取引先にお祝いやお悔やみで花を贈るのは、ビジネスシーンにおいて大切なマナーです。しかし、慣れていないと、どのような花を贈ったらいいのか、相場がどのくらいなのかなど、悩む方は多いでしょう。
また、ビジネスシーンでは、縁起を気にかける必要があったり立札の書き方にもルールがあったりと、守るべき礼儀も少なくありません。
時代にそぐわないと思うこともあるでしょうが、筋を通すことでお互い気持ちよく取引できるなら、その方がいいですよね。
そこで今回は、元花屋の筆者が、取引先に贈る花の種類や相場、選び方や注意点を解説していきます。
立札やメッセージカードのマナーや文例も紹介していくので、相手に失礼のないよう花を贈れるように、最後までぜひお読みください。
取引先に花を贈るシチュエーション
取引先に花を贈るシチュエーションは、大きく分けて次の2つのパターンがあります。
- お祝いごとがあるとき
- お悔やみごとがあったとき
どのようなときに花を贈ったらいいか知っておくと、いざというときに迷いません。
お祝いごとがあるとき
取引先に花を贈るお祝いごとには、次のような例が挙げられます。
- 開業・開店祝い
- 事務所・店舗移転祝い
- 創業創立・周年祝い
- 展示会などの開催祝い
- 昇進・退職祝いや誕生日など
それぞれ、おすすめの花の種類や贈る際のマナーも含めて、解説していきましょう。
開業・開店祝い
事業所の開業や新規店舗の開店には、オープン祝いの花を贈るのが定番です。開業・開店当日は慌ただしいので、前日までに届くように手配しましょう。
あまり早すぎると、開業・開店当日に花が枯れてしまうかもしれないので、前日~3日前の間に贈るのが適切です。
開業・開店祝いは、次の4種類がおすすめになります。
- コチョウラン
- スタンド花
- アレンジメント
- 観葉植物
ほかからのお祝い花と足並みを揃えると、見栄えがよくなります。コチョウランやスタンド花が、ずらっと並んでいる様子は壮観ですよね。
取引先との関係性によっては、なにがいいか伺ってから決めるのもいいでしょう。
事務所・店舗移転祝い
事務所や店舗の移転にも、新天地で繁盛するようにお祝いの花を贈ります。新規開業・開店と同様に、移転後の開業や開店も当日は慌ただしいため、前日までに花を贈るのがマナーです。
事務所や店舗の移転祝いは、次の4種類がおすすめになります。
- コチョウラン
- スタンド花
- アレンジメント
- 観葉植物
コチョウランは1か月~2か月くらい飾っておけますが、スタンド花やアレンジメントは1週間くらいまでです。移転後の数日間だけでなく、事務所や店舗のインテリアとして長く飾ってもらうなら、観葉植物を選ぶとよいでしょう。
創業創立・周年祝い
創業創立や周年記念に、お祝い花を贈るケースも少なくありません。1周年や3周年など奇数の年にお祝いしたり、10周年や15周年などの節目の年に式典や祝賀パーティを開催することが多いです。
創業創立や周年祝いには、次の3種類がおすすめになります。
- コチョウラン
- スタンド花
- アレンジメント
事務所や店舗に贈るなら、コチョウランやアレンジメントがいいでしょう。式典や祝賀パーティを行う場合は、会場が華やかになるスタンド花や上品なコチョウランが多いです。
展示会などの開催祝い
展示会などの開催を祝して、お祝い花を贈ることもあります。おすすめは、次の3種類です。
- コチョウラン
- スタンド花
- アレンジメント
どういった花がいいかは、展示会の規模や会場の広さ、置き場所によるので、先方や会場に確認するとよいでしょう。
昇進・退職祝いや誕生日など
取引先でお世話になっている人が昇進や退職をするときや、社長や重役の誕生日など、個人のお祝いごとに花を贈ることもあります。執務室に飾ったり自宅に持ち帰ったりしやすいものを贈るといいでしょう。
おすすめは、次の4種類です。
- 花束
- アレンジメント
- コチョウラン
- 観葉植物
誰に贈っても差し支えないものは、少しの期間楽しめる花束やアレンジメントです。コチョウランや観葉植物は、長く飾っておけますが手入れが必要になります。
コチョウランだと大きすぎる場合は、小ぶりなミディサイズのコチョウランもいいでしょう。
