初心者にも人気のパキラですが、葉がたくさん増えたり、枝がぐんぐん伸びたりして困っていませんか。
観葉植物を初めて育てる方ほど、枝葉を剪定することに抵抗を持つと思います。しかし、適切に剪定しないと、形が崩れるだけでなく生育が悪くなることも。
今回は、パキラの剪定について詳しく解説します。いつまでも綺麗で元気なパキラを維持するためにも、ぜひ剪定をして育ててください。
パキラを剪定する際は、植物専用の切れ味のよい剪定バサミを使用してください。安価なハサミですと、大切なパキラを傷つけてしまうことも。プロも使用する剪定バサミは下記ページよりお求めください。
[https://andplants.jp/products/sakagen-flower-shears]パキラを剪定する理由
生育期の5月~10月にパキラは、枝葉をぐんぐん伸ばします。枝葉が茂ると葉のボリュームも増えて嬉しいですが、適切な剪定をしなければ見た目や生育が悪くなる可能性があります。
パキラを剪定する理由は以下の3つです。
- 美観を整える
- 病害虫を予防する
- 生育不良をリセットする
①美観を整える
パキラの剪定は、美観を整える目的があります。生育期の5月以降は、新芽が伸びやすくパキラの形が崩れやすいためです。
こんもりと丸く茂っていたパキラは新芽が伸びることによって、いびつな形になることもあります。パキラの美観を保つためには、伸びすぎた枝を全体のバランスを見て剪定してください。
飾る場所にあった形に剪定してあげることで、常に美しいパキラを楽しむことができます。
②病害虫を予防する
パキラの剪定は病害虫を予防する効果があります。枝葉が密集して風通しが悪くなると、病気や害虫の発生につながるためです。
枝葉が茂り過ぎたら、密集している枝や重なり合った葉を優先的に剪定します。全体のバランスを見ながら、美観を損ねないように剪定することがポイントです。
茂った枝葉の中まで風や光がとおるようになると、病気の原因になる菌が滞留することもなく、害虫も発見しやすくなるでしょう。
病害虫は発見が遅くなるほど、症状が深刻になるので、剪定を行うことは重要です。
③生育不良をリセットする
剪定は生育不良をリセットする役割もあります。パキラを育てていると、枝先が枯れてきたり葉色が悪くなってきたりすることもあるでしょう。
そのように生育不良の状態になったら、その部分を剪定してください。状態が悪い部分を剪定して取り除くだけで、他の枝葉に影響を与える可能性を下げることができます。
また、剪定した枝の切り口の下から新しい枝が伸びて、元通りになることも多いです。状態が悪い枝葉は、早めに剪定してリセットすることをおすすめします。
パキラを暗い場所に置いて、間延びして形が悪くなった場合は、すべての枝葉を剪定して丸坊主にするのもアリです。剪定する枝の根元の節をわずかに残してすべて切り落とします。
その後、日当たりのよい明るい窓際に置いておくと、綺麗に枝葉が出てきて間延びした姿をリセットすることが可能です。
パキラの剪定時期と切る場所
パキラを剪定する理由がわかると、剪定する時期と枝の切る場所について気になりませんか。パキラの剪定時期と切る場所を解説します。
5月~9月に剪定
パキラの剪定時期は5月~9月の晴れている日です。気温の上がる時期であれば生育が活発なので、すぐに新芽も出てきて剪定の傷みも少なくて済みます。
さらに、晴れた日であれば、空気中の湿度も低く病原菌が切り口に付着することも少ないです。雨が降って湿度の高い時期は、切り口も乾かず病原菌が付着しやすいので剪定後に枯れ込む恐れがあります。
気温が下がり始める10月以降の剪定には注意してください。気温が低いと生育が緩慢になり、剪定してもすぐに新芽が出ずに切り口から枯れる恐れがあるためです。
もし気温の下がる秋以降に剪定する場合は、最低温度が15℃以上をキープした状態にしてください。暖房を付けたり消したりする環境では、剪定を行わない方が安心です。
成長点を残して剪定
パキラの枝を剪定する場合は、成長点を残して切ることがポイントです。パキラの枝には、成長点と呼ばれる部分があります。
