「お部屋やお店をおしゃれに飾り付けるために、枝物に挑戦したい」と思う方は、多いのではないでしょうか。草花の切り花にない自然樹形の荒々しさや迫力、新芽の美しさなどは、お部屋の雰囲気を大きく変えてくれます。
一言で「枝物」と言っても、花木の枝や新緑を楽しむ枝、実付きの枝などさまざま。しかし、いずれも基本的には生け方は同じなので、枝物の生け方をマスターすると、お部屋の雰囲気を一段とおしゃれにできるでしょう。
この記事では、枝物を初めて飾る方にも安心な生け方やケア方法について紹介します。ただ飾るだけで終わらないためにも、おしゃれな魅せ方についても触れています。
AND PLANTSでは、インテリアにおすすめの枝物も取り扱っています。シンプルに飾るだけでも存在感を放ち、お部屋にぬくもりや季節感を演出してくれるでしょう。
[https://andplants.jp/collections/branch]枝物の生け方
枝物の生け方の手順は、以下の通りです。
- 花瓶を準備する
- 好みの高さに調整する
- 枝物の切り口を十字に切る
- 水揚げする
- 花瓶に水を15~20㎝注いで飾る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①花瓶を準備する
枝物をお部屋に飾るには花瓶が必要です。そのため、まずは花瓶を準備しましょう。
生ける枝物の長さにもよりますが、花瓶は重さがあるほど安定性が増し倒れにくいです。高さもあると、長い枝物も安心して飾ることができます。
例えば、長さが100㎝の枝物であれば、花瓶の長さは約50㎝あると安心して飾れるでしょう。AND PLANTSでは、長い枝物を生けやすい円柱形の花瓶「Cylinder/clear」の取り扱いがあります。
ガラス製で重みもあり高さも60㎝あるため、長い枝物をおしゃれに飾るのに活躍するでしょう。
[https://andplants.jp/products/vase-cylinder-long-clear]②好みの高さに調整する
枝物を花瓶に入れて飾り付ける前に、好みの高さに調整してください。飾る場所によっては、枝物が長すぎて天井や他のインテリアに当たってしまうこともあるかもしれません。
飾る場所のスペースと枝物の長さを確認して、長すぎる枝や切り口部分を剪定して高さ調節をしましょう。
③枝物の切り口を十字に切る
高さ調整をした後は、枝物の切り口から約3㎝の長さで十字に剪定ハサミで切ってください。

さらに、切り口周囲の木皮(もくひ)も剥いでおくと、効率的に吸水されやすいです。
吸水力の強い太い枝であれば一字切りでも良いですが、基本的に枝の太さに関係なく、十字に切ることをおすすめします。一字よりも十字に切った方が、水に触れる面積が広いためです。
特に、細い枝ほど吸水力が弱いため、しっかりと十字に切り、木皮を剝いでおくと長持ちしやすいです。
④水揚げする
枝物を長持ちさせるためには、飾る前にしっかりと水揚げさせます。枝物の隅々まで水を行き渡らせておくことで、枝先の花芽や新芽が枯れずに開きやすいためです。
枝物を新聞紙や用紙で包み、たっぷりと水を注いだ高さのある花瓶やバケツに生けて、水揚げさせてください。直射日光の当たらない涼しい場所に半日程度置いておきます。
水揚げしても、枝先がピンとならない場合
枝物の種類によっては、切り口を十字に切って半日水揚げしても、なかなか水が枝先まで上がらないものがあります。その場合は、70~80℃の熱湯に切り口を30秒ほど浸す「湯揚げ」をすると効果的です。
枝内の空気を取り除き、直後に吸水させることで、一気に水を枝先まで行き渡らせることができます。
⑤花瓶に水を15~20㎝注いで飾る
枝物にしっかりと水揚げさせたら、飾り付ける花瓶に水を15~20㎝の高さで注いで飾ってください。
枝物や花瓶の高さにもよりますが、花瓶に水を注ぎすぎると、水を交換する際に移動や掃除が大変になります。水に浸っている枝部分が長いほど、雑菌によってヌメリが発生するので注意してください。
ただし、注ぐ水が少なすぎると、枝物が吸水できなかったり水切れしたりするので、定期的に水の量を確認しておくと安心です。
枝物を長持ちさせるケア方法

