観葉植物はインテリアになるだけではなく、実はマイナスイオンの効果があるそうです。私たちに癒しや安らぎを与え、もはや共に過ごすパートナーと言っても過言ではありません。
そんな植物たちに対して理解を深められれば、より一層愛情をもって接することができるはず。 今回は、観葉植物のマイナスイオン効果を解説しつつ、おすすめや効果を高める置き場所なども紹介していきます。
「マイナスイオンを発する観葉植物ってどんなのがあるの?」
「置き場所や育て方にも気をつけたほうがいい?」
「植物以外でマイナスイオンを作る方法が知りたい」
という方にもピッタリの内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもマイナスイオンとは
マイナスイオンとは、空気中に存在する負の電気を帯びた水の分子の集合体。森や滝の近く、雨上がりなどにも多く存在しています。 自然の中で過ごしていると爽快感を感じたことがある、といった人もいるかと思いますが、マイナスイオンが理由の一つです。
家電量販店に行くと「マイナスイオンの空気清浄機」などが販売されています。あれは、自宅や職場の電化製品周りやホコリについたプラスイオンを除去して、空気をきれいにしてくれるものです。
つまり、マイナスイオンがあふれている環境は、私たちの生活をすこやかにしてくれるのです。
ちなみに「プラスイオン」は、マイナスイオンの片側とイメージしてもらえるといいかと思います。「プラス」と呼ばれているイメージとは裏腹に、私たちによい影響を与えてくれるわけではありません。
体内に取り込み続けると、睡眠の質や免疫力などを低下させると言われているので、適宜「マイナスイオン」を摂取していくとバランスを保てるでしょう。
観葉植物にはマイナスイオンの効果がある
観葉植物にはマイナスイオンの効果があります。具体的には、有害物質を吸収して酸素を吐き出すと言われています。
植物が呼吸することで、周りのプラスイオンをきれいなマイナスイオンに変えてくれるので、安らぎや爽快感を感じられるのですね。
ただし、観葉植物の大きさや数、置き場所の広さなどによっても効果は異なります。人によっても感じ方はさまざまなため、自分で最適な条件を探していくことが大切です。
マイナスイオンの効果がある観葉植物5選
マイナスイオンの効果が期待できる観葉植物を以下にまとめましたので、ぜひお気に入りのものを見つけてみてください。
- ガジュマル
- モンステラ
- サンスベリア
- パキラ
- フィカス・ウンベラータ
マイナスイオン効果があるからといって、育てるのが特別に難しいわけではありません。どれもお手入れが簡単なので、初心者でも管理できるでしょう。
①ガジュマル|個性的な幹が人気を集めている
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
観葉植物の定番でもあるガジュマルもマイナスイオン効果をもたらしてくれます。霧吹きをしてあげるとさらにマイナスイオンが強まるとか。
屋外でも生育ができますが、マイナスイオンの効果を直接感じることができないため、実感したい方は屋内での管理をおすすめします。書斎・寝室・リビングなどに置くのもいいでしょう。
ガジュマルはたくましい樹形をしていることから、インテリアがお好きな方からも人気が高いです。ガジュマルだけ置いてもさまになりますし、他のミニ観葉植物などとディスプレイするのもいかがでしょうか。
[https://andplants.jp/collections/chinesebanyan] ガジュマルの育て方はこちら②モンステラ|視覚疲労を回復してくれる
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
モンステラは、葉っぱに切れ込みが入った個性的な観葉植物です。ハワイでは「希望の光を導く」と言われていて、新しい門出を迎える方などへの贈り物として適しています。
また、大きな葉っぱからマイナスイオンが発せられるだけではなく、視覚疲労を回復してくれる植物です。
愛媛大学農学部の研究によると、オフィスや大学でのパソコン作業時に観葉植物を見ると、視覚疲労(目の疲れ)が緩和されることがわかっています。 モンステラの葉っぱは大きさもあるため、より効果を実感できるはず。
加えてマイナスイオンの効果を最大限に発揮したい場合は、葉っぱに霧吹きなどで水分を与えるといいです。ホコリもセットで除去できるので、まさに一石二鳥ですね。
参考記事:観葉植物を見ることがVDT作業に伴う視覚疲労に及ぼす影響
