カランコエ・子宝ベンケイソウの育て方|冬越し方法についても解説

カランコエ・子宝ベンケイソウの育て方|冬越し方法についても解説

項目 詳細
植物名 カランコエ・子宝ベンケイソウ
学名 Kalanchoe daigremontiana
英名 Devil's Backbone
科目/属性 ベンケイソウ科カランコエ属
原産地 マダガスカル
日当たり 日当たりの良い置き場所
温度 最低10℃以上をキープ
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
水やり 春秋:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
夏冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間後
肥料 緩効性肥料、液体肥料
剪定時期 5月~10月

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カランコエ・子宝ベンケイソウの特徴

カランコエ・子宝ベンケイソウは、ギザギザした葉の縁に無数の子株が生える多肉植物です。子株が連なって付いている姿は、フリルのようにも見えます

カランコエ・子宝ベンケイソウ

非常に繁殖力と成長力が強い多肉植物です。葉の縁からこぼれ落ちた子株は、土に根付き、自然と成長して大きくなります。

乾燥に強いため、毎日が忙しい方でも管理がしやすいです。また、簡単に増やせるので、植物を育てるだけでなく増やしてみたい方にもおすすめです。

日当たりを好む多肉植物なので、日頃から明るい場所で管理してください。寒さには弱いので、冬は暖かい室内で育てましょう。

カランコエ・子宝ベンケイソウの育て方

カランコエ・子宝ベンケイソウの育て方

カランコエ・子宝ベンケイソウは、小さな子株が葉の縁からどんどん出てくる姿から、子供にも大人にも人気の多肉植物です。

ここでは、人気の子宝ベンケイソウの基本の育て方を5つのポイントに絞って見ていきましょう。

  1. 置き場所と日当たり
  2. 温度
  3. 水やりの頻度
  4. 肥料
  5. 剪定方法

それぞれのポイントを守って育てれば、イキイキとした元気な姿で育ってくれるはずです。育て方の確認前に、可愛らしい株姿が気になる方は以下をクリックしてみてください。

置き場所と日当たり

置き場所と日当たり

カランコエ・子宝ベンケイソウは日当たりのよい環境を好みます。真夏を除いて、基本的には直射日光に当てて管理してください。

室内に置く場合は、日差しが入る窓際で管理しましょう。日差しが当たらない環境で育てると、徒長したり葉色が薄くなったりするトラブルを起こします。

日光を好む植物ですが、真夏の強い直射日光が当たり続けると、葉焼けする可能性が高いです。特に葉の縁に付いた子株は真夏の直射日光に当たると、焦げるように枯れてしまいます。

7月~9月は明るい日陰への移動や、レースカーテン、シェードなどをして光を和らげて管理してください。

温度

温度

カランコエ・子宝ベンケイソウは寒さに弱い植物なので、最低10℃以上をキープして育ててください。生育温度は、15~25℃です。

10℃以下の温度に当て続けないことも重要ですが、30~35℃以上の高温にも注意してください。温度が高いほど、葉焼けや蒸れなどのトラブルが起きやすいです。

生育温度外の低温や高温に当たり続けると、株が枯れやすいので注意してください。真冬は室内に移動させ、真夏はなるべく涼しい環境で管理しましょう。

水やりの頻度

水やりの頻度

カランコエ・子宝ベンケイソウの季節ごとの大まかな水やり頻度は以下の通りです。

  1. 春秋:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
  2. 夏冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間後

カランコエ・子宝ベンケイソウの生育型は夏型ですが、日本では主に春と秋に生育します。そのため、春秋型の水やり管理を行うことがポイントです。

春と秋の生育期は、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いたら)水やりします。たっぷりと与えて流れ出た水は、こまめに捨ててください。

気温が30℃を超え始めると、生育が緩慢になります。梅雨以降は、水やりに気を付けましょう。

夏の暑い時間帯に水やりすると、根腐れや蒸れによって枯れやすいです。夏に水やりする際は、早朝の涼しい時間帯に与えてください。

気温の下がる晩秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えます。生育が緩慢になる冬は夏同様、土が常に湿っていると根腐れしやすいので、注意してください。

