ドラセナ・ナビーの育て方｜増やし方も解説

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ドラセナ・ナビーの特徴

ドラセナ・ナビーは、ドラセナ・コンシンネの枝変わりで生まれた植物です。枝変わりとは、コンシンネの一部の枝に異なる特徴が生まれる突然変異のことを言います。

ナビーは枝変わりした部分を切り取り、挿し木で増やされています。コンシンネのようなスマートな幹に、やや厚い剣状の細葉が付く姿が特徴です。

沖縄で育てられていたコンシンネが枝変わりして、そのまま増やされているため、原産地は沖縄となります。さらに、新しいドラセナであるため、学名も定まっておらず、ドラセナの仲間を意味する「Dracaena sp.」が現在の学名とされています。

近年、やっと流通し始めたばかりの品種です。コンシンネとは一味異なる優雅でスタイリッシュな樹形は、お部屋の雰囲気をアップグレードしてくれるでしょう。

ドラセナ・ナビーの育て方

ここでは、ドラセナ・ナビーの育て方を紹介します。

置き場所と日当たり

ドラセナ・ナビーは日当たりと風通しの良い室内を好む植物です。日当たりの良い環境を好みますが、耐陰性が強いため、窓際から離れたお部屋の中央の場所でも問題なく育ちます。

真夏の直射日光に当てすぎると、葉焼けする可能性には注意してください。窓際に置く場合は、夏は窓際から離しておくと安心です。

直射日光でなくとも、ほどほどの明るさがあれば十分に育ちます。葉も間延びしにくいため、蛍光灯だけの明るい環境でも育てやすいでしょう。

温度

ドラセナ・ナビーは、コンシンネ同様に寒さに弱い植物です。そのため、最低10℃以上をキープして育ててください。

より安全に冬越しさせる場合は、室温を15℃以上に保った暖かい室内で管理すると、より安全に冬越しできます。

ほどほどの明るさでも十分に育つため、より暖かいお部屋の中央に移動させておくだけでも大丈夫です。

暑さには強い植物ですが、30～35℃以上の夏の高温が連日続く場合は、水やり後に蒸れを引き起こすかもしれません。猛暑日が続く場合は、風通しがよく、なるべく涼しい場所で管理してください。

水やりの頻度

ドラセナ・ナビーの季節ごとの大まかな水やり頻度は以下の通りです。

春夏の生育期は、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いたら)鉢底から水が流れるほど水やりしてください。ただし、受け皿に水を溜めたままにしておくと根腐れの原因になるため、溜まった水はこまめに捨てましょう。

気温が下がり始める秋は、土の乾き具合を確認しながら徐々に水やり間隔を調整します。冬の水やり頻度は、土の表面が乾いて1週間後に与える程度です。

冬に水やりと葉水を行う場合は、室温が十分に上がったタイミングで行ってください。早朝や夜の室温が低いタイミングで行うと逆効果です。

水やりに失敗したくない方は、水やりチェッカーの利用をおすすめします。パッと一目で土の乾燥具合を確認できるため、季節や置き場所による水やり間隔の変化が分かりやすくなります。

肥料

ドラセナ・ナビーには、生育期の5月～7月、9月～11月それぞれに1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。真夏と冬は生育が緩慢なので、肥料は与えません。

春に植え替えをした際は、土に元肥を混ぜ込み、真夏を除いて置き肥や液肥を追肥として与えるとぐんぐん育ちます。秋に植え替えをした場合は、気温が下がり始めるタイミングなので、元肥は避けた方が無難です。

