胡蝶蘭の選び方｜喜ばれるポイントや注意点を解説

プレゼントとして贈る機会が多い胡蝶蘭。ビジネスシーンや個人間での贈り物として活躍します。

一方で、「胡蝶蘭をどのように選べばいいのか」と悩みませんか。そこで、今回は、胡蝶蘭の選び方を詳しく解説します。

同じ金額であっても、より良い胡蝶蘭を選ぶためのチェックポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。より良い胡蝶蘭を贈ると、贈り先でも長く咲き続けます。

長く咲き続ける胡蝶蘭の姿は、贈り相手に感動を与えてくれるでしょう。ぜひ素敵な胡蝶蘭を選んでください。

胡蝶蘭の選び方

胡蝶蘭の選び方には、以下の5つがあります。

それぞれ見ていきましょう。

相場で選ぶ

贈り先との関係性別の相場は、以下の通りです。

贈り先	価格相場
家族・友人・知人	3,000～15,000円
取引先企業	10,000～30,000円
重要な取引先企業・大企業	30,000～60,000円

胡蝶蘭は、種類や本数によって価格が異なります。胡蝶蘭を選ぶことに慣れていない方は、贈り先相手を考えた相場で選ぶと安心です。

相場で胡蝶蘭を選ぶ方は、贈るシーンや色なども気になると思います。「胡蝶蘭の価格相場一覧」で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

花の大きさで選ぶ

胡蝶蘭にはさまざまな種類があり、花の大きさにも違いがあります。具体的には以下の通りです。

大輪	直径12～14㎝
中輪	直径7～8㎝
ミディ	直径5～6㎝
マイクロ(ミニ)	直径2～4㎝

ビジネスシーンでは大輪の胡蝶蘭が定番です。開店祝いや就任祝いなどの華やかなシーンで活躍します。

中輪やミディの胡蝶蘭は、大輪よりも1～2回り小さく、カジュアルなシーンに良く選ばれます。花色の豊富さと可愛らしさを重視したい方におすすめです。

マイクロ胡蝶蘭は、花の大きさだけでなく株も小さい点が特徴です。母の日や父の日、誕生日などに贈りやすく、観葉植物のようにも楽しめます。

株を含めた大きさは大輪ほど大きくなります。それぞれの特徴は、「胡蝶蘭の種類」の記事で詳しく解説しているので、花の大きさで胡蝶蘭を選ぶ方は、ぜひチェックしてみてください。

花色で選ぶ

胡蝶蘭には豊富な花色があります。さらに、色水を吸水させて染めた色も含めると、より多くの種類から胡蝶蘭を選ぶことが可能です。

人気の花色を5つ紹介します。

大輪胡蝶蘭の多くは白色の花ですが、花色を染めてカラフルにした胡蝶蘭も流通しています。また、中輪やミディ、マイクロ胡蝶蘭は、白以外にピンクや黄色などの天然色も豊富です。

ビジネスシーンには、華やかさと清楚さを合わせ持つ白色が選ばれることが多いです。しかし、カジュアルなシーンで利用したりコーポレートカラーを重視したりしたい方は、白色以外で選ぶのも良いでしょう。

