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胡蝶蘭の水やり|基本の方法や季節ごとの頻度

胡蝶蘭の水やり|基本の方法や季節ごとの頻度

上品な花と豪華な出立ちが魅力の胡蝶蘭。

1ヶ月〜3ヶ月と長い間花を楽しめるのが特徴で、フォーマルでもカジュアルでも定番のフラワーギフトです。水やりは10日前後に1度と頻度も少なく、慣れれば管理も楽。コツを掴めば花も毎年楽しめます。

しかし、他の植物や鉢植えとは水やりの頻度や方法が違うために、水やりに失敗して枯らしてしまった…というケースも少なくありません。

そこで今回は、胡蝶蘭の水やりの基本をご紹介します。胡蝶蘭の水やりのポイントを理解して、胡蝶蘭を長く楽しんでみませんか。

胡蝶蘭の特徴と性質

胡蝶蘭の水やりにおいてポイントなのは、以下の3つの性質です。

  • 着生植物のため、根は常に空気に触れている
  • 少ない水分と養分で生きられる
  • 乾燥に強い

胡蝶蘭の自生地は、主にアジアの熱帯地域です。

森林は地面に日光が届きにくいため、胡蝶蘭は樹木の上部にくっついて育つ着生植物として繁殖してきました。根を樹木の幹に這うように伸ばし、雨や空気中から水分と養分を得て成長しています。

根の表面を覆う細かい毛は、わずかな水分を逃さず効率的に吸収し、日光や風による水分の蒸散も防ぎます。表皮の下には水分を蓄えるための厚い多肉層があり、その中に根の芯があります。

胡蝶蘭には、少ない水分と養分を上手に吸収して蓄え、乾燥に耐える性質があるのです。

以上の性質を踏まえながら、水やりのコツをみてみましょう。

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胡蝶蘭の水やり|基本のやり方

まずは基本の水のやり方です。

  • 水苔が乾いたら水やりをする
  • 水の量はコップ一杯分
  • 鉢皿の水は捨てる
  • 霧吹きで葉水をする

胡蝶蘭の根は本来、常に空気に触れています。さらに多肉層の多い胡蝶蘭の根は、水分を蓄えて乾燥に強い反面、過湿な環境では根腐れしやすいという特徴があります。

特に鉢植えという環境は、過湿になりやすく酸素も少なくなりがち。鉢の中が湿った状態が続くと、一気に調子が悪くなってしまいます。

これらを念頭に置いて、水やりをしてみましょう。

①水苔が乾いたら水やりをする

贈答用などの胡蝶蘭のほとんどは、水苔に植えられています。水苔は水持ちが良く、ほどよく胡蝶蘭の根に水分を届けてくれます。しかし水苔が常に湿り続けていると、根の多肉層が腐って根腐れを起こします。

水やりの目安は、指で水苔を押してみて、湿り気を感じなくなった頃が頃合いです。

だいたい10日前後が目安ですが、表面が乾いていても中は乾いていないこともあります。必ず触って確かめましょう。

②水の量はコップ一杯分

1株に対して、コップ一杯分(150cc)が適量です。

贈答用の胡蝶蘭はいくつかの株を寄せ植えしてあります。表面に飾り苔などが貼られているので見えにくいですが、苔を少し剥がしてみると1株ごとポリポットに植えられているのが分かります。

ひとつひとつのポットの中にしっかり水が入るよう、株元を狙って水をあげてください。ポットの中の水苔にまんべんなく水が浸透するように気をつけましょう。

お水やりのタイミングがなかなか難しく、失敗したくない方は下記水やりチェッカーがおすすめです。

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③鉢皿の水は捨てる

水やりをすると、鉢皿に余分な水が出てきます。これをほったらかしにしておくと、根腐れの原因になってしまいます。

水やりをしてから10分ほど経ったら鉢皿を確認して、水を捨てましょう。

水やりをするときは別の鉢皿やバケツに入れて、しばらくしてから飾り用の鉢皿に置くのもおすすめです。鉢皿に水を貯めにくくなると同時に、余分な水分と一緒に出てくる苔のカスなどで鉢皿が汚れるのを防げます。

④霧吹きで葉水をやる

乾燥する冬や、エアコンの効いた部屋などに置いている場合は、水やりと一緒に葉水を行うのも効果的です。

花に水がかからないよう気をつけながら、霧吹きで葉の表と裏にまんべんなく水をかけます。最後に葉に水がたまらないよう、表面を軽く拭き取ります。胡蝶蘭は夜間に葉の気孔を開く性質があるため、葉水は気孔が開いている朝10時までに行うのが望ましいです。

