植物名 | ワタ(綿) |
学名 | Gossypium |
英名 | Cotton flower |
和名 | 綿花(めんか) |
科目/属性 | アオイ科ワタ属 |
原産地 | インド、熱帯アジア、中南米 |
性質 | 一年草(本来は多年草) |
樹高 | 60~150cm |
日当たり | 日当たりのよい場所を好む |
生育適温 | 25~35℃ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 高い |
水やり | 土の表面が乾いたらたっぷりと与える |
肥料 | 植え付け時:緩効性肥料 開花期:月2回程度の液体肥料 |
開花期 | 7~8月 |
綿花の鑑賞期 | 9~11月 |
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[https://andplants.jp/products/dryflower_material-cotton_flower]コットンフラワーの特徴
コットンフラワーというと、ふわふわの綿のかたまりを思い浮かべる方は少なくないでしょう。
秋に収穫時期を迎えることから、雪に見立ててクリスマスのリースやスワッグ、お正月飾りに使われることも多いコットンフラワー。
花後の実が弾けて、花のように見えることが名前の由来です。
しかし、実は花にも観賞価値があり、庭植えや鉢植えで育てると、夏にハイビスカスに似た美しい花を咲かせてくれます。
夏に花を観賞し、秋にコットンフラワーを収穫してドライフラワーを作るという楽しみ方をする方が増え、ガーデニングでも人気が高まっている植物です。
熱帯や亜熱帯地域原産なので、暑さに強く育てやすい性質を持っています。
ただし、寒さには弱く屋外で越冬させるのは難しいので、秋になったら枝ごと切り取ってドライフラワーにするのもよいでしょう。
コットンフラワーの種類

コットンフラワーの花の色は、白やクリーム色で、時間が経つとピンクに変色してしぼむのが特徴です。また、綿の色は白や茶色、オリーブグリーン、赤色などがあります。
一般的には綿の色が白い品種が多く流通していますが、最近では茶色も人気なので見つけたらぜひ育ててみてください。
コットンフラワーの基本的な育て方

次に、コットンフラワーの基本的な育て方を解説していきます。
- 日当たりと置き場所
- 栽培温度
- 水やり方法と頻度
- 肥料の与え方
- 支柱立て
- 摘心
- 夏越し方法
- 冬越し方法
上手に育てて、きれいな花とふわふわの実を楽しみましょう。
日当たりと置き場所
コットンフラワーは、日当たりと風通しのよい場所を好みます。
鉢植えにして屋内で育てることもできますが、日当たりが足りないと成長不足になるかもしれません。屋内で育てる場合は、窓際の日が当たる場所を選びましょう。
栽培温度
コットンフラワーを育てるときの適温は、25~35℃くらいになります。熱帯や亜熱帯地域原産なので、比較的暑さに強い植物です。
15℃以上あれば育つとされていますが、気温が低い地域だと成長に影響がでるかもしれません。
また、種から育てる場合は20~25℃が発芽適温なので、5月になってから種まきをすると育てやすいでしょう。
水やり方法と頻度
コットンフラワーの水やりは、成長段階によって変える必要があります。
苗の状態のときは過湿に弱いので、土の表面が乾いたら湿らす程度に水やりをしましょう。
しっかり育ってきたら、土がよく乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。
また、夏の開花期は、水ぎれに注意が必要です。土が乾きすぎないように、晴れの日が続く時は毎朝水やりをするとよいでしょう。
肥料の与え方
コットンフラワーは、植え付け時に緩効性肥料を元肥として与えますが、生育期はそれほど肥料を必要としません。
与えるのであれば、液体肥料を月に2回程度でよいでしょう。
特に開花期は、肥料を与えすぎると花付きが悪くなってしまうので注意してください。
支柱立て

