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植物屋が作る32㎡のノスタルジー感じる部屋。夫婦と猫の穏やかな暮らし。 DATE : 2023.07.11
LIFESTYLE

植物屋が作る32㎡のノスタルジー感じる部屋。夫婦と猫の穏やかな暮らし。

フリーランスで植物屋として活動している了さん。築40年以上の賃貸マンションに夫婦と猫のコンブちゃんと暮らしています。部屋との出会いからインテリア、植物の話を伺いました。プロならではの飾り方やDIYなど賃貸でも取り入れられるディスプレイアイデアは必見。

氏名:了さん

職業:植物屋

Instagram:https://www.instagram.com/ryo_flo/

立地より物件重視で出会えた理想の部屋

− 無垢材のフローリングにモノトーンの建具、とてもおしゃれな空間ですね。どうやって見つけたのですか?

了さん:最初から立地はあんまり考えていなくて。場所より物件を優先して選びました。前の家のベランダが植物でいっぱいになってしまったこともあって、植物を置ける広いバルコニーのある部屋を探しました。

− 植物ファーストなお引越しでもあったんですね。物件で選んだ街とはいえ、静かで住みやすそうな環境ですね。

独特な樹形は箱の上に乗せて高さを出すことでラインを楽しめる

了さん:部屋にも光が入ることが理想だったので広いワンルームが希望でした。それと猫と暮らせること。ずっと猫と暮らしたくて。それも叶えられました。3ヶ月くらい毎日、物件情報サイトを見て探しましたね。いい物件を見つけても僅差で決まってしまうこともあって、ここはすぐ内覧して即決しました。

愛猫のこんぶちゃん

了さん:気に入っているところは窓が多いこと。明るく、風通しも良いし。リノベーションされていて建具や細かい部分で統一感があるところもお気に入りです。

賃貸でもできる。ディスプレイのアイデアが光る

− キッチンの上をはじめ、ハンギンググリーンの飾り方は参考になります。賃貸マンションでもできるディスプレイで工夫されていることを知りたいです。

天井専用のフックとワイヤーネットを組んだ吊り棚。

ドライフラワーと植物が並ぶ。

了さん:賃貸なので、現状復帰ができることはちゃんと意識してDIYしています。ハンギングはどれも天井専用のフックを使っています。天井はデッドスペースになりがちなので、キッチンの上のディスプレイはフックと100均のワイヤーネットを組み合わせて作りました。

− お財布にも優しいDIY、これは真似したくなります!もうひとつの棚も了さんが作ったものですか?

了さん:ワイヤーと木材で作っています。装飾で使った植物を療養するために持ち帰ることもあり、鉢を置く場所を兼ねて造りました。療養で育てていたのですが、すっかり家の植物になっていますが笑

了さん:他に作ったものは、玄関横のキャットタワーとキッチンの収納は木材用の突っ張りアジャスターを使っています。あとは冷蔵庫ですね。冷蔵庫は塗りました。

− 冷蔵庫!見かけない色だなあと気になっていました。まさかご自身で塗っていたとは!

近くで見ても塗ったとは思えない出来栄えの冷蔵庫

了さん:元は白い冷蔵庫でした。冷蔵庫って面積が大きい分、目立つしソファに座った時にちょうど目に入る位置で。色がどうしても気になって、でも無くすわけにもいかないし。

色を変えれないか調べたらできそうだったので塗装しました。まずサンダーで塗装を削るのに4時間くらいかかりました。その後、塗料で塗り、取手部分はメッキ塗装し、なんとか1日で完成できました。なかなかの力作です!

誰かが紡いだ歴史があるもの。ストーリーがある物選び

− 冷蔵庫もですが、扇風機が懐かしくもあり、趣き深くいい味を出していますね。インテリアや雑貨はどういうところで探していますか。

了さん:インテリアは古い物が好きなのでリサイクルショップやジモティーを使うことが多いです。ソファもテーブルも冷蔵庫もジモティーで揃えました。

古いものならではの、誰かが大切に使ってきた跡など、どこかしらにストーリーを感じられるものに惹かれます。リサイクルショップもジモティーも人と人のコミニケーションが生まれること、ローカルな感じもいいなって。

カウンターにもなっている食器棚は

りんご箱を重ねて作ったもの。

了さん:キッチンカウンターにも見えているリンゴ箱は、世田谷にあるリンゴ屋さんで買いました。キッチンでは食器棚として、ベランダではプランターとして使っています。

ガラスのテーブルの中には猫の写真。

ドライフラワーを入れていたこともあるそう。

− これから何か増やしたり、プラスしたいアイテムはありますか?

