ファレノプシスとは?胡蝶蘭との違いや種類

ファレノプシスとは?胡蝶蘭との違いや種類

お祝いやお供えなどのさまざまなシーンで活躍する胡蝶蘭。その優雅で上品な姿から、多くの方に「贈答花と言えば胡蝶蘭」として認知されています。

お花屋さんやインターネット通販で胡蝶蘭を探している際に、「ファレノプシス」といった名前を見たことはありませんか。ファレノプシスと記載されているため、「胡蝶蘭とは違うのかな?」と疑問に思う方も多いかもしれません。

そこで、今回はファレノプシスと胡蝶蘭の関係性について詳しく紹介します。代表的な種類や長く楽しむための育て方についても解説するので、ぜひ最後まで一読してみてください。

ファレノプシスについての知識を深めると、自信を持って贈答用胡蝶蘭を選ぶことができるでしょう。

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ファレノプシスと胡蝶蘭の関係性

「ファレノプシス」とは「胡蝶蘭」の学名の一部です。学名とは、生物の分類における国際的に定められた世界共通の名称のこと。

学名は、ラテン語で表記された「属名」と「種小名」の2語を組み合わせた二名法で命名されています。胡蝶蘭の学名は「Phalaenopsis Aphrodite (ファレノプシス アフロディーテ)」。

そもそも「胡蝶蘭」は日本語の通称です。蘭の中でも蝶が舞っているように見える特定品種のグループが「ファレノプシス属」に分類されています。

「ファレノプシス」は属名

胡蝶蘭の学名から「ファレノプシス」とは、胡蝶蘭の属名であることがわかります。つまり、「ファレノプシス」と呼ばれる蘭のグループの中に、「胡蝶蘭」が存在しています。

ちなみに「ファレノプシス」は、ギリシャ語の「phalaina(ファライノ)」と「opsis(オプシス)」の2語が組み合わさってできた言葉。意味は「蛾のような」です。

海外では蝶と蛾をあまり区別しないこともあって、「蛾のような」の意味を持つ「ファレノプシス」として名付けられています。日本では美しいものの例えに「蝶」を用いる粋な文化があるため、「胡蝶蘭」と名付けられました。

ファレノプシス(胡蝶蘭)の種類

ファレノプシス属の花の写真

ファレノプシス属に分類される胡蝶蘭の原種は約50種類あり、それぞれに花の色や大きさなどに違いがあります。さらに、品種改良によって生まれた胡蝶蘭も数多く存在します。

ここでは、代表的な胡蝶蘭の種類を見ていきましょう。

品種名 種別 花色 花の大きさ
ファレノプシス・アフロディーテ(胡蝶蘭) 原種 約8~12㎝
ファレノプレシス・シレリアナ 原種 ピンク 約6㎝
ファレノプレシス・リューマンニアナ 原種 赤紫と白の模様 約4~5㎝
ファレノプシス・アマビリス 原種 約6㎝
ファレノプシス・ベリーナ 原種 淡い緑~白にリップが赤紫色 約5~6㎝
ファレノプシス“ウェディング・プロムナード” 交配種 ピンク 約7~8㎝
ファレノプシス“レモンパイ” 交配種 黄色にリップがピンク 約7~8㎝
ファレノプシス“ソーゴユキディアンV3” 交配種 約12~13㎝
ファレノプシス“エバースプリング” 交配種 白に紫が不規則に入る 約9㎝
ファレノプシス“クリーンピア” 交配種 濃いピンク 約5~6㎝

ファレノプシス(胡蝶蘭)の魅力

ファレノプシス属の花の写真

胡蝶蘭を含めたファレノプシス属にはさまざまな種類があり、いずれも多くの魅力を持っています。ここでは、ファレノプシス属の代表的な魅力を見ていきましょう。

  • 花持ちの良さ
  • 香りの少なさ
  • 品格のある株姿
  • 素敵な花言葉

ファレノプシス属の花は、いずれの品種も非常に長持ちです。環境や管理が適切であれば、1~2ヶ月ほど花を楽しめる場合もあります。

一部の品種には香りがありますが、ほとんどの品種には香りはありません。贈答用として人気の胡蝶蘭には香りがないため、シーンを選ばず贈れるでしょう。

また胡蝶蘭の代表的な花言葉は「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」。これらの花言葉はどのようなシーンでも贈り物として喜ばれます。

ファレノプシス(胡蝶蘭)の育て方

ファレノプシス属の花の写真

胡蝶蘭を含めたファレノプシスを育ててみたいといった方も多いのではないでしょうか。簡単な育て方を紹介します。

項目 管理
日当たり 直射日光の当たらない明るい場所
温度 最低10℃以上
水やり 春夏:手で水苔を触って水分を感じなくなったら2~3日後
秋冬:手で水苔を触って水分を感じなくなったら10~30日後
肥料 緩効性肥料、液体肥料
剪定時期 花が終わった後の花茎を切る程度

ファレノプシス属は熱帯・亜熱帯地域が原産の植物です。寒さには弱いため、冬は10℃を下回らないように管理してください。

15℃前後であれば、水苔を乾かし気味に育てて水やりを控えます。ただし、暖房で室温が20℃以上あると生育するので、生育具合を見ながら水やり回数を増やしてください。

詳しい育て方が気になる方は「胡蝶蘭の育て方」の記事を参考に育てると安心です。

まとめ

ファレノプシスとは、「胡蝶蘭」の学術的な属名です。「ファレノプシス=胡蝶蘭」ではなく、ファレノプシス属の植物グループに胡蝶蘭が存在します。

ファレノプシス属には、胡蝶蘭以外にもさまざまな花の色や大きさなどの特徴を持つ品種があります。そのため、贈答用として贈る場合は「ファレノプシス」の名前だけで選ばないように注意してください。

とはいえ、原種や交配種も素敵な花を咲かせるので、花が大きく形よく仕立てられていれば贈答用として喜ばれることは多いです。ぜひ素敵なファレノプシスを選んでプレゼントしたり育てたりしてみてください。

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田中 秀和
小さな時から花や観葉植物が好きで、田舎の野山を駆け回っては植物を採集して育てていました。 今でも自宅では多肉植物やサボテン、コーデックスを中心に様々な観葉植物を育てています。 総合園芸店で働いていたこともあり、植え替えやお水やりなどの管理、販売、お客様からのご相談ご依頼を経験。観葉植物の素敵な魅力や育て方を、目の前にいるような感覚でお届けできればと思います。 一緒にかけがえのない一鉢を見つけましょう。

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