項目 | 詳細 |
植物名 | カラテア・ベザール |
学名 | Calathea orbifolia ‘Bessar’ |
英名 | Calathea orbifolia ‘Bessar’ |
科目/属性 | クズウコン科カラテア属 |
原産地 | ブラジル、熱帯アメリカ |
日当たり | 日当たりの良い屋内 |
温度 | 最低10℃以上をキープ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:土が乾いてから |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 5月~10月 |
カラテア・ベザールをすぐにチェックしたい方は、下記をクリックすると商品一覧に移ります。
[https://andplants.jp/collections/calatheahezar]カラテア・ベザールの特徴
カラテア・ベザールは、カラテア・オービフォリアの変異種です。濃い緑色の葉に、上品なシルバーの模様が入ります。

オービフォリアに比べ、葉全体は緑色で葉脈に沿って入る斑模様は少ないです。そのため、グリーンとシルバーのコントラストがはっきりしています。
大きめの柔らかい葉がふわっと広がるように育つので、お部屋に飾ると優しい雰囲気を演出してくれるでしょう。お部屋で育てやすいため、初めて植物を育てる方にもおすすめです。
カラテア属の植物は、夜になると葉を閉じて立ち上がる休眠運動を行います。昼と夜で、違った姿を楽しめる点も特徴です。
休眠運動は、乾燥や強光から葉を守るための性質です。もし明るい時間帯でも葉が閉じて立ち上がっている場合は、水切れや空気の乾燥、直射日光に当たっていることが考えられます。
その場合は、水やりや葉水、場所の移動などして管理しましょう。
カラテア・ベザールの育て方

カラテア・ベザールは、インテリア性が高く育てやすいので、初心者にも人気です。しかし、育てやすいと言っても基本的な育て方を守っていないと、枯れる可能性があります。
ここでは、以下6つの基本の育て方を見ていきましょう。
- 置き場所と日当たり
- 温度
- 水やりの頻度
- 肥料
- 剪定方法
- 冬越し方法
それぞれのポイントを守って育てれば、シルバーの斑がしっかりした美しい姿を楽しめます。育て方の確認前に、実際にどんな姿をしているのか気になる方は以下をクリックしてみてください。
置き場所と日当たり

カラテア・ベザールは日当たりのよい環境~木陰程度の明るさを好みます。直射日光に当たると、葉が丸まりやすく休眠運動によって立ち上がり、美しい葉を鑑賞しにくくなります。
さらに、真夏の強い直射日光に当たると、葉焼けするので注意してください。明るさは必要ですが、比較的暗めの場所の方が葉を綺麗に鑑賞できます。
一年を通してレースカーテンをした窓際の明るさを好みます。レースカーテンをしていても葉が丸くなる場合は、窓際から離して光から遠ざけてみると良いでしょう。
温度

カラテア・ベザールは寒さに弱い植物なので、最低10℃以上をキープして育ててください。10℃以下の環境では、葉が丸まります。
さらに、寒さに当たり続けると、丸まった葉は徐々に茶色く枯れていきます。屋外の木陰で管理している方は、気温が下がり始める秋には、室内へ移動させてください。
暑さには強いので、35℃を超えない環境であれば問題なく育ちます。ただし、温度が高くなるほど、直射日光に当たった時に葉焼けしやすいので、夏は直射日光が当たらない涼しい場所での管理が安心です。
水やりの頻度

カラテア・ベザールの季節ごとの大まかな水やり頻度は以下の通りです。
- 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
- 秋冬:土が乾いてから
春夏の生育期には、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。流れ出た水を受け皿に溜め続けると、根腐れの原因になります。
水やりは屋外のベランダやテラス、お庭の日陰で行い、水が流れ切った後に元の場所に戻しましょう。
気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えてください。春夏と同じ感覚で、水やりすると土が常に湿ってしまいがちです。
生育が緩慢になる秋冬に、土が常に湿っていると根腐れしやすくなります。冬は「土が乾いてから」を基準に水やりをします。
冬は水やりは少なめにして、暖かい時間帯に霧吹きでこまめに葉水をしたり加湿器を稼働させたりして空中湿度を維持してください。
カラテア・ベザールは空中湿度が高い環境を好むので、水やりと一緒に株全体に霧吹きをすると、葉がシャキッとしやすいです。置いている場所の近くを通る際に、霧吹きでシュッと一吹きするだけでも葉の状態が良くなります。
土の乾き具合の確認が難しい場合、水やりチェッカーの利用もおすすめします。パッと一目で土の乾燥具合を確認できる溜め、水やり忘れを予防できます。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]肥料

