植物名 | ネオレゲリア |
学名 | Neoregelia |
英名 | Neoregelia |
科目/属性 | パイナップル科ネオレゲリア属 |
原産地 | 中南米 |
日当たり | 日当たりのよい場所(真夏を除く) |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:1週間に1度、筒に溜めた水を入れ替える 秋:2週間に1度、筒に1/3溜めた水を入れ替える 冬:1週間に1度、筒に水を溜めて夕方には水を捨てる |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 5~10月 |
ネオレゲリアの特徴
ネオレゲリアは、艶のある美しい葉が四方に広がる着生植物です。個性的な葉姿をしており色鮮やかであるため、グリーンインテリアとして人気があります。
原産地では木や岩肌に根を張り自生している植物です。しかし、根から水分の吸収は行わず、重なり合って筒状に広がる葉に水を溜めて成長します。
葉が硬いため、ブロメリアの中でも硬葉タンクグロメリアとして人気です。筒の中に水を溜めて育てるため、生育期に水がなくならないように気を付けて育ててください。
日当たりがよいほど葉色が美しくなる特徴があります。また、寒さには弱いので、冬は室内で管理しましょう。
ネオレゲリアの花言葉
ネオレゲリア全体には花言葉はありません。しかし、黄色の斑が入るネオレゲリア・カロライナには「博愛」の花言葉があります。
黄色の斑が入るカロライナの優しい印象から「博愛」の花言葉が付いたのかもしれません。ネオレゲリアは個性的な葉色や姿をしているので、これからどんな花言葉が名付けられるのか考えると面白いですね。
ネオレゲリア・カロライナに限らず、多くの品種はインテリア性が高いためプレゼントとして人気があります。おしゃれが好きな方の誕生日に贈ってみてはいかがでしょうか。
ネオレゲリアの風水
ネオレゲリアには「邪気払い」の風水効果があるとされています。葉の先端は尖っており、品種によってはトゲもあるため、悪い気を払ってくれるでしょう。
木の入り口である玄関や窓際などに置くと効果的です。また、上に伸びる葉には気を活発にする効果があるとされているため、運気上昇も期待できます。
種類によっては赤や黄色などさまざまな色付くネオレゲリアがあるので、色に応じた方角に置くと風水効果があるかもしれません。赤色のものを南に置くと人気運が、黄色のものを南西に置くと金運が上がるとされています。
ただし、植物を置くだけでは十分な風水効果は得られません。置き場所を整理して、細かな手入れをして元気に育てることが重要です。
関連記事:観葉植物の風水|場所と効果別のおすすめ
ネオレゲリアの育て方
ネオレゲリアは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすいですが、育て方にはポイントがあります。
ここでは、ネオレゲリアの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。
置き場所と日当たり
ネオレゲリアは日当たりと風通しのよい屋外を好みます。ただし、真夏の強い直射日光に当たると葉焼けしやすいため、注意が必要です。
日当たりがよい環境であるほど生育がよく、葉の色もしっかり出ます。ほとんど日差しが入らないような暗すぎる場所では、本来の葉色にならず緑色になったり、徒長して形が悪くなったりするでしょう。
葉の色が悪い場合は、日当たりのよい明るい場所に移動すると葉色がよくなります。ただし、暗い場所から急に強い日差しに当てると葉焼けする可能性があるので、レースカーテンなどで遮光して光を和らげてください。
風通しがよくないと筒に溜まった水で株が蒸れて、葉が傷む原因になるので注意します。冬は窓から離れた明るい場所で管理してください。
温度
ネオレゲリアは寒さに弱い植物です。最低5℃以上をキープして育ててください。
寒さに当たり続けると、葉が茶色く変色し枯れてしまいます。冬は室内の暖かい場所で管理することが重要なポイントです。
冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた明るい場所に置きます。ただし、暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷みやすいのです。
暖房の風が当たらないように気を付けましょう。
水やりの頻度
- 春夏:1週間に1度、筒に溜めた水を入れ替える
- 秋:2週間に1度、筒に1/3溜めた水を入れ替える
- 冬:1週間に1度、筒に水を溜めて夕方には筒の水を捨てる
春夏の生育期には、1週間に1度筒に溜めた水を入れ替えるように、株の上からしっかり水やりしてください。ネオレゲリアは特殊な吸水機能を持っており、筒状になった葉の付け根に溜まった水を吸収して生育します。
生育期は筒に常に水が溜まっている状態にしてください。溜めた水が腐らないように、1週間に1度水を入れ替えましょう。
秋から徐々に頻度を減らし、2週間に1度ほど水やりを行います。冬は1週間に1度、筒に水を入れ、夕方には溜めた水を捨ててください。
加えて、冬はネオレゲリアを傾け、筒の1/3ほどの僅かな水が溜まるように調節します。多湿環境を好むため、水やりと一緒に葉水も与えると、イキイキとした元気な葉を維持しやすいです。
肥料
ネオレゲリアには、生育期の5~10月に水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに筒の中に与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。
生育にあまり肥料を必要としない植物です。大きく育てたり葉数を増やしたりしたい場合のみ、肥料を与えてください。
