観葉植物に発生するコバエ|対策と原因について

観葉植物に発生するコバエ|対策と原因について

春を過ぎて徐々に気温が蒸し暑くなると、室内にコバエが発生しやすくなります。原因は観葉植物の土かもしれません。しかし、コバエの種類によって発生する場所や集まる場所は違うため、必ずしも植物が原因とは限りません。

もしも室内にコバエが大量に発生し、次から次へと卵がふ化しているようであれば、すぐに薬で対処するのがベストです。自然にコバエがいなくなることはあまりなく、すでに住み着いている可能性も高いため、年に1度のペースで定期的に出現しやすいです。

今回は観葉植物に発生するコバエの対策と原因について詳しく解説します。「いつかそのうち自然にいなくなるだろう」と思っている方もいるかもしれませんが、一度室内で発生してしまったコバエが簡単に出ていくことは少ないため、適切な対応を把握しておきましょう。

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観葉植物のコバエ|対処方法

今、観葉植物の周辺に飛んでいるコバエには、以下の4つの方法で対処するといいです。

  1. 薬で駆除する
  2. トラップを仕掛ける
  3. 土の表面に無機質な素材を敷く
  4. 土を新しく入れ替える

薬を使えば、数時間もしないうちに飛んでいるコバエはいなくなり、トラップを使えば大量に発生してしまったコバエを徐々に減らせます。

また薬やトラップだけに頼らず、観葉植物の土を変えることもポイント。そもそも発生・繁殖しにくい環境をつくることでコバエに悩まされることもなくなります。

①薬で駆除する

今飛んでいるコバエをすぐにでも殺虫したい場合は、ガス式のスプレータイプで対処するのがいいです。各メーカー会社の商品によって種類はさまざまですが、コバエに直接吹きかけるものもあれば、ワンプッシュするだけで駆除できるものもあります。

多くのワンプッシュタイプは液剤がミクロで部屋中に広がり、飛んでいるコバエをすぐに駆除できます。またミクロの液剤は部屋の床や観葉植物の土の表面などにも降り注ぐため、数時間の効果を期待できます。

ただし、薬剤の成分は強力なので、犬・猫・魚・鳥などのペットや小さなお子さんがいる方は取扱いに注意が必要です。キッチンや食事をする場所などでも、食器類や食材にかからないように工夫して使用しましょう。

危険で怖いと思う方は、観葉植物の土に直接吹きかけて、コバエの卵を駆除するハンドスプレータイプが安心して使えます。植物の葉にかからないように吹きかけてくださいね。

②トラップを仕掛ける

空気中に薬剤を散布するものだけでなく、観葉植物の鉢の上にトラップを挿したり置いたりして、コバエを駆除できる商品もあります。コバエを薬で誘引し、粘着素材なのでそのまま補殺が可能です。

スプレータイプのものより効果の速効性はありませんが、薬剤の効く時間が長く徐々にコバエの数を減らせます。長期間でコバエの発生を防止できるので、いつの間にかいなくなり気にならなくなります。また、置いてコバエを集めて補殺するだけなので、スプレーより周りに影響が少なく安心して使える魅力も。

コバエのトラップは、キッチンにあるものでも簡単につくれます。不要な口の空いた容器に食器用洗剤・お酢・めんつゆ・水を混ぜ、観葉植物の側に置いておくだけでごっそりと補殺ができます。

効き目が感じられなくなったら、すぐに新しいものに取り替えてセットしましょう。

③土の表面に無機質な素材を敷く

腐葉土やバーク堆肥など有機質な土や肥料を使っていると、匂いによってコバエが引き寄せられます。できるだけ土がむき出しにならないように、鉢の表面に無機質な土や素材を敷きましょう。

土の表面には赤玉土・鹿沼土・砂利・川砂などを3〜5cm程度の厚みで敷き詰め、コバエが発生しないようにカバーをします。コバエは土の中に侵入しにくく、大量に発生することも少なくなります。

また、無機質な素材だけでなく市販で売っているココナッツファイバーを被せるだけでも効果は期待できます。

ただし、ココナッツファイバーの場合は、先にカバーを取り外してから水やりをしましょう。カバーがぬれたままでいると、コバエが発生するだけでなくカビやウイルスの繁殖の原因にもなります。

④土を新しく入れ替える

古くなった土を使っている、または一度コバエが室内に発生したことがある場合は、観葉植物の土がコバエの発生源かもしれません。土の表面近くに産み付けられた卵がふ化して飛び回り、繁殖期にはさらに増えるといった状態が起きます。

薬やトラップなどで環境が改善されない場合は、土を新しいものに変えて一度植物を育てる環境をリセットするといいです。土を入れ替えるときはカバーも忘れずに敷き詰めて、コバエが再度発生しにくい環境をつくりましょう。

そもそも:観葉植物に発生するコバエとは?

