結婚式の前撮りやフォトウェディングは、ふたりの門出を記録し、一生に残る大切な写真です。撮影会場やドレスはもちろん、衣装に合わせる小物も大事なアイテムとなります。
撮影の際に衣装に合わせて持つブーケも花嫁に欠かせないアイテムです。
前撮り用のブーケはどのように用意すればいいのか、そもそもブーケは撮影の際に持たなければいけないのかなど、わからないポイントも多いかと思います。
初めてのことであれば、一般的にはどのようなものなのか気になる方も多いですよね。前撮りのブーケについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
[/collections/bouquet]結婚式の前撮りブーケは洋装の場合は必要
前撮りにそもそもブーケは必要なのかと思われる方もいるかもしれませんが、結論を言うと、一般的に洋装のドレスの場合はブーケは必要になります。
ドレスを着た花嫁の手元にブーケがあると、結婚式らしい雰囲気が演出され、ボーズの幅が広がり、ブーケと花嫁の美しいショットが残せます。
ウェディングブーケには「男性からプロポーズを受けた証」や、「生花が厄除けの意味を持つ」などの意味があるといわれてきました。言い伝えや風習から、花嫁がブーケを持つようになったようです。
撮影の際は、衣装の全体が映るように引きの写真が多いため、手元にブーケがないと手持ち無沙汰な印象になってしまいます。
ブーケではなく、他の物を持ちたいときには、他のアイテムを持つことも可能です。稀に衣装とセットで持つ小物が用意されることもあります。しかし、一般的には圧倒的にブーケを持つことが多いといえるでしょう。
前撮りブーケの相場|20,000~30,000円
用意する場所によって価格は異なりますが、ブーケの価格は20,000~30,000円が相場です。
ブーケは、生花、造花、ドライフラワーなどと種類があるので、どの素材のブーケにするかによっても価格は異なります。ウェディングブーケは生花が一般的であり、価格が一番高くなるのも生花です。
素材それぞれのメリット、デメリットがあるので、自分に合っているのはどのタイプなのかチェックしながら見てみてくださいね。
前撮りブーケを用意する方法
前撮りのブーケは、大きく分けると、式場で提携している花屋さんにお願いする方法と持ち込みで自分で用意する方法があります。
どこでブーケを用意するかによって、花の素材やデザイン、価格などが変わってきます。購入する場合もいくつかの方法があり、レンタルする方法もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
- 式場やフォトスタジオにお願いする
- 最寄りの花屋さんで購入する
- オンラインサイトで購入する
- レンタルする
- 手作りする
式場やフォトスタジオにお願いする
式場では主に前撮り用のブーケは、式場で提携している花屋さんに注文して作ってもらうことが一般的です。
式場に提携している花屋さんは、オーダーメイドで注文があったブーケを制作するために花を仕入します。そのため、一般的なお花屋さんで用意してもらうよりも価格は高くなります。
さらに、ウェディングの花の専門知識が豊富なプロであり、万が一ブーケが撮影中に破損した場合も対応してくれるので安心です。
式場で提携している花屋さんのブーケの料金を見たときに「高い…」と感じる人もいるかもしれませんが、オーダーメイドであり、プロに任せられる安心感がある価格ではあります。
フォトスタジオでは、撮影小物として料金プランに含まれている造花のブーケをレンタルしてもらえることがあります。
しかし、フォトスタジオでもブーケが料金プランに含まれていなかったり、必ずしも衣装と相性が良いブーケが用意されているとは限りません。できれば事前に確認しておくと安心でしょう。
最寄りの花屋さんで購入する
ブーケを持ち込みする場合には、最寄りの花屋さんで購入する方法があります。家の近くの花屋さん、もしくはお気に入りの花屋さんがあればそのお店でウェディングブーケを作ってほしいと思う人もいるかもしれません。
一般的な花屋さんでは、ウェディングブーケの制作をしていないところもあるので、事前に確認が必要です。
式場提携の花屋さんでブーケを注文するよりも価格はリーズナブルに用意できます。依頼する際は、持ち込みの日程調整や花のイメージなどはお店としっかりすり合わせすることが重要です。
オンラインサイトで購入する
ウェディングブーケは、オンラインサイトで購入することも可能です。生花のものもあれば、造花やドライフラワーなど様々な種類が販売されています。ハンドメイドサイトでは、最近人気が高まっているドライフラワーのブーケも豊富です。
