屋外で楽しむ観葉植物として人気のあるオリーブの木。「平和の象徴」ともされ、ご自宅のシンボルツリーにしている方も多いかもしれません。
平和の象徴でもあるオリーブの木を元気に育てるためにも、肥料の時期や与え方に悩む方も多いと思います。そこで、今回はオリーブの木の肥料について詳しく紹介します。
最後には、与える肥料の注意点についても解説しているのでお楽しみに。オリーブの木の肥料時期や与え方について、正しく理解して元気なオリーブの木を育てましょう。
[https://andplants.jp/collections/olive]オリーブの木の特徴
オリーブの木は「平和の象徴」ともされており、幸せを運んでくれる観葉植物です。鉢植えで楽しむほか、地植えも可能なので、お庭に植えるのもよいでしょう。
さまざまな品種がありますが、オリーブの木の多くがシルバーグリーンの葉を特徴としています。太陽光をキラキラと反射する姿が美しいだけでなく、花や果実も楽しめる点も人気の秘密です。
おしゃれなオリーブの木は、カフェやレストランの屋外に飾る観葉植物に人気。生命力の高い植物なので、植物になじみのない方でも簡単に育てられます。
オリーブの木には肥料を与えた方がいい
オリーブの木は、鉢植え・地植えともに肥料を与えて育ててください。生命力が高く、生育も速いため、花や実を付ける際に多くの栄養を必要とするためです。
特に鉢植えの場合は、土の量が限られるため、肥料を適切に与えないと肥料切れを起こしてしまいます。
肥料を与えずに育てると、葉色が悪くなって落ちたり樹形が悪くなったり、花や実の付き方が少なくなったりするので注意してください。花や果実も楽しみたい方は、適切な時期に肥料を与えて育てることが重要です。
オリーブの木に肥料を与える時期
オリーブの木に肥料を与える時期は、1年のうちに3回あります。与える時期を間違えると、オリーブの木に悪影響を及ぼす可能性があるので、肥料時期は守って育ててください。
- 1~2月|寒肥
- 5~6月|追肥
- 10~11月|お礼肥え
それぞれ見ていきましょう。
1~2月|寒肥
オリーブの木には、1~2月に春の芽吹きのために肥料を与えてください。1~2月に与える肥料を寒肥(かんぴ・かんごえ)と言います。
寒い時期に与える肥料と考えると、与える時期を間違えないでしょう。寒肥は化成肥料ではなく、油かすやたい肥を中心とした有機肥料を与えると効果的です。
春の芽吹きと同時に新しい根が伸びるので、土壌改善の効果もある有機肥料を混ぜ込んでおくと、より根が伸びやすくなります。
5~6月|追肥
5~6月に肥料を与えてください。オリーブの多くの品種は6~7月に実を付け始めるためです。
5~6月に与える肥料は追肥(ついひ)と言い、追肥を与えていない場合は、花が咲いても実付きが悪かったり、生育途中で実が落ちたりすることがあります。
ゆっくりと持続的な効果のある緩効性肥料や速効性のある液肥を、追肥として与えると効果的です。置き肥であれば、5月に与えておくと安心でしょう。
液肥であれば、2週間に1度水に薄めて水やり代わりに与えてあげてください。
10~11月|お礼肥
オリーブの木には10~11月に肥料を与えます。10~11月はオリーブの実の収穫時期です。
「実を付けてくれてありがとう」の意味としてお礼肥(おれいごえ)と呼びます。実を付けたオリーブの木は、体力を消耗して弱っているので注意しましょう。
オリーブの木を元気づけるために、追肥同様に置き肥や液肥を与えてください。ただし、液肥の場合は、土が乾いている状態で与えることがポイントです。
気温が下がり始める季節なので、土が乾きにくく根腐れする危険があります。土の乾燥具合を確認して液肥を与えてください。
オリーブの木に与える肥料の種類
一言で肥料と言っても、種類や形状に違いがあります。ここでは、以下の3点について見ていきましょう。
- 化成肥料|嫌な匂いが少ない
- 有機肥料|土に与える負担が少ない
- 固形肥料と液体肥料の違い
化成肥料|嫌な匂いが少ない
化成肥料とは、無機物を原料として化学的に製造した肥料のうち、肥料の三要素(窒素・リン・カリ)を2種類以上含んだ肥料のことを言います。原料は自然界に存在する鉱物なので、安心してください。
