輸入家具やオリジナル家具、雑貨などを扱うインテリアショップ「ACTUS(アクタス)」。その中で、インテリアグリーンを提供するブランド「NODERIUM(ノードリウム)」でバイヤーをしている曽我さんのご自宅でお話を伺いました。インテリア軸から見る植物の楽しみ方から、すぐにでも真似したいルームスタイリングのテクニックは必読です。
氏名:曽我 広範さん
職業:ACTUS(アクタス)・NODERIUM グリーンバイヤー
インテリアショップアクタスのグリーンバイヤーとして買い付け、売り場のディレクションを手掛ける。グリーンのブランド「NODERIUM」を立ち上げる。
Instagram:https://www.instagram.com/noderium/
光と風。植物のためにも選んだ理想の部屋
− 気持ちのいい光と、風が入る部屋で、植物にもうれしい環境ですね。
曽我さん:以前の部屋も日当たりがとてもよかったんですけれど窓が片面のみ、一面採光だったんです。道路沿いで窓もあまり開けられず、夏は暑さと風通しの悪さも相まって植物がばたばたと環境に負けてしまい。
曽我さん:当時から植物の数があったので、引っ越す時はまず植物がおけるスペースがあることと窓の数と大きさを意識して探しました。この家はちょうど窓もたくさんあって、風通しもよく風が抜けるんです。
あとシンプルにこの家の内装が理想にハマったというのもあります。新築だったので内見したその日に決めました。
この家をきっかけに住み慣れたエリアから飛び出しましたね。エリアを超えてでも、この家がよかった。それくらい気に入った感じです。
色づかいで生み出す「植物とインテリア」のイイ関係。
− 植物を飾る時のコツ、意識していることはどんなところですか?
曽我さん:部屋の中のアクセントとして、飾ることを意識しています。
植物が一般の人に比べたら多いと思うのですが、全面植物とかジャングルっぽくならないように心掛けています。
あとは置き場所も変えたり、ちょっと調子が悪そうな時は外へ出して様子をみたり。植物の様子に合わせています。
ビギナーさんもチャレンジしやすいテクニック
− これから植物を増やすビギナーさんに取り入れやすいテクニックを知りたいです!
曽我さん:テクニックは「色」を揃えること。この部屋も色を揃えることはやっています。服を合わせるように色を揃えてみる。例えば、テイストと素材感とかも。
同じ色のトーンのものを集めて空間を作る。例えば、赤だったらアクセントになるものを集める、黄色はナチュラルなものを集めるなど。
棚の上は○でまとまっている。さらに柚木沙弥郎さんの赤いポスターとベゴニアは赤がつながるように配置。色と模様を揃えている。
下段は青でまとめてアクセントで黒とプラス。
上段は赤と黄色に民族系アイテムを飾っているコーナー。
曽我さん:植物をそこに加えて緑をプラスするとか、色を意識すれば簡単にコーディネートが様になります。ビギナーでも部屋に取り入れやすいテクニックだと思います。
植物を置く時は、ダイナミックに動きが出せるので、わざとちょっとはみ出させて動きをプラスしています。
テレビやスピーカーとか無機質の物と植物の間にレゴで作った花を飾り、ワンクッション入れて植物、窓辺へとつなげている。
植物コーナーはブラウン系。
石や陶器の鉢で素材感を合わせている。
− 植物を合わせる時はどうしていますか?
曽我さん:色、素材感は意識して全部をリンクさせるようにしています。植物って形も模様バラバラだからやみくもに置いてしまうと雑多に散らかって見えるので。それもいいとは思いますが、そうならなにように連動性をもたせるには、色、素材感が重要かなと。育てる上では近しい育て方の植物同士を寄せて置くことです。
サボテン、多肉植物など乾燥に強い種類を
ひとまとめにディスプレイ。
鉢スタンドはアクタスで大人気のアイテム。
高低差を付けるにも便利。
[https://andplants.jp/products/monsteradeliciosa-s]
服を選ぶように、鉢を選ぶ。
曽我さん:日本のお部屋って壁紙が白が多いと思うので、あんまり変化、色を入れるより、白、グレーを選ぶと合わせやすいとは思います。迷ったら、それを使えば確実にまとまるはず。
ピンクからグレーへのグラデーションで配置。
曽我さん:僕は色の鉢も使っているのですが、色のグラデーションで少しずつ色を変化させて並べるようにしています。
例えば、ピンクから少しずつグレーにしてちょっとブルー寄りに濃くするとか。その色のグラデーションのトーンで変化をつけることはやっています。
− ピンクからグレーでも、トーンが一定だから違和感ないですね。鉢を選ぶ時はピンクが好きだからといって、部屋のトーンに対して濃すぎるピンクを選ぶのではなくて、部屋のトーンに合ったピンクを選べば鉢だけが悪目立ちすることもないですね。
おすすめはファブリックから合わせる
曽我さん:もし「すごく気に入った鉢と出会った!」というパターンの場合は、その鉢を置いた時の周辺アイテムを揃えていくこと。例えばクッションカバーと絵、ラグなどをその鉢に合わせるように色を変えるとかもありです。
空間に合わせるか、鉢に合わせて周辺を変えるか。入口が違うだけでやることは同じです。
クッションカバーとかは割と取り入れやすいのでおすすめです。入れ替えやすいので、ファブリックを変えて色をリンクさせるようにすれば、その鉢が浮かずに部屋の雰囲気も変えることができると思います。
花は色と色をつなぎ、季節も感じられる大切な存在
曽我さん:僕はお花で色を揃えることをやっています。観葉植物は枯れない限り、変えられないですけれど、お花はよくも悪くもシーズン性があるので、それをちょっと変えて楽しんでいます。
フラワーベースもこの絵があって
「あそこに置いたら絶対合うな」と買ったヴィンテージのもの。
− 季節も感じられますね。
曽我さん:花瓶を絵の色、テイストに合わせているので、お店で花を選びやすくなります。ピンク系の花を買おうかなとか、オレンジ系の花を買って、ピンクから赤へのグラデーションを作るとか。
季節が変わっても色のトーンとテイストを変えなければ、比較的季節感を出しつつコーディネートが常にまとまります。
− 骨組みが決まっていたら、そこを入れ替える。これならできそうです!