ネオレゲリアは着生植物であり、根は水や栄養分の吸収よりも体を支えるためにあります。土や水苔に肥料を置き肥しても、あまり効果がないので気を付けましょう。
剪定方法
ネオレゲリアの剪定時期は5~10月です。枯れたり茂ったりした葉を剪定します。
葉は四方に長く伸びますが、コンパクトに切っても問題はありません。枯れた葉は根元を押さえて、下向きに剥ぎ取るように取り除いてください。
枯葉をそのままにしておくと、風通しが悪くなったり溜まった水が腐りやすくなったりするので注意しましょう。成長して子株が確認できたら、親株の2/3ほど大きくなったときに根元の茎から切り取ってください。
ネオレゲリアのよくあるトラブルと対処法
個性的な葉色を持ちインテリア性の高いネオレゲリアですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
株の痛み
株の痛みでは、以下の症状が見られます。
- 葉の付け根が黒ずんでいる
- 葉全体が黒ずんでいる
- 腐ったような匂いがする
- 全体が垂れたように元気がない
- 途中で首が折れるように垂れる
ネオレゲリアは、葉の付け根に水を溜めて育てる植物です。しかし、風通しが悪かったり、水をずっと溜めたままにしておくと水が腐ったりするので、蒸れて株が傷んでしまいます。
また、冬の寒い時期に水を溜めたままにすると朝晩の冷え込む時間帯に水が冷えるため、葉が焼けて傷んでしまう可能性が高いです。
対処法としては以下の通りです。
- 真夏の直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
- 風通りを良くする
- 水を溜めっぱなしにしておかない
- 発根剤を与えてみる
傷んでしまった株は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下の通り。
- 直射日光が当たっている場合はカーテンなどで遮光する
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
関連記事:観葉植物の葉焼け|原因や対処法の紹介
ネオレゲリアの害虫トラブルと対処法
ネオレゲリアには害虫トラブルも存在します。
害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
カイガラムシ
カイガラムシの症状は以下の通りです。
- 貝殻のような殻を被ったり、粉状の物質で覆われたりしている虫が枝葉についている
- 黒いカビ(すす病)が発生している
- 葉や幹がベタベタしている
カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。
放っておくとネオレゲリアの生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 柔らかい布やブラシで擦り取り除く
- 茂り過ぎている枝葉は剪定して風通しをよくする
- カイガラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)を使用するのが効果的。
カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5~7月に使用するとよいでしょう。
既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。
2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
関連記事:観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ|対処法と予防法を紹介
コバエ
コバエの症状は以下の通りです。
- 土に虫が湧く
- コバエが植物の周囲を飛んでいる
コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでの不快害虫です。
放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 発酵不十分な堆肥や有機質肥料を与えることをやめる
- 新しい土に植え替える
- 土の表面に無機質な素材(赤玉土・鹿沼土・砂利など)を敷く
- トラップを仕掛ける
- コバエに効果のある殺虫剤を噴霧する
コバエが発生したら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)を使用するのが効果的です。
コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。
コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。
そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3~5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。
そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生しません。また、土が常に湿っている状況を避ければ、発生する可能性は低いです。
コバエを発生させないためには、適切な土と水やり管理で育ててください。
ネオレゲリアのよくある質問
最後にネオレゲリアのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- ネオレゲリアにはどんな品種がある?
- ネオレゲリアは土なしで育つ?
- ネオレゲリアは水耕栽培(ハイドロカルチャー)できる?
- ネオレゲリアの冬越し方法は?
- ネオレゲリアの適切な増やし方は?
- ネオレゲリアはベラボンで育つ?
- ネオレゲリアは苔玉にできる?
それでは具体的に見ていきましょう。
ネオレゲリアにはどんな種類がある?
