フラワーアレンジメントを作りたいけれど、思い通りの仕上がりにするためのポイントや、バランスよく仕上げるためのコツがあれば知りたいと感じている人も多いかもしれません。
プロが作るフラワーアレンジメントは、一見難しそうに見えるかもしれませんが、実際には基本を理解し、いくつかのポイントを押さえることで誰でも素敵な作品を作り上げられます。
この記事では、フラワーアレンジメントの基礎知識から、上手く生ける具体的なコツまで、丁寧に解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
[https://andplants.jp/products/flower-arrange-yellow-small]フラワーアレンジメントは手作りできる
美しいフラワーアレンジメントは、プロの手によるものも多いですが、実は誰でも手軽に始められます。
もちろん、花に関するさまざまな資格も存在しますが、基本的な技術や知識は資格がなくても習得でき、プロのような仕上がりに近づけられるものです。
例えば、花の種類や色の選び方、配置の基本的なルールを理解するだけで、初心者でも美しいアレンジメントが作れるようになります。アレンジメント教室に通わなくても、知識は書籍やインターネットから簡単に学べます。
そして、なんといってもフラワーアレンジメントには決まった正解がないため、自分の感性や好みを大切にしながら作れることが魅力です。
初めてでも失敗を恐れず「花が綺麗、花が好き」との思いを大切にして、アレンジメント作りを楽しんでみましょう。
関連記事:プロが伝授|フラワーアレンジメントとは|特徴や魅力をご紹介
基礎知識を知ろう|花の特徴
フラワーアレンジメントの美しさを引き立てるためには、花の種類と役割を理解する必要があります。花はそれぞれ異なる特徴と役割を持っており、上手に組み合わせることで、より魅力的なアレンジメントが完成します。
この章では以下の4つの基本的なタイプについて説明します。
- フォームフラワー
- マスフラワー
- ラインフラワー
- フィラーフラワー
それぞれ見ていきましょう。
フォームフラワー
フラワーアレンジメントの中で一番目立つ花、つまりフォーカルポイントとして使われるのが「フォームフラワー」です。フォームフラワーは、存在感と美しさでアレンジメント全体の中心となり、視線を集める役割をします。
ユリやダリア、コチョウランといった、大きくはっきりとした形の花が選ばれます。フォームフラワーの配置によってアレンジメントの焦点が決まるため、バランスを考えて配置することが大切です。
マスフラワー
フラワーアレンジメントで、メインとなる花として使われるのが「マスフラワー」です。丸い形の花や、花弁が集まって一つの花を形成しているものが特徴で、アレンジメント全体にボリュームとバランスを与えます。
カーネーションやガーベラ、バラなどがマスフラワーとしてよく使われる花です。アレンジメント全体の色やテーマに合わせて選ぶことが多く、ボリュームを出したり全体のバランスを見たりして、複数本使用します。
ラインフラワー
フラワーアレンジメントの、横と縦をつなぐラインを決めるために使われるのが「ラインフラワー」です。ライン状で構成された花で、アレンジ全体の形を決めたり、動きや方向性を持たせたりします。
グラジオラスやリンドウ、デルフィニウムなどがよく使われます。少し難しく思える花材ではありますが、ラインフラワーを上手に使うことで、大きく見せたり、動きを見せたりできる花です。ラインフラワーを活用することで、美しくバランスの取れたアレンジメントが出来上がります。
フィラーフラワー
フラワーアレンジメントで、花と花の間の空間を埋めて、全体を調和さえる役割を果たすのが「フィラーフラワー」です。枝分かれして小さな花をたくさんつけていつものが特徴で、アレンジメントにボリュームを与えてくれます。また、間を埋めることにより全体にまとまりとバランスが生まれます。