1つだけの栄養素しか含まない肥料は、単肥(たんぴ)と言います。化成肥料の特徴は、粒の形や大きさが均一で成分も同じなため、初心者でも簡単にむらなく与えられる点です。
また、嫌な匂いも少なく、室内でも扱いやすいのも大きな特徴。しかし、土壌改良には効果がないので土の有機物が減ったり、与えすぎると根傷みにつながったりするので注意してください。
有機肥料|土に与える負担が少ない
有機肥料とは、油かすや牛糞、鶏糞、魚粉など植物性や動物性の有機物を原料にした肥料のことです。栄養補充だけでなく、土壌改良を行う役割もあります。
有機肥料は、土の中の微生物やバクテリアによって分解されることで、植物が吸収できる栄養分に変化します。そのため、速効性はありませんが持続性があり、土もふかふかになりやすいです。
微生物やバクテリアが土に増えるため、土に与える負担は化成肥料に比べ少ないでしょう。ただし、完熟していない有機肥料を与えた場合は、嫌な匂いが強いです。
さらに、土に撒いてから発酵を始めて、熱を持ち土のバランスを崩すこともあります。有機肥料を利用する場合は、完熟したものを使ってください。
固形肥料と液体肥料の違い
固形肥料と液体肥料の違いは、植物に与える肥料効果のスピードです。固形肥料は、粒や粉状なので、土に置いたり混ぜたりしても栄養分が溶けだすまでに時間が掛かります。
しかし、液体肥料は水に薄めて水やり代わりに与えるため、すぐに根に届き吸収されます。多くの固形肥料は遅効性で、液体肥料は速効性と言えるでしょう。
固形肥料は遅効性ですが、持続性に優れていて効果期間が長いです。対して、液体肥料は与えた時だけしか効果がなく、持続性に乏しい特徴も併せ持っています。
化成肥料や有機肥料ともに、固形肥料と液体肥料があるので、違いを理解してご自身に合った肥料の与え方をしてください。
オリーブの木への肥料の与え方
オリーブの木への肥料の与え方は、鉢植えと地植えで異なります。根が伸びる範囲や土の量が異なるためです。
それぞれ、どのように肥料を与えるのか解説します。
- 鉢植え|鉢の縁に置き肥する
- 地植え|枝先直下の地面に肥料を埋める
鉢植え|鉢の縁に置き肥する
オリーブの木を鉢植えにしている場合は、鉢の縁に置き肥しましょう。植物は、栄養分を吸収する細根を外側に広げるためです。
鉢植えの場合は、根が広がる範囲が限られています。鉢の縁沿いに置き肥しておくことで、溶けだした栄養分を細根が効率的に吸収することが可能です。
株元には大きな根ばかりで細根は少ないため、あまり栄養分を吸収しません。さらに、株元に栄養分が溜まりすぎると、根が傷む可能性があるので注意してください。
土に混ぜる場合は、土にまんべんなく混ぜます。液肥の場合は、土全体に行き渡るように与えてください。
地植え|枝先直下の地面に肥料を埋める
オリーブの木を地植えしている場合は、枝先直下の地面に肥料を埋めます。伸びている枝先の地面あたりに、オリーブの木の細い根が伸びているためです。
幹を中心に円を描くように、肥料を与えるとよいでしょう。地植えの場合は、水やりをあまり行わないので、固形肥料中心に与えます。
鉢植えのように定期的な植え替えを行わないため、地植えしたオリーブの木には土に与える負担が少ない有機肥料がおすすめです。
ただし、すぐに肥料が効いてほしい場合は、化成肥料を使用するなど与える時期によって使い分けるとよいかもしれません。
オリーブの木への肥料の注意点
オリーブの木への肥料の注意点を4つ紹介します。
- 株元に与えない
- 与えすぎない
- 化成肥料ばかり与えない
- 固形肥料と液肥をバランスよく与える
それぞれ見ていきましょう。
株元に与えない
オリーブの木の株元に肥料を与えないでください。株元に肥料が集中すると、根傷みを起こすためです。
肥料の栄養分を吸収する細根は、株元から離れた位置にあります。幹の真下の根は、太い根ばかりです。
鉢植えでは、鉢の縁沿いに肥料を与えてください。地植えでは、伸びた枝先の真下あたりに土を掘って有機肥料や化成肥料を土に混ぜ込むとよいでしょう。
与えすぎない
オリーブの木に肥料を与えすぎないように気を付けてください。肥料の与えすぎは、根傷みを引き起こすだけでなく、土を悪くする原因にもなります。