価格の幅は広く、リーズナブルなものから多くあります。色々なサイトで比較しながら見ることができ、あまり見かけないような珍しいデザインのものも見つかるかもしれません。
オンラインサイトでは画像で雰囲気を確認できますが、光の当たり具合で色の見え方が異なったり、実際の大きさが小さく感じられたりすることもあります。
写真はあくまでもイメージで実物と少し風合いが異なる可能性があると認識しておきましょう。
[/collections/bouquet]レンタルする
ウェディングブーケをレンタルしてくれるお店もあり、購入すれば30,000~50,000円程度するような豪華なブーケが10,000円前後で借りることができます。豪華なブーケを安価で使用できるのはレンタルならではです。
オンラインサイトのレンタルブーケは種類が充実していることが多いので、きっとお気に入りのものが見つかるでしょう。
お店によって造花(アーティシャルフラワー)、ドライフラワー、プリザーブドフラワーと取り扱いしているブーケの種類が違い、それぞれの質感や雰囲気が異なるので、ぜひチェックしてみてください。
手作りする
思い出に残る理想のブーケにしたいと思う人は手作りがおすすめです。作るのが好きな人であれば、手作りして思い入れの強いブーケにするのも良いでしょう。
手作りする場合は、扱いやすい造花を使用するのがおすすめです。茎の部分にワイヤーが入っているので、花の向きを調整しやすく、壊れにくいのが良いところです。
ブーケを作る場合は、新郎の胸元につけるブートニアもセットで必要になります。ブーケに使用した同じ花を2~3輪を組み合わせて、用意するようにしましょう。
補足:ブーケの持ち込みが可能か事前に確認が必要
ウェディングブーケを式場で提携している花屋さんやフォトスタジオとは別のところで用意する場合は、ブーケの持ち込みが可能か最初に確認することをおすすめします。
式場によっては持ち込み自体ができないところ、持ち込み料が発生してしまうことがあります。持ち込み料が高いと、式場と提携している花屋さんにお願いしたときと、持ち込みしたときのトータルの料金が変わらないケースもあるようです。
特に、ブーケは知り合いにお願いしたい、注文したい花屋さんがあるなどの場合は早めに確認しておきましょう。
リーズナブルに用意できるのは「手作り」
ウェディングブーケの費用を安く抑えられるのは「手作り」のブーケです。百円ショップの造花を上手く組み合わせて、2,000円程度で制作した人もいます。
ブーケを手作りするのは、慣れていないと難しいこともあるので、早めに制作を始めるのがおすすめです。
作ってみてやはり難しいとなってしまった場合や、イメージの花を集めることができなかったときに、花屋さんに頼んでも間に合わないこともあります。なるべく早めに制作に取り掛かり、調整がきくようにすると安心です。
ブーケの種類|素材
ブーケの素材には、主に生花、造花、ドライフラワーの種類が使われます。この中で一般的に割合として多いのは生花です。
しかし、前撮りの際には、結婚式の際にも使用できる造花やドライフラワーを使うと効率良く、ブーケ代を安く抑えることができます。それぞれの素材のメリット、デメリットを紹介していくので、参考にしてみてください。
- 生花
- 造花
- ドライフラワー
生花
結婚式で一般的に使用されることが多いのは、生花のブーケです。瑞々しく、フレッシュな生花は、花嫁の手元を鮮やかに彩ってくれます。花本来の香り、質感の美しさは、生花ならではの良さがあります。
ブーケの費用では、造花とドライフラワーに比べて生花が一番高くなります。費用の面でデメリットを感じる人も多いかもしれません。
また、生花のブーケは当日まで出来上がったものを見ることができないので、実物を見たときに「少しイメージが違う」と感じてしまうこともあります。
生花は入荷したものの色の出方が少し違ったり、花のサイズが違ったりということがどうしてもあります。その点は、生花の特徴であると、ある程度は考慮しておくことが必要です。
しかし、生花の美しさは花嫁衣裳を着た女性に相応しいものです。生花に触れる機会が少ない人も多いかと思うので、特別な機会にぜひ触れてみてください。
造花
前撮りのブーケで重宝するのが造花です。前撮りと結婚式で兼用にして使用することができます。結婚式の後もお家でインテリアとして飾って置くことができるので、ブーケを残しておきたい人にも良いでしょう。
造花は屋外での撮影や海外での撮影にもおすすめです。移動で持ち歩きしやすく、傷む心配がないので安心です。