曽我さん:鉢植えの場合、枯れてしまっても次買う時同じようにすればいいし、植え替えした時も空いた鉢はそこに置いてもいいし。
ここにはこういうテイスト、こっちにはまた別のテイストとルールさえを決めておけば部屋の印象が乱れることはなく、植物が枯れてしまった時も、新しく雑貨を買う時もそのルールでやれば統一感があるままで失敗は少なくなりますよ。
身近なもので、無理なく植物を育てられる「水やり」
− 植物は何種類くらいありますか?
曽我さん:40くらいはあるのかな。結構どれも大きくなっちゃって笑
− 数があると管理に時間がかかりませんか。
曽我さん:そうですね。週末は必ず水やりをするようにしています。僕、結構面倒くさがりなところがあるので、すぐ水やりができるものをいろんなところに置いています笑 それが結構重要。その場にある物を使う。
− その方法なら、水やり忘れを防げそうですね!
曽我さん:とにかく植物の近いところに水やり道具を置く。水が入る物ならなんでもジョウロ代わりにしています笑
大きいジョウロって置き場所に困るけれど、これなら収納も気にならないし水やりも苦にならないです。蛇口が近いところにはコップ、大きい植物の横には大きいビンを置いています。あとは、目に入る場所に植物を置いているので様子や変化に気づけるようにしています。
− 大きい植物の葉水はどうしていますか?
曽我さん:大きい観葉植物はベランダに出すか、定期的にお風呂上がりにお風呂場に全部移動させて一気に葉水します。
− 葉水すると、床が濡れて都度拭いているのでお風呂は楽でいいですね。
曽我さん:お風呂上がりって湿度も高いし、熱帯に近い温度になるので自然と環境が合うので。床も濡れないし土が溢れても気にならないというのもありますね。
エコバッグをカゴにセットして鉢カバー代わりにして使用。
植物以外の好きなことも、とことん楽しむ。センスを磨く休日の過ごし方
− 植物だけではなく、レコードや本もあって。映画関連のものなどもちらほら。個人的にとても興味深いものが多くて笑 趣味や休日のことを聞きたいです。
曽我さん:服飾デザインの学校に通っていたので、服は好きです。漫画と映画もですね。なので服屋さんや本屋に行ったり、映画を見たり好きなことをしていることが多いかな。
土日のどちらかは出かけて、どちらかは家にいることが多いですね。家にいる日は午前中に掃除、洗濯など家事をしてからちょっとランチを買いに出て、午後はハンバーガー片手に家で映画を見る。そんな感じですかね。
ロフトの上は漫画や雑誌がずらり。
どっぷりと趣味の時間を満喫できそう。
− 映画関連のアイテムが本がたくさんあるのはそういうことだったんですね。ロフトの上はワクワクしかない……! では最後に今、気になっている植物やアイテムを教えてください。
曽我さん:部屋の壁をもう少し飾りたいです。アートを増やそうかなとかもあります。あとは椅子。椅子を探しています。
福岡に行った時に見つけたウルムスツール。
サイドテーブルとしても使っているそう。
曽我さん:植物は瞬間、瞬間での出会いに合わせて買い足すこともありそう。「これ、かわいいな」で買うことが多いのですが、唯一欲しいのはアメリカに行った時に見つけた「アンスリウム・ペダトラディアツム」。当時植物を持ち帰るにはいろいろ手続きが必要ということを知らなくて。
なので、いつか見つけたらお迎えしたいです。
AFTER INTERVIEW編集後記
「植物の育て方はネットにあっても、スタイリングのことって調べても少ないと思います。だからこそお店に来てくれた人にはその人にあったスタイリングや情報を提供したい。それが植物屋さんとの違いでアクタスだからできること。」その言葉の通り、スタイリングのことも、管理方法もなるほど!と何度頷いたかわかりません。
ジョウロじゃないといけない、葉水は絶対!など「〜じゃないといけない」ということはない。自分なりのスタイルで植物と暮らすことも曽我さんは伝えているような気がします。(そして、早速帰り道にアクタスさんへ寄って帰りました。)
店舗情報
NODERIUM KYOTOノードリウム・京都
住所:京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地 COCON 烏丸 2F
営業時間:11:00-19:00
TEL:075-354-0011(アクタス・京都店)