トラディスカンティア・白絹姫の育て方｜5つのポイントや増やし方について

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トラディスカンティア・白絹姫の特徴

トラディスカンティア・白絹姫(しらぎぬひめ)は、ふんわりとした白い産毛のような毛で覆われた植物です。美しい緑色の葉が白い毛に覆われることで、優しい雰囲気を纏っています。

春から夏にかけて、白～薄紫色の小さな花を咲かせます。ユニークな姿と可愛らしい花を咲かせる特徴から、窓際に飾るインテリアグリーンとして人気です。

冬は地上部の葉や茎はすべて枯れます。しかし、暖かい春になると新芽が土の中から出てくるので安心してください。

冬に枯れた葉や茎はハサミで切り取って、風通しの良い室内に置いておきましょう。

トラディスカンティア・白絹姫の育て方

ここでは、トラディスカンティア・白絹姫の基本的な育て方を5つのポイントに分けて紹介します。

トラディスカンティア・白絹姫の育て方の確認前に、フワフワとした葉姿が気になる方は以下をクリックしてみてください。

置き場所と日当たり

トラディスカンティア・白絹姫は非常に日光を好む植物です。ただし、真夏の直射日光に当たり続けると葉焼けする可能性があります。

室内の窓際で真夏の直射日光が当たる場合は、レースカーテンやシェードなどで光を和らげて育ててください。屋外で管理する場合は、夏の時期だけは明るい日陰で管理すると安心です。

ただし、葉焼けを避けるために暗すぎる場所に置くと、ひょろひょろとした姿になります。また、葉色の発色が悪くなったり、特徴的な白い毛も少なくなるので気を付けてください。

ツユクサ科の可愛い花を咲かせるためには、日当たりが重要です。花も楽しみたい方は、日頃から日当たりの良い場所で管理するようにしましょう。

温度

トラディスカンティア・白絹姫は寒さに弱いため、最低10℃以上をキープして育ててください。生育温度は15～25℃です。

基本的に、冬の季節になると地上部の葉や茎は枯れます。室内を生育温度の15～25℃に維持している場合は、地上部が完全に枯れない場合もあります。

地上部が枯れているからと言って、屋外に移動させると、根が凍結する可能性があるので注意してください。一度、根が凍結すると完全に枯れてしまい、春に新芽が出てこなくなります。

地上部の葉や茎が枯れたとしても、極端な寒さには当てずに、暖かい室内で管理してください。

水やりの頻度

トラディスカンティア・白絹姫の季節ごとの大まかな水やり頻度は以下の通りです。

春夏の生育期は、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いたら)水やりしてください。ただし、受け皿に水を溜めたままにしておくと根腐れの原因になるため、溜まった水はこまめに捨てましょう。

トラディスカンティア・白絹姫の葉には、白い毛があるため、株に水がかからないように水やりしてください。白い毛が水を弾き、水滴が葉や茎の隙間に留まります。

水滴が葉に常にあると、蒸れを引き起こして枯れる原因になるので、水やりは株にかからないように、土の上にゆっくりと行いましょう。

気温が下がり始める秋は、土の乾き具合を確認しながら徐々に水やり間隔を調整します。冬には、地上部の葉や茎は枯れるため、月に1回程度の間隔で土が湿るくらいの水やりで十分です。

夏の暑い時期は、土がすぐに乾いてしまうため、水やりが大変です。留守の際に水切れしてしまい、トラディスカンティア・白絹姫が傷んでしまうこともあるかもしれません。

水やりに悩んでいる方は、自動給水機「TWO TONE WATER DISPENSER」がおすすめ。土壌中の水分が不足した場合に、自動で水が排出される仕組みになっている便利なアイテムです。

水切れによる枯れが心配な方は、ぜひ使ってみてください。

肥料

トラディスカンティア・白絹姫には、生育期の5月～7月、9月～11月それぞれに1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。真夏と冬は生育が緩慢なので、肥料は与えません。

春～夏の生育期に花を楽しみたい方は、5月～7月の間にリン酸を多く含んだ肥料を与えてみましょう。ふわふわとした可愛らしい葉を茂らせながら、多くの花を咲かせてくれるはずです。