フィラーフラワーは、かすみそうやスターチス、ブルーファンタジアなどが使われます。フィラーフラワーを選ぶ際には、全体のバランスと色合いを見て選ぶと良いです。
初心者でも簡単に扱える花が多いため、気楽に挑戦できます。
基礎知識を知ろう|色の合わせ方
フラワーアレンジメントを仕上げるためには、色の合わせ方が重要なポイントとなります。色の組み合わせ次第で、アレンジメントの印象や雰囲気が大きく変わるからです。初心者でも簡単に取り入れられる色の基本ルールを知ることで、プロの仕上がりを目指せるでしょう。
以下の3つのポイントをそれぞれ見ていきます。
- 同系色で合わせる
- 反対色で合わせる
- 混合色で合わせる
同系色で合わせる
フラワーアレンジメントを作る際、花の色を同系色でまとめることによって、簡単でありながら美しくまとまりのある仕上がりになります。
同系色とは、色相環で隣り合う色や、同じ色相の濃淡や明暗の違いで合わせるということです。赤系統ならば「赤、ピンク、紫」などを言います。同系色でまとめると安定感がありますね。
お客様からのご要望も、ピンク系や黄色系といった同系色でのリクエストが多く、アレンジメントでは誰もが挑戦しやすい色合わせというイメージがあります。
同系色で花を合わせるときには、違う形や質感を組み合わせると素敵に仕上がります。同じようなものばかり合わせてしまうと、単調になってしまったり、せっかくの花が目立たなくなるからです。
単調になることを避けつつ、統一感のあるデザインになるように注意し、グリーンなどを加えることで、花同士がより引き立ち、バランスの良いアレンジメントが出来上がります。
反対色で合わせる
反対色で合わせると、インパクトが強くなったり華やかさが際立ちます。反対色とは、色彩環で正反対に位置する色の組み合わせです。赤と緑、青とオレンジ、黄色と紫などが反対色になります。
反対色と聞くと「綺麗に仕上がるのかな?」と心配になることがあるかもしれませんが、実はお互いが引き立て合い、強いインパクトを与えるため、アレンジメントをより一層引き立ててくれるのです。
ただしバランスには注意しなければいけません。強いコントラスト同士を組み合わせる際には、一方の色をアクセントとして少しだけの使用量でとどめ、もう一方の色を主役にすることで、全体のバランスが良くなりますよ。要はお互いが喧嘩しないようにすれば良いのです。
反対色でのアレンジメントは、見る人に強い印象を与えるため、特別なイベントやギフトに向いています。
混合色で合わせる
同系色や反対色に限定せず、さまざまな色を取り入れることで、カラフルで元気なイメージのアレンジメントを作れます。
混合色で合わせる際のポイントは、色の配置を意識することです。主役となる色を1〜2色選び、他の色をアクセント程度に少し加えることで、全体的にまとまりが出ます。
アレンジを作る際の下準備
適切な準備を行うことで、作業がスムーズに進み、仕上がりも美しくなります。
- 必要なものを準備する
- 置く場所やデザインを考える
- 吸水性スポンジをセットする
- 花の下処理をする
それぞれ見ていきましょう。
必要なものを準備する
まずは以下の必要最低限の以下のものを準備しましょう。
ハサミ
花器
給水スポンジ
お花をカットするためのハサミは、切れ味の良いものを選ぶことが大切です。切れ味が悪いハサミを使うと、カットした部分が潰れてしまい、水を吸い上げにくくなります。花が早く痛む原因になりかねません。清潔なハサミを使うことは、花の持ちにも影響します。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]花器とは、アレンジメントを飾るための器です。これはどのようなものでも構いません。カゴでもご自宅にあるコップでもなんでも花器にできます。もちろん100均で販売されている、少し深さのある食器でも問題ありません。
作りたいアレンジに合わせて自由に選びましょう。ただし、カゴのように底から水が漏れてしまうものは、給水スポンジをセットする前に、セロハンなどを敷くことを忘れないようにしてください。
出典:DAISO