お悔やみごとがあったとき
取引先に花を贈るシーンは、お祝いごとだけではありません。お世話になった方の訃報を受け、お悔やみの花を贈ることもあります。
懇意にしていただいた方や重要なポジションだった方の場合は、1周忌などの年忌法要にお供え花を贈ることもあるでしょう。
法要は事前に日程を知ることができますが、訃報は受けてから葬儀までの日数が短く慌ただしいです。驚きやショックもあるでしょう。
落ち着いて状況を把握し、適切な対応をすることが大切です。
取引先に贈るお祝いの花|種類と相場
ここでは、お祝いにふさわしい花の種類や相場を解説していきます。取引先に贈る花は、次の5種類です。
- コチョウラン
- スタンド花
- アレンジメント
- 花束
- 観葉植物
すでに述べたシチュエーションごとのおすすめの花も参考に、ふさわしい花を選びましょう。
コチョウラン
コチョウランは、贈答用によく使われる鉢植えの花です。大輪の花が何輪も並んで咲く姿がとても美しく、白やピンク、黄色があります。最近では、白を染めた青や紫も人気です。
大きな花びらが蝶が舞うように見えることから、「幸福が飛んでくる」という花言葉がつけられています。ほかにも「尊敬」や「発展」といった花言葉もあり、縁起がいいためお祝い花にぴったりです。
また、白色でトゲがなく、宗教関係なく贈れることから、お悔やみ花としても使えるため、慶弔どちらにも使えるオールマイティーな花とも言えるでしょう。
コチョウランには、小ぶりなサイズのミディコチョウランもあります。大輪の鉢とは異なり、コンパクトなテーブルサイズなので、個人への贈り物に使いやすいです。
コチョウランの相場
コチョウランの相場は、本数や輪数によって異なります。ここでは、本数ごとのおよその相場を表にしました。
3本立ち | 10,000円~30,000円 | 一般的なギフトに多い |
5本立ち | 30,000円~50,000円 | 法人ギフトに多い |
7本立ち | 50,000円~100,000円 | 特に親しい場合や特別なときに |
10本立ち | 100,000円以上 | 豪勢な贈り物をするときに |
ミディコチョウランは、1~2本立ちが多く、相場は5,000円~8,000円程度です。
[https://andplants.jp/products/phalaenopsis-m-brown]スタンド花
スタンド花は、高さのあるスタンド台の上段にアレンジメントを設置したものです。中段と上段にアレンジメントを設置した、2段の豪華なスタンド花もあります。
高さが人の背丈ほどもあり幅も取るため、置き場所には広いスペースが必要で、屋外や通路に飾ることが多いです。
一般的な相場は、1段か2段かによって異なります。
1段 | 10,000円~15,000円 |
2段 | 20,000円~30,000円 |
また、選ぶ花やボリュームによっては、もっと高額で豪華なスタンド花にすることも可能です。注文するときに予算を伝えれば、金額に合わせて作ってくれますよ。
[https://andplants.jp/products/stand_flower-1_step-mix]アレンジメント
アレンジメントは、陶器やカゴなどの器に花をアレンジしたもので、スタンド花ほどスペースを取りません。飾る場所が室内だったり、置くスペースが限られていたりする場合は、アレンジメントが適切でしょう。
取引先にアレンジメントを贈るときは、5,000円~15,000円程度が相場です。スタンド台や花器のサイズが決まっているスタンド花と異なり、アレンジメントは金額によってかなりサイズ感が変わります。
使う花材にもよりますが、ある程度の大きさを確保したい場合は、注文時に出来上がりのサイズを確認しておくと安心でしょう。
[https://andplants.jp/products/flower-arrange-orange-large]花束
花束は、昇進や退職祝い、誕生日など、取引先の個人に贈る場合におすすめです。執務室や自宅に飾ってもらうことで、華やかな雰囲気を満喫してもらえます。