コットンフラワーは、草丈が伸びると倒れやすくなるため、支柱を立てておくと安心です。
30cm以上育ってきたら株の横に支柱を立てて、ビニールタイや麻ヒモなどで8の字に留めましょう。
支柱の長さは120cmくらいあれば十分です。株元に挿すときは、根に傷をつけないように注意してください。
摘心
コットンフラワーは、必ず摘心した方がいいわけではありませんが、行うと分枝して花がたくさん咲き実も取れます。
7月中旬から下旬頃になったら、主枝の先端の成長点をカットしましょう。
摘心後は追肥を行うと、成長を助けてくれます。緩効性肥料を株のまわりに撒いてあげましょう。
夏越し方法
コットンフラワーは日当たりを好みますが、真夏の直射日光が長時間当たると、葉焼けを起こす可能性があります。
真夏は、午後から日陰になるような場所に置くと良いでしょう。室内で管理する場合は、レースカーテン越しにすると遮光できます。
また、多湿の場所は蒸れてカビの原因になるので、風通しのよさも大切です。
土が乾燥しやすくなるため、水切れしないよう水やりもしっかり行ってください。特に、鉢植えは水切れしやすいので、注意しましょう。
水やりは、早朝や夕方やるのがポイントです。昼間に行うと、水が温かくなって株を傷めてしまいます。
冬越し方法
コットンフラワーは寒さに弱いため一年草扱いですが、本来は多年草なので暖かい場所で管理すれば冬越しできます。
冬越ししたい場合は、鉢植えで育てるとよいでしょう。5℃を下回る前に室内に入れ、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。
水やりは、土が乾いたら行いましょう。
コットンフラワーのよくあるトラブルと対処法

花や実を楽しみにしていても、上手く育たなかったら残念ですよね。ここでは、コットンフラワーのよくあるトラブルと対処法を解説していきます。
- 花が咲かない
- 花が落ちる
- 実が割れない
- 根腐れした
- 植え替え後に枯れた
花が咲かない
コットンフラワーの花が咲かない原因は、主に次のような理由が考えられます。
- 日当たり不足
- 肥料過多
コットンフラワーは、しっかり日に当てることで花芽が付きやすくなります。また、肥料を与えすぎると花が付きにくくなるので注意しましょう。
花が落ちる
コットンフラワーの花の寿命は、1~2日くらい。白やクリーム色だった花がピンク色に変わり、しぼんでいきます。
花が落ちた後に実が膨らんでくれば、通常の過程なので問題ありません。
明らかに成長不良で花が落ちる場合は、次のような理由が考えられます。
- 日当たり不足
- 過度な乾燥
- 根腐れ
コットンフラワーは日当たりや水不足だと、成長不良になりやすいです。また、水を与えすぎると根腐れを起こし、花が咲ききらずに落ちてしまうこともあります。
実が割れない
コットンフラワーの実が割れない原因は、主に次のような理由が考えられます。
- 乾燥不足
- 日当たり不足
コットンフラワーは、実が熟していく過程で乾燥し、自然に実が割れていきます。実が割れないときは、水分が多いかもしれません。
なかなか開かない場合は、枝を切って下向きに吊るしておくと、乾燥して割れやすくなります。
また、日当たりが悪いと、実が十分成長できずに開かないことがあるので、注意しましょう。
根腐れした
コットンフラワーが根腐れする原因は、主に次のような理由が考えられます。
- 水のやりすぎ
- 土壌の水はけが悪い
- 日当たりや風通しが悪い
根腐れの原因は、水のやりすぎや水はけの悪い環境によることが多いです。植え付け時に水はけのよい土を使い、日当たりや風通しのよい場所で育てましょう。
また、水やりは土が乾いてから与えることも大切です。
植え替え後に枯れた
コットンフラワーが植え替え後に枯れてしまった場合、次の原因が考えられます。
- 植え替え時に根を傷めた
- 株が環境の変化により弱った
コットンフラワーは、移植に弱い植物です。植え替えするときは根を傷つけないように、根鉢を崩さずに行いましょう。
また、環境に徐々になじませるために、次の対策を行ってみてください。
- 植え替え時に水をたっぷり与え、その後は土に馴染むまで水やりを控えめにする
- すぐに直射日光に当てすぎないように、半日陰から徐々に移動させる
- 植え替え後はすぐに追肥を与えない
コットンフラワーに発生しやすい病害虫と対処法