お花を挿すための給水スポンジを用意します。最近では100均でも販売されているので、まずはそちらを使ってみると良いですね。
出典:DAISO
置く場所やデザインを考える
最初に、置く場所やデザインを考えておくと、アレンジメントがその空間にしっかりマッチします。ダイニングテーブルの真ん中、玄関先など、アレンジメントを置く場所によってデザインが変わります。
テーブルの真ん中に置く場合、どの角度からでもお花が見えるように生ける「オールラウンド」のスタイルで作るのが良いですが、玄関先など、置く場所の背面が壁の場合は、片面から見えるように作る「ワンサイド」のスタイルで良いでしょう。
また、どこに置くかによって大きさも変わってくると思います。置く場所やデザインを考えることで、作業がスムーズに進み、素敵な仕上がりとなりますよ。
吸水性スポンジをセットする
吸水性スポンジは花器の大きさに合わせてカットし、水を吸わせます。もちろんそのままの大きさで水を吸わせて、その後でカットしても良いです。
水を吸わせる際は、正しい方法で行いましょう。水を張ったボウルなどにスポンジを浮かべて自然に沈むのを待ちます。無理に沈めようとすると、表面だけ湿って内側には水が給水されていない状態になってしまうため、注意が必要です。一度このような状態になってしまうと、何時間浸けていても、中まで水は浸透しません。
花の下処理をする
自分の好みの花を用意したら、下準備をします。いらない葉を取り除いたら、花が新鮮で長持ちするように水切りをしましょう。深めのバケツに水を張り、水を張った中で、茎を斜めにカットします。できるだけバケツの深いところでカットすると、水圧の効果で水をたっぷり吸ってくれるようになりますよ。
フラワーアレンジメントの生け方の順番
フラワーアレンジメントにはさまざまな生け方がありますが、特におすすめなのがグリーンを先に生ける方法です。全体のサイズが把握しやすいため、花を美しく生けられます。
- グリーンを生ける
- メインとなる花を生ける
- 脇役となる花を生ける
わかりやすく見ていきましょう。
グリーンを生ける
グリーンを最初に生けることで、アレンジ全体の形や大きさがわかりやすくなるため、初心者には特におすすめです。
セットした吸水性スポンジに、グリーンを挿していきます。グリーンは、アイビーやレモンリーフ、ユーカリなど、枝分かれしているものや、葉が多いものを選ぶと良いでしょう。グリーンを使うことで、自然な広がりやボリュームが加わります。
仕上げたい大きさを意識し、全体のバランスを見ながら、最初に背の高いグリーンを挿して高さを決め、幅も同様に決めていきます。グリーンを指す際には、スポンジが見えないよう覆うようにしていきましょう。スポンジ全体に均等に配置することが大切です。
メインとなる花を生ける
グリーンを生けた後は、フラワーアレンジメントの中心となる、メインの花を配置します。メインとなる花は、全体のデザインを引き立てる重要な役割を果たします。
花を選ぶ際にはバラ、ゆり、ガーベラ、ダリアなど、大きくて目立つ花が良いです。選んだ花を適切な長さに茎を斜めに切りましょう。
長さを決めたらグリーンの間に挿していきます。最初に一番目立たせたい位置に花を挿し、その周りにバランスを見ながら他の花を配置していきます。高低差をつけることで、立体感のあるアレンジが作れますよ。
ここで注意したいのは、ガーベラなどの花は横に2つ並べて生けない方が良いということです。特にガーベラの花芯が黒いものは、2つ並べて生けてしまうと、目のように見えてしまいます。斜めに生けたり高低差をつけて生けたりしてみましょう。
いろいろな生け方がありますが、メインとなる花を生けることで、アレンジメントの中心がしっかりと決まり、全体のデザインが一層引き立つため、初心者でも取り組みやすいです。
脇役となる花を生ける
メインの花を生けた後は、アレンジメントのバランスをよくするために、脇役となる花を配置します。脇役となる花は、メインの花をより一層引き立てる役割をしてくれる花です。