花束を贈るときの相場は、5,000円~10,000円程度です。あまり大きすぎる花束だと、花瓶に活けるときにかなり茎を切ったり、いくつかの花瓶に分けたりしなければなりません。
豪華な花束を注文する場合は、適度な大きさで高級な花を中心に入れてもらうとよいでしょう。
[https://andplants.jp/products/custom-flower-mix-large]観葉植物
観葉植物は、お祝いとして贈った後に、事務所や店舗でインテリアとして飾ってもらうことができます。
観葉植物にも花言葉があるため、縁起のよい意味を持つ植物はお祝いごとへの贈り物にぴったりです。ほかにも、丈夫で育てやすい種類が、贈り物として人気があります。
品種やサイズによって金額の差が大きいため一概には言えませんが、取引先に贈るときの相場は10,000円~30,000円程度が適当です。特に懇意にしている取引先には、30,000円~50,000円くらいの観葉植物を選ぶ方もいます。
ただし、あまり大きすぎると置き場所に困るかもしれません。選んだサイズの観葉植物を置く場所があるか、事前に確認しておけば間違いないでしょう。
[https://andplants.jp/products/yucca-m]取引先に贈るお祝い花を選ぶポイント
お祝い用にどのような花が喜ばれるか分かっても、いざ選ぶとなると大きさや色合いなど種類が多くて迷う人も少なくありません。
花屋にいたときにいろいろアドバイスさせていただいたなかで、取引先に贈るお祝い花を選ぶポイントとしては、次の4つが挙げられます。
- 贈り先の雰囲気に合う花を選ぶ
- 置き場所に合ったサイズを選ぶ
- 縁起のよい花を贈る
- 花屋には早めに予約する
取引先に気持ちよく受け取ってもらうためにも、しっかりポイントを押さえておきましょう。
贈り先の雰囲気に合う花を選ぶ
贈り先の雰囲気や飾る場所に合う花を選ぶことは、お祝い花を贈るうえでの大切なマナーのひとつです。贈り先や飾る場所に合わない花では、せっかくいただいたものでも、喜びが減少してしまうでしょう。
コーポレートカラーやブランドカラーを選ぶのもひとつの方法です。コーポレートカラーやブランドカラーは、その会社やお店を象徴する色。会社やお店にとって大切な色を取り入れたお祝い花は、贈る相手を思って選ばれたことが伝わります。
お祝い花は、祝福の気持ちを込めるだけでなく、お祝いムードを盛り上げる役目もあります。大切な取引先に贈る花ですから、がっかりされないように心を込めて選びましょう。
置き場所に合ったサイズを選ぶ
置き場所に合ったサイズ感の花を選ぶことも大切です。お祝いだからと奮発したけれど、飾る場所がなくて奥に追いやられてしまっていたということもありえます。
大きさに迷ったときは、素直に取引先に聞いてみるのが間違いありません。お祝い花が映える場所に飾ってもらえるように、ジャストサイズの花を贈りましょう。
縁起のよい花を贈る
取引先のお祝いごとには、縁起のよい花を贈るのもおすすめです。
縁起のよい花を贈られて、悪い気分になる方はそうそういません。また、ビジネスシーンでは、縁起物を大切に考えている方も少なくないからです。
取引先に贈るおすすめの花として、縁起のよい花言葉がつけられているコチョウランは、贈り物にぴったりだと紹介しました。
スタンド花やアレンジメントには、よい花言葉を持ち、大きくて見栄えのする次の花もおすすめです。
- ダリア「気品」「優雅」
- グロリオサ「栄光」「華麗」
また、縁起のよい花言葉を持つ観葉植物の例として、次の種類が挙げられます。
- パキラ「勝利」
- オーガスタ「輝かしい未来」
花屋には早めに予約する
お祝い花を花屋に注文するときは、早めに予約することも重要です。直前に注文しようとすると、必要な花がなかったり配達や宅配が間に合わなかったりすることも考えられます。
特に、指定の花や色があるときは、早めに相談して希望の花を仕入れてもらえるように依頼することが必要です。希望の花の入荷が難しいとなったときも、早めに相談していれば、ほかの花や商品を考える余裕もあります。
取引先に贈るお祝い花を選ぶときの注意点
取引先にお祝い花を贈るときは、注意点もあります。気を付けるのは、次の5つです。
- 先方に花を贈ってもいいか確認する