冬の水やり頻度は、手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかりと乾いたら)一週間後に与えるくらいで十分です。植えている鉢が大きいほど、水やりの頻度は少なくなり、月に一回でも十分な場合もあります。

水の与え過ぎや水やり忘れが多い場合、水やりチェッカーの利用がおすすめです。パッと一目で土の乾燥具合を確認できるため、水やりで失敗することが少なくなります。

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肥料

肥料

カランコエ・子宝ベンケイソウには、生育期の5月~7月、9月~11月それぞれに1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。真夏と冬は生育が緩慢なので、肥料は与えません。

肥料は少なくても十分に育つ植物ですが、株を大きくしたり葉色を濃くしたい場合は、土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。

ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、薄める濃度や与える量、時期はしっかり守ってください。

カランコエ・子宝ベンケイソウは春に花を咲かせる性質があります。秋の10月頃に花茎が伸び始める準備をするので、そのタイミングでリン酸を含む肥料を与えると効果的です。

ただし、真冬になると生育が緩慢になるので、12月には置き肥を取り除くようにしてください。生育が緩慢になるタイミングでの肥料やりが不安な場合は、無理に与えない方が良いでしょう。

AND PLANTSでは、オリジナル肥料「アンドプランツ 植物を元気にする固形肥料」を取り扱っています。匂いも少なく、土の上に置いて水やりするだけでも効果的なので、室内で育てる際に利用してみてください。

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剪定方法

剪定方法

カランコエ・子宝ベンケイソウの剪定は、傷んだり枯れたりした葉や花終わりの花茎を切る程度です。

葉の縁に付く子株は、手で触るとポロっと取れるので、剪定ハサミを利用する必要はありません。古葉や黄色くなった葉を、茎の付け根から剪定する程度で十分です。

カランコエ・子宝ベンケイソウの花茎は、株の真上にスッと伸びていきます。花茎が伸び始めると、株姿が乱れるので、形を崩したくない方は花茎が伸び切る前に剪定した方が良いでしょう。

花を楽しみたい方は、花が咲き終わった後に、花茎の根元部分で剪定してください。花が咲くと、どうしても株が全体的に伸びてしまう傾向にあります。

引き締まった株姿が好きな場合は、思い切って地際の茎の部分の葉を残して切り戻すと、節から新芽が出てきて元の姿に戻りやすいです。

剪定した茎を挿し木したり、子株を植えて増やしたりして、元の引き締まった姿に育てるのもおすすめです。

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カランコエ・子宝ベンケイソウの冬越し方法

カランコエ・子宝ベンケイソウの冬越し方法

カランコエ・子宝ベンケイソウの冬越し方法は、最低10℃以上をキープした室内での管理です。

その他の冬越し方法のポイントは以下の通りです。

  1. 肥料を与えない
  2. 土は乾燥気味にする
  3. 受け皿に水を溜めない
  4. 窓から30㎝ほど離しておく
  5. 暖房の乾いた風を当てない

寒さに弱い多肉植物なので、基本的には冬は室内での管理をおすすめします。屋外に簡易温室がある場合は、温度や湿度に注意すれば、温室内でも冬越しが可能です。

ただし、簡易温室を締めっぱなしにしていると、冬であってもお昼に温度が上がりすぎて蒸れてしまったり寒暖差で枯れてしまったりするので気を付けてください。

冬は生育が緩慢なので、水やりは土が乾いてから1週間後、または月に1回といった形で乾燥気味に管理します。水やりが多いと、冬に根腐れする可能性があるので、注意しましょう。

日当たりを好むため、窓際で管理しがちですが、冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むことがあります。窓から30㎝ほど離して冷気の影響を受けないようにしてください。