最後に、コットンフラワーに発生しやすい病害虫と対処法を解説していきます。
- 苗立枯病
- ハマキムシ(ワタノメイガ)
- オオタバコガ
- ワタムシ(カイガラワタムシ)
- ハダニ
- ナメクジ
病害虫を発見したら、速やかに対処することが大切です。被害が広がる前に駆除できるよう、日頃からよく観察することを心がけましょう。
苗立枯病
コットンフラワーに苗立枯病が発生すると、次のような状態が見られます。
- 茎が折れたようにくびれる
- 茎や葉が褐色に変色して腐敗する
- 地際が腐って株全体が萎れる
苗立枯病が発生したら、発病した株を抜いて処分し、ダコニール1000などの薬剤を散布します。さらに、薬剤を薄めて土壌に染み込ませるのも効果的です。
苗立枯病は、主に過湿により発生します。次の点に注意して育てると、予防できるでしょう。
- 水はけのよい土壌に植える
- 日当たりのよい場所で育てる
- 水やりは土が乾燥してから行う
- 葉が混み入っていたら、剪定して風通しをよくする
ハマキムシ(ワタノメイガ)
コットンフラワーにハマキムシ(ワタノメイガ)が発生すると、次のような状態が見られます。
- 葉が丸まる
- 葉の表に白っぽい透けた斑点ができる
- 葉の裏が茶褐色になる
- 葉やつぼみが食害される
ハマキムシはアオイ科の植物に好んで寄生するため、コットンフラワーを育てるときは注意が必要です。
ハマキムシを見つけたら、すぐに葉ごと摘み取って処分しましょう。オルトラン水和剤やスミチオン乳剤などの薬剤散布も有効です。
また、ハマキムシは、風通しをよくし過湿を避けることで予防できます。さらに、予防効果を高めるためには、薄めた木酢液の散布もおすすめです。
オオタバコガ
コットンフラワーにオオタバコガが発生すると、つぼみや新芽、葉を食害してしまいます。また、茎に穴を開けて食害すると、茎が折れたり枯れたりする原因になります。
オオタバコガを見つけたら、すぐに捕殺しましょう。また、アファーム乳剤やカスケード乳剤などの薬剤散布も効果的です。
発生原因の一つに、肥料の窒素過多が挙げられます。肥料を与えるときは、窒素が多くなりすぎないように注意しましょう。
防虫ネットで成虫の侵入を防ぐのも予防方法のひとつです。
ワタムシ(カイガラワタムシ)
ワタムシ(カイガラワタムシ)は、コットンフラワーの葉や茎に付着し、汁液を吸って株を弱らせてしまいます。
成長が阻害されるだけでなく、葉や花、実が落ちる原因になるので、見つけたらすぐに次の方法で対処しましょう。
- 歯ブラシなどでこすり落とす
- 葉ごと切り落として処分する
- ベニカXファインスプレーなどの殺虫剤で駆除する
風通しをよくして発生しにくい環境を作り、殺虫剤をあらかじめ散布しておくことで予防できます。
ハダニ
コットンフラワーにハダニが発生すると、次のような状態が見られます。
- 葉に白い斑点やカスリ状の模様ができる
- クモの巣のような糸が張られる
- 葉が茶色くなる
ハダニは葉を食害してしまうため、株全体が弱ってしまうこともあります。見つけたら、ベニカXファインスプレーなどの殺虫剤で駆除しましょう。
風通しのよい場所で育てながら、定期的に薬剤を散布することで予防できます。
また、繁殖が盛んになる梅雨明けから9月にかけては、葉裏に水をかけるのも有効です。
ナメクジ
ナメクジは、コットンフラワーの新芽や若葉、花びらを食害してしまいます。食害がひどいと生育に影響を及ぼすので、見つけたらすぐに除去しましょう。
次のような方法で予防すると、ナメクジの被害を避けられます。
- 薄めた木酢液を散布する
- コーヒーを周りの土に散布する
- ラベンダーの香りがするものを近くに置く
- 日当たりと風通しのよい場所で育てる
- 鉢の底を上げて入ってきにくくする
まとめ
コットンフラワーは、ふわふわの綿がかわいい植物。夏に咲くハイビスカスに似た花も、華やかで鑑賞しがいがあります。
寒さに弱いため日本では一年草扱いですが、鉢植えにして室内で5℃以上保てば冬越しも可能です。越冬しない場合は、枝ごと切って吊るしておけば、ドライフラワーとして楽しめます。
また、弾けた綿は湿気に弱いため、雨に当たる前に収穫した方がよいでしょう。
今回は、コットンフラワーの育て方や注意点を解説してきました。ぜひ、自宅で育てて、コットンが出来る過程も楽しんでください。
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