室内を飛び回るコバエは、観葉植物から発生するものとキッチンの生ごみなどから発生する2つのタイプがあります。

観葉植物に発生するコバエは、ガのような見た目をしたチョウバエと、カ(蚊)に似た姿をしたキノコバエが主です。どちらもコバエというよりも「カ」に近い品種かもしれません。

一方キッチンに発生するコバエは、ショウジョウバエとノミバエの2種類で、どちらもいわゆる「ハエ」といわれる姿をしています。

発生したコバエが、ガやカに似ているのか、それともハエに似ているのかで発生源を特定するといいかもしれませんね。

チョウバエとキノコバエが主な種類

観葉植物に発生するチョウバエとキノコバは、特に人間に危害を加える生物ではありませんが、衛生害虫として区分されています。有機物の多い場所や汚れ・ヌメリがたまりやすい場所に発生しやすく、トイレ・洗面所・風呂場にも発生することがあります。

必ずしも観葉植物だけに発生するわけではないので、汚れがたまりやすい水回りにも防虫対策をしましょう。置き型の薬剤を設置したり、定期的に掃除をしたりなど対策をすれば大量に発生するこもなくなります。

また薬で防虫・殺虫する場合は、必ず観葉植物用と浴室用の薬で駆除しましょう。キッチンに発生するコバエ用の薬では効果があまり期待できないので、チョウバエ・キノコバエ専用の薬を使います。

梅雨の時期に発生しやすい

比較的梅雨の時期から発生し始めるチョウバエとキノコバエ。気温が20〜25℃、湿度が60〜70%程度になると発生しやすく、繁殖も盛んになるようです。

これは観葉植物のコバエだけでなく、キッチンのコバエも同じように発生しやすいので風通しを良くして、湿気がこもらないようにしましょう。

冬の時期でも発生する

梅雨の時期や夏に発生するチョウバエやキノコバエは、環境によっては冬でも発生することがあります。暖房が効いている部屋では、コバエの活動が活発になり、水気があれば繁殖することも。

土が湿っている鉢や、ケースやグリーンハウスの中で育てている植物の近くにコバエがたかりやすいので、置き型の薬やトラップで防虫しておくといいです。

筆者の植物にもチョウバエがよく発生するときがあります。カナダには梅雨はありませんが、家全体に暖房が付くため冬でも発生し、1年中見かけることも。置き型の薬や即席のトラップを設置しておき、大量に発生しやすい時期にスプレーを鉢に吹きかけておくだけで効果は期待できますよ。

観葉植物のコバエ|室内に発生する原因

観葉植物の土からコバエが発生することは、あまり知らなかった人もいると思います。では、なぜコバエが土から発生したのか。

ここでは、コバエが観葉植物の土から発生する以下3つの原因について解説します。

  1. 屋外から侵入して繁殖した
  2. 土に卵が混じっていた
  3. コバエの好む土や肥料を使っている

屋外から侵入して繁殖した

小さなコバエは気付かないうちに、玄関や窓から室内に侵入することがあります。

侵入したときに観葉植物の湿った土に卵を産み付け、大量の幼虫がふ化します。成虫は約2〜3週間の命といわれますが、1回の産卵でおよそ200〜300個の卵を産み付けるようです。

幼虫は14日間ほど土の中にいるため、この時期に殺虫するのが効果的です。

また、幼虫は排水溝をたどって室内に侵入することもあるので、トイレや浴室に突然出現することもあります。

土に卵が混じっていた

コバエの卵や幼虫は、湿った場所であれば死滅することがあまりないようです。そのため観葉植物を購入したときにすでに土に侵入していたかもしれません。

そのまま自宅に持ち帰り、コバエにとって環境の良い室内でいつの間にか大量に繁殖することもあります。購入したあとは、コバエ用ハンドスプレーで土に吹きかけ、卵や幼虫を殺虫するといいかもしれませんね。

コバエの好む土や肥料を使っている

腐葉土やバークなど堆肥、油かす、魚粉などを使った有機肥料は動植物の残骸を発酵させてできたものです。天然オーガニックで栄養満点なので植物にとって最高の環境ですが、コバエたちも大好き。