有機肥料であっても与えすぎには注意しましょう。土に負担が少ないとはいえ、与えすぎると水はけや水持ちなどのバランスが崩れて、オリーブの木にとって逆効果になることもあります。
与える肥料のパッケージに記載されている分量や回数を守って、肥料を与えましょう。
化成肥料ばかり与えない
オリーブの木には、化成肥料ばかりを与えないように注意してください。吸収されなかった栄養分が土にとどまり続けて、根痛みを引き起こすためです。
また、土の有機質分を補えないので、土が痩せてしまう原因にもなります。化成肥料は、初心者でも与えやすく、嫌な匂いも少ないため便利ですが、有機肥料と併用するとよりよいでしょう。
与える時期によって有機肥料を使ったり、化成肥料と交互に使ったりすることで、土のバランスを保つことができます。鉢植えの場合は、定期的な植え替えで新しい土にリセットさせることが重要です。
固形肥料と液肥をバランスよく与える
鉢植えのオリーブの木には、固形肥料と液肥をバランスよく与えてください。多くの固形肥料は遅効性であるため、すぐに肥料を効かせたい場合に効果は薄いです。
また、液肥は効果を持続させたい場合に、効果を期待できません。つまり、花や実などにすぐに栄養を行き渡らせたい場合は液肥を使い、枝葉や根などをじっくり育てて大きくしたい場合は、固形肥料を使用します。
どちらか一方だけを使用するのではなく、固形肥料と液肥をバランスよく与えることで、オリーブの木は健康的に育つでしょう。
オリーブの木に肥料を与える方からよくある質問
最後にオリーブの木に肥料を与える方からよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- オリーブの木に油かすは効果的?
- 8月の暑い夏に肥料を与えても大丈夫?
- オリーブの木の置き肥にカビが生えたけど問題ない?
それでは具体的に見ていきましょう。
オリーブの木に油かすは効果的?
オリーブの木に油かすは効果的です。
ただし油かす肥料の多くは、窒素分が多くリン酸が少ない特徴を持っています。つまり、花や実を咲かせるための追肥として与えると、葉ばかりが茂る可能性が高いです。
芽吹きを促す寒肥や、実を収穫し終えた後に与えるお礼肥に使いましょう。油かすは有機肥料に分類されるので、土に与える負担も少ないので、安心して使用できます。
与える時期と量を守って、オリーブの木に効果的に与えてください。
8月の暑い夏に肥料を与えても大丈夫?
8月の暑い夏に肥料を与えないでください。
オリーブの木の肥料時期は、1~2月(寒肥)・5~6月(追肥)・10~11月(お礼肥)の3回です。気温の高い8~9月はオリーブの生育は緩慢であるため、肥料を与えても吸収がよくありません。
生育が緩慢な時期に与えた肥料は、根を傷める可能性があります。夏の高温期にはオリーブの木に肥料を与えずに育てましょう。
オリーブの木の置き肥にカビが生えたけど問題ない?
オリーブの木の置き肥にカビが生えた場合は取り除きましょう。置き肥のカビが、周囲の土やオリーブの木に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
有機肥料の置き肥は、置いている環境が悪ければカビが生えることもあります。その場合は、オリーブの木にとっても悪い環境であることが多いため、日当たりと風通しの良い場所へ移動させてください。
有機肥料の置き肥には、形が崩れるものと崩れないものがあります。形が崩れない置き肥はそのまま取り除けますが、形が崩れるタイプにカビが生えたら、周囲の土と一緒に取り除くと安心です。
まとめ
オリーブの木は、おしゃれで花言葉もよいため、人気の観葉植物です。オリーブの木は、庭木としても扱われるため、肥料の与え方に悩む方も多いでしょう。
鉢植えでも地植えでも、肥料は与えて育てた方がより元気に育ちます。しかし、与える時期や与え方に注意しないと、逆効果になるかもしれません。
オリーブの木は、肥料の与える時期や与える肥料を間違わなければ、元気に育ちます。今回、紹介したオリーブの木の肥料時期や与え方を参考にして、オリーブの木をより健康的に美しく育ててください。