- 届け先やお届けのタイミングを確認する
- 強い香りや花粉のある花に注意する
- 赤色の花やラッピングは避ける
- 業務縮小の移転には贈らない
先方に花を贈ってもいいか確認する
取引先への花を手配する前に、まずは先方に贈ってもいいかの確認をしましょう。
状況によって、受け取れるものと受け取れないものがあるかもしれません。場合によっては、お祝い花の受け取りを辞退する方針がある可能性も考えられます。
一報を入れておくことで、誰から届くか事前に把握したり、置き場所を確保したりもできるため、先方にとっても親切です。
届け先やお届けのタイミングを確認する
取引先に花を贈ってもいいか確認すると同時に、届け先やお届けのタイミングも確認しましょう。
お祝い花は前日から3日前の間に贈るのがマナーですが、先方の状況によっては日時の指定があるかもしれません。お祝いのセレモニーやパーティなどを別の会場で行う場合は、搬入場所やお届け可能な時間帯を確認しておくことも必要です。
お祝い花が無事に届かなかったりトラブルがあったりすると、取引先にも悪い印象を与えてしまいます。お祝い花は、花屋に配達や宅配を依頼することが多いので、スムーズに注文するためにも事前に確認しておきましょう。
強い香りや花粉のある花に注意する
花の種類を指定するときは、強い香りや花粉のある花に注意しましょう。業種や贈る場所によっては、花の強い香りや花粉がNGだったり、不快に感じたりする人がいるかもしれません。
筆者が花屋にいたときは、香りの強い花は避けたり、花粉をあらかじめ取り除いたりしていました。特に、医療や飲食関係に贈るときは、注意した方がよいでしょう。
赤色の花やラッピングは避ける
取引先にお祝い花を贈るときは、赤色の花やラッピングは避けましょう。
赤色は、「火事」や「赤字」を想起させるため、縁起が悪いとされています。特に、新規開業や開店、業務拡大による移転などは、避けた方が無難です。
赤一色や赤が目立ちすぎるのでなければ、一部の花に赤色が使われていても問題ないでしょう。また、取引先のコーポレートカラーが赤だったり、先方から赤を求められたりしている場合は、その限りではありません。
業務縮小の移転には贈らない
事業所や店舗の移転であっても、業務縮小による移転の場合は、お祝い花を贈らないように気を付けましょう。
業務拡大なら喜ばしいことですが、業務縮小はおめでたいことではありません。頑張ってほしいという気持ちを込めていたとしても、相手にとっては事業の後退を喜ばれているようで失礼になってしまいます。
お祝い花の立札・メッセージカード|マナーと文例
お祝いごとがあるときは、いろいろなところから花が贈られてきます。そのため、誰から届いたのかが分かるように、立札やメッセージカードを付けるのもマナーです。
ここでは、それぞれの書き方やマナーを解説していきます。
- 立札の書き方
- メッセージカードの書き方
立札の書き方
大きなスタンド花やコチョウランを贈るときは、木目模様の厚紙や木の板に贈り主の名前等を書いた札を立てるのが一般的です。
立札には次の項目を書きます。
- 贈り先
- お祝いの文言
- 贈り主
贈り先には、「会社名と代表者名(役職名と氏名)」もしくは「会社名のみ」を書きますが、なしでも問題ありません。ただし、いろいろな企業が集まる展示会などでは、贈り先がないと誰宛か分からないので、贈り先の表記が必要です。
お祝いの文言と贈り主は必ず書きます。お祝いの文言は、「祝 御開店」「祝 御移転」「祝 〇周年」などを、赤字で書くのが一般的です。贈り主名には、会社名と代表者名(役職名と氏名)を書きましょう。
立札は縦書きが多いですが、英語表記の会社名や贈る花のデザインによっては横書きでもおかしくありません。なお、縦書きの立札に英語を綴る場合は、アルファベットを1文字ずつ縦に並べて書きます。
メッセージカードの書き方
立札では仰々しくなってしまう場合は、白地のメッセージカードを付けるのが一般的です。テーブルサイズのミディコチョウランやアレンジメント、観葉植物などが当てはまります。
立札と同じように、「贈り先・お祝いの文言・贈り主」だけでもかまいませんが、メッセージカードには一言添えることも多いです。