造花の質感が苦手な人もいるかと思いますが、造花のクオリティは日に日に上がっており、リアルで生花と見分けがつかないほどのものもあります。
また、コストの面でも生花より安く用意できることが多く、コストを抑えたいと思っている人にもおすすめです。
ドライフラワー
近年人気が高まっているドライフラワーは、アンティークな落ち着いた雰囲気で、レースのドレスやビンテージ風のドレスと相性が抜群です。
造花と同様に前撮りと結婚式当日で兼用ができ、残しておけるところが魅力です。お家におしゃれに飾れるのが良いと感じる人も多いかもしれません。
ドライフラワーは比較的コストが安く抑えられます。ドライフラワーに特化した花屋さんも多いので、きっとイメージに合うものが見つかるでしょう。
ドライフラワーは、水分が抜けて乾燥している分、花が取れやすかったり、茎が折れやすかったりします。兼用で使用するときは、破損しないようになるべく丁寧に扱うようにするのがポイントです。
前撮りの撮影時のアイディアや希望を考えておくと◎
前撮りをする際の構図やポーズなどは、プロであるカメラマンがアイディアを出してくれますが、どのような写真を残したいか考えておくのがおすすめです。
撮影の際は、どのようなショットを残したいかカメラマンに伝えればそのように撮ってくれます。要望をどんどん言ってほしいカメラマンもいるので、気軽に相談してみましょう。
撮影したいイメージが伝わるように、イメージ画像を保存しておくのもおすすめです。結婚式の衣装を着たふたりを写真に収められる大事な機会なので、納得いくものとなるように、準備しておくと良いでしょう。
ブーケの人気の花の種類
ウェディングブーケに人気の花の種類を紹介します。筆者が以前、フラワーコーディネーターとしてウェディングの装花を担当していた頃に実際によく使用されていた花の種類です。
それぞれの花の魅力や特徴、ブーケに用いる理由なども紹介するので、参考にしてみてください。
- バラ
- カラー
- ユリ
- トルコキキョウ
- ブルースター
バラ
ウェディングブーケに使われる王道の花はバラです。圧倒的に使用される割合が高く、ウェディングのシーンでも活躍しています。
バラは古くから相手に思いを伝える際に贈る花とされてきた歴史があり、プロポーズに贈られる花としても定番です。
バラは色のバリエーションが豊富で、白のウェディングドレスにはもちろん、カラードレスでも使われます。色の表現の幅が広いので、バラだけを使用したブーケでも限りなく多い組み合わせが楽しめます。
気品と豪華さを兼ね備えたバラは、どのタイプのドレスにも合わせることが可能です。花の種類に迷ったら、バラを使うことをおすすめします。
カラー
スタイリッシュなフォルムと伸びやかな曲線の茎が特徴的なカラー。縦型のフォルムなので、ボリュームが抑えられたストンとしたラインのシンプルなドレスと相性が抜群です。
可愛らしさよりも大人っぽさがあり、洗練された印象を受けます。大人なカッコいいイメージが好きな人におすすめの花です。
ウェディングドレス用に白のカラーが使われることが多いですが、カラーは白だけでなく、赤、ピンク、オレンジなど色のバリエーションも豊富にあります。カラードレスに発色の良いカラーを合わせるのもおすすめです。
ユリ
豪華な印象のユリはウェディングドレス用のブーケに使用されます。
「純粋」「無垢」などの花言葉を持ち、キリスト教では「聖母マリアを象徴する花」と大切に扱われてきた歴史と意味のある花です。
ユリは花弁を広げた大きなフォルムが特徴なので、ブーケも他の花を使用したものに比べると大きめなボリューム感のあるブーケに仕上がります。
ブーケの形のバランスを考慮して「キャスケード型」という下に垂れ下がる形で作られることが多く、美しい流れのあるデザインです。
白のユリの品種である「カサブランカ」は人気が高く、ユリの女王といわれ、ウェディングブーケに使用したいと希望する人が多いユリです。
トルコキキョウ
トルコキキョウは、爽やかな透明感のある風合いが魅力の花です。ウェディングの会場装花でもよく使用されています。他のお花とも合わせやすいのがトルコキキョウの良いところです。
バラやユリのような派手さはありませんが、他の花にはない爽やかさがあり、初夏や夏におすすめの花です。花びらがフリフリとしたフリンジ咲きのタイプは、花にボリューム感と華やかさがあります。
また、他の花では感じられない「純白」の透き通るような白さも魅力で、純白を表現したいブーケには、トルコキキョウを使うのがおすすめです。
ブルースター