[https://andplants.jp/collections/monstera] モンステラ・デリシオーサの育て方はこちら③サンスベリア(虎の尾)|空気清浄効果がある
日当たり | 明るい日陰 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから2〜3日後 秋冬:葉の表面にしわが寄ってから(10月以降はほぼ断水) |
サンスベリアは「エコプラント」とも呼ばれていて、キシレン・アンモニア・ホルムアルデヒドなどの有害化学物質を除去してくれる観葉植物です。
したがって、オフィスや自宅の環境で空気清浄効果が期待できると言われています。
また、サンスベリアは観葉植物ではあるものの、多肉のような扱いをされるほど乾燥に強い植物です。お水やりの頻度は少なくてお世話が楽なので、初心者にも適しています。
温かい場所が好きなので寒いところに置かないようにするとよいです。特に冬場の窓際は、冷気が発せられているため植物にダメージを与えてしまいます。窓際からは、なるべく離して管理をしましょう。
[https://andplants.jp/collections/sansevieria] サンスベリア・ゼラニカの育て方はこちら④パキラ|初心者でも室内で育てやすい
日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光は避ける) |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
パキラは、手のひらを広げたような大きな葉っぱをつける観葉植物。葉の面積も広いため、マイナスイオンも多く発せられるそうです。
乾燥には強いですが、葉水で葉に水分を与えてあげると湿度も保てて健康に生長できます。ホコリも除去できるので、よりマイナスイオンも発生するのではないでしょうか。
また、耐陰性も高いため「これから観葉植物を始めたい」「植物を上手に育てられるか自信がない」という方にもおすすめです。
一年を通して日当たりのよい置き場所で管理すると、新芽がどんどん成長します。大きくさせたい場合は、日中の気温が高い時間に日光にしっかりと当てましょう。
[https://andplants.jp/collections/pachira] パキラの育て方はこちら⑤フィカス・ウンベラータ|加湿効果がある
日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光は避ける) |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
観葉植物には、体内の水分を発散させるために「蒸散」という働きが備わっています。「蒸散」とは、根っこから吸い上げた水分を「気孔」と呼ばれる葉っぱの小さい穴から吹き出すこと。
フィカス・ウンベラータの大きな葉っぱは蒸散機能が高いため、周りの湿度を上げて加湿効果をもたらしてくれます。植物は生き物であり毎日「蒸散」を行っているので、生きているかぎり加湿効果は続くのです。
夏場は「蒸散」が盛んに行われますが、冬場は落ち着きます。お水をそこまで求めないので生長もあまりしないからです。もし、冬場もしっかりと加湿効果を体感したいなら、日当たりのよい置き場所で管理をするといいでしょう。
その際、日陰の場所から急に窓際などへ移動させるとすぐに葉焼けをするので注意してください。移動させる際は、まずはカーテン越しで1〜2週間ほど環境に適応させるのがよいです。
[https://andplants.jp/collections/umbellata] フィカス・ウンベラータの育て方はこちら観葉植物のマイナスイオン効果を高める置き場所
植物をそのまま置いてあげるだけでもマイナスイオンの効果は得られるのですが、置き場所を工夫するとより高い効果が得られます。下記をご覧ください。
- 浴室
- トイレ
- リビング
- キッチン
「水が近くにある」というのがポイントです。では、具体的に見ていきましょう。
浴室
浴室はマイナスイオンであふれているため、観葉植物が一緒にあるとより高い効果を得られます。もともとマイナスイオンは、森や滝などに多く発生しているので、浴室の環境にとても近いのです。
ただし、湿度も高いので、蒸れや湿気に耐性がある植物を選ぶようにします。環境に合わない種類を選んでしまうと最悪の場合、枯れてしまう可能性があるからです。
今回ご紹介したモンステラは、湿度もある程度好むため浴室の環境にいいでしょう。心配な方は小型のサイズを選び、お水がかからない所で様子を見るのがいいかもしれません。
