項目 | 詳細 |
植物名 | カランコエ・ファング |
学名 | Kalanchoe beharensis 'Fang' |
英名 | Elephant's ear kalanchoe |
科目/属性 | ベンケイソウ科カランコエ属 |
原産地 | マダガスカル |
日当たり | 日当たりの良い置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春秋:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 夏冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間後 |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 5月~10月 |
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[https://andplants.jp/collections/kalanchoefang]カランコエ・ファングの特徴
カランコエ・ファングは、カランコエ属の「仙女の舞」×「月兎耳」を交配させた多肉植物です。シルバーがかった葉に茶色の縁取りが入り、葉裏にはゴツゴツとした突起があります。

微毛に覆われているので、フェルトのようなフワフワとした質感も特徴です。二枚の葉が対となって、上下で重ならないように交互に葉を広げます。
乾燥に非常に強いため、つい水やりを忘れてしまいがちな方も安心して育てられるでしょう。暑さにも強いですが、日本の夏は湿度が高いため、蒸れないように風通しよく育てるのがポイントです。
葉の色合いやギザギザとした姿から、インテリアグリーンとしても人気があります。おしゃれな鉢にセットしてプレゼントするのもよいかもしれません。
カランコエ・ファングの育て方

カランコエ・ファングは、乾燥に強く育てやすいので、初心者にも人気の多肉植物です。しかし、日本の高すぎる湿度を嫌う傾向があるので、育て方にポイントがあります。
ここでは、以下6つの基本の育て方を見ていきましょう。
- 置き場所と日当たり
- 温度
- 水やりの頻度
- 肥料
- 剪定方法
それぞれのポイントを守って育てれば、かっこいいトゲトゲとした葉姿を維持したまま元気に育ってくれるはずです。育て方の確認前に、シックな葉色や個性的な葉姿が気になる方は以下をクリックしてみてください。
置き場所と日当たり

カランコエ・ファングは日当たりのよい環境を好みます。真夏を除いて、基本的には直射日光に当てて管理してください。
室内に置く場合は、日差しが入る窓際に置いて管理しましょう。日差しが当たらない環境で育てると、徒長や葉の枝垂れなどのトラブルを起こします。
ただし、真夏の強い直射日光が当たり続けると、葉焼けする可能性が高いです。7月~9月は明るい日陰に移動したりレースカーテンで日光を和らげたりしてください。
温度

カランコエ・ファングは寒さに弱い植物なので、最低10℃以上をキープして育ててください。元気に育つ生育温度は、15~25℃です。
10℃以下の温度に当て続けないことも重要ですが、30~35℃以上の高温にも注意してください。温度が高いほど、葉焼けや蒸れなどのトラブルが起きやすいため、なるべく風通しのある15~25℃程度で育てましょう。
カランコエ・ファングは、温度によって葉色が変化しやすい植物です。気温が低い秋冬ほど葉や微毛が赤茶色に近い色合いになり、気温が高い春夏ほどシルバーがかった色になりやすいます。
気温による葉色の違いも楽しみながら、気を付けて管理してください。
水やりの頻度

カランコエ・ファングの季節ごとの大まかな水やり頻度は以下の通りです。
- 春秋:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
- 夏冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間後
カランコエ・ファングの生育型は夏型ですが、日本では主に春と秋に生育します。そのため、春秋型の水やり管理を行うことがポイントです。
春と秋の生育期は、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いたら)水やりします。たっぷりと与えて流れ出た水は、受け皿に溜め続けると根腐れするので、こまめに捨ててください。
カランコエ・ファングは、本来は夏が生育期です。しかし、日本は湿度が高すぎるため、梅雨以降は水やりに気を付けましょう。
水やりしすぎると根腐れや蒸れによって枯れやすいです。微毛は葉からの蒸散を防ぐ機能もあるので、真夏の水やりはグッと控えた方が安心です。
気温の下がる晩秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えてください。生育が緩慢になる冬に、土が常に湿っていると根腐れしやすくなります。
冬の水やり頻度は、手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかりと乾いたら)一週間後に与えるくらいで十分です。鉢や株が大きいほど、水やりの頻度は少なくなり、月に一回でも十分な場合もあります。
土の乾き具合や葉の肉厚さを観察しながら、育てている環境に合った水やり頻度を心がけてください。
水の与え過ぎや水やり忘れが多い場合、水やりチェッカーの利用がおすすめです。パッと一目で土の乾燥具合を確認できるため、水やりで失敗することが少なくなります。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]肥料

