観葉植物に生えるきのこ|原因と対処法を紹介

観葉植物に生えるきのこ|原因と対処法を紹介

朝起きていつものように観葉植物をケアしていたら、土から白や黄色のきのこが生えていてびっくりしたことはありませんか?突然きのこがどうして生えたのか・危険はないのかなど、疑問や不安を感じますよね。人によっては見た目の悪さから、不快に感じる方もいるかもしれません。

原因としては観葉植物の管理する環境や場所、またいくつかの条件が重なったことにより生えるようです。しかし、きのこが生えたからといって、落ち込んだり残念がったりすることはありません。実は観葉植物にとって良い環境ができている証拠です。

この記事では観葉植物にきのこが生える原因と対処法について詳しく解説します。さらになぜきのこが生えて良いのか、その理由についても紹介します。

観葉植物にきのこが生えても大丈夫

観葉植物に水やりをしたあとや湿度が高い日に、土の表面からきのこが生えることもあります。一見「植物に影響のある毒キノコが生えている」と思いがちですが、実は植物の根に共生(ドッキング)した「糸状菌(しじょうきん)」と呼ばれるカビの一種が、植物に栄養を豊富に与えている状態を示しています。

そもそもきのこの本体は土の中に伸びた糸状菌で、この糸状菌がたくさん集まると肉眼で見えるサイズとなり「きのこ」として発生。植物は光合成をして有機物をつくり、きのこ(糸状菌)に供給します。その代わりとしてきのこは、植物が最も必要とする窒素やリン酸を送ります。

植物は古代より糸状菌と共生できたことによって海から陸へ上がり、現在も80〜90%の植物の根に糸状菌が共生しているようです。土の中の環境が良くなることで糸状菌ときのこが発生し、植物の生長を助ける役割を果たしています。

きのこが生えたからといって、観葉植物が枯れてしまうなどの心配はないので安心してくださいね。

顔を近づけ過ぎるのは避けるべき

植物に栄養を供給するきのこと糸状菌。カビの仲間なので植物でもなく細菌やウイルスとも違います。しかし、きのこは植物の花が種を飛ばすように、傘の裏側のヒダ、または傘の上部から胞子を飛ばして繁殖します。

花粉よりも小さく目に見えにくい胞子は耐久性があるため、極端な乾燥状態でも死滅することがあまりないようです。

多くのきのこの胞子は人間が吸っても、胃袋で死滅できるため問題ないとされています。しかし極一部のきのこの胞子は、感染症にかかり喘息(ぜんそく)や肺炎などの症状を引き起こします。きのこが体内に生えることはないようですが、レントゲンに映るサイズの影もできることもあるようです。傘が開いて成熟したきのこは胞子を飛ばすので、顔を近づけ過ぎるのはやめといた方がいいかもしれません。

また、観葉植物に生えるきのこには毒を持っているものもあるようです。加熱をすれば毒を分解できるといわれる種類もありますが、食用にするのは大変危険なので、口に入れないようにしてくださいね。

観葉植物にきのこが生える原因

きのこがどうして室内の観葉植物に生えるのか、とても気になりますよね。育てているつもりではないものが、突然生えてきたらびっくりします。

しかし、きのこは植物や動物でもない菌に分類されるカビの一種です。菌単体は肉眼で確認することができないので、気が付かないうちに室内に侵入していることがあります。

ここでは、観葉植物にきのこが生える主な原因を以下4つ解説します。

  1. 風で飛ばされた胞子によって
  2. すでにきのこの菌や胞子が土に混入している
  3. 多湿な環境になっている
  4. 腐葉土やウッドチップを使っている

風で飛ばされた胞子によって

一般的なきのこは、風で胞子を飛ばし繁殖します。そのため飛んできた胞子が窓から侵入したり、衣類に付いた胞子を室内に持ち込んだりして観葉植物の土に付着します。

ある一定の条件が整うと糸状菌がきのことして生長し、土の表面から生えてくるようです。胞子はチリやホコリのように、ほぼ肉眼では見えにくいサイズなので、いつのまにか室内に侵入していることがほとんどです。