ただし、開店祝いや新築祝いに赤色の胡蝶蘭を選ぶことには注意してください。火事を連想させるため、タブーとされています。

花色で胡蝶蘭を選ぶ際は、シーンに合わせて適切に選んでください。胡蝶蘭は天然色か染め色か、また色ごとで価格が異なります。

気になる方は「胡蝶蘭の花色一覧」もチェックしましょう。

花の輪数で選ぶ

胡蝶蘭は花の輪数によって、大きさや価格に違いがあります。1本あたりの花の輪数が多いほど、より豪華な印象です。

筆者は園芸店時代の際に、お届け先に1本16輪の胡蝶蘭をお届けしたことがあります。やはり1本10～12輪と比較すると、見栄えが豪華です。

そのため、贈り先で目立つ胡蝶蘭を贈りたい方は、輪数が多いものを贈ると良いでしょう。

ただし、輪数が多いほど胡蝶蘭は背丈が高くなる点には注意してください。置く場所によっては、背丈が低い方が喜ばれることもあります。

贈り先の方が、どのような場所に飾られるのかを確認しておくと花の輪数が決めやすいです。

本数で選ぶ

胡蝶蘭は、「3本立ち」や「5本立ち」など、胡蝶蘭の花茎の本数によって種類が分けられます。基本的に本数が多いほど、豪華な印象になり高価です。

ビジネスシーンでは、3本立ちや5本立ちがよく選ばれます。社長就任祝いや重要な取引先相手などには、7本や10本立ちを贈る方も多いです。

1本立ちや2本立ちは、ご自身で楽しむように購入される方や誕生日祝いや記念日祝いなどのカジュアルシーンに贈る方に人気です。胡蝶蘭の選び方に迷った方は、本数に注目して選ぶのも良いでしょう。

胡蝶蘭の良し悪しチェックポイント

いざ胡蝶蘭を選ぶ際には、少しでも良いものを選びたいと思う方は多いでしょう。ご自身で育てるにしても贈るにしても、悪い胡蝶蘭は選びたくないと思います。

胡蝶蘭の良し悪しチェックポイントは、以下の7つです。

全ての良し悪しチェックポイントをクリアする胡蝶蘭は、少ないかもしれません。しかし、なるべく良い胡蝶蘭を選ぶ際の基準にしてはいかがでしょうか。

それでは、詳しく解説します。

①花弁や葉の厚さを確認する

良い胡蝶蘭は、花弁や葉が厚いです。花弁や葉に厚みがあるものは、一つ一つの花が長持ちします。

そのため、お届け先でもより長く胡蝶蘭の花を楽しめるでしょう。また、株としても元気があるので、開花後の2番花を咲かせることもあります。

購入前に花や葉に触れることは難しいかもしれません。花弁の厚さは触らないとわかりにくいですが、葉の厚さは見た目でもわかりやすいので、ぜひ注目してみてください。

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②花や蕾のハリを確認する

長期間花が咲く胡蝶蘭は、花や蕾にハリがあります。元気がない胡蝶蘭は、花や蕾にシワが寄っているので、注意してください。

シワが寄っている場合、その花や蕾は枯れ落ちる前兆です。花の寿命であったり水切れの影響であったりなど、原因はさまざま。

花にシワが寄っている場合は、花の厚さが薄くなっています。そのため、光に当てると透けて見えることもあります。

元気の良い胡蝶蘭を選ぶためにも、花や蕾のハリをチェックしましょう。

③花が綺麗に正面を向いているか確認する

美しい胡蝶蘭を選ぶには「花が綺麗に正面を向いているかの確認」がポイントです。胡蝶蘭によっては、花が正面を向いていないことがあります。

花が綺麗に正面を向いている胡蝶蘭は、花茎が見えません。そのため、飾った時に見栄えが非常に良いです。

花が四方八方を向いていると統一感がないので、飾った時も美しく感じません。胡蝶蘭の元気さや花の長持ちさには関係ありませんが、大切な方に贈るなら、見栄えにこだわってみてください。

④蕾が付いているか確認する

相手に胡蝶蘭を楽しんでほしい場合は、蕾が全体の輪数の2割程度付いているものを選んでください。たとえば、1本12輪の胡蝶蘭であれば、2つは膨らんだ蕾といった状態です。

蕾が付いている胡蝶蘭は、一番最初に咲いた花(一番上の花)も開花日数が短いため、長期間美しい姿を楽しめます。また、管理や環境が良ければ、蕾の開花過程も観賞できるでしょう。