ブルースターは正式には「オキシペダラム ピュアブルー」といいますが、花型が星型なので、よくブルースターと呼ばれています。マットな水色が特徴的な可愛らしい小花です。
ウェディングブーケでは、白をベースにポイントで色を入れることもあり、ポイントのカラーとしてブルースターが使われます。
花嫁が身につけると幸せになるとされている「サムシングフォー」のひとつである「サムシングブルー」にあやかってブーケにブルーを入れることもあります。
縁起が良い言い伝えなので、取り入れたことのある人もいるかもしれません。
Pinterestで希望するブーケのイメージ画像を保存しておくと◎
前撮りのブーケをどのようなものにしたいかイメージしておくと、決める際にスムーズです。Pinterestは、イメージの画像を集めたり、共有したりできるWebサービスです。ブーケの画像が多く、参考にしやすいので、希望するブーケのイメージ画像は保存しておくと良いでしょう。
筆者がウェディングの装花を担当していた頃に、新郎新婦様との打ち合わせでブーケを決める際に、このようなブーケにしたいとイメージ画像を見せてもらえると、しっかりとイメージを共有できるので、助かりました。
花の雰囲気はなかなか口頭では説明しにくい部分もあるので、イメージ画像がとても役立ちます。ブーケの希望がある場合は、事前に画像を用意しておくのがおすすめです。
和装におすすめのブーケ
白無垢や色打掛などの和装の衣装では、手元には扇子がくることが多いですが、ブーケを持つこともできます。衣装を引き立てつつ、より華やかに見せることができるのが和装のブーケの魅力です。
和装に合うブーケのデザインと花の種類を紹介します。和のテイストに合う花もとても素敵なので、チェックしてみてくださいね。
- 形:ボールブーケ・クラッチブーケ
- 花:ダリア・マム・トルコキキョウ
形:ボールブーケ・クラッチブーケ
和装におすすめのブーケの形はボールブーケとクラッチブーケです。
ボールブーケは、鞠をイメージしたようなまん丸の形のブーケで、紐やリボンの持ち手でぶら下げて持ちます。もこもことしたまん丸いフォルムがとても愛らしいブーケです。
和装用のブーケを代表する形がボールブーケで、和の雰囲気にぴったりのデザインです。写真を撮った際にも、ブーケがポイントになり、写真映えします。
クラッチブーケとは、花を束ねて茎を切りそろえたナチュラルなブーケです。カジュアルな雰囲気も演出できるので、洋装でも用いられるデザインです。
和装のクラッチブーケは、和の雰囲気を持つ花で構成すると衣装を引き立て、和のカッコいいブーケになります。ブーケの大きさは束ねる花の本数で変わり、小さめに作ることも可能なので、気軽に持ちやすいブーケのデザインです。
花:ダリア・マム・トルコキキョウ
和装のブーケにおすすめの花は、ダリア、マム(キク)、トルコキキョウです。マムは和のウェディングの装花によく使用され、まん丸の形が可愛らしいピンポンマムが人気です。
ダリア、トルコキキョウは和にも洋にも合う花で、ダリアは大きく存在感があるため、メインの花として使われます。髪飾りとして頭につけるヘッドパーツとしてもよく使われます。
色打掛では、赤、白、緑、紫などはっきりとした色が使われることが多く、白無垢では白、淡いピンクなどで淡く可愛らしい雰囲気で作られることが多いです。
前撮りブーケで後悔しないために
ブーケは衣装に比べるとあまり目立たない存在かもしれませんが、トータルコーディネートに欠かせない存在です。全体の費用を考えると「ブーケはなるべく安く抑えたい」と考える人も多いかもしれません。
しかし、ブーケを安く抑えた結果、出来上がった前撮りの写真を見たときに「ブーケが安っぽくて浮いている…」「よく見ると衣装と合っていない」などと後悔してしまう人もいるようです。
もちろん、安く抑えたことばかりが原因ではありませんが、一生残る大事な写真だからこそ、納得いくものにしたいですよね。
衣装との相性や費用のバランスを見つつ、ぜひ納得のいく前撮りとなるようにブーケを選んでみてください。
まとめ
結婚式の前撮りブーケについて解説しました。前撮りのブーケは結婚式場提携の花屋さんにお願いする方法と持ち込みで用意する方法があります。
用意する場所やブーケの素材を生花や造花など、どのような素材を選ぶのかによって、価格も大きく異なります。
ブーケの素材は、生花、造花、ドライフラワーと種類がありますが、自分はどのようなブーケにしたいのか、残しておける形にしたいのかなどイメージしながら、自分に適したものを選んでみてください。
前撮りは一生残る大事な写真になるので、納得のいくものとなることをお祈りしています。