仏花の値段相場｜購入する場所や種類別に比較

仏壇やお墓にお供えする仏花（ぶっか・ぶつばな）。

仏花は、安いもので1束300円から購入できます。しかし、購入する場所や種類によっては1束2000円程度することも。

仏花の値段に幅がある理由は、価格・品質・ボリュームなどのさまざまな違いがあるためです。また、日々のお供えと法要に用いる仏花では、ふさわしい価格帯も異なります。

そこで今回は、購入場所や種類ごとに比較しながら、仏花の値段相場について解説します。

「仏花のコストを抑えたい」「長持ちさせたい」「法要にふさわしい仏花はどこで買えばいいのか」などお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

場所別｜仏花の値段相場

まずは、仏花を購入できる場所とそれぞれの値段相場を見ていきましょう。

主な販売店ごとの値段相場は、以下の通りです。

仏壇のサイズによって、仏花を1束のみお供えする場合と、左右対称に一対お供えする場合があります。お墓は、一対でお供えするのが一般的です。

仏花1束の値段相場は300円～2000円程度で、一対では600円～4000円前後です。

値段相場が異なる理由や、それぞれの場所で購入するメリット・デメリットも解説していきます。

花屋｜700円〜4000円

花屋の仏花の値段相場は、1束700円〜2000円程度で、一対では1500円〜4000円前後になるでしょう。

値段がやや高い理由は、個人仕入れのお店が多いためです。高品質なお花を扱うお店が多いことも要因です。値段が高い分、1輪が大きくしっかりしており、花持ちがよい傾向があります。

注文してからお花を組み合わせ、形を整えて組んでくれるお店が多いです。長さやバランスを調整してくれるため、持ち帰って花立てにそのまま生けられます。

1本ずつ選べるので、「故人が好きだったお花や色にしたい」「法要なので豪華にしたい」など、好きなお花で細かく注文が可能です。

法要や行事など、シーンごとにふさわしいボリュームやマナーに合ったお花で作ってもらえるでしょう。「費用を抑えたい」「高くてもいいから長持ちするお花にしたい」と価格面の相談もできます。

長持ちさせたい時や特別な日のお供えがほしい時、相談しながら購入したい時におすすめです。

スーパー｜400円〜2000円

スーパーの仏花の値段相場は1束400円〜1000円程度、一対では800円〜2000円程度です。

スーパーでは主に、仏花に適したお花3本〜5本を簡単にまとめたものが販売されています。花屋のように組まれていないので、自分で長さやバランスを調整して生ける必要があります。

値段が安い理由は、系列店で大量に仕入れられるためです。値段を抑えるために品質ランクの低いお花を扱っているお店もあります。

長持ちしにくいこともありますが、日々のお供えには嬉しい値段です。鮮度のよいお花を見極めて選び、お家での手入れをしっかり行えば、十分な期間お供えできます。

お買い物ついでに購入できるので、手軽にお得な仏花を購入したい人におすすめです。

ホームセンター｜400円〜2000円

ホームセンターでも、仏花が販売されています。1束で400円〜1000円前後、一対では800円〜2000円程度です。

仏花に適したお花が3本〜5本セットになっています。自分で長さを調整し、バランスを見ながら生けます。

値段が安い理由は、ホームセンターは全国展開の店舗が多く、大量に仕入れられるためです。値段相場はスーパーと同様か、やや安い傾向があります。コストを抑えたい人にぴったりでしょう。

生花を長持ちさせる切り花延命剤や造花なども豊富で、さまざまな選択肢を比較しながらお買い物ができます。花立てやお線香のようなお供え全般のアイテムも揃っていて便利です。