一花一花の寿命を考えると、胡蝶蘭は最初に咲いた花から順番に枯れ落ちていきます。

いつ満開になったかによっては、贈り先に届けたり購入したりした直後に枯れ落ちることもあるので注意してください。

そのため、お届け先の方に胡蝶蘭を長く楽しんでほしい場合は、1～2個程度の蕾があるものがおすすめです。

満開が好まれる場合もある

胡蝶蘭は満開であるほど、豪華な印象を与える鉢花です。そのため、「短期間のお祝いシーンを胡蝶蘭で華やかに飾りたい」と考えている方には、満開の胡蝶蘭が好まれることもあります。

お届け先のシーンに合わせて満開か蕾がある状態かを選ぶのも良いでしょう。また、胡蝶蘭は冬の寒さが苦手です。

置く場所の寒さによって、蕾が開かずそのまま枯れる可能性があります。蕾が枯れると残念な気持ちになるので、冬は満開に近い胡蝶蘭を贈るのも、贈り先への気遣いの1つです。

⑤葉がシャキッとしているか確認する

良い胡蝶蘭の選び方の1つに、「葉がシャキッとしているか」があります。

一方、葉が垂れている胡蝶蘭は、日当たり不足や蒸れの影響を受けて育っている可能性が高いです。良い環境で育っていない胡蝶蘭は、蕾があっても咲かなかったり、一花一花の寿命が短かったりします。

そのため、なるべく葉がシャキッとした胡蝶蘭を選びましょう。

私が園芸店に勤めていた際は、「葉が45℃くらい立ち上がっていると長持ちしますよ」と、お話していました。実際に、お客様からは「ほんとに長持ちした」とうれしいお言葉をいただいたこともあります。

ぜひ葉がシャキッとした胡蝶蘭を選んでください。

⑥葉の枚数が多いか確認する

基本的に、葉の枚数が多いほど胡蝶蘭は元気です。そのため、葉の枚数が多いか確認して選んでください。

お花や葉の状態が同じであれば、葉の枚数が多いものを選ぶと、より安心です。ただし、葉の枚数が多くても垂れている場合は、葉がシャキッとしている胡蝶蘭の方が良いでしょう。

⑦葉の色が濃いか確認する

元気な胡蝶蘭を選ぶには、葉の色が濃いかを確認しましょう。葉の色が薄かったり黄色くなっていたりする場合、胡蝶蘭は元気がなくなってきています。

また、お花屋さんや園芸店、ホームセンターでの管理が悪い場合は、葉が半透明でドロドロになっていることも。半透明でドロドロした葉は、「軟腐病(なんぷびょう)」と呼ばれる病気の症状です。

贈り先相手に喜んでもらうためにも、葉の色が濃い緑色をした胡蝶蘭を選びましょう。

胡蝶蘭を贈る際の注意点

胡蝶蘭を選んで贈る際の注意点には、以下の2点があります。

筆者が園芸店に勤めていた際に、購入されたお客様やお届け先様に喜んでもらうために行っていた点でもあります。実際に受け取ったお客様やお届け先様からは好評をいただいておりました。

些細な点ではありますが、高価な胡蝶蘭だからこそ注意してください。

花を固定している支柱は短くしてもらう

贈答用の胡蝶蘭の多くは、伸びた花茎を固定するために支柱をしています。胡蝶蘭によっては、支柱が長すぎて先端の蕾みや花から飛び出ている状態です。

飛び出た支柱は、ニッパーで切ってもらってください。飛び出た支柱を切るだけで、胡蝶蘭の姿はすっきりして、花が目立ちます。

また、支柱が伸びすぎていると、贈り物として運んでいる時に、壁や服に引っかかることもあります。運んでいる最中に花茎や花が傷まないためにも、長すぎる支柱は切りましょう。

園芸店や花屋さん、ホームセンターで購入される際に、長すぎる支柱が気になる場合は、スタッフにお願いすると切ってくれます。支柱は先端の花や蕾から10㎝出ている程度に留めると、見栄えが良いです。

