植物名 | ミニバラ |
学名 | Rosa |
英名 | Miniature rosa |
科目/属性 | バラ科バラ属 |
原産地 | アジア、ヨーロッパ、北アメリカなど |
日当たり | 直射日光の当たる屋外 |
温度 | 最低‐5℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから) 秋冬:土の表面が乾いてから2~3日後 |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 6~7月、11~2月 |
ミニバラの特徴
ミニバラは、一般的なバラよりも小さな花姿が可愛らしい多年草の植物です。基本的には室内ではなく、屋外の日当たりと風通しのよいベランダや花壇などで元気に育ちます。
多年草であるため、水やりや剪定などの手入れを適切に行うことで、毎年素敵な花を楽しむことができるでしょう。小さいながらバラ特有の豪華さを持ち合わせているので、省スペースで華やかな雰囲気を楽しめます。
日当たりや風通しが悪いと病害虫が発生する可能性があるので、置き場所には気を付けてください。
ミニバラの花言葉
ミニバラの花言葉は、「無意識の美」「果てしなき愛」「特別な功績」です。美や愛はバラが持つ花言葉であり、ミニバラも同様の素敵な花言葉を持っています。
「特別な功績」の花言葉は、小さな姿からどこでもバラを楽しめるとして名付けられました。特に「無意識の美」「果てしなき愛」は、パートナーへのプレゼントにおすすめです。
バラは花色によっても花言葉が変化するため、贈り相手によって花色を選ぶと喜ばれるでしょう。赤色は愛情や情熱、白色は清らかな愛や尊敬の意味を持っています。
ぜひ素敵な花言葉を持つミニバラを、プレゼントしてみてください。
ミニバラの風水
ミニバラには「決断力」を上げる風水効果があります。
尖った葉やトゲには邪気払いの効果があるため、ミニバラには悪い運気を払う効果も期待できるかもしれません。気の入り口である玄関や窓際に置くと、悪い運気の侵入を防ぐのに効果的です。
また、花色によっても風水効果が異なります。ピンク系は恋愛運に、黄色は金運に関わる決断力が上がるでしょう。すべての行動に対して決断力を上げたい場合は、赤・オレンジなどの活発的なイメージのある花色がおすすめです。
ミニバラの育て方
ミニバラは、初めてお花を育てる方にもおすすめの植物ですが、育て方にはポイントがあります。
ここでは、ミニバラの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。
置き場所と日当たり
ミニバラは日当たりと風通しがよい環境を好みます。基本的には室内ではなく、屋外でしっかり日光に当てて育ててください。
半日陰でも育ちますが、ほとんど日光が入らないような暗すぎる場所では、軟弱に育ち花も咲きにくくなります。また、風通しがよく雨が避けられる場所に置くことで、病害虫発生の予防が可能です。
冬も‐5℃以下でなければ、基本的には屋外の日当たりのよい場所で管理してください。
温度
ミニバラの品種によって差がありますが、基本的には寒さに強い植物です。‐5℃以上をキープして育ててください。
バラは寒さに非常に強いですが、枝や幹が細いミニバラは‐5℃以下では凍結する恐れがあります。そのため、0℃以下になる場合は明るい窓際に移動させて管理しましょう。
ただし、冬に暖かい部屋で管理すると休眠せず、生育を続けて体力を消耗します。冬は葉を落として春に花を咲かせるための栄養を蓄える時期。室内に入れる場合は、暖房のついていない明るい場所で管理してください。
水やりの頻度
- 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
- 秋冬:土の表面が乾いてから2~3日後
春夏の生育期には、土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。
水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。
冬は土が乾いたら、2~3日後に水やりします。屋外で育てている場合は、葉が落ちて休眠していることが多いため、水のやりすぎに注意してください。
冬の水やりは、気温が高くなる時間帯に与えましょう。気温の下がる夕方以降では、凍結する可能性があるので注意します。暖かい室内では葉が付いていることがあるので、土の乾燥具合を確認しながら、乾燥気味に水やりをしてください。
地植えのミニバラは根付くと水やりは心配いりませんが、雨が降らない時期や気温の高い真夏に土の乾燥が続くようなら株元にたっぷり与えます。
もし、鉢植えの水やり頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめです。
肥料
ミニバラには、生育期の3~10月に2か月に1度バラ専用置き肥を置くか、水に薄めたバラ専用液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は寒肥として完熟たい肥を土に混ぜ込むと春の芽吹きに効果的です。