秋も肥料時期ですが、冬に地上部が枯れるため、持続性のある肥料には注意してください。秋から長期間効果のある肥料を与えると、冬にも効果を発揮して根を傷めるためです。

秋に肥料を与える場合は、水に薄めた液肥を与えるようにすると、冬に根を傷める心配がありません。

AND PLANTSでは、オリジナル肥料「アンドプランツ 植物を元気にする固形肥料」を取り扱っています。土の上に置くだけでも使えて、混ぜれば元肥としても活用できるので、肥料に困っている方はぜひ使ってみてください。

剪定方法

トラディスカンティア・白絹姫の剪定は、枯れた下葉や伸びすぎた茎を切る程度です。

葉が密集して生えるので、風通しが悪くならないように間引き剪定をすると病害虫予防にも効果があります。特に地際の葉が枯れ始めたり黄色くなったりしたら、早めに切りましょう。

そのままにしておくと、地際の風通し悪化による病害虫発生につながるためです。全体のバランスを見ながら、こまめに剪定してください。

大きくなりすぎた時は1～2節残して切る

トラディスカンティア・白絹姫を剪定せずに育て続けると、ぐんぐんと背を伸ばし大きくなりすぎる場合があります。背丈が高くなりすぎると、株元に葉がなくなり寂しくなりがちです。

もし大きく育ちすぎている場合は、地際から茎の1～2節残してバッサリと剪定してください。剪定して残した節や地際から新しい新芽が出てきます。

その新芽を再び育てると、形の良いトラディスカンティア・白絹姫に戻ります。

AND PLANTSでは皇室献上品でもある、新潟県三条市の100年企業・株式会社坂源のハサミ「Sakagen Flower Shears」を取り扱っています。切れ味の良いハサミでバッサリとトラディスカンティア・白絹姫を切り戻してみてはいかがでしょうか。

トラディスカンティア・白絹姫の増やし方

トラディスカンティア・白絹姫は、5月～7月に挿し木や水挿しで簡単に増やせます。手順は以下の通りです。

トラディスカンティア・白絹姫は、土に挿さずにそのまま水を入れた容器に入れっぱなしにする水挿しでも簡単に発根します。土栽培のように、大きくなりにくいですが、そのまま水栽培も可能です。

トラディスカンティア・白絹姫のよくあるトラブルと対処法

生育旺盛で増やしやすいトラディスカンティア・白絹姫ですが、順調に育っていてもトラブルが発生する場合があります。ここではよくあるトラブルと対処法を解説していきます。

トラディスカンティア・白絹姫によくあるトラブルは以下の6つです。

対処法を知っておくと、いざトラブルが起きても安心して対処できます。それぞれ見ていきましょう。

根腐れ

トラディスカンティア・白絹姫の根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の酸素濃度が低下して土壌環境が悪くなることで発症します。また、土が常に湿っていると、根は呼吸できずに枯れてしまい、根自らが腐る症状でもあります。

根腐れの対処法は以下の通りです。

根腐れが起こった場合は、植え替えをして土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な根が伸びる状態にしてください。