カラテア・ベザールには、生育期の5~10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。真夏と冬は生育が緩慢なので、肥料は与えません。
カラテア・ベザールは肥料が少なくても十分に育ちますが、葉の色つやを出したり斑入り模様をはっきり出したい場合は、土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。
ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、薄める濃度や与える量、時期はしっかり守ってください。
カラテア・ベザールは5月~7月に株元で小さく白い花を咲かせます。花を楽しみたい方は、4~5月にリン酸が多い置き肥や液肥を与えておくと花が咲きやすくなるでしょう。
AND PLANTSでは、オリジナル肥料「アンドプランツ 植物を元気にする固形肥料」を取り扱っています。窒素:リン酸:カリ=9:8:6の配合なので、普段使いから開花時期前に与えるのにもおすすめです。
[https://andplants.jp/products/andplants_fertilizer]剪定方法

カラテア・ベザールの剪定時期は生育期の5~10月です。傷んだり伸びすぎたり、古くなったりした葉を剪定します。
株元から出てきてる葉柄部分にハサミを入れて剪定してください。カラテア・ベザールは生育環境が良いと、ぐんぐん葉を出します。
いちばん外側にある古い葉や傷んでいる葉を優先的に剪定して、株全体がスッキリするように剪定すると良いでしょう。
枯葉であれば、下に引っ張るようにして取り除くこともできますが、株が傷みやすいので、なるべく葉柄をハサミで剪定するようにしてください。残った葉柄は、しばらくすると枯れて、自然にポロッと落ちます。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]冬越し方法
カラテア・ベザールは寒さに弱い植物です。冬越しさせるためは、室内で最低10℃以上をキープして管理します。
室内であっても、冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込みます。窓から30㎝ほど離した明るい場所に置くと安心です。
カラテア・ベザールに暖房の風が直接当たると、急激な乾燥から葉を守るために休眠運動によって、葉が丸まり立ち上がります。そのまま当て続けると、葉先がチャリチャリに茶色く枯れやすいので、暖房の風が直接当たらない場所に置きましょう。
冬の室内がエアコンの影響で乾燥しやすい場合は、加湿器を付けて湿度を維持すると葉傷みを防げます。
また、透明の衣装ケースやガラスケース内に入れて、湿度を維持する方法もおすすめです。筆者は、乾燥に弱い植物をガラスケースや衣装ケースに入れて冬越しさせることもあります。
湿度を保ちやすいので、葉傷みをさせることなく冬越しさせることができます。
カラテア・ベザールの増やし方

カラテア・ベザールは、5月~10月に株分けして増やします。特に湿度の高い、5月~7月がおすすめです。
簡単な手順は以下の通りです。
- 根鉢を取り出す
- 土と根をほぐす
- 株元をよく観察して株の境を確認する
- それぞれに根が付くように切り分ける
- 切り分けた株をそれぞれ植え替える
株分けは、植え替えと同じ時期なので、植え替えと同時にすると余分なストレスを与える心配がありません。「植え替えをした後に、株分けをする」場合は、二度植え替え作業をして、余計な負担を与えることになるので注意してください。
植え替えのタイミングで、株元を丁寧にほぐしていくと、自然と子株が外れやすいです。外れた子株を鉢に植えるだけで、カラテア・ベザールは増やすことができます。
上記の株元の写真は、筆者が育てているカラテア・フレディです。株元をよく見ると、葉が出ている箇所が複数あります。
つまり、株分けができる状態と言えます。まだ一株一株が小さいので株分けしませんが、増やしたい方は株元をよく観察してみてください。
カラテア・ベザールのよくあるトラブルと対処法