ミニバラは肥料を好みます。特に春~秋にかけて開花が続く四季咲き性のミニバラには、開花前や開花後には忘れず肥料を与えましょう。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。
花が咲く時期には、花の栄養素であるリン酸を多く含んだ肥料を与えると効果的です。ミニバラには、開花前・開花後・休眠期の冬に肥料を与えると元気に育ちます。
剪定方法
ミニバラの剪定時期は開花後の6~7月、11~2月です。花が咲き終わったら、花がらを早めに切り取ってください。
花がらを残しておくと、種を付けるために栄養が偏ったり病害虫発生の原因になったりして生育に悪影響です。春や秋の花が咲き終わった枝は、下から数えて5枚目の葉の上部分で切り取ると形がまとまります。
すべての葉が落ちた冬は、株の半分ほどの高さで剪定してください。冬の休眠期にしっかり剪定することで、しっかりした新芽が伸びて春に多くの花が咲きやすくなります。
ミニバラのよくあるトラブルと対処法
花が可愛らしく人気のあるミニバラですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。
根腐れの対処法は以下の通り。
- 鉢や地面から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝を切り取る
根腐れが起こった場合は、土を入れ替えて環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。
枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。
根腐れが起こると、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。根詰まりの症状は以下の通り。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとミニバラに悪影響です。
対処法はミニバラの植え替えをすること。
ミニバラを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下の通り。
- 明るい日陰にならして直射日光に当てる
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
アブラムシ
アブラムシの症状は以下の通りです。
- 新芽にアブラムシがたくさん付いている
- 枝葉の生育が悪い
- 葉の色が薄くなっている
アブラムシは繁殖スピードの速い、厄介な害虫です。
放っておくと大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 大発生している枝葉はカットする
- 新芽の茎や葉の裏についているアブラムシをテープなどで取り除く
- アブラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
アブラムシには市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には接着力のあるテープで取り除く方法もおすすめです。
うどんこ病
うどんこ病とは、4~6月と9~10月の湿度が高い時期に起こりやすい病気です。日当たりや風通しが悪いと発生しやすいため、育てる場所に注意します。
うどんこ病の症状は以下の通りです。
- うどんの粉のような白い粉が葉や蕾に付く
- 葉がよじれる
- 葉全体が白くなる
風通しが悪く湿度が高い環境で発生しやすいです。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとミニバラの葉や蕾が白い粉で真っ白になり生育に悪影響です。
対処法は初期段階で、うどんこ病に効果のある殺菌剤(ベニカXファインスプレーやダコニール1000など)を噴霧すること。うどんこ病が広がっていないうちに、葉裏までしっかり殺菌剤を噴霧するとうどんこ病の進行を止めることができるでしょう。
黒点病(黒星病)
黒点病とは、6~8月と10~11月に日中と夜の温度差が大きいと起きやすい病気です。病原菌は自然界に常に存在しており、水やりや降雨の泥はねが葉に付くことでも発生します。
黒点病の症状は以下の通りです。
- 葉に黒点が発生する
- 葉が黄色くなる
- 落葉する
すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとミニバラ全体の葉が黄色くなり落葉します。
対処法は黒点病に効果のある殺菌剤(ベニカXファインスプレーやベンレート水和剤など)をミニバラに噴霧すること。また、泥はねしないように土にバークチップを敷くなどマルチングすると予防になります。
うどんこ病同様に、初期段階で効果のある殺菌剤をミニバラ全体に噴霧することが重要です。
ミニバラのよくある質問
最後にミニバラのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- ミニバラの寿命は?
- ミニバラの冬越し方法は?
- ミニバラは日陰で育つ?
- ミニバラの鉢植えはベランダで育てられる?
- ミニバラの花が終わったらどうすればいい?
- ミニバラを大きく育てるにはどうしたらいい?
- ミニバラの地植えの育て方は?
ミニバラの寿命は?