霊園の売店｜500円〜3000円

売店があるような大きな霊園では、お墓参り用の仏花を販売しています。普段は販売していない霊園でも、お彼岸やお盆には販売していることもあります。

1束500円〜1500円前後で、一対では1000円〜3000円が値段相場です。一般的にお墓は一対でお供えするため、一対セットの商品が主流です。

仕入れ量が多くないため、やや割高な傾向があります。霊園によっては地元の花屋や農家と提携して値段を抑えているところもあり、値段相場には幅があります。

はさみがなくてもすぐに生けられるよう、花立てのサイズに合わせてお花を組んであることが多いです。お花を忘れた時や、お墓参りの荷物を減らしたい時に便利でしょう。

宗派や地域、霊園のルールに合った仏花を購入できるので、「お墓参りにどんな仏花を買えばいいか分からない」と悩む人にもおすすめです。

産直市場｜300円〜2000円

産直市場に販売されている仏花の値段相場は、1束300円〜1000円、一対では600円〜2000円前後です。

産直市場は生産者から直接仕入れるため中間コストがかからず、安くて新鮮なお花が手に入ります。

ただし、生産農家のお花もあれば、地元の農家が副業で栽培したお花が並ぶこともあり、品質にばらつきがあります。虫がついていたり、あまり長持ちしなかったりすることも。

購入する際には、自分で見極める必要があります。仏花やお花選びに慣れている人にとっては、お得にお花を購入できる場所と言えるでしょう。

季節のお花や珍しい種類が並んでいることもあり、いつもの仏花に変化をつけたい時にもおすすめです。

種類別｜仏花の値段相場

次は、仏花の種類ごとに値段相場を見てみましょう。

仏花は生花が理想とされていますが、生花は交換頻度が高く、こまめなメンテナンスが必要です。日々のお供えが家計の負担になってしまうこともあります。

そのため、メンテナンスが少ない造花やプリザーブドフラワーの仏花を選ぶ人も増えてきています。

それぞれの主な値段相場は、以下の通りです。

それぞれの特徴や、日々の管理にかかるコストについても比較していきます。

生花｜400円〜4000円

生花の仏花の値段相場は、400円〜4000円です。1束400円〜2000円が目安で、一対では800円〜4000円前後になるでしょう。

涼しい時期なら2週間に1回程度の交換で、1ヶ月にかかる費用は一対で2000円〜8000円ほどです。

ただし、暑い時期はさらに交換頻度が高くなることも。コストを抑えるには、長持ちするお花を選ぶ、お水をこまめに替えるなどの工夫が有効です。

管理に手間がかかることもありますが、仏花には諸行無常の教えを表す役割もあります。美しくてもやがて枯れてしまう生花は、限りある命や移ろいゆく日々を感じさせてくれます。

また、生花ならではの瑞々しさや明るさが、お供えする人の心を癒してくれるでしょう。少しの生花をお供えするだけでも、十分な供養になると言えます。

造花｜500円〜5000円

造花の仏花は、500円〜5000円が相場です。

1束500円台から販売しており、造花の品質やボリュームによって価格が異なります。精密な造花であれば、一対5000円程度することもあります。

ホームセンターや花屋で仏花の形に整えられたものが販売されているほか、100円ショップや専門店で1本ずつ購入し、好みの仏花に仕上げることも可能です。

造花は、交換頻度やメンテナンスが非常に少なく済みます。1〜2年に1回程度の交換でいいので、コストが抑えられるでしょう。屋外でも長持ちするため、お墓用の仏花を造花にする人も多いです。

夏のように生花が長持ちしない期間は、造花を利用するのもひとつの方法です。法要や命日など特別な日は生花を用意するなど、気温や行事に応じて用意するといいかもしれません。

