「ハイドロカルチャーで育てられる観葉植物って、かわいそう…」
「ハイドロカルチャーだと、観葉植物は元気に育たない」
上記のように考えたことはありませんか。しかし、本当にハイドロカルチャーで育てられる観葉植物はかわいそうなのでしょうか。
そこで、今回はなぜハイドロカルチャーは「かわいそう」と感じるのか紹介します。失敗しないコツや育てるうえでの注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただければ、ハイドロカルチャーでも観葉植物は元気に育てることができ、かわいそうと思うこともなくなるでしょう。
AND PLANTSでは土を使わない観葉植物として「クリアプランツ」を提案しています。土の代わりにスポンジ素材を使用した育て方です。
ハイドロカルチャーの1種として育てられるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
[https://andplants.jp/collections/clear_plants]ハイドロカルチャーで「かわいそう」と感じる原因
ハイドロカルチャーで観葉植物を「かわいそう」感じる原因には、以下の5つがあります。
- 葉がしおれる・変色するため
- 根腐れするため
- 生育が遅いため
- ガラス容器にコケが生えるため
- 無機質素材が白くなるため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
葉がしおれる・変色するため

土栽培に比べ、無機質用土または水には栄養分が含まれていません。そのため、新たに肥料を与えない限りは、栄養分の減少によって葉がしおれたり変色したりすることがあります。
また、ハイドロカルチャーは根が常に水に浸っていることが多く、気温変化の影響を受けやすいです。気温変化による根傷みによっても葉の状態が変化します。
育てているうちに葉がしおれたり変色したりすることで、多くの方はハイドロカルチャーで育てると観葉植物がかわいそうだと思うようです。
根腐れするため
無機質資材を使用したハイドロカルチャーや水のみで育てる水栽培の多くは、常に根が水に浸っています。そのため、根は根腐れしやすいです。
特に土栽培をしていた観葉植物の根を綺麗に洗い、水栽培に移行した場合は、最初は根腐れします。なぜなら、今ある根は土の環境で伸びた根であり、水の環境には慣れていないためです。
水中に適した根が新たに伸びてくるまでは、一時的に観葉植物の状態は悪くなります。そのため、土栽培からハイドロカルチャーに切り替えるとすぐに状態が悪くなり、かわいそうと思う方も多いはずです。
生育が遅いため
ハイドロカルチャーは土栽培に比べて生育が遅い傾向があります。ハイドロカルチャーの生育が遅い原因は、以下が考えられます。
- 根が常に水に浸っている
- 肥料分が少ない
- 根に光が当たっている
- 根に気温変化の影響が出やすい
土栽培に比べて生育が遅いと、ハイドロカルチャーで育てられる観葉植物は「かわいそうだ」と感じる方が多いのでしょう。
ガラス容器にコケが生えるため

ハイドロカルチャーがかわいそうと感じる原因には、見た目も関係します。ハイドロカルチャーはインテリア性を高めるために、透明なガラスやプラスチック容器を利用することが多いです。
水の入った透明な容器に、直射日光が当たり続けるとコケが生えます。特に、水耕栽培用の液肥を与えていると、水中に栄養分が含まれるため、コケがより生えやすいです。
コケで緑色になった容器の中で育っている観葉植物を見て、「かわいそう」と思う方は多いようです。「きちんとお世話されていない」「根の生育に悪そう」といった印象を受けるのでしょう。
写真は筆者が水栽培をしているマドカズラの根ですが、薄くコケが生え始めています。定期的に水を交換しても、根に付いたコケが繁殖して緑色になります。
無機質資材が白くなるため
ハイドロカルチャーの多くは、容器に水を溜めて育てます。水が鉢底から流れ出ないため、根からの吸水や自然な蒸発でしか水分は減少しません。
その結果、土の代用品である無機質資材やガラス容器の内側に、水や肥料のミネラルが結晶化して付着します。コケが生える現象と同様に見た目が悪くなるので、観葉植物がかわいそうと思われやすいです。
さらに、無機質資材が白くなることで、カビが生えていると勘違いされやすいのも影響していると考えられます。ミネラルの結晶化は、観葉植物の生育に影響はないので心配する必要はありません。
かわいそうなハイドロカルチャーにしないコツ

観葉植物をハイドロカルチャーで育てるためにはコツがあります。以下のコツ次第で、かわいそうな状態に見える現象を避けることができます。
- ハイドロカルチャーで育てやすい植物を選ぶ
- 日当たりの良い場所に置く
- 水は容器の1/5を基準にする
- 根腐れ防止剤を入れる
- 風通しを確保する
- 冬の温度管理に気を付ける
- 土→水に急に変化させない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハイドロカルチャーの管理やおすすめ観葉植物については、「ハイドロカルチャー徹底解説」の記事で詳しく紹介しています。作り方や植え込み資材についても気になる方は、ぜひ併せてチェックしてみてください。
①ハイドロカルチャーで育てやすい植物を選ぶ