トイレ
マイナスイオンの効果を高める置き場所としてトイレもおすすめです。スペースがそこまで広くない分、しっかりと行き届きます。窓際や小棚で飾れば、インテリアとしても映えるでしょう。
トイレで観葉植物を置く際も一つ気をつけてほしいことがあります。それは、窓や換気ができない場合は、定期的に日光浴をさせることです。
日光が確保できなかったり風通しが悪かったりすると、生育にはよくありません。 植物にとって日光や風通しなどは、すこやかに生きるうえで必要です。正しく生長できるからこそ、マイナスイオンの効果も続いてきます。
トイレだと普段から目が行き届くわけではないので、チェックを忘れないようにしましょう。
リビング
リビングは水が近くにあるわけではないですが、マイナスイオンの効果を高める置き場所としておすすめです。スペースが広く風通しもよいので、観葉植物の「蒸散(葉っぱから水分を放出する現象)効果」もよく働きます。
水分が発散されれば、周りに加湿効果やマイナスイオンの効果も与えてくれるはず。リビングで過ごすいつもの毎日が、贅沢な瞬間へと変わっていくでしょう。
スペースに余裕があるのなら、大型の観葉植物を置いてもいいかもしれません。フィカス・ウンベラータやサンスベリアなら、マイナスイオン以外にも加湿や空気清浄効果などをもたらしてくれますよ。
キッチン
最後に紹介するのがキッチンです。水を常に使う場所であるため、マイナスイオンの効果を高めてくれます。キッチンの構造によってはリビングと隣接していることもあるので、よい効果が他にも行き届くでしょう。
キッチンのスペースもトイレと同様に、窓がない可能性が高いです。そのため、観葉植物を定期的に日光浴させるのをおすすめします。
また、火を使うと周囲の温度も上昇するので、植物を近くに置かないよう配慮するといいかもしれません。植物にダメージを与えることもありますし、マイナスイオンが打ち消されてしまう可能性があるからです。
観葉植物のマイナスイオン効果を保つ育て方
育て方についてもポイントを押さえておくと、マイナスイオンの効果をさらに高めることができます。
- 葉水を行う
- 風通しをよくする
- 電化製品を近くに置かない
少しずつ意識していくだけで普段の暮らしに変化が訪れてくるので、ぜひ意識してみてください。
葉水を行う
定期的に観葉植物の葉っぱに葉水を行うと効果的。マイナスイオンはいくつかの水分子がくっついたものであるため、水分は重要なポイントです。
それに、葉水をすることでマイナスイオンを効果的に発生させるだけではなく、植物の生育にもよい影響を与えてくれます。 具体的には以下の通り。
- 葉っぱの乾燥を防ぐ
- ホコリを除去できる
- 虫の発生を予防できる
乾燥を防ぐことができれば、湿度をキープできるので病気にもなりにくいです。人間が喉や皮膚を乾燥させないようにするのと同じ原理ですね。
ホコリを除去できれば光合成もスムーズに行えるため、健康的に生長できます。光量が確保できると、新芽もぐんぐん伸びていきますよ。
そして最後に、虫の発生を予防することが可能です。
葉水を行うだけでこれだけのメリットが得られるので、普段からするのをおすすめします。
風通しをよくする
換気をしたり窓を開けたりして風通しをよくするのも、マイナスイオンの効果を高めるうえでは大切。マイナスイオンの効果を高めるには、観葉植物の葉っぱから水分が適度に蒸発されている必要があります。
つまり、風を流して蒸発をうながすのです。植物の葉っぱが適度に揺れることで、生育速度を早めるという研究もあるので、風通しをよくするのは理にかなっています。
とはいっても、あまりに強い風だと逆にストレスにつながるため、適度な風量を意識しましょう。ポイントは葉っぱが揺れない程度、この風量であれば蒸発をうながしマイナスイオンの効果も高めてくれます。
電化製品を近くに置かない
マイナスイオンの効果を高めるなら、電化製品を近くに置かないのがいいです。テレビ、スマホ、パソコンなどの電化製品は主に「プラスイオン」をもっています。観葉植物もある程度「プラスイオン」を吸い取ってくれますが、やはり限度があるでしょう。
それならば、はじめから電化製品の近くに観葉植物を置かないほうが、よりよい効果を実感できるはずです。
住まいの環境や状況によっては難しい場合もあるかと思いますが、なるべく距離を置いてあげるのが植物や私たちにとっても喜ばしいことにつながります。
観葉植物のマイナスイオンに関するよくある質問
最後に観葉植物のマイナスイオンに関するよくある質問とその答えをまとめました。
- 観葉植物を置くと体に悪いの?