与える肥料は、AND PLANTSオリジナル「アンドプランツ 植物を元気にする固形肥料」がおすすめです。厚みのあるドラセナ・ナビーの葉を楽しめるでしょう。

剪定方法

ドラセナ・ナビーの剪定は、枯れたり茂りすぎたりした葉を切る程度です。茶色く枯れた下葉や黄色く弱った葉であれば、葉の根元を横に引っ張ると簡単に取り除けます。

もし葉先だけが傷んでいる場合は、葉の形状に沿って切り取ってください。葉を剪定した跡が目立たず、見た目を損なわずに観賞を楽しめます。

大きく成長しすぎて、高さを調整したい場合は、幹を好みの高さでバッサリと切りましょう。その後、剪定した幹の下部から新芽が複数出てくるので安心してください。

AND PLANTSでは皇室献上品でもある、新潟県三条市の100年企業・株式会社坂源のハサミ「Sakagen Flower Shears」を取り扱っています。軽くて切れ味抜群の使いやすい剪定ハサミを使って、楽しくお手入れしてみてください。

植え替え方法

ドラセナ・ナビーを美しく育てるためには、2～3年おきに生育期の5～10月に植え替えをしましょう。真夏は生育が緩慢になるので、30℃を超えるような日が続く場合は避けてください。

育てている年数だけでなく、主に以下の3つの症状が現れた時にも植え替えをします。

もし根が傷んでいる場合は、黒ずんだりスカスカになったりした根を取り外してください。

その他、植え替えの際に注意したいことは「観葉植物の植え替え」の記事で詳しく紹介しています。ドラセナ・ナビーの植え替えに不安な場合は、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

AND PLANTSでは、以下の植え替えセットをご用意しています。植え替えのアイテム集めに時間をかけずに、植え替えできるのでおすすめです。

ドラセナ・ナビーの増やし方

ドラセナ・ナビーは、5月～10月に挿し木で増やします。簡単な手順は以下の通りです。

素早く発根させたい場合は、切り口にルートン(発根剤)を付けて土に挿す方法をおすすめします。さらに、メネデールのような発根促進剤を水に薄めて併用するとドラセナ・ナビーの発根率が高まるはずです。

土に挿し木する方法以外に、容器に溜めた水に浸けたままにする水挿しでも増やせます。水挿しの場合は、そのまま水の中で茎から発根し始めたら、土に植え替えます。

そのまま水耕栽培として育てることも可能です。

ドラセナ・ナビーのよくあるトラブルと対処法

ここではドラセナ・ナビーのよくあるトラブルと対処法を解説します。

対処法を知っておくと、いざトラブルが起きても安心して対処できます。落ち着いて対処するためにも、ぜひ確認しておきましょう。

根腐れ

ドラセナ・ナビーの根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の酸素濃度が低下して土壌環境が悪くなることで発症します。また、土が常に湿っていると、根は呼吸できずに枯れてしまい、根自らが腐る症状でもあります。

根腐れの対処法は以下の通りです。

根腐れが起こった場合は、植え替えをして土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な根が伸びる状態にしてください。

根腐れの状態にもよりますが、半分以上の根が根腐れしているのであれば、鉢サイズを1～2回り小さくしましょう。大きな鉢に植え替えると、土が乾かずに根腐れがより進行する可能性が高いです。

健康的な根が少ない場合は、小さな鉢で土を乾燥気味にすると復活が早いです。その他の復活方法や対策については、「観葉植物の根腐れ」の記事を参考にしてみてください。

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中が根でいっぱいになることで起きる症状のことです。

ドラセナ・ナビーは根詰まりすると、以下のような症状が見られます。

根詰まり自体は、すぐに枯れる原因にはなりません。しかし、生育スピードが遅くなり、徐々に元気をなくしていくので注意が必要です。

対処法は、植え替えです。

5月～7月、または9月～11月に、鉢底の土を優しくほぐして根を傷めないように植え替えます。株の大きさにもよりますが、1回り～2回り大きな鉢へ植え替えてください。

植え替えするだけで、根詰まりが引き起こす上記の症状は解決します。「もしかしたら根詰まりしているかも」と不安な場合は「観葉植物の根詰まり」の記事を参考にして判断してみてください。