枝物を長持ちさせるケア方法を紹介します。
- 余分な枝葉を切る
- 水に切り花延命剤を入れる
- 2~3日おきに水を交換する
- 切り口を切り戻す
- 葉に霧吹きする
枝物をお部屋に飾っても、すぐに葉や花が枯れ落ちると残念な気持ちになります。根が付いていないため、いずれ枯れると言っても「枝物のおしゃれな姿を、少しでも長く楽しみたい」と思う方は多いでしょう。
枝物を長持ちさせるケア方法を解説します。初めて飾る方も行いやすいケア方法ばかりなので、ぜひ試してみてください。
余分な枝葉を切る
枝物の余分な枝葉を切りましょう。枝が込み合った部分を剪定して枝数を少なくすると、枝物全体の蒸散量を減らすことができます。
枝物内の水分量が維持され、さらに他の枝葉に水分が供給されやすくなるので、葉一枚一枚や花一輪一輪が長持ちしやすくなります。枝物の生け方手順の「②好みの高さに調整する」の際に、一緒に剪定しておくと良いでしょう。
剪定した余分な枝葉は、小さな花瓶に生けて別の場所に飾って楽しんでみてください。
水に切り花延命剤を入れる
枝物を長持ちさせるケア方法として、水に切り花延命剤を入れるのもおすすめです。草花の切り花に使用する切り花延命剤で問題ありませんが、枝物専用のものを使用すると、より長持ちします。
切り花延命剤には、さまざまな種類があるため、それぞれの使用方法を守って使ってください。切り花延命剤を入れすぎると、水にコケが生えたり濁りやすくなったりするため、注意しましょう。
また、枝物の吸水力が落ちる原因に、水中の雑菌増殖があります。
雑菌を増やさないために、筆者は園芸店時代にハイターのような塩素系漂白剤を2~3滴、入れていました。
切り花延命剤代わりに、塩素系漂白剤を使用して雑菌の増殖を予防する方法も効果的です。ただし、入れすぎると枝物そのものが枯れるので、入れる量には注意してください。
2~3日おきに水を交換する
花瓶に溜めている水は、2~3日おきに交換しましょう。花瓶に溜めている水をそのままにしておくと、雑菌が増えて枝物の吸水力を低下させてしまいます。
雑菌が増えると枝物の吸水力低下だけでなく、水が濁ったり嫌な匂が発生したりするので、こまめに水替えをしてください。新鮮な水に交換するだけでも、枝物の状態が良くなります。
気温が高い夏は、水中の雑菌が増えやすいので、特に水の状態に気を付けます。水量によっては、毎日交換した方が安心です。
ただし、切り花延命剤や塩素系漂白剤を入れている場合は、頻繁な水交換が不必要な場合があります。水の状態を確かめながら、水を定期的に交換して新鮮な状態を保ってください。
切り口を切り戻す
水を交換する際に、枝物の切り口を切り戻しましょう。切り戻しと十字の切れ込み、木皮剥ぎを新たに行うことで、吸水力が元に戻ります。
また、水中に雑菌が増えると、水に浸っていた枝部分やガラスの側面がヌメヌメし始めます。ヌメリがある部分は、柔らかいスポンジや手で擦り落としてあげてください。
枝物の長さや大きさにもよりますが、切り口を新鮮な水の中で行うように心がけましょう。水の中で切り戻しや十字の切れ込みを行うと空気に触れないため、枝物の吸水力がより良くなります。
葉に霧吹きする
枝物の葉に霧吹きすることも、長持ちさせるためのケア方法として有効です。葉の乾燥を防ぎ瑞々しさを保つため、葉一枚一枚がチャリチャリに枯れにくくなります。
特に、エアコンの冷暖房によって空気が乾燥する場合に効果的です。普段から、枝物や花瓶の水をチェックする際に、枝物全体に霧吹きをするようにしましょう。
AND PLANTSでは、インテリアのアクセントにもなる「GWR's ガラス瓶霧吹き」を取り扱っています。おしゃれなデザインで、枝物の霧吹きも楽しく行えるので、ぜひ普段使いの1つとして利用してみてください。
[https://andplants.jp/products/gwrs-spray-green]枝物をおしゃれに魅せるコツ