ケイ酸塩白土・ゼオライトなどの根腐れ予防効果のある土壌改良材も新しい用土に混ぜ込むと、より根腐れしにくくなります。

根腐れの症状や具体的な対処法が気になる方は、「観葉植物の根腐れ」の記事を参考に対処してみるのもおすすめです。

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中が根でいっぱいになることで起きる症状のことです。

トラディスカンティア・白絹姫は根詰まりすると、以下のような症状が見られます。

根詰まり自体は、すぐに枯れる原因にはなりません。しかし、生育スピードが遅くなり、徐々に元気をなくしていくので注意が必要です。

対処法は、植え替えです。

5月～7月、または9月～11月に、土を優しくほぐして根を傷めないように植え替えます。株の大きさにもよりますが、1回り大きな鉢への植え替えで十分でしょう。

あまりにも根がガチガチに固まっている場合は、細い棒で突いたり水を張ったバケツ内で根鉢を揺らしたりして土を落とします。

急に大きな鉢に植え替えると、根腐れする原因になるので気を付けましょう。5号鉢であれば6号鉢に、大きくても7号鉢以内の大きさに留めてください。

植え替えするだけで、根詰まりが引き起こす上記の症状は解決します。

根詰まりしたかどうか分からない方は「観葉植物の根詰まり」の記事を参考にして判断してみてください。

葉焼け

トラディスカンティア・白絹姫の葉は、真夏の強い日差しに当たり続けると葉焼けします。

葉焼けした場合は、以下のような症状が出てきます。

強い日差しを浴びすぎると、葉が傷んで「葉焼け」のトラブルが発生します。葉焼けの症状に気がついたら、直射日光を避けるように対策してください。

対処法は以下の通りです。

葉焼けのトラブルが起きる場合、強い直射日光が当たりすぎている可能性が高いです。直射日光を弱めたり、置き場所を移動したりしてください。

株全体が強い直射日光で枯れていなければ、直射日光が当たらない明るい日陰に移動をすれば自然と新芽が出てきます。葉焼けした葉は元の状態に戻らないので、株全体のバランスを見ながら切り取ってください。

葉先だけが黒く葉焼けしている場合は、全体のバランスが悪くならないように葉先だけを剪定すると、葉姿がスカスカになりません。

葉焼けが起きた際の対処法や起こさせない予防法について気になる方は、「観葉植物の葉焼け」の記事も併せてチェックしてみてください。

伸びすぎ(徒長)

トラディスカンティア・白絹姫には、茎が伸びすぎる徒長トラブルが起きることがあります。考えられる原因は、主に以下の2つです。

徒長すると、株全体が伸びて見栄えが悪くなります。また、葉や茎の組織が軟弱になるため、病害虫の被害も発生しやすいです。

徒長の対処法は、以下の通りです。

徒長した茎は、日当たりの良い場所に置いても元に戻ることはありません。徒長して見栄えが悪い場合は、地際から1～2節残してバッサリと切り戻してください。

基本的に室内管理をしつつも、春と秋は屋外でしっかりと日光浴させるように育てると、形の良い株になります。

トラディスカンティア・白絹姫の害虫トラブルと対処法

トラディスカンティア・白絹姫に発生しやすい害虫は以下の4つです。

それぞれ見ていきましょう。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つ厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトランなど）の使用が効果的です。ハダニは一度では駆除しきれないことがほとんどなので、状態を見ながら、定期的に噴霧してください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方は水で洗い流す方法がおすすめです。ハダニが現れたら、こまめに殺虫剤を吹きかけたり、ホースシャワーで株全体を水で洗い流したりしてください。

トラディスカンティア・白絹姫は葉に産毛のような毛が多く生えているので、水で洗い流した後に、水滴で蒸れやすいです。葉や茎に水滴が残っている場合は、揺すったりブロアーで吹き飛ばしたりして、しっかりと水が残らないようにしましょう。

ハダニは非常に小さいため、姿を確認しにくい害虫です。葉を触ってザラザラした感触がある場合はハダニがいるかもしれません。

大発生してクモの糸のようなものが目立ち始めたら要注意です。そうなる前に「観葉植物に発生するハダニ」の記事で初期症状や対処法を確認しておきましょう。

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。

風通しの悪い環境で育てていると、葉と葉の隙間や株元の付け根にカイガラムシが発生しやすいです。そのままにしていると、大発生してすす病を併発させたり株が弱々しくなったりするので注意してください。

見つけ次第、早めに対処しましょう。対処法は以下の通りです。

カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）の使用が効果的です。

しかし、カイガラムシは殺虫剤が効きにくい害虫です。そのため、殺虫剤使用と布・ブラシでの拭き取りを合わせて行うと効率的に駆除できます。

トラディスカンティア・白絹姫は葉を密集させる植物なので、一度カイガラムシが発生し始めると、駆除が大変です。普段から茂りすぎている葉や黄色い葉は取り除き、風通しよく育ててください。

