墓花(はかばな・ぼか)とは、お墓にお供えするお花です。ご先祖様や故人に敬意を示し、感謝の気持ちを伝えるためにお供えします。
しかし、お墓参りに慣れていないと、「どんなお花を買えばいいのか分からない」「タブーなお花を選んでいないか心配」と悩んでしまうこともあるかもしれません。
そこで今回は、墓花に適したお花の種類7選をご紹介します。
ふさわしい理由や、選び方のポイントも解説しています。お墓参りに慣れていない人や初めて墓花を用意する人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
AND PLANTSでは、お墓参りにふさわしいお供えブーケをご用意しています。
日々のお供えはもちろん、命日や特別な日のお供えにもぴったりです。
気になる方は下記のページからご覧になってみてください。
[https://andplants.jp/products/offering-bouquet-white-medium]墓花に適したお花の種類7選
一般的に墓花は、枯れにくく、お墓を汚さないお花が好まれます。
よく選ばれる種類を7つまとめてみました。
- キク
- カーネーション
- ユリ
- スターチス
- 故人が好きだったお花
- 季節のお花
- 造花
キクやカーネーションのように定番の種類はありますが、基本的には墓花に厳密な決まりはありません。
故人やご先祖様を想ってお供えすることが大切です。故人が好きだったお花や季節のお花は、敬意や感謝を示すのにふさわしいでしょう。
ただし、定番の種類以外の墓花をお供えする際は、お参りが済んだら持ち帰るのがおすすめです。花びらが散ってお墓を汚したり、悪臭の原因になったり、周囲に迷惑をかけることがあります。
お供えした後のことも考えながら、気持ちに合ったお花を選んでみてくださいね。
では、それぞれのお花の特徴や、ふさわしいとされる理由を解説していきます。
キク

古くから、キクには場を清める力があり、上品な姿とさわやかな香りで邪気を払うと言われてきました。仏教や神道において意味のあるお花であり、お墓参りに欠かせないお花のひとつです。
一年中安定した価格で手に入るため、どの季節のお供えにもぴったりです。
茎に一輪お花がついているスタンダードタイプと、枝分かれして小花がついているスプレータイプがあります。お花の色も豊富で、お供えにふさわしい色合いが揃っているでしょう。
カーネーション

カーネーションは花びらや花粉が飛び散りにくいため、お墓を汚しません。
長持ちしやすく、春秋のお彼岸の時期であれば4日〜5日は持つでしょう。
お花の色が豊富で、故人の好きだった色をお供えしたい時にもおすすめです。また、お母さんを偲んでお供えする人も多いです。
茎に一輪のお花がついているスタンダードタイプ、枝分かれして小花がついているスプレータイプがあります。枝分かれするタイプはバランス調整にも使いやすく、1本あると重宝します。
ユリ

ユリの高貴で清らかな姿は、お供えにふさわしいでしょう。
ツヤのある花びらは高級感があり、法要や命日など墓花を豪華にしたい時にもおすすめです。
ただし、香りが強いカサブランカのような品種はあまりふさわしくないとされています。お供えの際は、スカシユリやテッポウユリのような香りが少ない品種を使うとよいでしょう。
また、ユリはあらかじめ花粉を取り除いておいてください。花粉が開いてお墓や周辺を汚す可能性があります。
ユリの花粉は大きくて取り除きやすいので、処理は難しくありません。適切にお供えすれば、長持ちして飾りやすいお花です。
スターチス

いつまでも色褪せないスターチスは、墓花に非常に適したお花です。
お花に見える部分は葉が変形した苞(ほう)で、しおれたり腐ったりしにくいのが特徴です。お墓のように屋外に飾っても1週間以上持つこともあり、非常に長持ちします。
花びらが散らないため、お墓を汚さないのも魅力です。
枝分かれしていて花つきもよく、全体のバランスを整えたい時にも重宝します。
故人が好きだったお花