枝物をおしゃれに魅せるコツは、以下の5つです。
- 複数本生ける場合は輪ゴムで括る
- 縦の添え木留めをする
- ガラス花瓶にセロハン紙を乱雑に入れる
- 季節の花と一緒に生ける
- 光源の近くに置く
枝物をお部屋に飾るなら、よりおしゃれに楽しみたいのではないでしょうか。ただ花瓶に枝物を入れるだけではなく、少しの工夫でよりおしゃれになるコツを紹介します。
複数本生ける場合は輪ゴムで括る
花瓶に複数本の枝物を生ける場合は、輪ゴムで括るとまとまりやすくおしゃれに見えます。特に細い枝物ほど、うまくまとまらずばらつきやすいので、輪ゴムを使うと良いでしょう。
大きな枝物は、花瓶に入れた際に収まりが良いため、複数本入れても安定します。うまくまとまっている場合は、無理に輪ゴムは使わずに、枝同士がぶつからないように花瓶に生けてください。
縦の添え木留めをする
枝物をおしゃれに魅せる方法に、「縦の添え木留め」と呼ばれる生け花の技法がおすすめです。特に直線的な枝ぶりであるサクラやモモ、ウメなどの花木をおしゃれに飾れます。
縦の添え木留めを行う手順は以下の通りです。
- 花瓶の高さと同じ長さの土台用の枝を準備する
- 準備した枝の上部分を一字切りして裂け目を作る
- 葉や花を楽しむための枝物を準備する
- 切り口部分を一字切りして裂け目を作る
- 2本の裂け目同士を咬ませる
- 花瓶にそのまま入れて裂け目が浸るように水を溜める
シリンダータイプの縦長の花瓶でも、枝物を横に広げられるので、よりおしゃれな生け方ができます。空間をより上手に使うことができるので、おしゃれに枝物を楽しめるでしょう。
ガラス花瓶にセロハン紙を乱雑に入れる
透明なガラス花瓶に、乱雑に折り目を入れたセロハン紙を入れてみてください。そのまま、水を注ぐとセロハン紙の折り目部分で光が反射して、ガラス容器内がキラキラと綺麗に見えます。
セロハン紙は水との親和性が高いため、変に目立ちません。セロハンには色付きのものもあるため、枝物の花色や葉色に合わせてもおしゃれです。
お花屋さんでは、花束やアレンジメントをラッピングする際に透明セロハンを使用するので、枝物の購入と一緒に手に入れることもできます。
透明なガラス花瓶にセロハンを入れる方法は、筆者が園芸店時代に行っていた生花の魅せ方の1つです。水替えや容器の掃除はやや大変ですが、一時的におしゃれに飾りたい時にいかがでしょうか。
実際に筆者が勤めていた園芸店に訪れたお客様からは、「氷が入っているようにも見えて涼し気」と好評でした。
季節の花と一緒に生ける
枝物をメインとして、季節の花を一緒に生けるのもおすすめです。春であれば、チューリップやスイセン、スイートピーなどを数輪添えてあげると、枝物が引き立ちます。
季節の花を多く生けてしまうと、メインがお花になってしまう点には注意してください。枝物の動きや葉色、花色が引き立つように季節の花を一緒に生けてあげましょう。
光源の近くに置く
枝物は、ダイナミックな動きのある枝ぶりや繊細な花や新芽が特徴です。その特徴をお部屋で生かすために、光源の近くに生けた花瓶を近くに置いてみてはいかがでしょうか。
枝物の影が、お部屋の壁に投影されて、幻想的な雰囲気を演出してくれます。また、枝物の凹凸でできる陰影が、枝物の存在感を強めます。
特別な時間を演出したい時に、光源の近くに花瓶を移動させると枝物のおしゃれさを引き立てることが可能です。ただし、熱を発する光源の近くだと、枝物に悪影響を与えるので注意しましょう。
お部屋で生けるおすすめの枝物