プリザーブドフラワー｜1500円〜1万円

プリザードフラワーの仏花の値段相場は、1500円〜1万円程度です。1束から一対までさまざまなものがあり、大きさやデザインによって値段に幅があります。

プリザーブドフラワーとは、生花に特別な処理を行い、枯れないように保存加工する方法です。生花の柔らかな質感や色合いを保ったまま、長く鑑賞することができます。

生花の一種であるため、造花に抵抗がある人でも飾りやすいでしょう。

単価は高いですが、年単位で飾れるためコストパフォーマンスがよいと言えます。置き場所の環境によりますが、寿命は1年から5年程度です。

購入できる場所は、花屋やインターネットなどです。お花の種類や色も豊富で、好みのアレンジに仕上げられます。

なお、水分や直射日光に弱いため、屋外での使用には向きません。

シーン別｜仏花の値段相場

仏花は、お供えする場所や行事によって、ふさわしいお花の種類・色・ボリュームが異なることがあります。

普段のお供えは簡素な仏花でよいですが、シーンによっては華やかにお供えしたほうがいいことも。

そこで次は、シーン別に仏花の値段相場を見てみましょう。具体的な例は、以下の通りです。

ふさわしいお花の種類やボリューム、選ぶ際の注意点なども解説していきます。

日常の仏壇へのお供え｜400円〜1500円

自宅の仏壇への日常的なお供えは、400円〜1500円が相場です。1束400円〜800円ほどの仏花が人気で、一対では2束分の800円〜1500円程度です。

仏花は奇数本を生けるのが基本で、日常のお供えには3本または5本程度のボリュームが適しているでしょう。

スーパーやホームセンター、産直市場などで手頃な値段のお花を購入し、自分でバランスを調整して生ける人が多いです。上手な生け方については、仏花の生け方の記事も参考にしてみてください。

なお、自宅でお供えするため周囲の目を気にする必要がなく、好きなお花を入れてかまいません。日常のお供えには、メンテナンスが少ない造花やプリザーブドフラワーも便利です。

お墓のお供え｜800円〜3000円

お墓にお供えする仏花の値段相場は、800円〜3000円です。お墓は一対でお供えすることが多く、1束あたり400円〜1500円前後の仏花を2束用意します。

お墓参りに慣れている人は、スーパーやホームセンター、産直市場の手頃な値段の仏花を購入し、自分でバランスを調整して生けることが多いでしょう。

命日のような特別な日には、本数を増やしてボリュームをよくしたり、ユリなどの華やかな種類を入れたりすることもあります。

ただし、お墓は周囲への影響を考え、殺生をイメージするお花や散りやすいお花を避ける必要があります。ふさわしいお花が分からない場合は、花屋や霊園で相談しながら購入するといいでしょう。

関連記事：お墓参りの花はどこで買うのが正解？場所別の値段相場や注意点

法要｜1000円〜8000円

四十九日や一周忌のような人が集まる法要には、普段よりもボリュームよく華やかにお供えする傾向があります。1束1000円〜4000円程度、一対であれば2000円〜8000円前後が相場です。

四十九日までは、白を基調とした仏花をお供えします。四十九日以降は、色を入れてもいいとされています。

日常のお供えより豪華なものをお供えする人が多いですが、どんなお花を用意するべきかについて明確な正解はありません。故人への気持ちに見合ったボリュームやお花を選ぶといいでしょう。

地域や家庭によっても違いがあるので、不安な場合はお寺や家族と相談して決めるといいですね。

お盆・お正月・お彼岸｜1000円〜4000円

お盆やお正月、お彼岸などの季節の行事には、1000円〜4000円前後の仏花を用意する人が多いです。ご先祖様を迎えたり供養したりする期間のため、華やかな仏花がよく選ばれます。