ミニバラは小さいとはいえバラであるため、適切な環境で上手に育てれば何十年と長生きします。ただし、花が咲く枝を剪定せずにそのままにした場合、次第に木質化して花が咲きにくくなるでしょう。
そのため、休眠期の冬に剪定をして完熟たい肥を与えて、春に勢いのよい枝を根元から出す必要があります。根元から出る勢いのよい枝はシュートととも呼ばれ、古い枝と交代させることが可能です。
シュートはミニバラの軸になる枝であるため、花がたくさん咲きます。毎年、シュートが出るように冬の剪定と完熟たい肥を与えて枝の更新を行えば、一生をともにするパートナーとなることも可能です。
ミニバラの冬越し方法は?
ミニバラの冬越し方法は、‐5℃以下でなければ日当たりと風通しのよい屋外に置いたままにします。耐寒性は品種によって差はあるので、0℃以下になる場合は室内に移動させると安心です。
春にしっかりした新芽や花芽を付けさせるために、冬は寒い環境で休眠させ枝に日光を当てることが重要。暖かい部屋に置くと冬でも生育して体力を使い、春の芽吹きが悪くなります。
冬のミニバラは短く剪定をして寒い環境で日光に当てながら休眠させることがポイントです。水やりは土が乾いてから、2~3日後に暖かい時間帯に与えてください。
ミニバラは日陰で育つ?
ミニバラは半日陰程度の環境であれば、育てることは可能です。しかし、日当たりを好む植物であるため、日光が差し込まない暗すぎる日陰では軟弱に育ち、病害虫の被害に合いやすくなります。
また、暗い環境では花が咲きにくくなるので注意が必要です。健康的に育てて花を楽しみたい場合は、屋外の日当たりと風通しが良い場所で育ててください。
日陰で元気がないミニバラは、葉が残るように剪定して直射日光の当たる場所に移動します。春~秋の生育期であれば、1~2週間で立派な葉のあるミニバラに戻るかもしれません。
ミニバラの鉢植えはベランダで育てられる?
ミニバラの鉢植えは、日当たりと風通しのよいベランダであれば育てられます。半日陰の環境でも、ミニバラは育てやすいので安心してください。
ベランダでミニバラに雨が当たる場合は、雨の日だけ室内に入れるなど雨を避ける工夫をすると育てやすいです。バラは葉や花が濡れた状態が続くと、葉が黄色くなり黒点が現れる黒星病になる可能性があります。
黒星病を防ぐためにも、雨が避けられる環境で風通しがよいと安心です。黒星病になった場合は、適用のある殺菌剤で消毒をして様子を見ましょう。
ミニバラの花が終わったらどうすればいい?
ミニバラの花が終わったら、花がらを切り取ります。花がらを摘む程度に、枝先から浅めにカットします。
花がらをすべて切り終わった後は、肥料を与えて樹勢を取り戻してください。花がらを付けたままでは、種を付けるために栄養が偏ります。
たくさんの種を付けると樹勢が衰えて株が弱くなることも。種を取る必要がなければ、開花後はこまめに取り除くことが、ミニバラを健康的に長生きさせるポイントです。
ミニバラの地植えの育て方は?
ミニバラは日当たりと風通しがよい場所に地植えします。土の水はけが悪い場合は、完熟たい肥をしっかりすき込み、空気を含む水はけのよい土に土壌改良することがポイントです。
地植えは真夏を避けて植え付けます。ミニバラは根が細く浅いので、根鉢は崩さず植えてください。植え付け後はしっかり水やりをします。
植えた場所に根付けば、真夏の雨が降らない時期を除いて水やりは必要ありません。鉢植えと同様に、開花後に剪定を行いながら肥料を与えて育てると、毎年立派な花を咲かせるでしょう。
ミニバラのまとめ
ミニバラは日当たりと風通しのよい屋外であれば、一年を通して簡単に育てることができます。美しく可愛らしいバラの花を小さく楽しめるため、省スペースの環境で活躍するでしょう。
「果てしなき愛」「特別の功績」などの花言葉は、愛の告白や友人へのお祝いにも最適です。決断力を上げる風水効果があるとされているため、恋愛や行動に迷いが生じた時の助けになるでしょう。
ぜひ、ベランダや花壇で楽しむミニバラを育ててみませんか。