胡蝶蘭のお礼状テンプレートと注意点

胡蝶蘭のお礼状テンプレートと注意点

「お祝いで胡蝶蘭を頂いたけど、お返しの品物が必要?」

「頂いた胡蝶蘭に対して感謝の気持ちを伝えるお礼状は、どう書けばいいの?」

と、お祝いで胡蝶蘭を頂いた際に悩む方は多いのではないでしょうか。特にビジネスシーンでは、形式やスピードが重要視されるため、親しい関係であっても注意が必要です。

そこで、今回は胡蝶蘭のお礼状テンプレートと注意点について詳しく解説します。お礼状を送るタイミングや注意点を理解して、テンプレートを活用すれば、失礼なく胡蝶蘭のお礼を伝えられるでしょう。

胡蝶蘭を贈ってくださった方へ、感謝の気持ちを伝える際に役立ててください。

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胡蝶蘭を頂いたらお返しは必要?

お祝いで胡蝶蘭を頂いた場合、基本的にお返しの品物は必要ありません

特に、開店祝いや就任祝い、周年祝いなどに贈られる胡蝶蘭は、お祝いの気持ちを伝える「慶事の贈答品」です。品物でお返しをするルールはなく、その必要はないとされています。

しかし、頂いた胡蝶蘭に対して感謝の気持ちを伝えるお礼状は送りましょう。丁寧な書面で感謝を伝えることが礼儀でありマナーです。

お礼状を1週間以内に送る

お礼状は胡蝶蘭が届いてから1週間以内に送ってください。

胡蝶蘭を受け取ったら、まずは電話やメールで速やかに受け取った旨と感謝の気持ちを伝えましょう。その後に、正式な書面としてお礼状を郵送する形が丁寧です。

お礼状を送るタイミングは1週間以内が目安ですが、迅速であるほど贈っていただいた方への敬意や誠意を示すことができます。もし1週間を過ぎてしまった場合は「お礼が遅くなり大変申し訳ございません」といったお詫びを添えてください。

胡蝶蘭のお礼状テンプレート

胡蝶蘭のお礼状を書いている様子の写真

胡蝶蘭を頂いた際に、そのまま利用できるお礼状テンプレートを以下の2パターンに分けて紹介します。

  1. 取引先企業向けの例文
  2. 家族・友人向けの例文

日付や具体的な内容は調整して、ぜひ利用してみてください。

取引先企業向けの例文

謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

この度は、弊社の○○(例:創立○周年、新社屋落成)にあたり、素敵な胡蝶蘭を賜り、誠にありがとうございました。

品格ある美しい胡蝶蘭は、事務所に飾らせていただき、清楚で華やかな佇まいに、社員一同、気持ちを新たにしているところでございます。温かい心遣いに、心より感謝申し上げます。

これを機に、社員一同、より一層業務に邁進する所存でございますので、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

本来であれば拝顔の上で御礼を申し上げるべきところ、略儀ではございますが書中をもちまして御礼申し上げます。

謹白

令和○年○月○日

差出人の会社名・役職名・氏名

開業祝いや周年祝い、創立記念、就任祝いなどのビジネスシーンでは上記の例文を参考にお礼状を作成しましょう。丁寧な敬語を心がけて今後の関係発展を願う一文を添える書き方がポイントです。

家族・友人向けの例文

拝啓 寒さもようやく和らぎ、春の訪れを感じる季節となりました。皆様におかれましては、お変わりなくお過ごしのことと存じます。

さて、この度は私ども(例:新築、結婚)のお祝いに、大変立派な胡蝶蘭をいただき、誠にありがとうございました。

豪華で美しい胡蝶蘭は、リビングに飾らせていただき、家族一同、毎日その優雅な姿を眺めては、〇〇様(贈り主)の温かいお心遣いに感謝しております。

早速ですが、新居が落ち着きましたら、ぜひ一度遊びにいらしてください。

まずは略儀ながら、書中をもちまして厚く御礼申し上げます。

敬具

差出人の氏名

プライベートなお祝いシーンで家族や友人に胡蝶蘭を頂いた際には、上記の例文を参考にお礼状を作成しましょう。ビジネスシーンのようにかしこまりすぎずに、親しみを込めた丁寧な言葉を用いる書き方がポイントです。

胡蝶蘭のお礼状に関する注意点

胡蝶蘭のお礼状を書く縦書き便せんの写真

お礼状は、形式を守って書くことで、敬意と誠意が送る相手に伝わります。失礼がないように、以下の5つの注意点を守って作成してください。

  1. 時候の挨拶から始める
  2. 敬語を正しく使う
  3. へりくだりすぎない
  4. 胡蝶蘭のお礼を述べる
  5. 縦書きの便せんで送る

時候の挨拶から始める

お礼状の書き出しは、時候の挨拶から始める書き方がマナーです。時候の挨拶により、お礼状はより丁寧で格式高い印象になります。

月ごとにさまざまな時候の挨拶があるので、代表的なものを紹介します。お礼状を送る季節や月に注意してください。

各月  時候の挨拶
1月 「厳寒の候」「厳冬の候」「寒さが厳しいころとなりました」
2月 「向春の候」「梅花の候」「春が訪れるころとなりました」
3月 「早春の候」「浅春の候」「早春の時季を迎えましたが」
4月 「麗日の候」「春光の候」「うららかな春の陽気が続くころとなりましたが」
5月 「新緑の候」「若葉の候」「新緑の季節となりましたが」
6月 「青葉若葉の候」「深緑の候」「青葉若葉の時季となりましたが」
7月 「盛夏の候」「夏の盛りとなりましたが」
8月 「残暑の候」「初秋の候」「厳しい暑さのころですが」
9月 「処暑の候」「秋涼の候」「暑さが収まるころとなりましたが」
10月 「清秋の候」「夜長の候」「秋の夜長の時季となりました」
11月 「向寒の候」「落ち葉の候」「日増しに寒くなってまいりました」
12月 「師走の候」「寒冷の候」「師走となりました」