カラテア・ベザールですが、思わぬトラブルが発生する場合もあります。ここではよくあるトラブルと対処法を解説していきます。
カラテア・ベザールによくあるトラブルは以下の5つです。
- 根腐れ
- 根詰まり
- 葉焼け
- 葉が丸まる
- 葉が垂れる
対処法を知っておくと、いざトラブルが起きても安心して対処できます。それぞれ見ていきましょう。
根腐れ
カラテア・ベザールの根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 株がグラグラする
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 葉が一斉に倒れている
- 葉の先端・新芽から枯れ込む
- 株元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根が黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土壌環境が悪くなることで発症します。また、土が常に湿っていると、根は呼吸できずに枯れてしまい、根自らが腐る症状でもあります。
根腐れの対処法は以下の通りです。
- 土の乾湿サイクルが早くなるように、1回り小さな鉢に植え替える
- 古い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与える
- 傷んだ葉を取り除く
根腐れが起こった場合は、植え替えをして土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な根が伸びる状態にしてください。
ケイ酸塩白土・ゼオライトなどの根腐れ予防効果のある土壌改良材も新しい用土に混ぜ込むと、より根腐れがしにくくなります。
根腐れによって株が傷んでいる場合、影響を受けていない子株があれば株分けしてください。そのままにしていると、いずれ根腐れの影響で子株も枯れる可能性があります。
株分けした子株を復活させましょう。
観葉植物の根腐れについて詳しく知りたい方は、「観葉植物の根腐れ」の記事を確認してみてください。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中が根でいっぱいになることで起きる症状。カラテア・ベザールが根詰まりすると、以下のような症状が現れます。
- 水が浸透しづらくなる
- 鉢底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 新芽が出なくなる
すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうと生育が悪くなるので注意してください。
カラテア・ベザールの根は細いためすぐに根詰まりを起こしませんが、長年植え替えていない場合や子株が増えすぎている場合は、根詰まりしやすいです。対処法は、植え替えです。
真夏を除いた5月~10月に、土と根を良くほぐして植え替えます。現在の鉢より1~2回り大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。
株が密集している場合は、2~3株ほど分けて植えると良いでしょう。あまり細かく株分けすると、その後の生育が悪くなるので気を付けてください。
根詰まりをしているかどうか心配な方は、「観葉植物の根詰まり」の記事も併せて確認すると分かりやすいです。
葉焼け

カラテア・ベザールが葉焼けすると、以下の症状が現れます。明るい木陰のような環境を好み、年間を通して強い直射日光は苦手とするので、日当たりには注意しましょう。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると、葉が傷んで「葉焼け」のトラブルが発生します。葉焼けの症状に気がついたら、直射日光を避けるように対策してください。
対処法は以下の通りです。
- 置き場所を変える
- レースカーテンやシェードなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けのトラブルが起きる場合、強い直射日光が当たりすぎている可能性が高いです。直射日光を弱めたり、当てないように置き場所を移動したりしてください。
葉焼けした葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
葉焼けの症状は、気温が高いほど発生しやすいです。屋外管理の場合は、なるべく風通しがよく涼しい日陰に移動させることも重要です。
筆者は同じカラテア属のフレディを育てていますが、春の西日に当たっていた葉が葉焼けしました。真夏の直射日光だけでなく、一年を通して西日にも気を付けましょう。
具体的な葉焼けの症状が気になる方は、「観葉植物の葉焼け」の記事を見て対処法を考えましょう。
葉が丸まる
カラテア・ベザールは、湿度が高い環境を好みます。空気が乾燥しすぎていると、葉が丸まります。
葉が丸まる原因は、以下の通りです。
- 水のやらなすぎ
- 冷暖房で空気が乾燥している
- 風が当たり続けている
- 休眠運動
お部屋で管理しており、エアコンで温度調整をしている場合は室内の湿度は下がりがちです。特に冬は空気が乾燥しやすい季節なので、葉が丸まる原因になります。
また、サーキュレーターで直風を当て続けている場合も葉が丸まりやすいので注意してください。それぞれの対処法は以下の通りです。
- 季節に応じた適切な水やり
- 霧吹きや加湿器で湿度を高める
- 直接風を当てない
- 透明な衣装ケースや大きなガラス水槽などで育てる
サーキュレーターを使用する場合は、部屋全体の空気を動かすように天井に向けたり、首振りさせたりして直接当てないようにしましょう。
冬にお部屋の温度をエアコンで維持する場合は、湿度がグッと下がりやすいため、葉が丸くなりやすいです。加湿器で湿度を維持したり、冬の間だけ透明な衣装ケースの中で管理したりすると葉が丸まりにくくなります。
葉が垂れる
カラテア・ベザールには、葉が垂れるトラブルがあります。考えられる原因は、主に以下の4つです。
- 水切れ
- 根腐れ
- 植え傷み
- 古葉
葉が垂れるのは、根が水を吸収できていないためです。葉全体に水分が供給されていないため、張りがなくなり葉や葉柄が垂れるような姿になります。
また、一番外側にある古葉は、新陳代謝によって新芽と入れ替わりで枯れていきます。その過程で、葉が枝垂れるように元気をなくすことが多いです。
外側に広がっている古葉だけが垂れている場合は、心配はいりません。「新陳代謝によって、新しい葉と入れ替わっている途中なんだな」と見守ってください。
写真は筆者が育てているカラテア・フレディですが、新芽との入れ替わりで外側の葉が垂れています。この状態は何も心配ありません。
根腐れによって葉が垂れている場合の対処法は、根腐れした場合と同様の対処をします。新しい根が伸びて新芽が出始めたら、徐々に元の元気な株に戻るでしょう。
植え替え直後の植え傷みや水切れによって葉が垂れている場合は、以下の対処法を行います。
- たっぷりと水やりする
- 溜めた水に1時間ほど浸け込んで吸水させる
- 発根剤を薄めて与える
長期的な水切れでない限り、すぐに水やりをすれば、葉はシャキッと元気になります。水やりで回復しない場合は、根を傷めている可能性があるので、薄めた発根剤を与えてください。
薄めた発根剤を水やり代わりに与えておくと、発根が促されて徐々に回復していきます。土がカラカラになりすぎると、通常の水やりでは吸水しないことも。
水を吸わずに、鉢と土の隙間から水が流れ出るような場合は、バケツに水を溜めて、鉢が浸るようにして1時間ほど置きます。じっくりと吸水して、葉に水分が行き渡ります。
カラテア・ベザールの害虫トラブルと対処法