ここでは、お祝いの内容ごとに、メッセージカードの文例を紹介します。
- 文例①|開業・開店祝い
- 文例②|移転祝い
- 文例③|周年祝い
- 文例④|開催祝い
- 文例⑤|その他のお祝い
誰でも使えそうなシンプルな文例を用意しました。このまま使ってもいいですし、アレンジを加えて心のこもったメッセージを贈るのもよいでしょう。
文例①|開業・開店祝い
開業
ご開業、誠におめでとうございます。
今日の日を迎えましたこと、感慨もひとしおとお喜び申し上げます。
今後のますますのご発展を、心よりお祈りいたします。
開店
ご開店、おめでとうございます。
これからも全力でサポートさせていただきます。
貴店のご繁昌と、皆様のご健勝を心からお祈り申し上げます。
文例②|移転祝い
この度はご移転、誠におめでとうございます。
貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。
文例③|周年祝い
創立〇周年、誠におめでとうございます。
今後のさらなるご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
文例④|開催祝い
〇〇のご開催を心よりお祝い申し上げます。
今後の幅広いご活躍と益々のご隆盛をお祈りいたします。
文例⑤|その他のお祝い
昇進祝い
この度のご栄転、心からお喜び申し上げます。
今後のご活躍とご発展をお祈りいたします。
退職祝い
ご定年おめでとうございます。
長きにわたるご指導、誠にありがとうございました。
今後のご健康とご活躍を心からお祈り申し上げます。
誕生日
お誕生日おめでとうございます。
今後のますますのご活躍と、〇〇様のご健康をお祈りいたします。
取引先にお悔やみの花を贈るときのマナー
ここまでは、お祝いに贈る花について解説してきましたが、お悔やみがあったときも取引先に花を贈ることがあります。
取引先へのお悔やみの花は、次の点を理解した上で贈ることが大切です。
- お悔やみで贈る花の種類
- 供花や花輪の相場
- 手配の方法とタイミング
マナー違反は、贈る側だけでなく取引先にも迷惑をかけてしまうので、しっかりチェックしておきましょう。
お悔やみで贈る花の種類
取引先のお悔やみに花を贈るケースは、次の2パターンです。
- 葬儀の場合
- 法要の場合
それぞれのケースで、贈る花の種類や相場を解説していきます。
葬儀の場合
取引先の葬儀に贈る花は、供花もしくは花輪(花環)が一般的です。それぞれの特徴をまとめてみました。
供花
- 高さのあるスタンド台に生花のアレンジメントを飾ったもの
- 祭壇の横に並べて置く
- 立札はアレンジメントの上に立てる
花輪
- 足の付いたスタンド台に生花や造花を並べて丸形にアレンジしたもの
- 会館や会場の出入り口に並べて置く
- 立札は花輪の下に吊るす
供花や花輪の相場
取引先に贈る花の相場は、供花と花輪どちらも15,000円~30,000円です。かつては1対(2基)で贈るのがマナーでしたが、最近では1基で贈ってもよいとされています。
供花や花輪の料金は、1基10,000円~15,000円が多いので、1対(2基)で20,000円くらいが、差し障りのない金額になるでしょう。
また、会社の代表者名で1基や1対で贈るケースだけでなく、特に交流が深かった部署の代表者も含めた2名で1基ずつ贈るケースも。どちらにするかは、取引先との関係性にもよります。
葬儀の花を贈る際の注意点は、相場を大きく上回る金額の供花や花輪は贈らないこと。特別なお返しを用意するなど、相手に不必要に気を使わせてしまうからです。
法要の場合
葬儀以外にも、後日お別れ会や偲ぶ会の開催や、1周忌などの年忌法要に花を贈ることもあります。花を贈るときの相場は、基本的には葬儀と同じで、15,000円~30,000円が適当です。
法要の規模やスタイルによっては、供花や花輪ではなく、アレンジメントや花束がふさわしい場合もあります。コチョウランを贈るのもよいでしょう。また、お別れ会や偲ぶ会では、祭壇の装飾や花の色にこだわっているケースも少なくありません。どういった花を贈ったらいいかは、法要を執り行う先や取引先に確認してから手配するとよいでしょう。