カランコエ・ファングには、生育期の5月~7月、9月~11月それぞれに1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。真夏と冬は生育が緩慢なので、肥料は与えません。
肥料が少なくても十分に育つ植物ですが、株を大きくしたり葉を肉厚にしたりしたい場合は、土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。
ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、薄める濃度や与える量、時期はしっかり守ってください。
AND PLANTSでは、オリジナル肥料「アンドプランツ 植物を元気にする固形肥料」を取り扱っています。リン酸も含まれており、花も楽しめるカランコエ・ファングには使いやすい肥料です。
匂いも少ないので、ぜひ一度使ってみてください。
[https://andplants.jp/products/andplants_fertilizer]剪定方法

カランコエ・ファングの剪定は、傷んだり枯れたりした葉を取り除く程度です。
葉の付け根を下に引っ張るように軽く、力を入れるとポロっと取り除けます。生育が順調であれば、外葉から枯れていくので、順番に優しく取り除いてください。
カランコエ・ファングは長年育て続けると、幹立ちするような姿になります。節の部分から出てきた子株はそのまま伸びて、個性的な姿になることも多いです。
伸びた茎部分は、全体の樹形バランスや風通し、日当たりを考えて余分な部分を切り取り形作ってあげてください。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]カランコエ・ファングの増やし方

カランコエ・ファングは、5月~7月、9月~11月に挿し木や葉挿しで増やします。
簡単な手順は以下の通りです。
挿し木
- 伸びた茎を葉が付いた状態で切る
- 肥料分を含んでいない土に挿す
- 倒れないように支柱で支える
葉挿し
- 葉の付け根を傷つけないように綺麗に取り除く
- 肥料分が入っていない土に挿す
カランコエ・ファングの増やし方は、多肉植物の一般的な増やし方と同様です。詳しい手順や注意点、コツについては「多肉植物の増やし方」の記事で紹介しています。
カランコエ・ファングのよくあるトラブルと対処法