換気扇や通気口などほかにも侵入経路はあるので、窓や衣類からだけではないかもしれませんね。

すでにきのこの菌や胞子が土に混入している

きのこの菌や胞子は、購入した培養土や庭・畑の土にすでに混入していることがあります。また、購入した観葉植物の根にすでに糸状菌が共生し、生長していることも。

きのこ栽培で行われているように、ほぼ密閉された室内でもきのこは育ちやすく、光を求めて地面から長く伸びます。

筆者もテラリウムやビンの中で植物を育てていると、持ち込んだ土や苔に菌・胞子が付いていたようで、すくすくと小さなきのこが育ちます。

多湿な環境になっている

部屋の湿度が60〜80%前後になると、きのこが生えやすいといわれています。

自然の中で生えるきのこを想像してみると、じめじめと湿った森や林、雑木や湿気の溜まりやすい場所に生えていることが多いですよね。そういった場所で、きのこである糸状菌が繁殖しやすいです。

また土が湿っていることで、糸状菌が植物の根のように奥深く、幅広く張りやすいといわれています。そのため観葉植物に水やりをしたあと、湿度の高い部屋で管理していると突然きのこが出現。生長スピードも早いため、一晩で傘を開くサイズまでに大きくなります。

腐葉土やウッドチップを使っている

きのこの胞子は水を含むと植物のように発芽し、糸状菌を地面に張り巡らします。栄養は植物や動物などの有機物から得るため、発芽できる場所は有機質の用土だけです。

観葉植物の土に腐葉土・ウッドチップ・バーク・ココナッツファイバーなどが含まれていると、糸状菌がそれらの有機物に共生しきのこを出します。生命力の強いきのこは、有機質なものなら発生しやすく、有機肥料や虫の死骸(しがい)から発生することも。

自然に生えるきのこは「森の番人」といわれ、倒木や動物の死骸を分解し腐葉土へと変えます。それは観葉植物の鉢の上でも同じようなことが起きています。

観葉植物のきのこ|除去の方法

どんなにきのこが植物にとって良い存在でも、見た目や衛生的に不快と感じる方も多いと思います。リビングや寝室に飾ってある観葉植物にきのこが生えていたら、来客は驚いてしまうかもしれませんね。

きのこをすぐにでも除去したい方は、以下の4つの方法を実践してみてください。きのこを生えにくくする方法についても詳しく紹介します。

  1. ピンセットで取り除く
  2. 乾燥させる
  3. 殺菌剤・アルコール・木酢液を吹きかける
  4. 土を入れ替える

ピンセットで取り除く

植物の茎や幹の側から生えたきのこは、ピンセットやハシで軽い力で引き抜くことができます。しかし、あくまで土にある糸状菌から切り離しただけなので、環境によってはまたきのこが生えることもあります。

きのこを取り除いたあとは、土を軽くほじくり返し水気や湿気のない場所で、乾燥気味で管理するといいです。

乾燥させる

観葉植物に生える大抵のきのこは、土が乾き始めると何もしなくても1日ほどでしおれて茶色くなり、やがて枯れます。きのこである糸状菌は乾燥にはとても弱い生物なので、鉢を日当たりの良い場所に置いておくだけで死滅します。

ただし鉢の中心部の奥深くは土が乾きにくいので、植え替えをしないと完全に菌を除去することは難しいです。できるだけ土をほじくり返し、日に当てて乾燥させましょう。

殺菌剤・アルコール・木酢液を吹きかける

きのこである糸状菌は、酵母菌なども含め世界に約150万種類が存在するといわれています。実はその中に、うどんこ病や灰色カビ病などの植物の病気の元となる糸状菌も多く、私たちは薬を使って殺菌をしています。

もちろんきのこの菌にも効果があり、園芸用の殺菌剤やアルコール、さらには木酢液(もくさくえき)を使って除去が可能です。

観葉植物にきのこが生えたときは、薬やアルコールを使ってきのこの本体である糸状菌を死滅させ、生えにくくさせましょう。

土を入れ替える

土の乾燥や殺菌剤での除去をしてもきのこが再度生える場合は、観葉植物の土を新しいものに植え替えます。

植物の根に共生しているのできっちりと行なうのであれば、根鉢を崩しやさしく洗って掃除するといいかもしれません。

ただし、植え替えは4〜7月の時期にしましょう。時期を間違えてしまうと、観葉植物がストレスを受けて枯れてしまう場合もあります。

観葉植物のきのこ|予防の仕方

糸状菌が土や木の奥まで根を張ってしまうと、きのこは何度も生えて出てきます。

少しでもきのこが生えにくくなるように、室内に観葉植物を飾る前に、あらかじめ土の種類を適切に選び、管理の仕方や置き場所に注意しましょう。

  1. 土は無機質なものを使う
  2. 土をしっかりと乾かす
  3. 日当たりと風通しが良い場所で育てる

上記3つの方法について詳しく解説します。

土は無機質なものを使う

きのこは有機物の表面にしか生えない生物です。あらかじめきのこが生えないような環境をつくるのであれば、土は赤玉土・鹿沼土・バーミキュライト・パーライト・川砂を使うようにしましょう。きのこや菌が繁殖しなければ、カビやコバエも発生することがありません。