カラテア・ベザールに発生しやすい害虫は以下の4つです。
- ハダニ
- カイガラムシ
- アブラムシ
- コバエ
それぞれ見ていきましょう。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点やカスリのような傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つ厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や葉柄も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトランなど)の使用が効果的です。ハダニは一度では駆除しきれないことがほとんどなので、状態を見ながら、定期的に噴霧してください。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法がおすすめです。
そもそもハダニは、湿度が高い環境を嫌う害虫です。空中湿度が高い環境でカラテア・ベザールを育てていれば、発生する可能性は低いでしょう。
ハダニによるトラブルを避けるためにも、霧吹きや加湿器で空中の湿度を高めるようにしてください。月に一度、屋外で株全体をシャワーで洗い流す管理もおすすめです。
ハダニの駆除方法を具体的に知りたくありませんか?「観葉植物に発生するハダニ」の記事では、予防や駆除方法について、詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
カイガラムシ
カイガラムシの症状は以下の通りです。
- 貝殻のような殻を被ったり、粉状の物質で覆われたりしている虫が葉についている
- 黒いカビ(すす病)が発生している
- 葉や鉢、床がベタベタしている
カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。
「後で対処しよう」と放っておくと一気に増殖して、カラテア・ベザールが急に弱々しくなるかもしれません。見つけ次第、早めの対処しましょう。
対処法は以下の通りです。
- 柔らかい布やブラシで擦り取り除く
- 茂り過ぎている葉は剪定して風通しをよくする
- カイガラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)の使用が効果的です。
しかし、カイガラムシは殺虫剤が効きにくい害虫です。そのため、殺虫剤使用と布での拭き取りを合わせて行うと効率的に駆除できます。
カラテア・ベザールの株元に密集した葉柄部分は布やブラシでお手入れしにくいです。カイガラムシが増えると、非常に手間な作業になるので、なるべく数が少ないうちに対処していきましょう。
「カラテア・ベザールに付いている白いものがカイガラムシかわからない」と悩む方もいるかもしれません。カイガラムシなのかどうかの判別には「観葉植物の白い虫はコナカイガラムシ」の記事を参考にしてみると良いでしょう。
アブラムシ
カラテア・ベザールの葉は柔らかくて薄いので、アブラムシが発生しやすい植物です。特に、柔らかい新芽や花芽にアブラムシが発生します。
アブラムシが発生した際の症状は、以下の通りです。
- 新芽が萎縮している
- 葉が縮れている
- 白~茶色い脱皮殻が目立つ
- 葉や鉢、床がベタベタしている
アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。
脱皮を繰り返し短期間で成虫になるので、アブラムシが増えると、葉に白~茶色の小さなチリのようなものが目立ち始めます。このチリのようなものは、脱皮殻です。
脱皮殻を見つけた際は、近くにアブラムシがいますので、注意深く観察して見つけてください。放っておくと生育が弱まり綺麗な新芽が出てこなくなるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 縮れた葉はカットする
- アブラムシを取り除く
- 茂り過ぎている葉は剪定して風通しをよくする
- アブラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
アブラムシを見つけたら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトランなど)の使用がおすすめです。殺虫剤が効きやすい害虫なので、すぐに対処すれば被害は大きくなりません。
筆者はカラテア・フレディを育てていますが、花芽にアブラムシが付いて慌ててベニカXファインスプレーを噴霧した経験があります。見つけたきっかけは、葉に付いていた白いチリのような脱皮殻です。
すぐに対処した結果、花にも影響はなく、その後も発生せずに元気に育っています。
コバエ
コバエの症状は以下の通りです。
- 土に虫が湧く
- コバエが植物の周囲を飛んでいる
コバエ自体は植物に無害ですが、カラテア・ベザールを育てるうえでの不快害虫です。
放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 発酵不十分な堆肥や有機質肥料を与えることをやめる
- 新しい土に植え替える
- 土の表面に無機質な素材(赤玉土・鹿沼土・砂利など)を敷く
- トラップを仕掛ける
- コバエに効果のある殺虫剤を噴霧する
コバエが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)の使用が効果的です。しかし、飛び回るコバエにスプレーするのは難しく、土にかけても飛んでいるコバエには効果がありません。
スプレーでうまく対処できない場合は、トラップを仕掛けて数を減らしましょう。コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。
植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。
そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3~5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。
そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生しません。また、土が常に湿っている状況を避ければ、発生する可能性は低いです。
紹介した1つ1つのコバエ対策の具体的なやり方が気になりませんか。「観葉植物に発生するコバエ」の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
カラテア・ベザールの育て方に関するよくある質問

