植物名 | アレカヤシ |
学名 | Dypsis lutescens |
英名 | Areca palm |
科目/属性 | ヤシ科/クリサリドカルパス属 |
原産地 | マダガスカルなど |
アレカヤシの特徴
アレカヤシは、おしゃれなカフェやオフィスなどで目にする人気の観葉植物です。
細くシャープな葉っぱがさらさらと揺れる様子には、南国ムードが漂い、お部屋にひとつあるとスタイリッシュな空間を演出してくれます。
観葉植物としては、背丈を超すほどのサイズがよく見られますが、原産国では10mを超えるものも見ることができます。
暖かい地方原産なので寒さには弱いですが、生命力の強い植物なので育てやすく、初心者の方にもおすすめできる品種です。
アレカヤシの花言葉
アレカヤシの花言葉は、「元気」と「勝利」です。
葉を四方八方に大きく広げる姿は、エネルギーにあふれ、そんな花言葉がぴったりです。
快気祝いなどのギフトシーンにも選ばれています。
アレカヤシの風水
アレカヤシは風水において、出逢い運を高めるといわれています。
特に恋愛の出逢いを求めている方は、恋愛の吉方位である「東南」にアレカヤシを飾るといいでしょう。
また、アレカヤシのように下を向いた葉を持つ観葉植物は「気」を落ち着かせる効果があり、リビングや寝室に飾ると、リラックスできる空間になります。
アレカヤシの育て方

日当たり | 日当たりのいい置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
肥料 | 液体肥料・緩効性肥料 |
剪定時期 | 4〜10月 |
日当たり(耐陰性)
アレカヤシは耐陰性がそこまで高くありません。
直射日光を避けて、日の当たる明るい室内に置くようにしましょう。いきなり日差しが強い場所に置くと葉焼けを起こす可能性があるからです。
置き場所(耐寒性と耐暑性)
寒さに弱く、暑さには比較的強い品種です。
冬場は温度管理に気を付けて、温かい室内で育てるようにしましょう。
エアコンの風は植物を乾燥させてしまうので、風が直接当たらない場所に置いてください。
夏は直射日光が当たらない屋外でも管理できますが、基本的に紫外線量に変化を起こさない方が良いので、室内に置きっぱなしが良いでしょう。
温度
アレカヤシは寒さに弱い観葉植物です。
置き場所の温度は、10℃以上になるように管理しましょう。
それ以下の気温の低い場所に置くと、弱りやすくなるため注意が必要です。
水やりの頻度
気温が15℃以上ある春から秋にかけては、土の表面が乾燥したら水をたっぷりあげてください。
15℃以下になると成長スピードが緩やかになるので、水やりの間隔を空けます。
土の表面が完全に乾いて2、3日してから、水をあげるようにしましょう。
肥料
栄養が足りないと、葉の色が変色してきたりしおれてくるため、肥料を必要とします。
成長が緩やかになる冬場に与えると、根を傷めてしまうことがあるので(肥料焼け)、春から秋の生育期に与えるようにしましょう。
肥料の種類は、薄めた液体肥料を月1~2回程度与えるようにします。
剪定方法
アレカヤシは一年中新しい葉を付け、また葉を落とさないタイプの品種です。
そのため、古くなった葉や長くなりすぎた茎は剪定が必要です。4〜10月の時期に行うといいでしょう。
重なりあった葉は切り、風通しを良くし生育を促してあげることが大切です。
アレカヤシのよくあるトラブルと対処法

ここでは特に起こりやすいトラブルの一つ一つの原因、症状、対処法について解説します。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が起きます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
「根腐れ」は、土の中の酸素濃度が低下することでアンモニアが発生し、有害なアンモニアが土の中の微生物菌叢を悪化させることで引き起こります。
根がふやけてしまうことで細胞が死んでしまい、水が吸い上げられずに植物全体に水分が行き渡らなくなってしまうのです。
根腐れの対処法は以下の通り。
- 鉢から植物を抜き、土を落として鉢を入れ替える
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 一時水やりを控え、風通しがよく明るい日陰に置く
- 活力剤を与えてみる
根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。
傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下の通り。
- 日照時間を短くする
- 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、日照時間が短くなるような措置をとりましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通り。
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通り。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢、殺虫剤)
症状に気がついたらすぐにハダニを駆除することが大切です。
水で洗浄して糸やハダニを取り除き、ハダニに効果的な液体をまいて確実に殺虫しましょう。
アレカヤシのよくある質問
最後にアレカヤシのよくある質問とその答えをまとめました。
- 挿し木で増やせる?
- ペット(犬・猫)にとって危険性はない?
- 枯れた場合はどうすればいい?
- 虫が発生することもある?
- 葉が落ちる場合はどうしたらいい?
- 屋外に置ける?
- 冬の管理方法は?
- 成長速度は?大きくなりすぎた場合どうしたらいい?
それでは具体的に見ていきましょう。
挿し木で増やせる?
アレカヤシは挿し木で増やすことはできませんが、増やしたい場合は、株分けで増やすことができます。
5~7月頃の暖かい時期が最適です。
ペット(犬・猫)にとって危険性はない?
ペットやお子様に、特に害になることはありません。
枯れた場合どうすればいい?
直射日光が苦手な品種なので、強い日光に長く当たりすぎると葉焼けをおこし、枯れてしまう可能性があります。
また、水やりのし過ぎが枯れの原因になることもあります。
完全に枯れてしまった場合は、掘り起こして根が腐っていなければ、新しい土に植え替えると、また元気な芽を出すこともあります。
虫が発生することもある?
まれにハダニやアブラムシなどの害虫が付く可能性があります。
風通しの良い場所に置き、霧吹きなどで葉に水をかけてあげることで(葉水)、予防になります。
コバエの発生を防ぐためには、受け皿の水はこまめに捨てましょう。
葉が落ちる場合はどうしたらいい?
アレカヤシは葉を落とさない性質なので、成長の段階では、基本的に葉を落とすことはありません。
葉がかさかさになって落ちるようなら、水不足が考えられます。
葉っぱが変色して落ちはじめた場合は、逆に水やりのしすぎや葉焼けが原因かもしれません。
屋外に置ける?
春から秋にかけては、屋外に置くこともできますが、基本的に紫外線量に変化を起こさない方が良いので、室内に置きっぱなしが良いでしょう。
冬の管理方法は?
室外が20℃以下になりはじめたら、室内で管理しましょう。
エアコンの風が直接当たらないよう、置き場所には注意が必要です。
冬場でも、霧吹きなどで葉に水をかけてあげると(葉水)、きれいな葉を保つことができます。
成長速度は?大きくなりすぎた場合どうしたらいい?
アレカヤシは、成長速度がとても速い観葉植物です。
根が鉢底の穴から見えるようになったら、ひとまわり大きな鉢に植え替えてください。
成長を緩やかにしたいときは、定期的に剪定を行うようにしましょう。
アレカヤシのまとめ

アレカヤシは、放射状に伸びる様が印象的な観葉植物です。風水では良縁を引き寄せると言われており、レストランやホテルのロビーなどに飾られていることもあります。
関東甲信越の屋内であれば十分に冬越しできるので、ほぼ1年中健康に育てられます。ただし、窓際は冷気が発せられているので注意しましょう。
黒鉢に植え替えるだけで「和モダン」のような見た目に仕上がるので、和室や書斎などに飾るのもおすすめです。