複数の観葉植物を収集していると、まるでコレクターのような感覚になることもありますよね。次に新しいものがどんどん欲しくなり、次第に人気の定番品種だけでは満足ができず、珍しい観葉植物が欲しくなることも。
部屋のインテリアも個性的で印象深くコーディネートしたいと思う方も、珍しい観葉植物を置いておしゃれに仕上げることもあるでしょう。
珍しい観葉植物は種類や品種だけでなく、樹形を人の手によって変形させた一品ものもあり、手に入りにくくて価値があります。
今回は珍しい観葉植物の特徴と、室内で育てやすい&一品ものの珍しい種類を紹介します。自宅近くのお店では販売しているけど、実はほかのお店ではあまり販売していないものも、意外と多くあったりします。ぜひこの記事を参考にして、宝探しのように珍しい観葉植物を見つけてみてくださいね。
[https://andplants.jp/collections/plants_variegate]珍しい観葉植物の特徴とは
「珍しい」といわれる観葉植物は、育てる時間と手間がかかるものや、育てにくいような種類や品種が多く該当します。そのため市場に出回ることが少なく、珍しいといわれるようです。
観葉植物で人気のゴムの木は、タネから育てなくても挿し木や葉挿しで簡単に増やせるため、生産者である農家さんもたくさん栽培しています。
一方で、タネから育てるのが難しいといわれるココナッツなどは、栽培する農家さんも少なく、必然的に市場に出回りにくいかもしれません。
ほかにも大型に生長した観葉植物や、樹形を変えてさらに手間をかけたものも珍しい場合もあります。
しかし日本で人気、あるいは海外で人気な観葉植物は、どちらか一方ではあまり見かけないことも。
個人的な感覚にはなりますが、日本で人気のフィカス・ウンベラータは、筆者がいるカナダではあまり人気がないせいか、販売しているところも少ないです。そのため、お店でたまたま見かけたときは珍しく感じます。また、カナダで人気のフィカス・リラータは、日本ではあまり見かけにくい気もします。
住む場所や地域によっては、その植物の珍しさが変わるかもしれませんね。
室内でも育てやすい珍しい観葉植物5選
一体どんな観葉植物が珍しいのか、とても気になりますよね。珍しい種類や品種をもっていれば、その分愛着がさらに湧いてグリーンライフも楽しくなるでしょう。
ここでは、室内でも育てやすい珍しい観葉植物を5つ紹介します。
- クルシア・ロゼア・プリンセス
- ココヤシ
- ザミオクルカス・ザミフォーリア
- フィカス・ベンジャミナ・バロック
- ドラセナ・デレメンシス・コンパクタ
①クルシア・ロゼア・プリンセス|ピンクの花が咲く珍しい植物
日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光は避ける) |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
なめらかな手触りの灰色の幹から、厚みのあるつややかな緑やライムグリーンの枝葉を伸ばすクルシア・ロゼア・プリンセス。「フルーツ女王」と呼ばれるマンゴスチンの仲間で、年に2回ほど丸い多肉質な白とピンクの花を咲かせます。葉を観賞する観葉植物の中で、立派な花も観賞できるのは珍しいことといえます。
枝葉がつるのように長く伸びるクルシア・ロゼア・プリンセスは、直射日光を避けた明るい場所で育てると、鮮やかな葉がよく出るようになります。極端な暑さと寒さには弱いため、25〜35℃の気温になる場所で管理しましょう。
生命力が強いため、基本的には用土の質は選びませんが、赤玉土と腐葉土を混ぜ合わせた水はけの良い土で育てるのがベストです。
[https://andplants.jp/collections/clusiarosea] クルシア・ロゼア・プリンセスの育て方はこちら②ココヤシ|フォルムが特徴的で珍しい
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低15℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の中が乾いてから3〜4日後 |
生長スピードがゆっくりで大型のサイズになるココヤシ。四季がある日本ではタネを発芽させて大きく育てるのが難しく、お店で販売しているとこも少ないようです。育ててみたいと思う方は、見つけ次第購入するのがベストかもしれませんね。
植木鉢からむき出しになった大きな種は、1つのモニュメントのような雰囲気があります。種の割れ目から伸びる根と茎との姿はユニークさがあり、家具の横や窓の正面に置けば、ハイセンスな仕上がりになります。
基本的には難しい管理がないココヤシですが、根が湿気とカビによって病気にかかりやすいので、過湿にならないように水はけの良い土で育てるようにしましょう。
植木鉢に植え付ける前に腐葉土か赤玉土、ピートモス、ココナッツファイバーを混ぜて、排水性・通気性・保水性を良くします。
表面の土が乾いて白っぽくなったら、水をたっぷりと与えてくださいね。
[https://andplants.jp/collections/palmtree] ココヤシの育て方はこちら③ザミオクルカス・ザミフォーリア|変わった葉っぱが珍しい
日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光は避ける) |