冬の室内に置くと、暖房の影響を受けやすいです。エアコンの乾いた風が直接当たると急激な乾燥によって枯れる恐れがあるので、当たらない場所で管理しましょう。

カランコエ・子宝ベンケイソウのよくあるトラブルと対処法

カランコエ・子宝ベンケイソウのよくあるトラブルと対処法

カランコエ・子宝ベンケイソウですが、育てていると思わぬトラブルが発生する場合もあります。ここではよくあるトラブルと対処法を解説していきます。

カランコエ・子宝ベンケイソウによくあるトラブルは以下の5つです。

  1. 根腐れ
  2. 根詰まり
  3. 葉焼け
  4. ひょろひょろ
  5. 葉が赤くなる

対処法を知っておくと、いざトラブルが起きても安心して対処できます。それぞれ見ていきましょう。

根腐れ

カランコエ・子宝ベンケイソウの根腐れでは、以下の症状が見られます。

  1. 水をあげても元気にならない
  2. 土がなかなか乾かない
  3. 株がグラグラする
  4. 葉が茶色・黄色に変色している
  5. 葉がポロポロ落ちる
  6. 地際の茎から黒くなっている
  7. 土から腐敗臭がする
  8. 土の表面にカビが生えている
  9. 根が黒く変色している

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土壌環境が悪くなることで発症します。また、土が常に湿っていると、根は呼吸できずに枯れてしまい、根自らが腐る症状でもあります。

根腐れの対処法は以下の通りです。

  1. 土の乾湿サイクルが早くなるように、1回り小さな鉢に植え替える
  2. 古い土を落として水はけのよい土に交換する
  3. 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
  4. 風通しがよく明るい日陰で管理する
    ※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する
  5. 発根剤を与える
  6. 傷んだ葉・ポロポロと落ちる葉はすべてを取り除く

根腐れが起こった場合は、植え替えをして土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な根が伸びる状態にしてください。

ケイ酸塩白土・ゼオライトなどの根腐れ予防効果のある土壌改良材も新しい用土に混ぜ込むと、より根腐れしにくくなります。

根腐れによって株元が傷んでいる場合、影響を受けていない茎があれば、挿し木で増やしましょう。葉に子株が付いている場合は、新しい土に撒いておくと増えてくれます。

根腐れの状態をそのままにしていると、いずれ株全体が枯れてしまいます。なるべく元気な茎や葉があるうちに、再生をさせておくと安心です。

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中が根でいっぱいになることで起きる症状。カランコエ・子宝ベンケイソウが根詰まりすると、以下のような症状が現れます。

  1. 水が浸透しづらくなる
  2. 鉢底から根が出てくる
  3. 葉の分厚さが薄くなる
  4. 生育が緩慢になる
  5. 葉色が全体的に薄い緑色~黄色になる
  6. 新芽が出なくなる
  7. 下葉がポロポロと落ち始める

すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうと生育が悪くなるので注意してください。

カランコエ・子宝ベンケイソウの根は細いため、植えてすぐに根詰まりすることは少ないです。しかし、長年植え替えていなかったり、子株が増えすぎたりしていると、細根がびっしりと張って根詰まりします。

対処法は、植え替えです。

5月~7月、または9月~11月に、土と根をほぐして植え替えます。現在の鉢より1回り大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。

子株が増えすぎている場合は、それぞれ株分けしてください。

葉焼け

カランコエ・子宝ベンケイソウが葉焼けすると、以下の症状が現れます。

  1. 葉や茎部分が茶色っぽくなる
  2. チリチリと焦げたような痕ができる
  3. 葉の縁に付いた子株が焦げたように枯れる

強い日差しを浴びすぎると、葉が傷んで「葉焼け」のトラブルが発生します。葉焼けの症状に気がついたら、直射日光を避けるように対策してください。

対処法は以下の通りです。

  1. 置き場所を変える
  2. レースカーテンやシェードなどで遮光する
  3. 葉焼けした部分はカットする

葉焼けのトラブルが起きる場合、強い直射日光が当たりすぎている可能性が高いです。直射日光を弱めたり、置き場所を移動したりしてください。

葉焼けした葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉や茎はカットし、新しい健康な新芽が出てくるのを待ちましょう。