枝の節部分にある膨らみのことであり、その部分から新芽が出てくるので、節部分を残して剪定してください。成長点を残さずに剪定すると、新芽が出ない可能性が高いので注意します。
木の幹のように木質化している枝は新芽が出にくいので、若く太い枝の節を残すとよいでしょう。小さなパキラでは、若い枝が1本しか出ていない場合もあります。
筆者が園芸店に勤めているときのお客様は「木質化した幹部分まで成長点を残さずに切ったら、新芽がなかなか出ずに枯れた」とも話されていました。小さな株であっても、若い枝は節が残るように剪定してください。
パキラの剪定方法
パキラの剪定に必要な道具や剪定手順について紹介します。正しい剪定方法を行うことで、パキラを元気に育てることができるでしょう。
パキラの剪定に必要な道具
パキラの剪定に必要な道具は以下の3つです。
パキラの樹液には有害な物質はありませんが、剪定ハサミの刃で怪我しないように安全のため手袋はしておきましょう。癒合剤とは、パキラの枝を切った後に切り口に塗る薬です。
切り口から病原菌を防ぐ役割があります。癒合剤の種類によっては、殺菌効果も含まれているものもあるため、殺菌効果も含まれているものがおすすめです。
パキラの剪定手順
パキラの剪定に必要なものを準備したら、剪定に挑戦してみましょう。以下の3つの手順で行います。
- パキラの剪定位置の節を確認
- 節が残るように剪定
- 切り口に癒合剤を付ける
全体のバランスを見ながら、パキラの枝の節を確認して短めに剪定してください。枝葉が密集している部分を風通しがよくなるように剪定します。
枝を長く残してしまうと、その頂点から新しい枝が伸びて、形が不格好になりやすいです。剪定後に枝が伸びることも考えて短めに剪定すると、その後の形がよくなります。
節のやや上で切って、切り口に癒合剤を付けることで、剪定後の枯れ込みも少なくなるでしょう。
パキラの剪定後の育て方
パキラの剪定後は、葉が減ってすっきりしていることが多いです。また、状態をリセットするために、枝葉を丸坊主にしている方もいるかもしれません。
剪定後に新芽が綺麗に出るためには、その後の育て方が重要です。パキラの剪定後の育て方について以下の4つのポイントに絞って解説します。
- 置き場所と日当たり
- 温度
- 水やりの頻度
- 肥料
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置き場所と日当たり
パキラは日当たりのよい環境を好みます。ただし、夏の直射日光や西日の強い光に当たると葉焼けしやすいので、注意が必要です。
剪定後に出てきた新芽に、直射日光が当たると葉焼けする可能性があるので気を付けます。直射日光の当たらない明るい室内や、窓際であればレースカーテン越しの柔らかい光に当てて育ててください。
温度
パキラは寒さに弱い観葉植物です。最低10℃以上をキープして育てましょう。
もし屋外の明るい日陰で育てている場合は、気温の下がる秋には暖かい室内に移動させます。室内であっても窓際は、屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離しておくと管理が簡単です。
また、冷暖房がパキラに直接当たると急激な乾燥によって、出てきた新芽が枯れる恐れがあります。そのため、冷暖房の風がパキラに当たらない明るい場所に置くことが重要です。
水やりの頻度
- 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
- 秋冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2~3日後
パキラは水を好む植物です。生育期の春夏は土の乾燥が早いので水切れに気をつけましょう。春夏は手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)、鉢底から水が流れるくらいにたっぷりと水やりをしてください。
しかし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になるので注意が必要です。秋から土の渇き具合を確認しながら、冬は土が乾いてから2~3日後に水やりしてください。