まず重要なコツは、ハイドロカルチャーで育てやすい植物を選ぶことです。すべての観葉植物がハイドロカルチャーで育てられるわけではありません。
植物によっては、湿度が高かったり根が常に湿っていたりする環境を嫌う性質を持ちます。そのような性質を持つ観葉植物をハイドロカルチャーにしても、うまく育ちません。
ここでは、ハイドロカルチャーで育てやすい植物を5種類紹介します。
基本的に、観葉植物を剪定した後に出る枝や茎、ツルなどを水挿しして発根する植物であれば、ハイドロカルチャーとして育てやすいと言えます。水中に適応した根を出せるためです。
もしハイドロカルチャーで育てられるかどうか悩んだ場合は、水挿しで増えるかどうかを調べるのもおすすめです。
筆者は剪定で出てきた枝やツルを、空いた容器に水を溜めて水挿しして発根させます。その後、そのまま水栽培で育てたり、セラミスやハイドロコーンを利用してハイドロカルチャーとして育てたりしています。
上記の写真は、筆者が剪定したガジュマルの枝を水挿しで発根させ、そのまま育てているものです。水挿しで根が出てこないものは、ハイドロカルチャーにしてもうまく育たないので、気を付けてください。
②日当たりの良い場所に置く
ハイドロカルチャーは、土を使わない育て方のため、室内のあらゆる場所に置きやすいメリットがあります。しかし、観葉植物が健康的に育つためには日当たりが欠かせません。
日差しが差し込む明るい場所に置きましょう。暗い場所に置くと、光を求めてヒョロヒョロと成長して、かわいそうな見た目になります。
ただし、透明なガラス容器やプラスチック容器で育てている場合は、容器に直射日光が当たらないようにする工夫が必要です。透明な容器に直射日光が当たり続けるとコケが生えるためです。
植物だけに光が当たるように、鉢カバーをしたりおしゃれな布でガラス容器をアレンジしたりすると安心です。
③水は容器の1/5を基準にする

ハイドロカルチャーに溜める水は容器の1/5を基準にしましょう。容器の中に水を溜めすぎると、根が浸水して呼吸ができずに根腐れしてしまいます。
水を入れすぎた場合は、容器を傾けてゆっくりと排水してください。水耕栽培用の水位計を使うと、透明な容器でなくとも水量の確認がしやすいです。
ハイドロカルチャーで植物を枯らしたくない方は、SUSTEE(サスティー)を併用するのがおすすめです。
SUSTEEを容器に挿せば、水やりのタイミングを「色の変化」で知らせてくれるので、根腐れ・水枯れなどの水やりの失敗を防止できます。詳しい特徴は下記ページより確認できます。
[https://andplants.jp/products/watering_checker_sustee_large_single]④根腐れ防止剤を入れる

ハイドロカルチャーを上手に育てるコツとして、根腐れ防止剤を容器に入れるのもおすすめです。鉢底穴のある容器と違い、水を常に溜めているため、ハイドロカルチャー内の水は腐りやすい傾向にあります。
腐った水は観葉植物の生育に悪影響を与えるだけでなく、異臭もするのでお部屋環境を悪くしやすいです。
ハイドロカルチャーを作るタイミングや、すでにあるハイドロカルチャーの無機質資材の中に根腐れ防止剤を入れると、水の中の不純物や吸収されなかった栄養分、匂いの元などを吸着してくれます。
容器内の水を綺麗な状態に保ちやすくなるので、観葉植物も元気に育つでしょう。

⑤風通しを確保する
ハイドロカルチャーは容器内に水を溜めこむ育て方のため、観葉植物の湿度が高まりやすい傾向にあります。株元で葉が茂っている植物ほど蒸れて葉が黒くなったり枯れたりしやすいです。
普段から風通しがよい場所に置きましょう。定期的に窓を開けて、お部屋の空気が循環するように管理すると安心です。
また、株元付近の込み合った枝葉はあらかじめ剪定して、風が通るようにしておくと蒸れを防止できます。
⑥冬の温度管理に注意する
ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる場合は、冬の温度管理に注意してください。特に、水だけで育てる水栽培は、温度変化の影響を受けやすいです。
普段暖かいリビングに置いていても、暖房を切った後に気温がグッと下がる場合は、寒暖差で枯れやすいです。なるべく、寒暖差が生じない暖かい場所に置きましょう。
暖かい空気は上に溜まりやすいので、ハイドロカルチャーは窓際から離れた棚の上などに置いておくと、冬の冷え込みにも耐えやすいです。
⑦土→水に急に変化させない
土栽培していた観葉植物を、急に水栽培に変化させないこともポイントです。生育環境が急に変化すると、観葉植物に大きなストレスがかかり枯れる可能性があります。
特に、水だけで育てる水栽培に移行する場合は、水環境に適応した根ではないので、適応した根が出るまで、一時的にかわいそうな状態になりやすいです。場合によっては、発根せずに枯れることもあります。
もし安全に水栽培へ移行したい場合は、一度ハイドロボールやパフカルチップのような無機質資材を使用して水栽培向きの根を発根させるとよいでしょう。
かわいそうなハイドロカルチャーの復活方法