お部屋で生けるおすすめの枝物を紹介します。
- サクラ
- アセビ
- ユーカリ
- オリーブ
AND PLANTSでは、インテリアにおすすめの枝物を下記ページにて取り扱っています。シンプルに飾るだけでも存在感を放ち、お部屋にぬくもりや季節感を演出してくれるでしょう。
[https://andplants.jp/collections/branch]サクラ

日本の国花でもあるサクラは、春を彩る枝物として人気です。最初は小さく固い花芽が枝全体を覆っていますが、時間が経つとお部屋の暖かさに反応して徐々に花芽が開花します。
淡ピンクの可愛らしい小花は、お部屋に一足早く春の訪れを伝えてくれるでしょう。サクラの枝物は、1~3月の早春にだけ流通します。
季節限定で1年に1度しか楽しめないサクラを、お部屋に飾って春の彩りを楽しんでください。
アセビ

ツツジ科のアセビは、1年中流通していることの多い枝物です。 艶のある緑の葉が美しくボリュームもあるため、広いスペースでも存在感を発揮します。
アセビは葉に毒性があるため、小さなお子様やペットが口にしないように気を付けましょう。もし飾る場合は、手の届かない位置に花瓶を置いてください。
葉の毒性にさえ注意すれば、非常に美しい枝物として活躍するでしょう。
[https://andplants.jp/products/branch-acebi]ユーカリ

ユーカリの枝物は、ボリューム感がありブルーグレーの丸葉が特徴。 鉢物でのユーカリは屋外管理ですが、枝物であれば屋内で鑑賞ができます。
ユーカリの清涼感のある香りとブルーグレーのおしゃれな丸葉は、お部屋のおしゃれさをグッと引き立ててくれるでしょう。 緩い曲線を描く枝は柔らかい印象を与えるため、可愛いインテリアとの相性が良いです。
香りも楽しめる枝物として楽しんでみてください。
[https://andplants.jp/products/branch-eucaly]オリーブ

オリーブの枝物は、シルバーがかった緑の葉としなやかな枝ぶりが特徴です。
鉢物としてのオリーブの場合は屋外管理ですが、枝物であれば爽やかな葉姿をお部屋で鑑賞できます。グリーンとシルバーのコントラストは光を反射させながら、空間をキラキラと彩ってくれるでしょう。
枝物ならではの大胆なオリーブの存在感が楽しめます。スタイリッシュなお部屋の印象にぴったりなので、お店のインテリアとしてもおすすめです。
[https://andplants.jp/products/branch-olieve]まとめ
枝物の生け方を紹介しました。近年、切り花として流通している枝物は、お部屋のインテリアとしても人気です。
しかし、初めて枝物をお部屋に飾る方は、生け方が分からずハードルが高く感じるかもしれません。ただ花瓶に生けただけでは、枝物は長持ちしません。
枝の切り口を十字に切り、切り口の木皮を剥いで、しっかりと水揚げしてください。こまめに水を交換したり切り花延命剤を入れたりすると、より長く枝物を楽しめます。
枝物をお部屋に飾ると、生花や観葉植物とは違った存在感や季節感を楽しめますので、ぜひ枝物を飾ってみて素敵な一日を過ごしてみてください。
[https://andplants.jp/collections/branch]