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フラワーアーティスト・前田有紀さんに聞く。花・植物との暮らしと仕事、これからのこと DATE : 2023.07.25
LIFESTYLE

フラワーアーティスト・前田有紀さんに聞く。花・植物との暮らしと仕事、これからのこと


テレビ局のアナウンサーを経て、フラワーアーティストとして活躍する前田有紀さん。経営者でもあり、二人のお子さんのお母さんでもあります。多忙な日々でも輝く笑顔の源となる鎌倉のご自宅にてご自宅のことやお仕事、そして今後の活動のことを伺いました。簡単な花の飾り方も必見です。

氏名:前田 有紀

フラワーアーティスト/好きを仕事に研究会主宰/ 株式会社スードリー代表取締役

Instagram:https://www.instagram.com/yukimaeda0117/

花と植物で変化を楽しむ。四季を感じられる家

− まず、おうちやインテリアのことをお聞かせください。

前田さん:花関係の仕事をしていることもあり花と植物があることは前提で考えました。花を飾ったり、植物を置いたりすることで空間の変化、四季を感じられる家にしたく、白い壁をベースにしたシンプルな空間にしました。植物を置くことで立体感やアクセントになるようにしています。

「WEDGWOOD」の植木鉢にはビカクシダを合わせて

ユーカリをふんだんに使ったリース

前田さん:家具は「広松木工」のものを選びました。夫と「自分たちの目で見て決めたいね」となって、福岡まで見にいきました。シンプルなデザインと木のぬくもりが感じられるところや、素材感のバランスがよくて気に入っています。子どもの椅子は「Bambini(バンビーニ)」というチェアなんですが、横にすると木馬としても使えます。大人でも座れるので長く使えるということも良いなと。

− お仕事柄もあるとは思いますが、素敵な花瓶がたくさんありますね。表参道にある実店舗「nur(ヌア)」も、花瓶がたくさん並んでいることが印象深いです。

前田さん:花はもちろんですが、花瓶も好きです。アメリカやヨーロッパなどのヴィンテージ花瓶は、どんな人が使っていたんだろうとか想像しながらお花を生けることも楽しい。いつか自分でも各いろいろな花瓶を探しに世界を旅したいですね。

ガラスウェアを作っているブランド「フラスカ」さんの花瓶も好きで愛用しています。

観葉植物は好き。でも枯らしてしまうこともある

− 観葉植物に庭木と植物もいろいろな種類があって、とてもワクワクします。とはいえ、日々お忙しいと思いますが、植物の管理、付き合い方はどうされていますか。

前田さん:観葉植物は、育てやすさを重視して選んでいます。それでも枯らしてしまうこともありますね。なので何年も長く育てているものもあれば、新しく追加されたものもあります。

枯らしてしまった時は、何が良くなかったのかを考えますし、学びがあるので果敢にチャレンジしています。

前田さん:庭ではティーツリーやレモンなどを植えています。他にも装飾で使ったものも植えているので、いろんな植物が揃っています。

装飾などで使った植物をそのまま捨てることはしないで、飾りきることをブランドとして大事にしています。花だけではなく、植物もできる限りロスをださないようにしたくて、装飾で使ったものを植えています。

装飾後のドラセナは花瓶に生けてキッチンを彩る

前田さん:切花は配ったり、寄付したり。最終的に家で飾ることもあります。

今も家に飾っているドラセナは店舗の生け込みで使ったもの。ドラセナは根が出ると長い期間、飾れるのでおすすめです。

自然の中で家族と過ごす時間がリフレッシュに

− 仕事と子育てと、多忙な時期もあると思います。リフレッシュ方法や前田さんの元気の素を知りたいです!

前田さん:都内での仕事から鎌倉に帰ってくると、気持ちの切り替えになっていると思います。

休みの日は鎌倉にいて、山や海へ行ったり自然を満喫しています。あと、旬の野菜を食べることもすごく好きです。

室内の観葉植物が出しやすい大きい窓とウッドデッキ

− 息子さんとコンポストで堆肥づくりをされていますね。はじめるきっかけや、実際やってみて感じたことなどをお聞かせください。

コンポストは「キエーロ」を使用

前田さん:一年位前から、庭でコンポストを始めました。夫も私もただゴミを出すのではなく、何かに変えたいなという思いがありました。その一歩としてコンポストを導入してみようと。

実際に始めてみたことで自宅で出る生ゴミの量がどれくらいなのかにも気づけましたし、コンポストをかき混ぜることが土遊び感覚で、庭に出る時間も増えました。今では心地よく我が家の暮らしにフィットしています。

左:家庭菜園でミニトマトを栽培中

右:クリスマスローズは装飾で使用したもの

アナウンサー時代からの変化と、これからのこと

− 花の生産地へ行ったり、ワークショップを開催したりと幅広い活動をSNSで拝見します。多くの人達に花に興味をもってもらう手段として、伝えるということをしているのでしょうか。

前田さん:好きなことだから、花のことをもっと知ってもらいたいというのはあります。

「伝えたい」気持ちもあれば、アナウンサー時代の影響もあって「伝えていかなければ」という気持ちと半々です。フラワーロスなど、まだまだ伝わっていないことも多くあると思います。そういう普段はなかなか触れることのないことを知るきっかけになればと思います。

[https://andplants.jp/products/coffee-tableplants-m]

前田さん:アナウンサーをしていた時のことですが、テレビ局で現場には必ず行くことの重要さを教わりました。当時、サッカーの番組を担当していて、取材してきたことを言葉に込めて話すとなった時、現場にどれだけ足を運び、実際に見てきたかがすごく活かされていました。