葉焼け

ドラセナ・ナビーが葉焼けすると、以下の症状が出てきます。

強い日差しを浴びすぎると、葉が傷んで「葉焼け」のトラブルが発生します。葉焼けの症状に気がついたら、直射日光を避けるように対策してください。

対処法は以下の通りです。

葉焼けのトラブルが起きる場合、強い直射日光が当たりすぎている可能性が高いです。直射日光を弱めたり、置き場所を移動したりしてください。

葉焼けした葉は元には戻らないので、株全体のバランスを見ながら剪定しましょう。葉の先端や縁だけが葉焼けしている場合は、形状に合わせて葉焼けした部分だけを剪定すると、剪定後の見栄えも気になりません。

葉焼けが起きた際の対処法や予防法について詳しく知りたい方は、「観葉植物の葉焼け」の記事もぜひチェックしてみてください。

葉が落ちる

ドラセナ・ナビーを育てていると、急にポロポロと葉が落ちるトラブルを経験するかもしれません。葉が落ちるのは、以下のような原因が考えられます。

葉が落ちる対処法は、以下の通りです。

置き場所を移動させる場合は、中間の明るさや温度の場所を経験させて移動すると葉を落としにくいです。根傷みしている場合は、植え替えのタイミングで黒ずんだ根やスカスカの根は取り除いておくと安心です。

ドラセナ・ナビーの害虫トラブルと対処法

ドラセナ・ナビーに発生しやすい害虫は以下の4つです。

それぞれ見ていきましょう。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つ厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトランなど）の使用が効果的です。ハダニは一度では駆除しきれないことがほとんどなので、状態を見ながら、定期的に噴霧してください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方は水で洗い流す方法がおすすめです。ハダニが現れたら、こまめに殺虫剤を吹きかけたり、ホースシャワーで株全体を水で洗い流したりしてください。

ハダニは非常に小さいため、姿を確認しにくい害虫です。葉を触ってザラザラした感触がある場合はハダニがいるかもしれません。

大発生してクモの糸のようなものが目立ち始めたら要注意です。そうなる前に「観葉植物に発生するハダニ」の記事で初期症状や対処法を確認しておきましょう。

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。

風通しの悪い環境で育てていると、葉の裏側や株元の付け根にカイガラムシが発生しやすいです。そのままにしていると、大発生してすす病を併発させたり株が弱々しくなったりするので注意してください。

見つけ次第、早めに以下の対処法を取りましょう。

カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）の使用が効果的です。

ただし、カイガラムシは殺虫剤が効きにくい害虫です。そのため、殺虫剤使用と布・ブラシでの拭き取りを合わせて行うと効率的に駆除できます。

ナビーに関わらず、ドラセナ類の葉の付け根部分に、カイガラムシが発生し始めると、駆除が非常に大変です。葉が密集しているため、見逃したり殺虫スプレーがうまくかからなかったりします。

日頃から、葉色や葉の手触りなど気にかけておくと、カイガラムシの発生に気づきやすいはずです。カイガラムシの駆除に悩んでいる方は「観葉植物の白い虫はコナカイガラムシ」の記事内容が、悩み解決に役立つでしょう。

アブラムシ

ドラセナ・ナビーを日当たりと風通しが悪い環境で育ててしまうと、アブラムシが発生しやすくなります。アブラムシは空気が滞留してジメッとした環境を好むためです。

さらに、生育環境が悪いと葉が柔らかくなるため、被害を受けやすくなります。

アブラムシが発生した際の代表的な症状は、以下の通りです。

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

脱皮を繰り返して短期間で成虫になるので、アブラムシが増えると、葉に白～茶色の小さなチリのようなものが目立ち始めます。このチリのようなものは、脱皮殻です。

脱皮殻を見つけた際は、近くにアブラムシがいますので、注意深く観察して見つけてください。放っておくと生育が弱まり綺麗な新芽が出てこなくなるので、早めに対処を行いましょう。

具体的な対処法を紹介します。

アブラムシを見つけたら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトランなど）の使用がおすすめです。殺虫剤が効きやすい害虫なので、すぐに対処すれば被害は大きくなりません。