購入時に花を守る不識布をしてもらう

胡蝶蘭の購入時は、お花を守るために不織布や柔らかい保護ビニールをしてもらってください。ご自身で胡蝶蘭を持っていく場合は、特にお願いしましょう。

多くのお花屋さんや園芸店では、無料でお花が傷まないように不織布や柔らかいビニールをしてくれるでしょう。もしお花の保護をしてくれない場合は、スタッフに一声かけた方が良いです。

運ぶ際に、花に傷がつくかもしれません。園芸店やお花屋さんによっては、保護作業に不慣れなスタッフが不織布をお花ごとホッチキスで留めることがあります。

必ず慣れた方に丁寧にしてもらうようにお願いしてください。

シーン別｜おすすめ胡蝶蘭

 胡蝶蘭はさまざまなシーンに利用される鉢花です。ここでは特に利用される機会の多いシーン別に、おすすめの胡蝶蘭を紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

開店祝い｜3本立ち胡蝶蘭

3本立ち胡蝶蘭は、開店祝いをはじめ、さまざまなお祝いシーンで贈られます。ビジネスシーンから個人へのお祝いまで、幅広く利用される本数の胡蝶蘭です。

輪数が多いほど、3本立ち胡蝶蘭も高さが出ます。直接お届けできず、配送する場合は、箱に入るかどうかも確認すると良いでしょう。

お祝いだけでなく、お葬式やお悔みなどのお供えシーンでもよく利用されます。贈る相手やシーンによって、どの胡蝶蘭を贈るか迷った場合は、3本立ち胡蝶蘭を選ぶと安心です。

後は、重要な贈り先ほど輪数の多い3本立ち胡蝶蘭として贈ると喜ばれるでしょう。

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就任祝い｜5本立ち胡蝶蘭

5本立ち胡蝶蘭は、ボリュームが大きく豪華な印象を与えます。社長や会長の就任祝いの贈り物としておすすめです。

大きな店舗や大企業への開店祝い、叙勲祝いのシーンにも、よく贈られています。しかし、鉢が大きく重い5本立ち胡蝶蘭を選ぶ際は、「置くスペースがあるか」「移動が大変ではないか」といった点は考える必要があります。

大事な取引先企業や特別にお世話になっている方へのお祝いに贈ると喜ばれるでしょう。

5本立ちの胡蝶蘭は、輪数が多いほど横幅だけでなく高さも出てきます。配送の場合、箱に入らない可能性もあるので、園芸店やお花屋さんから遠方へ送る場合はスタッフに確認して依頼すると安心です。

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誕生日祝い｜ミディ胡蝶蘭

ミディ胡蝶蘭は、誕生日に日頃の感謝を込めて贈るギフトとして人気です。胡蝶蘭が持つ気品や美しさだけでなく、可愛らしさも感じられます。

誕生日だけでなく、母の日や父の日、敬老の日などの贈り物にもおすすめです。「大きいのは、ちょっと大げさすぎるかも」という方は、ぜひミディ胡蝶蘭を贈ってみてください。

胡蝶蘭は観葉植物のように楽しめる植物でもあります。特にミディ胡蝶蘭は、育てることに興味がある方へのプレゼントにも人気です。

「胡蝶蘭の育て方」の記事も、贈り先相手に一緒に紹介していただけると、長く楽しんでくれるかもしれません。

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まとめ

さまざまなシーンの贈り物に利用される胡蝶蘭。豪華でありながら凛とした美しさや高価である点もあって、特別なプレゼントとして人気があります。

特別なプレゼントだからこそ、胡蝶蘭の選び方には慎重になるのではないでしょうか。より良い胡蝶蘭を選んで贈ることは、これからの関係性も考えると、非常に重要です。

この記事では胡蝶蘭の選び方について詳しく紹介しましたので、ぜひ参考にして素敵な胡蝶蘭を選んでください。贈り先相手が受け取った後も、長く胡蝶蘭を楽しむことができるほど、より嬉しい贈り物として記憶に残ります。

きっとこれからの関係性の発展にも繋がるでしょう。

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