お墓には、故人が好きだった思い出のお花をお供えしてもよいでしょう。
故人やご先祖様を敬い感謝する気持ちがあれば、基本的にはどのような墓花をお供えしてもよいとされています。
例えば、一般的にトゲのあるバラや、香りが強く毒のあるスイセンは墓花にふさわしくないと言われています。しかし、お供えに大切なのは故人を偲ぶ気持ちです。
お参りした後すぐに持ち帰れば、周囲に迷惑をかけずに気持ちよくお参りできます。
思い出のお花をお供えすることで、心が穏やかになったり癒されたりするでしょう。故人を想って、お供えのお花選びも楽しんでみてください。
季節のお花

墓花には、季節のお花をお供えするとよいと言われています。
季節のお花はお墓を華やかにしてくれるだけでなく、季節の移ろいや時の流れを感じさせ、お供えする人の心を癒してくれます。
お花屋さんで見つけた素敵なお花をお供えしてもよいでしょう。故人と一緒にお花を楽しむ気持ちでお供えしてみてください。
ただし、長持ちしないお花をお供えする際は、お参りが済んだらそのまま持ち帰ります。
例えば、春のサクラの枝は美しいですが、花びらが散ってお墓につくと掃除が大変です。1週間以上放置しないようにしましょう。
造花

お墓には、造花をお供えしてもかまわないと言われています。
墓花は天候に左右されやすく、管理が大変です。外気温では生花は長持ちしにくく、放置すると悪臭や虫が発生する原因にもなります。また、雨風でお花が倒れたり、散乱してしまう可能性もあります。
家のお墓だけでなく、周囲のお墓を汚してしまう事態にもなりかねません。そのため、造花を推奨している墓地や霊園も多いです。
造花をお供えする際には、風でお花が飛ばされないよう、重りがついたお墓専用の造花を選びましょう。
また、造花も1年程度で色褪せたり朽ちてきたりします。定期的に交換しながら、美しい造花をお供えしてください。
お墓参りにタブーとされるお花の種類

墓花に厳密な決まりはありませんが、一般的にふさわしくないとされるお花もあります。
主な種類は、以下の6つです。
- 香りが強すぎるお花
- トゲのあるお花
- 毒のあるお花
- つる性のお花
- 食べられるお花
- 花びらが散りやすいお花
墓花を選ぶ際は、ご先祖様や故人への供養だけでなく、墓地や周辺への配慮も必要です。
お墓のある墓地には、親族や家族、ほかのお墓の参拝者も訪れます。参拝者全員が気持ちよくお参りできるよう、ふさわしくないお花を知っておくとよいでしょう。
ふさわしくないと言われる理由や具体的なお花の種類を詳しく解説していきます。
香りが強すぎるお花
お線香の香りをかき消すような強い香りのお花は、お供えにはふさわしくないと考えられています。
主な種類は、カサブランカやウメ、キンモクセイなどが挙げられます。ほかに、スイセンやヒヤシンス、カトレアなども注意が必要です。
多くの参拝者がいる墓地や霊園では、強い香りが苦手な人もいます。自分では気にならない香りでも、ほかの参拝者にとってはお参りの妨げに感じるかもしれません。
また、強すぎる香りは、虫が寄ってくる原因にもなります。できるだけ香りが少ない品種を選ぶとよいでしょう。
トゲのあるお花
トゲには殺生のイメージがあることから、墓花にはあまり好まれません。
バラやアザミなどのお花が挙げられます。実際にトゲではなくても、エリンジウムのような鋭いフォルムのお花も避けたほうがよいでしょう。
しかし、トゲを取り除いた切り花であればお供えしてもよいとも言われています。バラをお供えしたい時には、丁寧にトゲを取り除いてからお供えしましょう。
毒のあるお花
毒のあるお花も殺生のイメージがあるため、墓花にはふさわしくないと考えられています。
スイセンやスズラン、アジサイ、キョウチクトウ、ジギタリスなどが挙げられます。毒のイメージがあるお花は避けましょう。
お供えにはふさわしくないとされる一方で、野生動物を寄りつけさせないために有毒植物をお供えする考えもあります。
シキミやヒガンバナのような有毒植物をお供えしたり、お墓の周辺に植えたりする風習が各地で見られます。地域に合わせて選ぶとよいでしょう。
つる性のお花
つる性のお花は「つるが絡み付いて成仏できない」「絡み付いて道連れにする」などと言われるため、墓花にはふさわしくありません。
つる性の植物は、クレマチスやスイートピー、アイビーなどが挙げられます。
特に生命力の強いアイビーは、切り花でも成長することがあります。お墓に這って跡をつけてしまうおそれもあるので、お供えに入れるのは避けましょう。
食べられるお花
食べられるお花は野生の動物や鳥が寄ってくる可能性があるため、タブーと言われています。
動物や鳥が食べ荒らして、お墓や周辺を汚す可能性があります。また、一度餌場と認識されてしまうと対策も大変です。
アワやイネ、オクラなどの食用になる植物はお供えしないようにしましょう。ブルーベリーやブラックベリーなどの実ものも避けてください。
もしお供えする際は、お参りが済んだら持ち帰りましょう。
花びらが散りやすいお花
花びらが散りやすいお花は、お墓や周辺を汚すおそれがあります。
サクラやウメ、ユキヤナギ、コデマリ、ハギなどが代表例です。
細かい花びらがお墓にこびりつくと掃除が大変です。ほかのお墓を汚してトラブルになる可能性もあるため、共同の墓地では避けましょう。
また、墓花に定番のキクも、枯れる時には花びらが散りやすいです。一見花びらがついているように見えても、花立てから抜く際に花びらがバラバラ落ちてしまうことも。
キクを抜く際は、花びらが散らないようにお花をしっかり掴むと、きれいに処分できます。
仏教以外に用いる墓花の種類