冬は室内の温度がしっかり上がったタイミングで、水やりをします。気温の低い時間帯に水やりや葉水を行うと逆効果になるので気を付けましょう。
肥料
パキラの新芽を多く出したい場合は、土に混ぜている緩効性肥料とは別に即効性のある液体肥料を水に薄めて水やり代わりに与えてください。また、即効性のある置き肥も効果的です。
置き肥は2か月に1度。液肥は2週間に一度のペースで与えてください。肥料は与えすぎると根痛みの原因になるので、適切な量を与えます。
冬はパキラの生育が緩慢になるので、肥料は与えません。置き肥も取り除いてください。
余談|剪定した枝は挿し木できる
パキラは挿し木で増やすことができます。そのため、剪定で切り落とした枝を使って挿し木してみてはいかがでしょうか。
挿し木も剪定と同様に5~9月に行うことができます。剪定した枝を10~15㎝にカットして葉を2~3枚または半分にカットしてください。
その後、水を溜めた容器に切り口を浸して1時間ほど吸水させます。吸水後に挿し木用の土に挿して、土が乾燥しないように管理すると1ヶ月ほどで発芽と発根して増やすことが可能です。
パキラは水挿しでも簡単に増やせるので、剪定した枝を水に溜めた容器に入れておくだけで発根することもあります。そのまま、水栽培を楽しんでもよいでしょう。
ただし、パキラの葉柄には成長点がないため、葉柄だけでは新芽が出ません。必ず枝を挿し木してください。
パキラの剪定によくある質問
最後にパキラの剪定によくある質問とその答えを以下にまとめました。
- パキラの剪定をしないとどうなる?
- 編み込みパキラの幹が1本枯れた時の剪定方法は?
- パキラはバッサリ剪定しても大丈夫?
それでは具体的に見ていきましょう。
パキラの剪定をしないとどうなる?
パキラの剪定をしないと、見た目が悪くなります。新しい茎がぐんぐん伸びて葉を茂らせるので、幹に近い部分は葉が無くなり、全体的なバランスが悪いです。
また、葉が茂るほど風通しが悪くなります。結果的に病害虫が発生して生育不良になる可能性も。
パキラを健康的に育てるためにも、剪定はこまめに行い元気に育ててください。
編み込みパキラの幹が1本枯れた時の剪定方法は?
編み込みパキラの幹が1本枯れた時は、幹の先端から剪定ハサミやノコギリを使って切り取ってください。ただし、枯れたばかりで編み込まれた幹に隙間がない場合は、時間を置きます。
1本だけ調子が悪く枯れたばかりでは、幹と幹の間に隙間がありません。そのため、剪定ハサミやノコギリで他の幹を傷つけてしまう可能性があります。
枯れた幹が乾燥して隙間が出てきたら、他の幹を傷つけないように優しく上から順に切り取りましょう。最後には、幹の根元を引き抜くようにして取ってください。
その後は、編み込みに幹一本分の隙間ができますが、成長するので安心してください。幹を引き抜いた分の土を足してあげるとよいでしょう。
パキラはバッサリ剪定しても大丈夫?
パキラは、生育期の5月~9月であればバッサリ剪定しても大丈夫です。ただし、枝の付け根部分の成長点を残してください。
幹の部分まで剪定してしまうと、枝の成長点が無くなります。若い幹であれば新芽が出てきますが、木質化している古い幹では新芽が出ずに枯れるかもしれません。
そのため、樹形をリセットするためや、病害虫で傷んだためにパキラをバッサリ剪定する場合は、根太の付け根部分の節は残して切りましょう。
まとめ
パキラは手のひらのような葉を広げる人気の観葉植物です。パキラを育てていると、生育期にどんどん枝葉を伸ばして形が崩れてくることも多いと思います。
大きくなりすぎて困ったり、病害虫が発生したりする場合は、剪定をしましょう。伸ばしっぱなしではパキラの生育が悪くなるので、注意してください。
初めてパキラを剪定する方にとって、切る作業はドキドキするかもしれません。しかし、自ら剪定をして、パキラが綺麗になると非常にうれしい気持ちになるはずです。
剪定を行う際は、必ず観葉植物専用の切れ味のよい剪定バサミを使用しましょう。下記剪定バサミは、持ちやすく、人間工学的にも優しい商品としてGood Design賞を受賞しています。
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