肥料を与え過ぎてしまうと、それに集まるようにコバエも大量に発生します。すでに有機物が含まれた土や肥料を使っている場合は、土に殺虫剤を吹きかけた後、表面をカバーしましょう。

観葉植物にコバエを発生させない育て方

観葉植物にコバエを発生させないためには、普段の管理の仕方も大事です。観葉植物の管理は、室内のガーデニングであり、掃除や手入れができていないと不衛生な環境になってしまいます。

コバエもさらに集まりやすくなるので、部屋をきれいにすることも大事ですよ。

  1. 梅雨の時期に有機肥料を使わない
  2. 土は乾燥気味にする
  3. 木酢液や忌避剤を吹きかける

梅雨の時期に有機肥料を使わない

梅雨の時期に発生しやすいコバエたち。この時期には有機肥料をできるだけ避け、化学肥料に切り替えて肥料を与えるのがベストです。気温が低くなる9月下旬ごろまでは、化学肥料で問題ないかもしれません。

しかし、コバエが集まりやすい有機肥料ですが、発生源だからといって化学肥料ばかりを与えるのはやめましょう。土の中の微生物がいなくなり、吸いきれなかった化学肥料の栄養が土にたまり、植物は次第に酸化します。酸化した植物は病気にかかりやすく枯れやすいので、時期を見て有機肥料に再度切り替えましょう。

土は乾燥気味にする

湿った場所や水気のある場所は、コバエの卵がふ化する場所でもあります。観葉植物の水やりや葉水をしたあとは、土の表面をしっかりと乾かし清潔に保ちましょう。

気温や湿度、日当たりなど環境にあわせて水やりの回数を減らし、表面が乾くようにするといいです。しかし湿度が高い時期では、土を乾かすことが難しい場合もあると思います。水分計を使いながら観葉植物の水やり頻度を調整したり、太陽が出た日には屋外に移動させたりするなど、工夫して管理しましょう。

また悪い土では、泥のようにいつまでも湿ったままになりやすいです。土の水はけ具合も調節しながら用土をつくるといいです。

木酢液や忌避剤を吹きかける

匂いに敏感なコバエは、香りの強い木酢液(もくさくえき)が苦手です。強い香りで寄り付かないため忌避剤の効果があり、土に吹きかけることで発生する数を軽減できます。

観葉植物を室内に置くときは、木酢液のスプレーを2〜3回ほど表面の土に吹きかけておくといいです。

ただし、木酢液はくんせいのような強い匂いが特徴なので、散布したあとは室内に漂うこともあります。散布後は室内に匂いがこもらないように、屋外に数時間ほど置いてから室内に入れましょう。

受け皿にたまった水は捨てる

観葉植物の水やり後は、受け皿や鉢カバーに水がたまります。溜まった水をそのまま放置せずにシンクで洗い流すか、タオルなどでしっかりと吸い取るなど、きちんと処理をしましょう。

汚いままではいつまで経ってもコバエの数は減らず、増えるばかりです。またカビによって観葉植物が病気にかかることもあるので、普段からきれいにしましょう。

まとめ

観葉植物に発生するコバエは、湿った有機物が含まれた土に卵を産みつけ、環境によっては大量に増えます。人が気付かないところで不意に発生することがほとんどなので、あらかじめコバエ用に防虫することが大事です。

観葉植物を購入したあとは土に殺虫剤を吹きかけておき、赤玉土やココナッツファイバーで土の表面をカバーしましょう。それから室内に飾れば、コバエが発生することも少なくなりますよ。

また、個人的な意見にはなりますが、ハエトリソウやウツボカズラなど食虫植物でコバエを駆除してもらうのもいいかもしれません。大きな効果は期待できませんが、グリーンハウスやテラリウムなど、密閉するような小さな空間に食虫植物を入れれば、育てながら補殺できます。ちょっとグロテスクな植物は苦手という方は、ハエトリスミレなどかわいい花が咲く食虫植物がおすすめです。

コバエが発生しても、グリーンライフが楽しめるような空間をつくれたらいいですね。

柴﨑 光一
建築・インテリア学科卒の元造園士。植物が大好き過ぎて、大自然のカナダで植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。 建築と造園の経験に加え、趣味のさまざまな植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに観葉植物の魅力をお届けします。好きな観葉植物は、ザミオクルカス・ザミフォーリアとフィカス・アルテシマです!