葉焼けの症状は、気温が高いほど発生しやすいです。屋外管理の場合は、なるべく風通しがよく涼しい日陰に移動させることも重要です。

ひょろひょろ

カランコエ・子宝ベンケイソウには、株がひょろひょろになるトラブルがあります。考えられる原因は、主に以下の2つです。

  1. 日当たり不足
  2. 水のやりすぎ(やらなすぎ)

株がひょろひょろになっているのは、徒長している証拠です。または、水分が少なすぎて株が細く痩せてしまっている可能性もあります。

徒長は日当たり不足と水の与え過ぎで起きるトラブルでもあります。茎が伸びすぎると、節間が長くなってひょろひょろとした姿になります。

多肉植物の多くは葉や茎に水分を多く蓄えるため、乾燥に強いです。しかし、水分が不足すると葉が痩せて、ヒョロヒョロした姿になりやすいです。

株がひょろひょろになった際の対処法は以下の通りです。

  1. 日当たりの良い環境で育てる
  2. 土が常に湿っている場合は乾かす
  3. 土が乾きすぎている場合はたっぷり水やりする
  4. すでに伸びすぎた茎は切り戻す

土と鉢の間に隙間ができるほど、土がカラカラになっている場合は、ジョーロで水やりしても、隙間から流れ出て土に染み込まない可能性があります。その場合は、受け皿に水を溜めて底面給水でじっくり吸水させてください。

また、ひょろひょろと伸びたカランコエ・子宝ベンケイソウに、しっかりと日差しを当てても、ギュッと引き締まることはありません。伸びすぎた茎は剪定して、新芽の節間が伸びないようにガッシリと育てましょう。

葉が赤くなる

カランコエ・子宝ベンケイソウは、緑葉の多肉植物です。しかし、以下の原因によって葉が赤くなる場合があります。

  1. 寒さ(紅葉)
  2. 水不足
  3. 環境ストレス

カランコエ・子宝ベンケイソウは、冬に紅葉します。冬の寒さに当たり続けていると、葉が赤くなりやすいです。

この葉色の変化は自然な現象なので、心配いりません。しかし、10℃以下の寒さに当たり続けると、凍結したり枯れたりするので注意してください。

冬の寒さでの紅葉以外でも、葉は赤くなることがあります。主に水分不足と環境ストレスによって引き起こされやすいです。

葉が赤くなる場合は、以下の対処法を試してみましょう。

  1. 10℃以上の環境で管理する
  2. 土が乾いている場合はたっぷり水やりする
  3. 置き場所を急に変えない

水分不足の場合は、水やりをして根が吸水すると元に戻ることが多いです。元に戻らない場合は、赤くなった葉は自然と枯れてくるので、取り除いてください。

環境ストレスで赤くなる場合のほとんどは、急に置き場所を移動した際に起こるため、まずは環境に慣らしてあげることが重要です。移動前と移動後の中間の環境に1週間ほど置いてください。

徐々に環境に慣らしながら、最終的に置きたい場所に置くと、葉が赤くなりません。

カランコエ・子宝ベンケイソウの害虫トラブルと対処法

カランコエ・子宝ベンケイソウの害虫トラブルと対処法

カランコエ・子宝ベンケイソウに発生しやすい害虫は以下の4つです。

  1. ハダニ
  2. カイガラムシ
  3. アブラムシ
  4. コバエ

それぞれ見ていきましょう。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

  1. 葉にクモの巣のような糸がついている
  2. 葉の裏に小さな虫がついている
  3. 葉に斑点やカスリのような傷がある
  4. 葉の色が薄くなり枯れている

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つ厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

  1. 傷んだ葉はカットする
  2. 葉の表裏、付け根や葉柄も水で洗浄する
  3. ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトランなど)の使用が効果的です。ハダニは一度では駆除しきれないことがほとんどなので、状態を見ながら、定期的に噴霧してください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法がおすすめです。

乾燥気味に育てる多肉植物は、比較的ハダニが付きやすい傾向にあります。カランコエ・子宝ベンケイソウにハダニが現れたら、こまめに殺虫剤を吹きかけたり、ホースシャワーで株全体を水で洗い流したりすると良いでしょう。