ではここからは、仏教以外のお墓にふさわしい墓花をご紹介します。
代表的なキリスト教と神式の墓花を見てみましょう。
- キリスト教式|白いお花
- 神式|榊
それぞれ仏教とは違う点もあるため、お墓参りの際には注意しましょう。
では、順番に解説していきます。
キリスト教式|白いお花
キリスト教の墓花は、白を基調にして、故人の好きだったお花をお供えします。白いバラやカーネーション、ユリなどが代表的です。
しかし、必ずしも白でなければいけないルールはありません。母の日には赤いバラや、父の日には青いお花をお供えすることもあります。色やお花の種類に細かい決まりはないようです。
キクはあまりお供えしませんが、西洋キクやアスターはお供えに使われます。
日本でキリスト式の墓花を選ぶ際には、仏花として販売されている商品を避けましょう。
花立ての数はお墓の形状によって異なります。花立てがない場合は、お墓の前にお花を寝かせてお参りします。
キリスト教の墓花選びに迷った時は、AND PLANTSのお供え用おまかせブーケがおすすめです。
洋花を入れて優しい印象に仕上げているため、キリスト式のお墓にもふさわしいでしょう。ぜひチェックしてみてください。
[https://andplants.jp/products/offering-bouquet-white-medium]神式|榊
神式のお墓では、サカキをお供えします。通常は、お花はお供えしません。
サカキは、神棚にお供えするものと同じでよいでしょう。お花屋さんやスーパー、ホームセンターで売っているサカキを準備します。
通常の神式のお墓は花立てが一対あります。そのため、サカキは2組用意しましょう。
しかし、地域や家庭によってはお花をお供えすることもあります。お花の種類は仏式とほぼ同じですが、お花の後ろにサカキを添える場合もあります。
墓花を購入する際のポイント
墓花を購入し慣れていない人は、どんなお花を購入すればよいのか悩むこともあるでしょう。
墓花を購入する際のポイントは、3つあります。
- 一対で購入する
- お花の本数は奇数にする
- 全体の長さが30cm〜40cm程度の墓花を選ぶ
一般的にお墓の花立ては、左右対称に一対で設置されています。そのため、墓花は2束購入しましょう。
1つの花立てに入れるお花の本数は、奇数本がよいと言われています。奇数は神聖な数字と考えられているためで、5本または7本程度の本数を生けるのが一般的です。
また、花立ての長さに合わない長さの墓花は、お花が倒れてうまく生けられません。茎が花立ての底に届く程度の長さだと、安定して生けられます。
一般的な花立ての長さは深さ15cm〜20cm程度なので、全体の長さが30cm〜40cm程度のものを選ぶとよいでしょう。
墓花をお供えする際のマナーや注意点は、お墓に供える仏花の記事で詳しくご紹介しています。お墓参りに慣れていない人は、ぜひ参考にしてみてください。
墓花を購入できる場所と値段相場