メインの花より少し小さめの花を選びましょう。カーネーションやアルストロメリア、ミニバラなどさまざまな花がありますね。選んだ花を適切な長さにカットして、メインの花の周りに配置していきます。生けていくにつれ、全体的にボリュームが出てきますよ。
もちろん、色のバランスを考えることも大切です。メインの花と脇役の花を上手く組み合わせることで、アレンジ全体が一体感を持ってきます。同系色でまとめると統一感がでますし、異なる色を組み合わせることで、視覚的に引き立ちます。
フラワーアレンジメントを長く楽しむコツ
フラワーアレンジメントを長く楽しむためには、いくつかの基本的のコツを押さえておくことが大切です。適切なケアを行うことで、花の美しさをより長く保てます。
- 水の管理をする
- 置き場所を考える
- 傷んだ花は早めに取り除く
それぞれ見ていきましょう。
関連記事:プロが伝授|フラワーアレンジメントを長持ちさせる方法
水の管理をする
花が新鮮な状態を保つためには、適切な水分補給が欠かせません。アレンジメントを作る際には、吸水性スポンジをしっかり水に浸け、十分に吸水させることが大切です。スポンジが乾燥すると、花が水分を吸水できず、すぐにしおれてしまいます。
スポンジの状態をこまめに確認し、水が減っている場合は、水を追加してください。特に夏は気温が高く、空気も乾燥していることが多いため、水分が蒸発しやすくなります。朝晩2回、水のチェックを行いましょう。
冬は暖房によって空気が乾燥していることが多いため、水分が蒸発しやすいです。夏ほど蒸発速度は早くありませんが、2〜3日に一度はチェックしましょう。
置き場所を考える
アレンジメントの置き場所は、花の寿命に大きな影響を与える要因の一つです。直射日光は避け、エアコンの風が直接当たらない位置が良いでしょう。
強い日差しは花を乾燥させ、しおれやすくなります。また、日光が強すぎると、色褪せや傷みが生じます。エアコンの風は、花や葉の水分が奪われ乾燥してしまうため、注意が必要です。
アレンジメントは間接的な光が当たる明るい場所に置くと良いでしょう。窓辺に置く場合は、カーテン越しの柔らかな光が当たる位置良いですね。
傷んだ花は早めに取り除く
傷んだ花をそのままにしておくと、細菌やカビが発生するため、アレンジ内の他の健康な花にも影響を及ぼす可能性があります。毎日アレンジメントを観察し、花の状態をチェックしましょう。花がしおれていたり、変色していたり、茎が柔らかくなっている場合は、早めに取り除きます。
傷んだ花を取り除く際には、隣の花を傷つけないように、注意しながら行ってください。
フラワーアレンジメントは傷んだ花を取り除いた後も楽しめる
フラワーアレンジメントは、傷んだ花を取り除いた後でも楽しみ方はたくさんあります。
傷んだ花を取り除いた後にできたスペースに、好みの花を追加してみましょう。元のアレンジメントの雰囲気を保ちつつ、新鮮な花を追加することで、華やかさを取り戻します。
傷んでいない花を小さな花瓶やガラスの瓶に移して、別々に楽しむのも良いですね。メインの花がある時には脇役でしかなかった花も、単体で見ると美しさが引き立ちます。キッチンカウンターや寝室など、さまざまな場所に小さな花瓶を飾ることで、空間ごとに違う雰囲気を楽しめますよ。
花の魅力を最大限に引き出し、長く楽しんでみてください。
[https://andplants.jp/products/amabro-mini-vase-two-tone-blue-green]まとめ
花には、さまざまな資格もありますし、作り方もそれぞれです。しかし、基本的な知識とコツを押さえることで、誰でも楽しく美しく作れます。
この記事でご紹介した作り方は、一つの例にすぎません。ただ、初心者がアレンジメントを作る場合は、グリーンを最初に生けて全体像を把握することが一番簡単だと思います。
この記事を通して基本的な知識を入れた後は、まず自分らしく花と関わってみてほしいです。本当に美しく作る方法は「花を楽しく生ける」ことだと思います。
これらのポイントを参考に、自分だけの素敵なフラワーアレンジメントを作ってみてくださいね。