温度 | 最低5℃以上をキープする(15℃を切ってきたら屋内に取り入れる) |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いたら 秋冬:土の中が乾いてから3〜4日後 |
厚みのある濃緑の葉が、葉軸から一直線で並ぶように展開するザミオクルカス・ザミフォーリア。きらびやかな光沢のある葉はシックな雰囲気があり、物珍しさを感じます。
品種違いの葉が黒い「ザミオクルカス・レイヴン」は比較的高価ですが、まだまだ店頭に出回っているところも少ないため、さらに珍しい観葉植物かもしれません。
日陰にとても強いザミオクルカス・ザミフォーリアは、暗くなりがちな部屋に向いた観葉植物です。地面の中にあるジャガイモのような根と多肉質な葉は、水タンクの役割をしているため乾燥にもとても強く、枯らすのが難しいといわれることも。
多湿な環境では、根腐れや病気を起こしやすく枯れてしまう場合もあるので、水やりは極力控えましょう。
[https://andplants.jp/collections/zamioculcas] ザミオクルカスの育て方はこちら④フィカス・ベンジャミナ・バロック|カールを巻いたおしゃれな葉
日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光は避ける) |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
くるくるとカールを巻いたライムグリーンの葉が、ユニークでかわいいフィカス・ベンジャミナ・バロック。細く軽やかに伸びる幹に葉が無数に伸びるので、小さくても印象のある個性的な部屋が再現できます。葉が丸まらない「フィカス・ベンジャミナ」とは違って珍しさがあり、部屋に1つは置いておきたい観葉植物ですね。
インドや東南アジアを原産とするフィカス・ベンジャミナ・バロックは、日光がよく当たる場所で育てるのが最適です。日当たりが悪いと葉が落ちてしまう場合もあるので、できるだけ春から夏の間はたくさん陽の光に当ててくださいね。
生長期の春から秋にかけては水をたくさん必要とするので、土が乾いて表面が白っぽくなったら水をたっぷりと与えましょう。特に夏場は水切れを起こしやすいので、土の中の乾燥している状態が長く続かないよう注意します。
[https://andplants.jp/collections/benjaminabarok] フィカス・ベンジャミナ・バロックの育て方はこちら⑤ドラセナ・デレメンシス・コンパクタ|大型の木は入手しにくいことも
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
なめらかな曲線を描きながら空へ伸びるドラセナ・デレメンシス・コンパクタ。幹の先から展開するしわのある濃緑の葉は王冠のような姿になり、個性あふれる部屋がつくれます。小型サイズのものは店頭で見かけるものが多いですが、大型になるまで時間がかかるため、枝分かれして美しい樹形に仕上がった大きなものは、珍しくて価値があります。
生長スピードが比較的ゆっくりなドラセナ・デレメンシス・コンパクタは、水をたくさん与え過ぎてしまうと根腐れを起こしやすいです。土の表面が乾いて白っぽくなったら、水をたっぷりと与えましょう。
また、強い直射日光には弱く葉焼けを起こしやすいので、レースカーテンで遮光した明るい日当たりの良い場所で管理するといいです。
[https://andplants.jp/collections/dracaenaderemensis] ドラセナ・デレメンシス・コンパクタの育て方はこちら一品ものの珍しい観葉植物3選
珍しい観葉植物は種類や品種だけでなく、樹形を変形させて美しく仕立てた一品ものにも価値があります。中には人気の定番品種でも盆栽のように樹形を変えることによって、価値が上がり珍しさも生まれます。
ここでは当店ANDPLANTSが扱う一品ものの珍しい観葉植物を3つ紹介します。
- フランスゴムの木(まがり)
- ユッカ・エレファンティぺス(まがり)
- フィカス・リラータ・バンビーノ(まがり)
ぜひ部屋のインテリアになじむようなおしゃれなものを見つけてみてくださいね。
①フランスゴムの木(まがり)|らせん状の樹形がおしゃれ
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
鮮やかな緑の小さな葉をたくさん出し、こんもりとした姿になるフランスゴムの木。スムーズは肌触りで白味がかった灰色の幹を、なめらかな曲線を描くようならせん状に仕立てた「まがり」は、室内のおしゃれなシンボルツリーになります。
フランスゴムの木は、オーストラリアを原産とする暑さや乾燥に強い樹木です。日陰にも強いため、窓際から離れた場所でも元気に育ちます。
ただし、エアコンなどの風が直接当たるような場所で管理すると、葉が乾燥しやすく、ハダニやカイガラムシなどの害虫が付きやすくなるので注意しましょう。
[https://andplants.jp/collections/ficusrubiginosa] フランスゴムの木の育て方はこちら②ユッカ・エレファンティぺス(まがり)|室内で育てやすいサイズ
日当たり | 日当たりのよい置き場所 |
温度 | 最低0℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の中が乾いてから2〜3日後 秋冬:土の中が乾いてから4〜5日後 |