水や霧吹きで洗い流した場合は、葉の隙間に水滴が残らないように、しっかりとエアダスターで水滴を吹き飛ばしておくと蒸れを予防できます。

そのままにしておくと、蒸れて株元の茎や葉の付け根が腐ってしまう原因になるので、注意してください。

ハダニは非常に小さいため、姿を確認しにくい害虫です。どのような姿をしており、被害や対処法を詳しく知りたい方は、「観葉植物に発生するハダニ」の記事も、ぜひ参考にしてみてください。

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

  1. 貝殻のような殻を被ったり、粉状の物質で覆われたりしている虫がついている
  2. 黒いカビ(すす病)が発生している
  3. 根に白い虫が付いている(ネジラミ)
  4. 葉や鉢、床がベタベタしている

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。また、ネジラミとはカイガラムシの一種で根に寄生するタイプのこと。

風通しの悪い環境で育てていると、葉と葉の隙間や株元の付け根にカイガラムシが発生しやすいです。そのままにしていると、大発生してすす病を併発させたり株が弱々しくなったりするので注意してください。

見つけ次第、早めに対処しましょう。対処法は以下の通りです。

  1. 柔らかい布やブラシで擦り取り除く
  2. 茂り過ぎている葉は茎から取り除き、風通しを良くする
  3. 子株が増えすぎている場合は、株分けして風通しを良くする
  4. 植え替えの際に、ネジラミを取り除く
  5. カイガラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)

カランコエ・子宝ベンケイソウにカイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)の使用が効果的です。

しかし、カイガラムシは殺虫剤が効きにくい害虫です。そのため、殺虫剤使用と布・ブラシでの拭き取りを合わせて行うと効率的に駆除できます。

カイガラムシの駆除方法については、多肉植物も観葉植物も共通です。予防や駆除に悩んでいる方は「観葉植物の白い虫はコナカイガラムシ」の記事を参考にしてみてください。

アブラムシ

カランコエ・子宝ベンケイソウを徒長させると、アブラムシが増えやすくなります。徒長した茎や生育不良の新芽は柔らかく、アブラムシが集まりやすいためです。

アブラムシが発生した際の症状は、以下の通りです。

  1. 葉が縮れている
  2. 白~茶色い脱皮殻が目立つ
  3. 葉や鉢、床がベタベタしている

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

脱皮を繰り返して短期間で成虫になるので、アブラムシが増えると、葉に白~茶色の小さなチリのようなものが目立ち始めます。このチリのようなものは、脱皮殻です。

脱皮殻を見つけた際は、近くにアブラムシがいますので、注意深く観察して見つけてください。放っておくと生育が弱まり綺麗な新芽が出てこなくなるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

  1. 縮れた葉はカットする
  2. アブラムシを取り除く
  3. 茂り過ぎている葉は茎から取り除いて風通しをよくする
  4. アブラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)

アブラムシを見つけたら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトランなど)の使用がおすすめです。殺虫剤が効きやすい害虫なので、すぐに対処すれば被害は大きくなりません。

コバエ

コバエの症状は以下の通りです。

  1. 土に虫が湧く
  2. コバエが植物の周囲を飛んでいる

コバエ自体は植物に無害ですが、カランコエ・子宝ベンケイソウを育てるうえでの不快害虫です

放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

  1. 発酵不十分な堆肥や有機質肥料を与えることをやめる
  2. 新しい土に植え替える
  3. 土の表面に無機質な素材(赤玉土・鹿沼土・砂利など)を敷く
  4. トラップを仕掛ける
  5. コバエに効果のある殺虫剤を噴霧する

コバエが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)の使用が効果的です。しかし、飛び回るコバエにスプレーするのは難しく、土にかけても飛んでいるコバエには効果がありません。

スプレーでうまく対処できない場合は、トラップを仕掛けて数を減らしましょう。コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。

植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。

そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3~5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。