地域によっては、季節行事ごとにふさわしいお花を入れる風習もあります。代表的な種類をまとめてみました。

お盆やお正月に入れるハスやマツ、ウメは高価な花材なので、1束あたりの値段相場が上がる傾向にあります。

お彼岸は、春や秋の季節のお花を入れるのが基本です。高価な花材が多いお盆やお正月に比べると、値段は抑えられるでしょう。

仏花の値段は時期によって変わる

一般的に、仏花の値段相場はお盆・お正月・お彼岸に値上がりします。お店や時期によっては、普段よりも1.2倍〜2倍ほどの値段になる時があります。

理由は、お墓参りやお供えをする人が多く、仏花の需要が高まるためです。

中でも年末はクリスマスも重なり、生花全体の値段が高騰します。そのため、お正月の仏花は特に高価になりやすいでしょう。

コストを抑えたい人は、産直市場がおすすめです。農家が直接納品する産直市場は、値上がりの影響を受けにくい傾向があります。近くに寄った際は、チェックしてみるといいかもしれません。

仏花にかかる費用を抑える方法

では、仏花にかかる費用を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。

おすすめの方法を3つご紹介します。

順番に詳しく見ていきましょう。

普段のお供えはスーパーやホームセンターを利用する

普段のお供えには、値段が安いスーパーやホームセンターを利用するといいでしょう。ポイント還元率が高い日や特売日を利用すれば、さらにお得になることがあります。

お買い物ついでに購入できるので、忙しい毎日でも立ち寄りやすいのが魅力です。

同様に、値段が安い産直市場もおすすめです。

なお、購入する際は、お花の状態をよく確認しましょう。セロハンに包んで陳列しているためメンテナンスが行き届きにくく、蒸れたり傷んだりしていることがあります。

状態がよくないお花は長持ちせず、結果として費用がかさんでしまうこともあるかもしれません。

新鮮なお花がほしい時は、葉がピンとしていてハリがあり、お花が開ききっていないものを選んでください。また、茎が太くてしっかりしたお花は、丈夫で長持ちしやすいです。

お花が長持ちするよう工夫する

仏花の費用を抑えたい時は、お花を長持ちさせて交換頻度を減らしましょう。

仏花を長持ちさせるポイントは、以下の5つです。

お花は水揚げをすると、より長持ちします。切り口を切り戻し、すぐに水につけましょう。

また、生ける際には、水に浸かる部分の葉を取り除いてください。水に浸かると葉が腐り、花瓶の水が汚れやすくなります。花瓶の水が汚いとお花がうまく水を吸い上げられず、すぐに枯れてしまう原因になります。

花瓶の水の量も大切なポイントです。

たっぷりの水につけるとよく水を吸い上げる反面、お花が早く開きます。特にキクは影響が出やすいため、長く楽しみたい時は水の量を減らしてゆっくり開花させましょう。

切り花延命剤を使ってお花を長持ちさせる方法もあります。

造花やプリザーブドフラワーの仏花を使う

生花は交換頻度が高く、費用も手間もかかります。造花やプリザーブドフラワーを利用することで、コストを抑え、メンテナンスも楽になるでしょう。

忙しい日々の中で、「新しい仏花を買ってこなくては」「水を替えてあげなくては」とプレッシャーを感じる人も多いと思います。

いつでも色鮮やかな造花やプリザーブドフラワーなら、負担も軽くなって心も明るくなるかもしれません。

普段は造花やプリザーブドフラワーをお供えし、法要や命日などの特別な日には生花をお供えする方法もあります。特別な日でなくても、故人にぴったりの素敵なお花を見つけた時には、生花のお供えに替えてみるのもいいですね。

なお、生花とプリザーブドフラワーを一緒にお供えする際には、プリザーブドフラワーに水がかからないように離して飾りましょう。

ライフスタイルに合った仏花をお供えしてみてください。

まとめ

お供えには欠かせない仏花。

かつては畑で栽培したお花を使う家庭も多く見られましたが、近年は栽培できる環境も少なくなりました。さらに生花も年々値上がりしており、負担になることもあるでしょう。

中には、「仏花を節約するのは、故人やご先祖様に失礼かも」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、供養の気持ちが大切であり、どんなお花も気持ちを込めてお供えすれば失礼にはならないと筆者は考えます。

シーンや用途にふさわしい方法で仏花を選び、やりやすい方法でお供えを続けてみてください。