- 観葉植物以外のマイナスイオンの作り方は?
- サンスベリアの空気清浄効果はどれくらい?
- サンスベリアの空気清浄効果やマイナスイオンは嘘?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
観葉植物を置くと体に悪いの?
観葉植物そのものが体に悪い作用をもたらすわけではありません。しかし、観葉植物を置くことで土や鉢にカビなどがつく可能性があります。植物と生活空間を共にしている場合は、体に害を与えることがあるのです。
そうは言っても、必ず発生するわけではなく風通しや日当たりの条件が悪いとついてしまいます。
つまり、定期的に日光浴や換気をすれば、カビなどが発生するリスクを減らすことができます。 植物が過ごしやすい環境作りを心がけておけば、私たちの健康もキープできるでしょう。
観葉植物以外のマイナスイオンの作り方は?
日頃のちょっとした心がけでマイナスイオンを作ることが可能です。具体的には以下をご覧ください。
- 部屋の換気をする
- こまめに掃除をする
- 電化製品を1箇所にまとめて置かない
部屋を閉め切っていると、電化製品などが発する「プラスイオン」が次第に充満します。
「ちょっと部屋の空気が重たいな」と感じる経験はないでしょうか?
あれは「プラスイオン」が満ちている証拠。 換気をして新鮮な空気を取り入れましょう。朝の5〜8時の間が、もっとも「マイナスイオン」が多く発生していると言われています。
ホコリは「プラスイオン」を吸収してしまうので、定期的に掃除をすると効果的です。
また、電化製品を1箇所にまとめると「プラスイオン」が多く発生してしまうので、注意をしなければいけません。使用しないものはコンセントを抜くだけでも、状況はよくなります。
サンスベリアの空気清浄効果はどれくらい?
空気の質を左右するほど有害物質を減らすには、部屋を森のようにしなければならないと言われています。サンスベリアを含めた観葉植物はたしかに有害物質を減らしますが、生活をがらりと変えるには相応以上の数が必要です。
しかし、人の精神状態を良好にしたり目の疲労を回復させたりと、私たちによい影響を与えてくれる存在には変わりません。人によっては、一つあるだけで安らぎを感じる人もいるのです。
空気清浄効果以外のメリットにも着目して、ぜひサンスベリアを検討してみてください。
関連記事:観葉植物の効果|メリットや注意点について
サンスベリアの空気清浄効果やマイナスイオンは嘘?
サンスベリアは「エコプラント」とも呼ばれていて、有害物質を除去する実験でも高い数値が検証されているので空気清浄効果があります。
マイナスイオンも、植物がもつ「蒸散作用」によって葉っぱから水分が放出されて効果があるので、嘘ではないです。
空気清浄効果・マイナスイオン、両者ともに嘘ではないですが、効果を肌で実感するには森のような数が必要と言われています。
そのため「一つだけだと効果はないんじゃないか?」となったことから「嘘なのか?」といったうわさが流れているのでしょう。
まとめ
観葉植物はインテリアグリーンだけではなく、ストレスや目の疲労を緩和してくれる頼もしい味方であることがわかってきました。植物を置くことで癒される人たちが多いのもうなずけますよね。筆者も休日に植物をながめていると、心がなんだかホッとします。
また、生き物であるがゆえに手入れをきちんと行なっていけば、半永久的に過ごせると言っても過言ではありません。ある意味、一緒に暮らすパートナーのような存在。
忙しい現代だからこそ、自分のケアを自分でするのも大切ですが、たまには植物に癒しや安らぎを求めてみてもいいかもしれませんね。