カランコエ・子宝ベンケイソウは乾燥に強い植物なので、一年を通して乾燥気味に管理してください。有機質を含んだ土であっても、常に湿っていることがなければ、コバエが湧く心配は少ないはずです。

乾燥気味に育てることが基本の多肉植物では、本来コバエは発生しにくい不快害虫です。

しかし、つい水やりしすぎてコバエが出てきてしまう方は「観葉植物に発生するコバエ」の記事をチェックして対策を実践してみてください。

カランコエ・子宝ベンケイソウの育て方に関するよくある質問

カランコエ・子宝ベンケイソウの育て方に関するよくある質問

最後にカランコエ・子宝ベンケイソウの育て方に関するよくある質問とその答えを以下にまとめました。

  1. 花の咲かせ方は?
  2. 増えすぎた時はどうしたらいい?
  3. 寿命はどのくらい?
  4. 大きく育たないのはどうして?

それでは具体的に見ていきましょう。

花の咲かせ方は?

カランコエ・子宝ベンケイソウの開花時期は春(3月~5月頃)です。一年を通して、日当たりの良い環境でしっかりと育てて、株が大きく生育していると花が咲きます

秋の時期にリン酸を含む肥料を与えておくと、春に花が咲きやすいです。ただし、晩秋には生育が緩慢になり、肥料を吸収しなくなるので、与え過ぎには注意してください。

子宝ベンケイソウの大きさにもよりますが、鉢に植え付けておよそ2年でしっかりとした花茎が伸びて鈴蘭のような可愛らしい花を咲かせてくれます。

増えすぎた時はどうしたらいい?

カランコエ・子宝ベンケイソウは、葉の縁に子株がたくさんできるため、どうしても増えすぎます。こぼれ落ちた子株は土に根を張り、気づいたら鉢いっぱいに株が増えていることも。

増えすぎた場合は、まずは株分けをして、鉢が窮屈にならないようにしてください。そのまま群生させて育てることもできますが、根詰まりをしたり日当たり不足や風通しの問題からトラブルになりやすいです。

株分けで増やすにも限界はありますので、植物が好きな方へ株分けした子宝ベンケイソウをプレゼントしたりしてもよいかもしれません。

寿命はどのくらい?

カランコエ・子宝ベンケイソウは、生命力・繁殖力が非常に強い植物です。そのため、上手に育てることができれば、一生のパートナーになる可能性もあります

親株が調子を崩しても、子株を育てて代替わりでずっと育てることも可能です。長く育てるほど、株もしっかりして多くの花を咲かせてくれるので、ぜひ大事に育ててあげてください。

大きく育たないのはどうして?

カランコエ・子宝ベンケイソウが大きく育たない原因は、「株に対して鉢が大きすぎること」「水の与え過ぎで常に湿っている」が考えられます。

大きすぎる鉢に植えると、水やり後に土がずっと湿っていて、なかなか乾きません。根は土の乾湿サイクルが早いほどぐんぐん成長します。

根が育つことによって、株も大きくなります。水のやりすぎで常に土が湿っている環境でも同じ現象が起きます。

まずは、株に対して1回り大きいくらいの鉢に植え替えてください。「少し小さいかな」と思うくらいの方が、早く大きくなります。

その後は、土の乾湿サイクルを意識して、季節に合った水やりを心がけると、自然と大きく育ちます。

まとめ

カランコエ・子宝ベンケイソウは、葉の縁に子株がびっしりと付くユニークな多肉植物です。日当たりと風通しの良い場所で育てると、株もしっかり育って花も咲かせてくれます。

乾燥に強くて育てやすく、さらに簡単に増やせる特徴から初心者にも人気です。初めて多肉植物を育てる方は、最初の一鉢として選ぶと、植物を育てる楽しみを十分に味わえるでしょう。

葉にびっしりと子株が付いた姿は可愛らしく、これまで大事に育てた結果としても喜べます。植物を育てる楽しみを味わいたい方は、ぜひカランコエ・子宝ベンケイソウを育ててみてください。

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