そういう伝えるということへの大切なマインドを教わっていたこともあり、花業界に転職をしても、できるかぎり生産者さんや、市場などの現場にも足を運ぼうと思っています。

− 前田さんは異業種から花業界への転職、そして移動花屋「gui (グイ)」が始まり、様々なチャレンジとそれらをカタチにしていくパワー、本当にすごいことだと思います。前田さんの行動力やその信念を知りたいです。

前田さん:転職してからは、自分からあれをやってみよう、これにチャレンジしよう!と能動的に動けるようになりました。

なんで変わったのかと考えると、花や緑、自然に触れることがすごく好きだったからだと思います。

諦めることは違うから、やってみる。そこから得られた気づき

前田さん:ちょうど長男の出産の時と同時並行でguiの立ち上げもあって。「子育ては本当に大変だよ」と周りからは心配されましたね。2年くらいは休んだらと。でも、仕事も子育てもやりたいことだったら、どちらかを諦めることは違うのかなって。限界を決めずにやってみようと。

そうしたら、意外とできることもあったし、気づきもありました。「だめかも」と思ったことも声に出してお願いしたり聞いてみたり。快く協力してもらえたこともありました。本当に周りに助けられたことには感謝しています。

お母さんと子どもたちがより暮らしやすくなる社会を目指して

− 今後の活動や、これからチャレンジしていきたいことをお聞かせください。

前田さん:お花を通してお母さんと子どもたちがより暮らしやすくなる社会にしていきたい。ほんの少し、一歩でも貢献したいという思いがあります。

子どもたちが花に触れられるような機会を増やしていきたいです。現在も子どもたちに花のことを知ってもらいたくてワークショップをして子どもたちが直接花に触れられる機会を作る活動をしています。

前田さん:この仕事をしていて並んでいるお花を「触っちゃだめだよ」と気を使ってくれるお母さんや、触ったことに対して謝る人もいて。

花に触ってもぜんぜん謝らなくてよくて、むしろ「触っちゃってください」と言いたいくらい。

茎の感触、花びらでも触ることでわかることってすごくいっぱいあります。だからこそ子ども達には触れて体験してほしいです。

あとは、だんだんと年を重ねて、事業が自走できるようになった時には社会に貢献できる活動をしていきたいです。

花の飾り方のコツは「好きなように、楽しむこと」

− 花の仕事に携わり、毎日花に触れていると思いますが、プライベートでも花を買うことはありますか。また、どのように花を選んでいますか。

前田さん:最近は一輪ずつ、いろんな種類を選ぶことが多いですね。

あとは野草に近いワイルドフラワーにはグッときますね。鎌倉にある「鎌倉市農協連即売所(通称レンバイ)」で、野菜と一緒に花を売っている時があって。フェンネルの花など、花屋さんでは見かけないワイルドな姿に惹かれて買うことがあります。

− お店でお花を買う時、花の種類や本数に迷います。少ない本数でも素敵に飾る方法を知りたいです。

前田さん:イベントやお店で「花を飾ることが苦手」とか「正解がわからない」という声をよく聞きます。うまく飾れないことや苦手意識は一度手放して、楽しく飾ってみてほしいです。のびのびと、好きなように花を生けるのを楽しむ感じです。

1本ずつ違う花を選ぶ時は、いろんな形状を選ぶと少ない本数でも賑やかな印象になります。

華やかに、空間をうまく使えるような飾り方ができるかと思います。色がヴィヴィッドなものだけになり、存在感がありすぎる時はくすみ系をプラスするといいですね。

例えば、同じピンクでまとめた時、くすみ系のピンクを入れると空間になじみ、飾りやすくなります。なのでブーケを作るときにはくすみ系の色を1つは入れています。

同じ種類は高低差をつける

前田さん:もうひとつ、これはワークショップや店頭でお伝えしていることで、同じ種類の花を飾るなら、長さを変える飾り方も取り入れやすいです。

お花屋さんに並ぶときは同じ長さでお店に並ぶことが多いと思います。1本を短く切って段差をつけるだけなので、チャレンジしやすいかなと。これだけでも動きが出て、伸びやかな印象になります。

花瓶はガラスウェアブランド「フラスカ」のもの

− 花を飾ることに慣れていない人や、これからチャレンジしてみたい人でも使いやすい花瓶、使い勝手のよい花瓶などおすすめを教えてください。

前田さん:花瓶は洗いやすいものがおすすめです。口が広く、手を入れてしっかりと洗えるもの。

花は水を替えるだけではなく、花瓶も洗うことが大事です。このひと手間で花の持ちが変わるくらい。洗いにくいかたちの花瓶だと、さらにめんどくさくなっちゃうので、まずは洗いやすさを重視して選んでみてください。

花は水を替えて、切り口を少しカットしていくことで長く飾れます。そうすると茎が短くなっていきますが、その都度他の花瓶に移し替えます。

水を替え、花瓶を洗って、長さに合わせて花瓶も替えるとなると、ちょっと手間に思われると思います。そういう点でも洗いやすさや手軽さという点で空き瓶は、扱いやすいし、よく使っています。

− 「綺麗に飾らなきゃ」と考えるより、まずは好きに楽しく花を飾ってみようと思います。前田さん、ありがとうございました!

AFTER INTERVIEW編集後記
好きなことを話す人の笑顔は、言葉にできないパワーがある。やってみたいことがどんどん出てくるというのも「好き」という熱い思いがエネルギーになり、伝えるということに繋がっているのだろう。しっかりと、前田さんの熱いものを感じました。長さの違う花の1本を短く切って生けながら、ふと思い出しました。
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