[https://andplants.jp/collections/offering-flower]手配の方法とタイミング
葬儀や法要では、使う花の種類や色、大きさや形がある程度決まっているため、どこの花屋でも対応できるわけではありません。そのため、お祝い花とは手配の方法が異なります。
ここでは、葬儀と法要に分けて、贈る花の手配の方法やタイミングを解説していきましょう。
- 葬儀の場合
- 法要の場合
葬儀の場合
葬儀に供花や花輪を出す場合は、葬儀が行われる会館や葬儀会社を通して、提携の花屋に注文するのが一般的です。
事前に葬儀の日程を確認しておき、通夜が始まる前までに届くよう手配しましょう。間に合わなかった場合は、遅くとも当日の告別式の2~3時間前までに届くように手配することが大切です。
供花や花輪は、届いた順番ではなく、故人や喪家と親交が深い順番に並べられます。ギリギリに届くと、すでに届いている花を動かして、順番を並べ替える必要が出るかもしれません。
葬儀スタッフが、余裕を持って祭壇の準備ができるように気を配ることも、大切なマナーです。
また、立札に書く内容は、次のようになります。
- お悔やみの文言「供」「御供」
- 会社名、代表者の役職と氏名
法要の場合
法要に贈る花は、大抵の花屋で注文できます。花の色や種類を指定したい場合は、早めに予約しましょう。
法要は午前中に行われることが多いので、前日の午後に届くよう手配すると親切です。
法要時も、立札やメッセージカードを付けます。どちらも、書き方は葬儀の時と同じで問題ありません。
ここでは、取引先へのお悔やみの花の贈り方について紹介してきましたが、次の記事ではさらに詳しく解説しているので、併せてチェックしてみてください。
"関連記事:供花の贈り方|相場と贈るマナーや注意点
取引先に贈る花についてのよくある質問
最後に、取引先に贈る花についてのよくある質問を、2つ紹介します。
- お祝いの花は造花でもいい?
- 贈るのが遅れてしまった場合はどうしたらいい?
お祝いの花は造花でもいい?
お祝いの花として造花を贈ることは、マナー違反ではありません。
花へのアレルギーや衛生面から、医療関係に贈るときは造花の方がよい場合もあります。飲食店の店内に飾る花を贈る場合も、同じ理由から造花が喜ばれるケースも。
造花以外にも、プリザーブドフラワーを贈るのもおすすめです。どちらも、お祝いとしての役割を果たした後は、インテリアとして飾ってもらえます。
ただし、造花やプリザーブドフラワーを「死んだ花」として、縁起が悪いと考える人もいないわけではありません。
造花やプリザーブドフラワーを贈るときは、先方に了解を得たうえで手配すると安心でしょう。
贈るのが遅れてしまった場合はどうしたらいい?
お祝いを贈るタイミングが遅れてしまった場合は、すみやかに花を手配して届けましょう。
展示会のように期間が決まっているものは、期間内に間に合わなければ諦めるほかありません。しかし、ほかのお祝いごとであれば、1か月以内に贈れば失礼にはあたらないとされています。
まずは遅れてしまったお詫びを伝え、早めにお祝い花を届けましょう。その際、自らお花を届けに行けば、お詫びの気持ちや誠意が伝わりますよ。
まとめ
取引先にお祝いごとやお悔やみがあったときは、立札やメッセージカードとともに花を贈ることが、ビジネスマナーのひとつです。
今回は、お祝いごとやお悔やみで、取引先に贈る花の種類や選び方、立札やメッセージカードの文例などを紹介してきました。
取引先に花を贈るときは、贈るタイミングや選ぶ花の種類、金額など、マナーに従ってふさわしい内容で手配することが大切です。
贈る花を選ぶポイントや注意点も参考に、今後も円滑な関係を築いていけるように礼を尽くした花贈りをしましょう。
AND PLANTSでも、お祝いやお悔やみの花を取り扱っています。無料の立札やメッセージカード、配送前の実物写真の送付などは、取引先へ贈るときも安心できるサービスなので、ぜひチェックしてみてください。
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