「○○の候」が一般的に使用されますが、家族や友人に対しては親しみを込めて柔らかい表現を使うのもよいでしょう。

季節にとらわれずに年中使える表現に「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」があります。ビジネスシーンのお礼状に使用されることが多い表現なので、時候の挨拶に迷った場合の定型文としておすすめです。

敬語を正しく使う

お世話になっている年上の方や取引先会社へのお礼状では、特に敬語を正しく使ってください。間違った敬語の使い方は、失礼な印象を与えてしまいます

敬語には尊敬語や謙譲語、丁寧語がありますが、いずれも正しく使うことが重要です。例えば、「いらっしゃる」「おっしゃる」は尊敬語で、相手を立てて敬う言葉です。

「いただく」「賜る」などは謙譲語で、自分自身をへりくだって相手に敬意を示します。これらの敬語を正しく使い分けることで、お礼状を送る方へ敬意や誠意をしっかりと伝えられるでしょう。

へりくだりすぎない

丁寧な文章は重要ですが、過度にへりくだった表現にならないように注意してください。「私のような」「つまらないお礼状ですが」などの表現は、いただいた胡蝶蘭の価値を下げるため、相手にも失礼です。

胡蝶蘭の美しさや大きさなどの素晴らしさを、素直に表現して感謝の気持ちを伝えましょう

胡蝶蘭のお礼を述べる

お礼状では、「何をいただいたのか」を明確にしてお礼を述べることが重要です。例えば、「お祝いの品をいただき」ではなく、「素敵な胡蝶蘭を賜り」のような文章にします。

具体性を高めることで、相手は「きちんと胡蝶蘭を見てくれたんだな」と伝わります。そのため、お礼状を送った相手により感謝の気持ちが伝わるはずです。

さらに、「胡蝶蘭をいただき、毎日癒されています」といった一言を添えると、定型文の印象がなく温かいお礼状になります。

縦書きの便せんで送る

正式なお礼状は、縦書きの便せんと封筒で送ります。特に、ビジネスシーンでは形式を守ることが重要視される傾向にあるので、注意してください。

便せんや封筒は白無地のものを選ぶのが無難です。もし柄やデザインが入ったものを使う場合は、落ち着いたものを使用しましょう。

親しい家族や友人にお礼状を送る場合は、横書きの便せんやメッセージカード、メールなどでも問題ありません。ただし、仲が良くても目上の方には縦書きで送った方が安心です。

胡蝶蘭のお礼状に関するよくある質問

いただいた胡蝶蘭の写真

最後に胡蝶蘭のお礼状に関するよくある質問とその答えを以下にまとめました。

  1. 上司や部下からの胡蝶蘭にもお礼状は必要?
  2. お礼状は手書きの方がいい?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

上司や部下からの胡蝶蘭にもお礼状は必要?

会社の上司から胡蝶蘭を頂いた場合は、対面での口頭のお礼に加えて、お礼状を送りましょう。文書で感謝の気持ちを示すと、より良い印象を与えることができます。

一方、部下から胡蝶蘭を頂いた場合は、お礼状よりも直接対面して温かいお礼を伝える方が親しみやすく好印象につながりやすいです。

お礼状は手書きの方がいい?

手書きの方が感謝や敬意が伝わる丁寧なお礼状になります。しかし、ビジネスシーンでは、大量に送る必要がある場合が多いです。

そのため、パソコンで作成したお礼状でも問題ありません。とはいえ、すべて印刷されたお礼状は冷たい印象になりがちです。

そこで、感謝の気持ちや署名だけでも直筆で書くなどの手書き要素を入れてみてください。より心がこもったお礼状になり、相手に感謝や敬意が伝わりやすくなります。

まとめ

胡蝶蘭を頂いた際のお礼状は、事務的な連絡ではありません。日頃の感謝や良好な関係性を築いていくための重要なコミュニケーションです。

そのため、お礼状を送る際は失礼がないように注意してください。この記事で紹介したテンプレートや注意点を参考に作成すると安心です。

お礼状の形式に則って、胡蝶蘭をいただいたことに対する感謝の気持ちを伝えましょう。

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田中 秀和
小さな時から花や観葉植物が好きで、田舎の野山を駆け回っては植物を採集して育てていました。 今でも自宅では多肉植物やサボテン、コーデックスを中心に様々な観葉植物を育てています。 総合園芸店で働いていたこともあり、植え替えやお水やりなどの管理、販売、お客様からのご相談ご依頼を経験。観葉植物の素敵な魅力や育て方を、目の前にいるような感覚でお届けできればと思います。 一緒にかけがえのない一鉢を見つけましょう。

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