茶色くて太い幹がくの字に曲がったユッカ・エレファンティペス。くせのある樹形は力強さも感じつつ、通常の真っ直ぐと伸びるものよりも遊び心を感じます。幹の先端に剣(つるぎ)のような鋭くとがった葉が、扇を開くように展開する姿も個性的で味があります。
真っ直ぐと伸びるユッカ・エレファンティぺスは背が高過ぎて持ち運びにくかったり 、場合によっては天井に付いてしまったりすることもあります。まがりであれば、バランスのとれた重さで移動がしやすく、コンパクトなので狭い室内でも置きやすいです。
ユッカ・エレファンティペスをはじめとするユッカ属は、筆者がいるカナダに自生する品種もあり、基本的には寒さに耐性があります。そのため、秋の時期までなら外で管理することもできますよ。
[https://andplants.jp/collections/yucca] ユッカ・エレファンティペスの育て方はこちら③フィカス・リラータ・バンビーノ(まがり)|自分好みの樹形に仕立てられる
日当たり | 日当たりのよい置き場所(直射日光は避ける) |
温度 | 最低10℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の中が乾いてから2〜3日後 |
地面からザラザラとした茶色い幹が、緩やかなカーブを描きながら空へ伸びたフィカス・リラータ・バンビーノのまがりタイプ。うねるような濃緑の葉とのバランスが良く、モダンな印象がある樹木です。
新しい枝葉はやわらかいので、針金やたこ糸を使って自分好みに樹形を仕立てることができます。1つのオリジナルの作品をつくるように、樹形を変えてみるのもいいかもしれませんね。
フィカス・リラータ・バンビーノは暑さには強く水切れを起こしにくいので、春と秋の水やりは月に2〜3回程度、夏は4〜5回程度、冬は1〜2回程度でするのが根腐れが起きにくくていいです。ただし、冬でも新芽が出るぐらい生長している場合は、土の中が乾かないようにたっぷりと水を与えてくださいね。
[https://andplants.jp/collections/ficuslyratabambino] フィカス・リラータ・バンビーノの育て方はこちら珍しい観葉植物に関するよくある質問
最後に珍しい観葉植物に関する質問とその答えを4つにまとめてみました。
- レアな観葉植物はホームセンターで販売している?
- 高級な値段で販売されている?
- 花が咲く珍しい観葉植物はほかにもある?
- どんな珍しい観葉植物が初心者でも育てやすい?
レアな観葉植物はホームセンターで販売している?
これは元造園士である筆者の感覚になってしまいますが、近年のホームセンターでは、園芸店でも取り扱っていないような観葉植物・庭木・草花を販売しているところが多いように感じます。
園芸コーナーが大きいところだと、さらにその種類のバリエーションが豊富でレアな観葉植物も並んでいます。
探し求めている珍しい観葉植物が見つからない場合は、園芸専門店やネット通販だけでなく、大型のホームセンターにも足を運んでみるといいかもしれませんね。
高級な値段で販売されている?
市場にはあまり出回りない珍しい観葉植物は、定番な品種のものよりも比較的値段が高く設定され、販売しているところが多いようです。
特に手に入りにくい品種違いや斑入りのものなどは、値段が高い場合がほとんどです。ネット通販などでは、マニアに向けたような珍しい植物もあるため、桁違いの値段で販売しているところも見かけます。
購入するときは、複数のお店を見比べながら選ぶのがいいです。また個人でも販売ができるようなネット通販では、相手の顔がわからないので口コミや評価、さらにはホームページなどをしっかりと確認して、慎重に購入するようにしましょう。
花が咲く珍しい観葉植物はほかにもある?
観葉植物によっては長い時間をかけて管理をすれば、珍しく花が咲くものがあります。
普段は緑の葉だけが楽しめるようなサンスベリア、テーブルヤシ、オーガスタなどは、一定の条件を満たすと開花することも。観葉植物自体は珍しいものではありませんが、鉢植えで開花するのはとても珍しいといわれています。
個人的に花が咲く珍しい観葉植物は、切り花などのフラワーアレンジメントによく使われる「キング・プロテア」だと思います。
関連記事:花が咲く観葉植物|おすすめと咲かせるポイントについて
どんな珍しい観葉植物が初心者でも育てやすい?
今回紹介した珍しい観葉植物の中で、初心者でも育てやすいものは、ザミオクルカス・ザミフォーリアやドラセナ・デレメンシス・コンパクタです。
どちらも水やりの頻度が少なく、生長スピードもゆっくりなので管理がしやすく失敗するリスクもあまりありません。
ほかにもハワイや東南アジアに自生しているプルメリアは、販売しているお店も少ないので珍しく、育て方も簡単でおすすめです。
まとめ
栽培するのが難しく、市場に出回ることが少ない珍しい観葉植物。興味本位で種類を知りたい方や育ててみたいと思う方、さらには部屋を個性的でおしゃれに仕上げたいという方が、気になるものだと思います。
今までに見たこともない観葉植物を発見した喜びは、とても大きく感動することもありますよね。また、珍しい種類をもっていれば、まるでお気に入りのファッションブランドを着ているかのような感覚になることも。
筆者も最近、「フィカス・ベルベット」というゴムの木を発見したときは、珍しい観葉植物だなど感動を覚えました。
ぜひ見たことのない愛着の湧く珍しい観葉植物を発見し、ペットのように愛情をもって育ててみてくださいね。