最後にカラテア・ベザールの育て方に関するよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- 枯れる原因は?
- 枯れた葉はどうやって切る?
それでは具体的に見ていきましょう。
枯れる原因は?
カラテア・ベザールが枯れる原因には「直射日光」「水のやりすぎ(やらなすぎ)」「寒さ」が考えられます。
カラテア・ベザールは木陰くらいの明るさを好む植物です。直射日光に当たり続けていると葉焼けや葉の乾燥によって枯れる原因になります。
また、水のやりすぎには特に注意してください。湿度が高い環境を好みますが、土がずっと湿っていると根腐れを起こします。
冬は生育が緩慢なので、水のやりすぎや受け皿の溜め水、寒さに注意して育てましょう。
枯れた葉はどうやって切る?
完全に葉が枯れている場合は、株元の付け根から枯れた葉の葉柄を切り、取り除いてください。
葉先だけが枯れていたり、一部分だけ茶色・黄色になっていたりする場合は、葉脈に沿って、葉を形作るように剪定すると自然です。緑色の部分は生育に必要な光合成をするので、なるべく残してあげると良いでしょう。
部分的に茶色・黄色くなった部分だけを綺麗に剪定するだけで、見栄えはグッと良くなります。葉が多ければ、葉柄ごと切り取っても良いですが、葉が少ない場合は、なるべく緑色部分は残してあげてください。
まとめ
カラテア・ベザールは、明るく風通しの良い室内であれば、一年を通して簡単に育てられます。室内の窓際から離れた場所でも育ちやすいので、初心者にもおすすめの植物です。
一年中、葉を綺麗に保ちたい場合は、紹介した育て方を守りながら、こまめな霧吹きや加湿器で空中湿度を維持すると良いでしょう。
カラテア・オービフォリアの変異種で、流通量は決して多いわけではありません。珍しい植物が好きな方や上品な葉を楽しみたい方は、見つけた際はぜひ手に入れてみてください。
きっとお部屋をおしゃれに彩ってくれる植物になるでしょう。
[https://andplants.jp/collections/calatheahezar]