有機肥料は、植物の生育を大きく助けて土の状態も良くしてくれるメリットがあります。しかし、アミノ酸を多く含む有機肥料はアブラムシを集めやすい傾向があるので、室内観葉に使用する際には注意が必要です。

「観葉植物に発生するアブラムシ」の記事を参考に、アブラムシの被害がない観葉植物ライフを過ごしてください。

コバエ

コバエが発生し始めると、以下のような症状がでてきます。

コバエ自体は植物に無害ですが、私たち人間にとっては不快害虫です。放っておくとコバエはどんどん増えていくので、早めに対処を行いましょう。

例えば、以下のような対処法がコバエの減少・防除に効果的です。

ドラセナ・ナビーをはじめ、多くの観葉植物の土に堆肥を混ぜ込んだり有機質肥料を与え過ぎたりするとコバエが発生する原因になります。

コバエをどうしても発生させたくない方は、無機質用土の使用がおすすめです。筆者はコバエ対策として、基本的に無機質用土で植物を育てるようにしています。

もしコバエが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使って退治しましょう。スプレーでうまく対処できない場合は、トラップを仕掛けて数を減らすのも一つの手です。

コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで簡単に作ることができます。また、市販のコバエトラップもお手軽で便利です。

土の中の卵や幼虫が気になる場合は、溜めた水に殺虫剤を溶かして、一時的に鉢ごと沈めてください。土の中にいる幼虫や卵は、殺虫成分と窒息の効果で退治できます。

コバエは有機質の匂いに反応して集まってくる習性があります。「お部屋でコバエが飛んでいる」と悩んでいる方は、「観葉植物に発生するコバエ」の記事を確認して対処すると、悩みがなくなるかもしれません。

ドラセナ・ナビーの育て方に関するよくある質問

最後にドラセナ・ナビーの育て方に関するよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

枯れる原因は？

ドラセナ・ナビーが枯れる原因には、「寒さ」「水のやりすぎ(やらなすぎ)」が考えられます。

強い耐陰性を持つため、非常に暗い環境で開ければ、明るさが原因で枯れることは少ないはずです。そのため、水やりや温度に注意して育てれば、安心して楽しめるでしょう。

冬は最低でも10℃以上をキープしてください。水やりは季節に応じて適切に与えることが重要です。

この記事で紹介した育て方を守って、元気に育ててください。

猫や犬などのペットは大丈夫？

猫や犬などのペットが多量に摂取してしまうと、嘔吐や下痢、しびれによるふらつきなどを起こす可能性があります。そのため、猫や犬などのペットが過ごす場所には、置かない方が安心です。

ドラセナ属の葉にはサポニンと呼ばれる、犬や猫などにとって有毒になる成分が含まれています。万が一、ドラセナ・ナビーの葉を口にして症状が見られる場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。

花は咲く？開花時期は？

ドラセナ・ナビーは、秋～冬にかけて花が咲く植物です。ただし、ドラセナ属の開花は5～10年に1度と言われており、非常に珍しいものです。

さらに、開花させるには十分な成長をしていることが必須。小さな株では開花しないので、花を咲かせたい方は、大事に長年育ててください。

開花が秋～冬にかけてなので、夏以降は肥料を与えずに育てると花が咲きやすい傾向にあります。ぜひ珍しいドラセナ・ナビーの花を咲かせてみましょう。

まとめ

ドラセナ・ナビーは、流通量が少ない観葉植物です。コンシンネからの枝変わりですが、育て方の基本は変わらないため、初心者も安心して育てられます。

スマートな幹姿をしていますが、葉の形状はコンシンネとは異なり、やや厚みがあります。ドラセナが好きな方は、コレクションしたくなるはずです。

「珍しい植物を飾りたいけど、育て方は簡単な方がいい」と考えている方にもおすすめです。流通量が少ない植物ですが、見つけた際はコンシンネとの違いを確認しながら購入を考えてみてはいかがでしょうか。