葉水には少しぬるめの水を使います。手で触って少しぬるいと感じる30℃くらいが適当です。特に冬は水温が冷たくなりすぎないように気をつけましょう。

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胡蝶蘭の水やり|季節ごとの頻度と時間帯

水やりの頻度は、季節ごとによっても少し違いがあります。

  • 春・秋|10日に1回
  • 梅雨|10〜15日に1回
  • 夏|2〜3日に1回
  • 冬|2週間に1回

しかし日数はあくまでも目安です。置く場所や環境によっても違いがあるので、必ず水苔を触ってみて乾いているのを確認してから水やりしてください。

ではくわしく見てみましょう。

春・秋|10日に1回

胡蝶蘭の栽培適温は20度前後。春や秋の日中は、胡蝶蘭にとって過ごしやすい季節でもあります。ただし急に暑い日が続いたときなどは、水苔の様子を確認しながら水やりをしましょう。

水やりの時間帯は、気温が上がってきた10時頃がベストです。日中に比べて夜間は冷えることも多いこの季節は、夜に水やりをすると弱ることがあるので避けましょう。

梅雨|10〜15日に1回

湿度の高い梅雨は、春に比べて水苔が乾きにくくなる傾向があります。水苔の湿りをしっかり確認してから水やりをしてください。

同時に、梅雨に入るとエアコンを使用することも増えてきます。エアコンを使うと室内は乾燥するので、水苔が乾きやすくなります。季節の変わり目は栽培環境も変化しやすいので、水やりの頻度も臨機応変に行いましょう。

夏|2〜3日に1回

春から梅雨の頻度で水やりを行っていると、乾かしすぎになることがよくあります。葉だけの株は成長期にも当たるので、乾かしすぎないように確認の頻度をあげましょう。

2〜3日に1回はあくまでも目安で、エアコンの使用頻度や室内の湿度によって日数は変わります。水苔の様子を確認しながら、水やりのしすぎにも気をつけてください。

時間帯は、暑くなりすぎない朝9〜10時頃までに行うのがおすすめです。

冬|2週間に1回

冬は水苔が乾きにくくなるため、水やりの頻度を少なくします。しかし地域や暖房の使用頻度によっては乾燥しやすい場合もあります。やはり10日前後を目処に水苔の確認をしてみてくださいね。

なお、冬の水温は胡蝶蘭にとっては冷たすぎるため、ぬるま湯で水やりするのがおすすめです。

時間帯は気温が上がってきた10時以降が適しています。気温が下がり始める夕方以降は避けるようにしましょう。

胡蝶蘭の水やり|状態ごとの違い

季節だけでなく、株の状態によっても水やりの頻度ややり方が違います。特に気をつけるべきなのは以下の3つのとき。


  • 植え替え後
  • 花芽が出たら
  • 開花中〜花が終わったら

ではひとつひとつ見てみましょう。

植え替え後

普通、植物を植え替えたあとはたっぷり水をやるのが基本です。しかし胡蝶蘭の場合、植え替え後にすぐ水をやると弱り、根腐れを起こすことがあります。

植え替え後は少なからず根が傷つき、負担がかかっています。ここに水を与えることで余計に負担を増やしてしまいます。

適期の春なら2週間程度、夏場なら1週間ほど置いてから水やりしましょう。その後も1〜2ヶ月は水やりの頻度を少なくして乾かし気味に育てます。

花芽が出たら

通常花芽は、休眠期の11〜12月頃に少し顔を出します。2枚目の葉の間から、緑色の芽を出しているのが花芽です。その後冬はあまり成長せず、気温が高くなってきた4〜5月頃にどんどん伸ばし始めます。

花芽が伸び始めてからは、水をよく使います。そのため、急に水苔が乾く頻度が高くなることがあります。花芽が伸び始めているようなら水苔の状態チェックをこまめに行い、乾いていたら水やりをしましょう。

開花中〜花が終わったら

花が開いたら、水を切らさないように注意しましょう。水苔を指で押してみて、湿り気を感じなければ水やり時です。

花が終わったあとは、水のやりすぎに気をつけます。茎を残して二番花を咲かせる場合は、茎の成長に水を使います。開花中と同じような間隔で、乾いたらあげるのを繰り返します。