カランコエ・ファングですが、思わぬトラブルが発生する場合もあります。ここではよくあるトラブルと対処法を解説していきます。
カランコエ・ファングによくあるトラブルは以下の6つです。
- 根腐れ
- 根詰まり
- 葉焼け
- 伸びすぎる(徒長)
- 葉が落ちる
- 葉に黒い斑点が出てくる
対処法を知っておくと、いざトラブルが起きても安心して対処できます。それぞれ見ていきましょう。
根腐れ
カランコエ・ファングの根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 株がグラグラする
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 葉がブヨブヨしている
- 株元が溶けたように腐っている
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根が黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土壌環境が悪くなることで発症します。また、土が常に湿っていると、根は呼吸できずに枯れてしまい、根自らが腐る症状でもあります。
根腐れの対処法は以下の通りです。
- 土の乾湿サイクルが早くなるように、1回り小さな鉢に植え替える
- 古い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与える
- 傷んだ葉・ポロポロと落ちる葉はすべてを取り除く
根腐れが起こった場合は、植え替えをして土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な根が伸びる状態にしてください。
ケイ酸塩白土・ゼオライトなどの根腐れ予防効果のある土壌改良材も新しい用土に混ぜ込むと、より根腐れしにくくなります。
根腐れによって株が傷んでいる場合、影響を受けていない子株や葉、茎があれば株分けや葉挿し、挿し木で増やしましょう。そのままにしていると、いずれ根腐れの影響で株全体が枯れて、新しい株を増やして復活させられなくなるためです。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中が根でいっぱいになることで起きる症状。カランコエ・ファングが根詰まりすると、以下のような症状が現れます。
- 水が浸透しづらくなる
- 鉢底から根が出てくる
- 葉の分厚さが薄くなる
- 葉色が全体的に薄い緑色~黄色になる
- 新芽が出なくなる
- 葉がポロポロと落ち始める
すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうと生育が悪くなるので注意してください。
カランコエ・ファングの根は細いため、植えてすぐに根詰まりすることは少ないです。しかし、長年植え替えていなかったり、子株が増えすぎたりしていると、細根がびっしりと張って根詰まりします。
対処法は、植え替えです。
5月~7月、または9月~11月に、土と根をほぐして植え替えます。現在の鉢より1回り大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。
子株が増えて伸びた結果として群生しているような株姿の場合は、根をほぐした際に、茎を間引きして地下部と地上部のバランスを整えてください。幹から伸びる子株が多いほど、根をほぐした際に株の調子を崩しやすいためです。
葉焼け
カランコエ・ファングが葉焼けすると、以下の症状が現れます。
- 部分的に微毛がなくなり、白っぽくなる
- 葉先が黒くチリチリと焦げたようになっている
強い日差しを浴びすぎると、葉が傷んで「葉焼け」のトラブルが発生します。葉焼けの症状に気がついたら、直射日光を避けるように対策してください。
対処法は以下の通りです。
- 置き場所を変える
- レースカーテンやシェードなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けのトラブルが起きる場合、強い直射日光が当たりすぎている可能性が高いです。直射日光を弱めたり、当てないように置き場所を移動したりしてください。
葉焼けした葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
葉焼けの症状は、気温が高いほど発生しやすいです。屋外管理の場合は、なるべく風通しがよく涼しい日陰に移動させることも重要です。
伸びすぎる(徒長)
カランコエ・ファングには、茎が伸びすぎる(徒長)トラブルがあります。考えられる原因は、主に以下の2つです。
- 日当たり不足
- 水のやりすぎ
茎が伸びすぎるのは、主に日当たり不足や水のやりすぎのためです。茎が伸びすぎると、ひょろひょろとした姿になりやすく見栄えが悪くなります。
原因である日当たり不足や水のやりすぎは、病害虫発生のトラブルも引き起こしやすいため注意が必要です。
茎が伸びすぎる対処法は以下の通りです。
- 日当たりの良い環境で育てる
- 土は乾燥気味に育てる
- すでに伸びすぎた茎は切り戻す
基本的な育て方を守れば、カランコエ・ファングが急に伸びすぎてひょろひょろになることはありません。
もし「ギュッと引き締まらず、伸びすぎたな」と思った時は、挿し木株や剪定後に親株から生えてきた子株を育てなおすと良いでしょう。
葉が落ちる
カランコエ・ファングを育てていると、葉が落ちるトラブルに悩まされることがあるかもしれません。葉が落ちる主な原因には、以下が考えられます。
- 水切れしている
- 根腐れしている
- 日当たり不足
- 風通しがない
- 害虫が大発生している
カランコエ・ファングが葉を落としやすい原因は、主に「水」「日当たり」「蒸れ(風通しが悪い)」に分かれます。その3つ以外が原因である場合は、害虫が発生している可能性が高いです。
葉の付け根や葉の裏に、カイガラムシやハダニがいないか確認しましょう。上記が原因で葉が落ちる場合の対処法は以下の通りです。
- 土は乾燥気味にして季節に合った水やりをする
- 根腐れしている場合は植え替える
- 真夏を除いて直射日光が当たる場所へ移動させる
- 窓を開けたりサーキュレーターを付けたりする
- 布やブラシで取り除きつつ殺虫剤を使用する
カランコエ・ファングは生命力にあふれる多肉植物なので、根元の茎がしっかりしていれば、子株が吹きやすいです。落ちた葉が健康的であれば、葉挿しで新芽が出てくることもあります。
上記の対処方法を試しつつ、落ちた葉は挿し木しておくと、いざ親株が枯れた際にも安心です。
葉に黒い斑点が出てくる
カランコエ・ファングの葉に黒い斑点が出てくる原因は、以下の2点が考えられます。
- カビ由来の病気(うどんこ病や黒点病など)
- 環境ストレス
土が乾燥していても、空気中の湿度が高い梅雨以降はカビの被害に遭いやすい環境です。空気中から漂ってきたカビの菌糸に寄生されて、葉に黒い斑点が出てくることがあります。
うどんこ病は白い粉を発生させる病気ですが、カランコエ・ファングでは時間が経つと、黒っぽく痕が残ります。黒点病は名前の通り黒い点が葉に現れる病気です。
葉に黒い斑点が出てくる原因の多くは、カビ由来の病気です。しかし、置き場所の環境がガラッと変わったといったストレスでも、葉に黒い斑点が一時的に出てくる場合もあります。
この場合は、新しい環境に適応したら、黒い斑点は出なくなるので安心してください。
それでは、カビ由来の病気が原因の黒い斑点の対処を紹介します。
- 日当たりと風通しの良い場所に移動させる
- 殺菌剤を散布する
カビ由来の菌は空気中を漂っています。カランコエ・ファングの周囲に留まり続けないように、空気が流れている場所に置くと発生しにくいです。
発生した後でも被害が大きくなりにくいので、まずは場所を移動させることが重要。そして、市販の殺菌剤(ダコニールやサプロールなど)を使用して、治療しましょう。
殺菌剤は、種類によって希釈倍率や薬効のある植物が異なるため、使用する前に確認してください。
カランコエ・ファングの害虫トラブルと対処法