墓花を購入できる場所は、大きく分けて5ヶ所あります。場所とそれぞれの値段相場は、以下の通りです。
- 花屋|1,000円〜4,000円
- スーパー・ホームセンター|800円〜2,000円
- 霊園の売店|1,000円〜3,000円
- 産直市場|800円〜2,000円
- コンビニ|1,000円〜3,000円
定番の墓花を手軽に購入したいなら、スーパーやホームセンターがよいでしょう。故人の好きだったお花を入れたい場合は、お花屋さんで相談しながらお花を選んでもらうのがおすすめです。
売店がある霊園もあるので、問い合わせてみるとよいでしょう。
なぜ場所ごとに値段相場が異なるのか、購入する際のメリット・デメリットが気になる人は、お墓参りの花はどこで買うのが正解?の記事もご覧になってみてください。
墓花の種類に関してよくある質問

ここでは、墓花の種類に関してよくある質問とその答えをご紹介します。
- 仏花と墓花の違いはなに?
- お盆やお彼岸には特別な墓花が必要?
- 永代供養墓の墓花にはどんなお花をお供えする?
ぜひ参考にしてみてくださいね。
仏花と墓花の違いはなに?
仏花(ぶっか)とは、仏教行事全般で使われるお花を指します。
一般的に仏壇にお供えするお花を「仏花」と呼びますが、日本では仏式のお墓が多いため、墓花を「仏花」と呼ぶことも多いです。
仏壇にお供えする仏花と墓花は、お花の種類やタブーが似ています。そのため、まとめて「仏花」と表記されて販売されていることも少なくありません。
もしお店に「仏花」しかない場合、お墓参りに仏花を購入するといいでしょう。
ただし、仏壇用の仏花は茎が短い傾向があるので、注意が必要です。お墓参りに仏花を購入する際は、茎が長いものを選んでください。
お盆や正月、お彼岸には特別な墓花が必要?
お盆やお正月、お彼岸には、普段とは違う種類の墓花をお供えすることがあります。
ご先祖様や故人が帰ってくるお盆には、ホオズキやハス、ショウジョウバナが入ったお盆用の墓花をお供えします。お正月には、マツやウメ、ナンテンを入れたお正月用の墓花が販売されます。
お彼岸は特にお花の決まりはありません。春のお彼岸にはアイリス、秋にはリンドウやキキョウなど季節のお花を入れた墓花が人気です。
ただし、必ずしも特別なお花を準備する必要はなく、普段通りの墓花を使う人も多いようです。
地域や宗派によっても違いがあるので、檀家や地域のお花屋さんに相談してみるといいでしょう。
永代供養墓の墓花にはどんなお花をお供えする?
永代供養墓には合祀墓・納骨堂・樹木葬などさまざまなタイプがありますが、墓花のルールは管理者によって異なります。
お供え花が禁止されているところや、お供えしてよいお花の種類が決まっていることもあります。ルールをよく確認してからお参りしましょう。
特に決まりがなくても、共同スペースにお供えするため一層周りへの配慮が必要です。キクやカーネーションなど定番の墓花を選び、香りが強いお花や毒のあるお花などタブーな種類は避けてください。
みんなが気持ちよくお参りできるように心がけましょう。
まとめ
墓花は、ご先祖様や故人を想う気持ちが大切です。
どんなお花も心を込めてお供えすれば、きっと故人に想いが伝わり、お参りする人の気持ちを癒してくれるでしょう。
筆者が花屋に勤めていた頃、お墓参りの前によく来店してくださるお客様がいらっしゃいました。そのお客様はいつもキクなど定番のお花に加え、季節のお花を選んでオリジナルの墓花にしていらっしゃいました。
贈り物を選ぶように墓花をお選びになる姿がとても印象に残っています。
墓花選びに慣れていない人は、「キクにしなければいけない」「バラをお供えしてはいけない」と考えてしまうかもしれません。しかし、あまり形式にとらわれすぎず、心を込めて自由にお花を選んでもよいと筆者は考えます。
墓地や霊園のルールは守りつつ、感謝の気持ちや故人を偲ぶ気持ちに合った墓花をお供えしてみてください。
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