ネオレゲリアには4000以上の品種があるとされています。品種によって葉の姿形や色が違う点が特徴です。
- カロライナ:薄い黄色の斑が縦に入り、筒部分が赤い
- ファイヤーボール:葉全体がピンクがかり、筒部分が濃いピンク
- パウシフローラ:濃い緑色の葉に褐色の斑点
- スペクタビリス:緑色の葉の先端がピンク
- リオ・オブ・リオ:葉全体がワインレッド
ネオレゲリアにはさまざまな種類があるので、ぜひお気に入りを見つけて育ててみてください。葉の形や花色にこだわって、お部屋に飾ると素敵な空間を演出してくれるでしょう。
ネオレゲリアは土なしで育つ?
ネオレゲリアは土なしで育ちます。原産地では木や岩肌に着生して育つ植物であるためです。
土を使わずに育てる場合は、水苔やバークチップ、軽石などを用いて鉢に植え付けます。株がぐらつかないように、植えることがポイントです。
また、流木や大きめの石などに着生させることができます。根を水苔で包み、麻ひもやタコ糸などで固定させましょう。
その後は、筒の中に水を入れて育てていると、次第に根が伸びて着生します。
ネオレゲリアは水耕栽培(ハイドロカルチャー)できる?
ネオレゲリアを水耕栽培で育てることは難しいです。根からの水分吸収能力が乏しい着生植物は、水耕栽培に向いていません。
ネオレゲリアは葉の筒に水を溜めて吸水する植物で、根は体を支えるためにあります。水耕栽培では、大きな体を根が支えることができず倒れてしまうかもしれません。
さらに、吸水能力が乏しい根がずっと水に浸っていると、根腐れする可能性があります。そのため、ネオレゲリアは水耕栽培には不向きと言えるでしょう。
ネオレゲリアの冬越し方法は?
ネオレゲリアの冬越し方法は、最低5℃以上をキープして室内で管理することです。
冬は生育が衰えるので、水のやりすぎに気を付けます。冬の水やりは1週間に1度、筒に水を溜めて夕方には水を捨てるような管理をしてください。
葉水は暖かい時間帯や、暖房でしっかり温度が上がったときに行いましょう。窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた場所で管理することが重要です。
暖房の風に当たると乾燥して枯れる恐れがあるので、直接当たらない場所に置いてください。
ネオレゲリアの適切な増やし方は?
ネオレゲリアの適切な増やし方は株分けです。
根元の茎から子株が出てくるので、子株が親株の2/3ほどの大きさになったら、5~10月の生育期に株分けしてください。よく切れるハサミやナイフで根元の茎部分を綺麗に切り取ります。
この時、筒部分ではなく、さらに根元の茎部分を切り取ることが重要です。その後、湿らせた水苔で茎部分を包み、倒れないように鉢に植え替えます。
この時に、鉢植えでなく流木などに着生させても問題ありません。その後は筒の中に水を溜めながら、明るい日陰で管理して育ててください。
ネオレゲリアはベラボンで育つ?
ネオレゲリアはベラボンで育ちます。ベラボンとはあく抜きをしたヤシ殻チップのことであり、排水性や保水性、通気性に優れる資材です。
ベラボンにはそれぞれ大きさがありますが、いずれも吸水させて使用します。水苔のように根を包むことはできませんが、鉢植えの植え付け資材として使用可能です。
通気性がよいため、発根した根が着生しやすく生育もよくなります。ただし、資材としては軽いため、根が張るまでは株が倒れないように気を付けてください。
ネオレゲリアは苔玉にできる?
ネオレゲリアは苔玉として楽しむことができます。着生植物として水苔で育てることができるため、根を水苔で丸く包み麻ひもなどで固定するだけで問題ありません。
土で育てている株を苔玉にする場合は、根に付いた土は綺麗に水で洗い流しておく必要があります。土が付いたままだと、包んだ水苔の中で根が腐るかもしれません。
根には吸水機能がほとんどないため、筒の中に水を溜めて育ててください。トロピカルな植物の苔玉が楽しめるでしょう。
ネオレゲリアのまとめ
ネオレゲリアは日当たりのよい環境であれば、簡単に育てることができます。個性的で鮮やかな葉姿は、おしゃれなインテリアグリーンとして活躍するでしょう。
ネオレゲリア全体には花言葉はありませんが、お部屋のインテリアグリーンとしてプレゼントにも最適です。邪気払いや運気を上げる風水効果があるとされているため、多くの方に喜んでもらえます。
ぜひ、お部屋をおしゃれに彩るインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。