水やりのタイミングで、葉の様子を確認しながら、もし見つけた場合はすぐに殺虫剤を噴霧したり、取り除いたりするようにしましょう。

カイガラムシに悩んでいる方は「観葉植物の白い虫はコナカイガラムシ」の記事の内容も、ぜひ参考にしてみてください。

アブラムシ

トラディスカンティア・白絹姫を徒長させると、アブラムシが増えやすくなります。徒長した葉や生育不良の新芽は柔らかく、アブラムシが集まりやすいためです。

アブラムシが発生した際の症状は、以下の通りです。

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

脱皮を繰り返して短期間で成虫になるので、アブラムシが増えると、葉に白～茶色の小さなチリのようなものが目立ち始めます。このチリのようなものは、脱皮殻です。

脱皮殻を見つけた際は、近くにアブラムシがいますので、注意深く観察して見つけてください。放っておくと生育が弱まり綺麗な新芽が出てこなくなるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

アブラムシを見つけたら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトランなど）の使用がおすすめです。殺虫剤が効きやすい害虫なので、すぐに対処すれば被害は大きくなりません。

その他の発生させない対策が気になる方は、「観葉植物に発生するアブラムシ」の記事を参考にしてみてください。

コバエ

コバエの症状は以下の通りです。

コバエ自体は植物に無害ですが、トラディスカンティア・白絹姫を育てるうえでは不快害虫です。放っておくとコバエはどんどん増えていくので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

トラディスカンティア・白絹姫を育てるうえで、土に堆肥を混ぜ込んだり有機質肥料を与えたりするとコバエが発生する原因になります。コバエをどうしても発生させたくない方は、無機質用土を使って育てることをおすすめします。

もしコバエが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使って退治しましょう。スプレーでうまく対処できない場合は、トラップを仕掛けて数を減らすのも一つの手です。

コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで簡単に作ることができます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるはずです。

土の中の卵や幼虫が気になる場合は、溜めた水に殺虫剤を溶かして、一時的に鉢ごと沈めてください。土の中にいる幼虫や卵は、殺虫成分と窒息の効果で退治できます。

コバエ発生の理由や対処法を詳しく知りたい方は、「観葉植物に発生するコバエ」の記事を確認しておくと対策に役立つでしょう。

トラディスカンティア・白絹姫の育て方に関するよくある質問

最後にトラディスカンティア・白絹姫の育て方に関するよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

花は咲く？開花時期は？

トラディスカンティア・白絹姫は、8月～9月頃に白～薄紫色の小さな花を咲かせます。ツユクサ科らしい3弁の花弁を付けるため、三角形の花姿になる姿が特徴です。

花そのものは短命で、1日しか咲きません。しかし、しっかりと育っているトラディスカンティア・白絹姫であれば、次々と花を咲かせてくれます。

可愛い花を楽しむためにも、ぜひ大事に育ててみてください。

寿命はどのくらい？

トラディスカンティア・白絹姫は、宿根草(しゅっこんそう)に分類される植物です。根が元気であれば、地上部の葉や茎が枯れても、再び新芽が出てくる性質を持っています。

冬に一度枯れますが、暖かくなる春に再び新芽を出すのは宿根草であるためです。つまり、適切に育てて根腐れさせたり凍結させたりしなければ、一生のパートナーになりえるほどの寿命を持っています。

また、挿し木や水挿しで簡単に増えるので、あらかじめ増やしておくと親株が枯れてしまっても安心です。増やしながら、長く楽しむこともできるでしょう。

まとめ

トラディスカンティア・白絹姫は、産毛のようなふわふわな白い毛が葉や茎に生える植物です。柔らかい感触や可愛らしい小花が咲くカラーリーフとしても人気があります。

非常に日光を好む植物なので、室内で管理する場合は日当たりの良い窓際で管理してください。真夏を除いた春と秋は、屋外で日光浴させると株がギュッと引き締まった姿になります。

冬に地上部が枯れますが、春には新芽がぐんぐん出てきて美しい姿になる姿も魅力の一つです。窓際に置くインテリアグリーンに、トラディスカンティア・白絹姫を飾ってみてはいかがでしょうか。