また肥料にも気を配り、化学肥料を元肥として土に入れ、植物を育てるのがおすすめです。

ただし水はけが良過ぎるので、水やりの頻度を多くして管理してくださいね。

土をしっかりと乾かす

観葉植物に水やりや葉水をしたあとは、土をしっかりと乾かしてから再度水を与えるようにしましょう。土が乾燥と湿潤の状態になるようにメリハリをつけて管理します。

土がいつまでも湿ったままでいると、さまざまな菌が発生しやすくカビやきのこが生えやすいです。また消毒の代わりとして天気が良い日には、観葉植物を日光浴させることもポイントです。

日当たりと風通しが良い場所で育てる

きのこは多湿な環境を好むので、観葉植物の置き場所はできるだけ日当たりと風通しを良くし、湿気がたまらないように育てましょう。

人が清潔と思えるような環境づくりをすることで、菌をはじめ細菌やウイルスも発生しにくく、病気にかかることも減ります

観葉植物のきのこは「環境が良いサイン」

きのこには、生きた植物に共生する「菌根菌(きんこんきん)」と、倒木や落ち葉に生える「腐生菌(ふせいきん)」の2種類があります。この2つが観葉植物の鉢に現れ、一種の小さな自然をつくり出しています。

植物の根に共生するきのこは、窒素やリン酸だけでなく水分や、鉱物を溶かしてミネラル分も植物に送ります。植物は病気に対する抵抗力を高め、枯れにくい株へと生長するようです。

また、腐食菌に分類されるきのこは、きのこだけにしかできない木の皮を分解し、植物が育ちやすい腐葉土へと変えます。

実際に自然界の森では、きのこが森林の大量枯死を防止し、森を守っています。無農薬、無肥料薬を目指す多くの農家さんが、望む環境でもあるようです。

有機質の土にすき込むのもOK

観葉植物に決して悪さをしているわけではないきのこは、乾かして枯らし、そのまま有機質の土にすき込むのもおすすめです。今度は小さな微生物が植物の栄養へと分解し、それを植物が吸い上げ元気な株に生長します。定期的に肥料を与える頻度も少なくなるため、管理の手間が減りますよ。

また、植物は無機質な土で育てるよりも、腐葉土やウッドチップで育てた方がベスト。日光に当たると「ファイトケミカル(phytochemical)」という化学物質をつくり、紫外線・病原菌・害虫などの植物にとって有害なものから、身を守ろうと強くなります。

余談:白カビも観葉植物を助ける

観葉植物の土の表面に有機肥料をまくと、湿度が高い場所ではフワフワした白い綿状のカビ胞子が発生することもあります。このカビは観葉植物にとって良いカビで、病原菌やウイルスの繁殖を阻止するようです。

土の表面に白カビやカビ胞子が生えたときは、少し放置をして繁殖させ、表面をかき混ぜたあとに土の中へすき込むといいです。

まとめ

観葉植物に生える白・灰・茶・黄色などのきのこ。その本体である糸状菌は、どの種類も植物の生長を助け、育ちやすい環境をつくる役割を担っています。糸状菌ではありませんが、マメ科のエバーフレッシュの根にも、実は「根粒菌(こんりゅうきん)」と呼ばれる菌が必ず共生します。

植物に付く菌やきのこがどれも悪いわけではなく、互いに助け合って生きています

もしも今回の記事で「きのこ」に関心を持てた方は、少しきのこに対する感情が変わったのではないでしょうか。一度生えたときは、顔を近づけ過ぎないようにじっくりと観察してみるのもいいかもしれません。

しかし室内の観葉植物なので、きのこやカビが生えないように清潔に保つことも大事です。観葉植物の置き場所を適切に選び、きのこがなくても丈夫な植物を育ててくださいね。

柴﨑 光一
建築・インテリア学科卒の元造園士。植物が大好き過ぎて、大自然のカナダで植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。 建築と造園の経験に加え、趣味のさまざまな植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに観葉植物の魅力をお届けします。好きな観葉植物は、ザミオクルカス・ザミフォーリアとフィカス・アルテシマです!