かわいそうな状態になってしまったハイドロカルチャーの復活方法には、以下の3つがあります。
- 置き場所を変える
- 発根剤を与える
- 無機質資材の場合|水のみに切り替える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
置き場所を変える
ハイドロカルチャーを育てていて、茎やツル、幹が徒長してひょろひょろになったり、葉が落ちたりする場合は、まずは置き場所を変えましょう。
日当たりや風通し、温度などの環境が悪い可能性が高いです。ハイドロカルチャーは、水やり忘れによる水切れが少ない分、生育不良の原因が環境であることがほとんど。
現在置いている場所よりも明るく風通しの良い場所に移動させるだけでも、復活する可能性が高いです。
発根剤を与える
置き場所を変えても元気にならない場合は、発根剤を薄めた水を与えます。容器内に溜まっている水は、容器を傾けて排水して与えてください。
発根剤の効果で、新しい根と芽が出始めたら、自然と復活します。枯れた枝葉やツルなどは、こまめに切り取り日当たりや風通しに悪影響を及ぼさないようにします。
土栽培でも同様ですが、元気がないからと言って、肥料は与えないでください。元気がない観葉植物は根も弱っており、肥料分を吸収できずに根を傷めやすいためです。

まずは、発根剤で根の生育を促しましょう。
AND PLANTSでは「微生物の力で植物を元気にする水」を取り扱っています。光合成細菌の力で、発根を促す植物活力水です。
ハイドロカルチャーへの使用もできますので、安心してご利用ください。
[https://andplants.jp/products/microorganismswater]無機質資材の場合|水のみに切り替える
置き場所を変えたり発根剤を与えたりしても、観葉植物が復活しない場合は、一度無機質資材から根を取り出します。水のみの水栽培に切り替えてください。
使いまわしや長年同じ無機質資材の場合、雑菌が繁殖しているかもしれません。また、根腐れして根が傷んでいる可能性もあります。
容器から根を取り出し、チェックしましょう。黒く溶けたような根は取り除いてください。その後、発根剤を薄めた水に浸けて、発根するまで水栽培で様子を見ましょう。
ハイドロカルチャーはかわいそうと思う方からの質問

ハイドロカルチャーはかわいそうと思う方からの質問と、その回答をまとめました。
- 生育が遅くて心配なので、肥料をやってもいい?
- 弱ったハイドロカルチャーを土に植え替えても大丈夫?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
生育が遅くて心配なので、肥料をやってもいい?
生育が遅くても健康的に育っているのであれば、無理に肥料を与えなくても大丈夫です。もし肥料を与える場合は、水耕栽培専用の肥料を与えましょう。
土栽培用の肥料を通常倍率で与えると、水耕栽培に適した根には強すぎて枯れる恐れがあります。また、葉が黄色くなっていたりしおれていたりする場合は、肥料ではなく発根剤を与えてください。
筆者はハイドロカルチャーで育てていたシマクワズイモに、土栽培用の肥料を薄めて少量与えたら、急に葉がしおれ始めました。慌てて容器から取り出して水のみで様子を見ています。
弱ったハイドロカルチャーを土に植え替えても大丈夫?
弱ったハイドロカルチャーの観葉植物は、土に植え替えないでください。まずはハイドロカルチャーの状態で、元気に復活させることが重要です。
弱っている状態で、急に環境を変えてもストレスがかかるだけです。一気に枯れ込む場合もあるので、気を付けてください。
まずは、発根剤を薄めた水を与えながら、日当たりや風通し、温度などの環境が適した場所で様子を見ましょう。
まとめ
自然界では、観葉植物は土に根を伸ばし育っている状態がほとんどです。そのため、水だけで育てるハイドロカルチャーは自然界の摂理に反しており、観葉植物そのものがかわいそうだと感じる方もいらっしゃると思います。
生育や見た目が悪い状態を見ると、なおさら「かわいそう」と感じる方も多いでしょう。しかし、ハイドロカルチャーは植物選びや管理方法、根腐れ防止剤などのコツを押さえれば、観葉植物を元気に健康的に育てられる方法の1つです。
もしハイドロカルチャーで観葉植物を上手に育てられず、かわいそうな状態にしてしまった経験がある方は、この記事で紹介しているコツを実践してみてください。
きっと葉に艶のある元気なハイドロカルチャーとして、お部屋で清潔に楽しめるはずです。
AND PLANTSでは土を使わない観葉植物として「クリアプランツ」を提案しています。土の代わりにスポンジ素材を使用した育て方です。
ハイドロカルチャーの1種として育てられるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
[https://andplants.jp/collections/clear_plants]