一方、来年の花に備えて花茎を切り、葉だけになった株は休眠期に入ります。水やりは開花中よりも少し間隔を空けるイメージですが、空けすぎには気をつけてください。

胡蝶蘭の育て方

胡蝶蘭の基本の育て方を以下5つのポイントで解説します。

  • 置き場所・日当たり
  • 温度
  • 肥料
  • 剪定
  • 植え替え

温度や湿度の管理が難しそうなイメージがありますが、基本的には人間が快適に思う環境を好みます。気温差や乾燥に気をつければ、基本は難しくありません。

なお、お祝いなどでもらった胡蝶蘭は、できるだけ早めにラッピングを外しましょう。ラッピング材は蒸れやすく、根腐れの原因にもなります。

それでは見てみましょう。

関連記事:胡蝶蘭の育て方

置き場所・日当たり

胡蝶蘭は本来樹木の幹に着生して、木漏れ日の当たる場所で育ちます。そのため、直射日光は苦手です。直射日光の当たらない、レースカーテン越しの窓際などに置きましょう。

また、風通しの良い場所を好みますが、エアコンや扇風機の風が直接当たる場所では弱ってしまいます。エアコンの風が当たらない場所が理想です。

温度

胡蝶蘭の栽培適温は、基本は昼間は25℃、夜間は18℃の場所がベストと言われています。

春・秋は室内で十分適温です。

夏、開花中の場合は、同じように18〜25℃の室内で育てます。一方、葉だけの株の場合、夏は成長期にあたります。25℃以上33℃以下の暖かい場所に置いて株を充実させましょう。

冬はなるべく10℃以上で育てます。夜間に窓際などに置いていると低温障害になることがあるので、夜は部屋の内部へ移動するのがおすすめです。

肥料

肥料は、元気な株の成長を助けるために施します。休眠期の冬や株の調子が悪い時に施すと、株をさらに弱らせる原因になります。また、あげすぎも根腐れを起こすので注意が必要です。

5月頃から10月頃にかけて、ラン専用の液肥を薄めたものを水やりの代わりに施します。

夏に33℃を超えるような猛暑が続く場合、肥料は一旦やめましょう。10月以降肌寒くなってきたら肥料をあげるのはやめて、通常の水やりに切り替えます。

剪定

花が終わったあと、葉にツヤがあって元気そうならシーズン内にもう一度花を咲かせることができます。節を2〜3節残した位置でカットしましょう。

来年の花に備える場合は、花茎を根元からカットします。

どちらの場合も、すべての花が完全に終わる前に切り戻したほうが株の体力消耗を抑えられます。3〜4個ほど花が残っている時点でカットし、切り花として楽しむのがおすすめです。

植え替え

贈答用の胡蝶蘭の花が終わったら、一度植え替えをしましょう。

ポリポットでは蒸れやすく根腐れも起こしやすいため、通気性の良い素焼きの鉢に植えると管理が楽です。水苔栽培のほかにはバーク栽培や、自然の着生状態に近い板付栽培などでも育てられます。

また、根腐れを起こしたときも植え替えは有効です。黒くスカスカになった根を取り除いて、植え替えましょう。

植え替え後は、前述のように1〜2週間置いてから水をあげるようにします。

関連記事:胡蝶蘭の植え替え|失敗しない7つのコツを紹介

胡蝶蘭の水やりについてよくある質問

ここからは、胡蝶蘭の水やりについてよくある質問とその答えを掲載します。

  • 水不足の症状とは?
  • バークや板付で育てる場合の水やりは?

ではひとつずつ解説していきましょう。

水不足の症状とは?

葉がしわしわになったり萎びてきたら、水不足のサインです。

また、葉が薄くなってきた時も水が足りていません。胡蝶蘭は葉にも多肉層を持っていて水分を蓄えていますが、根から十分に水分を補給できないときは葉の水分を使うため、葉に変化が出ます。

水を与えているのに葉の調子が悪い場合は、根腐れしている可能性があります。根腐れは根が黒く変色しているので、根の様子で水不足と見分けることができます。

バークや板付で育てる場合の水やりは?

バークでの栽培は、胡蝶蘭本来の着生状態に近く、排水性が高いのが特徴です。しかしその分保水力が弱く、水切れを起こしやすくなります。バーク栽培では水やりの頻度を上げましょう。

板付で育てる際の水やりは、鉢で育てるよりも根腐れのリスクが減ります。水苔の渇き具合や根が鉢植えより乾燥しやすいからです。ただし、水切れしやすいのでこまめに水やりを行い、特に冬は葉水もしてあげましょう。

まとめ

胡蝶蘭の水やりは難しいようですが、基本は「水苔が乾いたら水やりをする」です。この感覚を掴むことができれば、栽培は案外難しくありません。水苔は触れば渇き具合が分かりやすいので、必ず触って確かめましょう。

季節の変わり目は人間も体調に変化が出がちですが、植物にとっても同じ。エアコンをつけたくなるなど室温に変化を感じたら、水やりの頻度を見直すタイミングです。

胡蝶蘭の様子を楽しむとともに、気温の変化と水苔の渇き具合をこまめにチェックしながら育ててみてくださいね。

西山藍子(nishiyama ranko)
植物好きの母が育てる植物たちに囲まれて育ちました。 大学で美術を学んだ後、毎日植物に囲まれたくて花屋に勤務。 主にブライダルフラワーを担当し、ひとりひとりに似合うお花を見つけるお手伝いをしてきました。 その後ガーデニングショップに勤務して庭づくりを学び、現在は田舎で育児をしながら、花や植物に関する記事を書いています。 さまざまなライフスタイルに合う植物との暮らしを提案していけたらと思います。