。最初の1〜2週間は土が乾かないように意識して水やりを行い、環境に慣れさせます。
水耕栽培から土植えに移行した場合、一時的に葉がしんなりすることがありますが、これは新しい環境へ適応するためのプロセスであり、過度に心配する必要はありません。品種によって成長スピードや根の伸び方に差があるため、個体ごとの様子をよく観察しながら育てることが大切です。
モンステラの育て方(基本)

モンステラは非常に強健な植物ですが、基本的な育て方を守ることでより長く美しく楽しめます。
置き場所・日当たり
直射日光は葉焼けの原因となるため、カーテン越しの明るい日陰が最適です。耐陰性はありますが、光が足りないと葉の切れ込みが入りにくくなるため、できるだけ明るい場所を選びましょう。
水やり
土の表面が乾いたら、鉢底から水が出るくらいたっぷりと与えます。夏は成長が早いため2日に1回が目安ですが、冬は成長が止まるため1〜2週間に1回程度に控え、乾燥気味に管理するのがポイントです。モンステラを枯らしてしまう最大の原因は、冬場の水のやりすぎによる根腐れです。
温度管理
適温は20〜30℃です。5℃以下になると枯れる恐れがあるため、冬場は室内の暖かい場所に移動させましょう。また、毎日葉水(霧吹き)を行うことで、乾燥を防ぐだけでなく害虫の予防にもなり、葉のツヤも良くなります。
まとめ
モンステラの増やし方には、水挿しや挿し木、茎伏せなど様々な方法があり、それぞれの特性を理解することで初心者でも十分に成功させることができます。特に5月から9月の成長期に行うこと、清潔なハサミで節を含めてカットすること、そして成長点を見極めることが成功の重要なポイントです。
品種や個体によって成長の早さや気根の出方には違いがありますが、モンステラは本来非常に生命力の強い植物です。今回紹介した手順を参考に、ぜひご自宅のモンステラを増やし、より豊かなグリーンライフを楽しんでください。どの方法から始めるか迷った場合は、まずは観察しやすく成功率の高い「水挿し」から挑戦してみるのがおすすめです。