了さん:アートを飾りたいです。植物とアートって相性も良いし。まだ壁に余白があるのでお気に入りの作家さんを見つけて絵を飾りたいと考えています。絵は、自分でも描いてみたいなとも。

プライベートでも植物を楽しむ。植物愛が溢れる日々。

− プライベートでも花や植物を楽しんでいる様子を拝見しました。花瓶や鉢、植物はどういう基準で選んでいますか。

了さん:花瓶は、わりと直感で選びますね。あまり複雑なデザインよりはシンプルなものがわりと好きです。空き瓶を使うこともあります。植木鉢もシンプルなものが多いですね。

仕事で毎日植物を触ってはいますが、普段からふらっと花を一輪買うので、一輪でも生けやすいものを選んでいます。

− 少しでも花があると雰囲気変わりますよね。気分が明るくなるというか。少ない本数でも生けやすい花瓶ならどんなものがおすすめですか。

了さん:例えば、今ドウダンツツジを生けている花瓶もそうですが、口が狭い花瓶のほうが本数が少なくても生けやすいです。枝物も絵になるのでひとつあると使いやすいと思います。

了さん:植物は仕事柄、装飾で使ったあと傷んだ植物を療養するために持ち帰った植物をそのまま育てていることもあるし、お店で買うこともあります。

最近は屋外で育てる野菜やハーブなどが増えていますね。

部屋をぐるりと囲んでいる広いバルコニー。

野菜や果樹などを栽培中。

始まりは何気ない雑談から。大学を辞めて花屋になる

− 話は変わりますが、了さんのことを教えてください。現在は装飾やウェディングなど幅広い活動をされていますね。そもそもどうやって花屋になったのかが気になります。

左:ミモザを使ったオーダーブーケ

右:ウェディングのカラードレスに合わせて作ったブーケ

バーでのボタニカルイベントのお装飾 

了さん:花の仕事を始めたのは大学生の時です。当時、昔のバイト先の先輩がお店を退職する時に、仲間みんなで送別会にお花を贈ることになって。

その時、大学もさぼっていたし、バイトもしていなくて時間があったから、僕が花束を買いに行って。

了さん:花屋の店長さんと雑談していた流れで「うち今バイト募集しているけれど、どう?」みたいな感じになったのがきっかけです。

はじまりは何気ない会話からですが、花屋の仕事は自分には合っていたようで。毎日違う花に触れて、違う花束を作る。それがとても楽しくて。大学を辞めて花屋の道を選びました。

バルコニーで育てているブルーベリーの果実と、スモークツリー

了さん:花屋の仕事をしていた時に桃の木の苗を見て。「桃ってこんな感じでできるんだ!」と。そこから植物の面白さを知って、植物をちょっとずつ買っていたら、どんどん増えて。その流れでハマってしまいましたね笑。人生、何があるかわからないですね。

捨てるではなく、活かすものづくりを目指して

− 好きなことを楽しむ姿が了さんの魅力にもなっているんだなと思いました。これからの活動や目指していることはありますか。

了さん:装飾の仕事はどうしても大量の花、植物の廃棄が出てしまうこともあって。どうにか活かすことはできないのかを考えています。

古いものが好きだ、と思う根っこには「今、残っている古いものは何世代もの人の手を経て、大切に使われて、お手入れされていたから残り続けているんだろう」というストーリーを感じられるからだと思います。
家具も、植物も、なんでも「使い捨て」になってしまうのは少し寂しく感じてしまいます。

了さん:ちょっと話がそれるかもですが、以前、絵本業界の方のインタビューで「絵本を作るときに目標にするのは、100年単位で人に読まれることです。」という内容の記事を読んだことがあって。 すごく大きなスケールでものづくりをされていることに感動しました。自分も年月を経ても人の心に残る、ストーリーのある何かを作りたいと、ずっと考えています。

葉っぱを集めてミキサーにかけて何かできないかとしたこともありました。やっとここ最近、やってみたい方向性が見えてきたところで。

まだまだ試行錯誤ではありますが、花も葉もただ廃棄するのではなく、アップサイクルし長く大切にされるものを作っていきたいです。

AFTER INTERVIEW編集後記
部屋に入ってすぐ目に入ったのはレトロな扇風機。便利で機能的な物はたくさんあるけれど、まだまだ使える物は世の中にたくさんある。日常の気づかないところにロングライフデザインはあるんだと思いました。植物、花に対する思いも熱い了さん。穏やかな暮らしの根底にはぶれない熱い芯があるんだろうなと感じました。花、野菜、果樹などあらゆる植物とともに思いとセンスも育まれていくことが楽しみです。(そして、天井用のフックは即買いしました!)
パーソナル植物診断

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