カランコエ・ファングに発生しやすい害虫は以下の4つです。
- ハダニ
- カイガラムシ
- アブラムシ
- コバエ
それぞれ見ていきましょう。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点やカスリのような傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つ厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や葉柄も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトランなど)の使用が効果的です。ハダニは一度では駆除しきれないことがほとんどなので、状態を見ながら、定期的に噴霧してください。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法がおすすめです。
乾燥気味に育てる多肉植物には、比較的ハダニは付きやすい傾向があります。カランコエ・ファングにハダニが現れたら、こまめに殺虫剤を吹きかけたり、ホースシャワーで株全体を水で洗い流したりすると良いでしょう。
水や霧吹きで洗い流した場合は、葉の隙間に水滴が残らないように、しっかりと水をエアダスターで吹き飛ばしておくと蒸れを予防できます。カランコエ・ファングの葉は微毛に覆われているため、水を弾きやすく葉の上や隙間に水滴ができやすいです。
そのままにしておくと、蒸れて葉が黒くなったり葉が落ちたりする原因へ繋がってしまうので、注意してください。
ハダニがどんな姿をしていて、どのような被害をもたらすか詳しくご存じでしょうか?気になる方は、「観葉植物に発生するハダニ」の記事を、ぜひ参考にしてみてください。
カイガラムシ
カイガラムシの症状は以下の通りです。
- 貝殻のような殻を被ったり、粉状の物質で覆われたりしている虫がついている
- 黒いカビ(すす病)が発生している
- 根に白い虫が付いている(ネジラミ)
- 葉や鉢、床がベタベタしている
カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。また、ネジラミとはカイガラムシの一種で根に寄生するタイプのこと。
風通しの悪い環境で育てていると、葉と葉の隙間や株元の付け根にカイガラムシが発生しやすいです。そのままにしていると、大発生してすす病を併発させたり株が弱々しくなったりするので注意してください。
見つけ次第、早めに対処しましょう。対処法は以下の通りです。
- 柔らかい布やブラシで擦り取り除く
- 茂り過ぎている葉は茎から取り除き、風通しをよくする
- 植え替えの際に、ネジラミを取り除く
- カイガラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
カランコエ・ファングにカイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)の使用が効果的です。
しかし、カイガラムシは殺虫剤が効きにくい害虫です。そのため、殺虫剤使用と布・ブラシでの拭き取りを合わせて行うと効率的に駆除できます。
カイガラムシの駆除方法については、多肉植物も観葉植物も共通です。予防や駆除に悩んでいる方は「観葉植物の白い虫はコナカイガラムシ」の記事を参考にしてみてください。
アブラムシ
カランコエ・ファングを徒長させると、アブラムシが増えやすくなります。柔らかい徒長した茎や生育不良の新芽に、アブラムシは集まりやすいためです。
アブラムシが発生した際の症状は、以下の通りです。
- 葉が縮れている
- 白~茶色い脱皮殻が目立つ
- 葉や鉢、床がベタベタしている
アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。
脱皮を繰り返し短期間で成虫になるので、アブラムシが増えると、葉に白~茶色の小さなチリのようなものが目立ち始めます。このチリのようなものは、脱皮殻です。
脱皮殻を見つけた際は、近くにアブラムシがいますので、注意深く観察して見つけてください。放っておくと生育が弱まり綺麗な新芽が出てこなくなるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 縮れた葉はカットする
- アブラムシを取り除く
- 茂り過ぎている葉は茎から取り除いて風通しをよくする
- アブラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
アブラムシを見つけたら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトランなど)の使用がおすすめです。殺虫剤が効きやすい害虫なので、すぐに対処すれば被害は大きくなりません。
コバエ
コバエの症状は以下の通りです。
- 土に虫が湧く
- コバエが植物の周囲を飛んでいる
コバエ自体は植物に無害ですが、カランコエ・ファングを育てるうえでの不快害虫です。
放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 発酵不十分な堆肥や有機質肥料を与えることをやめる
- 新しい土に植え替える
- 土の表面に無機質な素材(赤玉土・鹿沼土・砂利など)を敷く
- トラップを仕掛ける
- コバエに効果のある殺虫剤を噴霧する
コバエが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)の使用が効果的です。しかし、飛び回るコバエにスプレーするのは難しく、土にかけても飛んでいるコバエには効果がありません。
スプレーでうまく対処できない場合は、トラップを仕掛けて数を減らしましょう。コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。
植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。
そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3~5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。
カランコエ・ファングは、乾燥に強い植物なので、一年を通して乾燥気味な管理がおすすめ。有機質を含んだ土であっても、常に湿っていることがなければ、コバエが湧く心配は少ないはずです。
適切な水やりを心がけて育てましょう。
乾燥気味に育てることが基本の多肉植物では、本来コバエは発生しにくい不快害虫です。しかし、つい水やりしすぎてコバエが出てきてしまう方は「観葉植物に発生するコバエ」の記事をチェックして対策を実践してみてください。
まとめ
カランコエ・ファングは、日当たりと蒸れに注意しておくだけで、一年を通して簡単に育てられます。インテリア性の高い株姿は、初心者がお部屋に飾る多肉植物におすすめです。
長年大切に育てれば、ボリュームも大きくなり、幹立ちしたようなおしゃれな株姿に仕立てられます。将来の株姿をイメージしながら、大切に育ててみてください。
可愛い小さな姿から、ワイルドに大きくなったカランコエ・ファングには感動を覚えるはずです。葉のシックな色合い、インダストリアルな雰囲気をお部屋に取り入れたい方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
[https://andplants.jp/collections/kalanchoefang]