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北向きリビングと週一管理でも植物は楽しめる。アンドプランツ植物バイヤーが暮らす家 DATE : 2024.02.13
LIFESTYLE

北向きリビングと週一管理でも植物は楽しめる。アンドプランツ植物バイヤーが暮らす家

今回のJournalはアンドプランツの植物バイヤー・佐藤さんが登場。ご自宅で育てている植物や愛用品、管理のことなどをお話を伺いました。アンドプランツで扱っている植物選びのことなど商品ページでは見えないバイヤーとしての熱い想いをお届けします。

氏名:佐藤 桃子

職業:植物バイヤー

Instagram:https://www.instagram.com/satomomoko/

管理は週一、北向きリビングでも観葉植物は育ちます

佐藤さん:うち、リビングが北向きなんです。

− 北向きリビングはJournalの取材では初です。植物=日当たり重視で部屋を選ぶから南や東向きを選ぶ人が多いのかなと。リビングが北なのは意図的なのでしょうか。

佐藤さん:朝起きてリビングに来た時、日光が燦々と降り注いでいるよりも、曇りの日くらいの明るさが居心地が良くて。それで北向きリビングにしました。冬は本当に暗くて寒いです。

− ということは「北向きでも育つ植物」を選んでいるということですか?

佐藤さん:「暗くて寒い環境で管理頻度が少なくても育つ」品種を選んでいます。 

夕方には西日も入るリビング。

− 北向きの部屋は日当たりのことを考え、植物には好ましくないと思う人もいると思います。佐藤さんがこれだけたくさんの植物を育てているのを知れたら、北向きだからという理由で観葉植物を諦めることはないということがわかります。
そして週1管理でも育つ植物もたくさんあるということも。

佐藤さん:今、自宅にいる植物たちは北向きリビングでもちゃんと育っています。 リアルな経験をお客様に伝えられるように自宅ではいろんな種類を育てています。
北向きや多少暗い環境でも育つことをはじめ、どの品種がどんな環境で育つのか様子を見ています。


ちなみに1階は暗いのですが、2階はとても明るくて。客間をコロナ禍になってから使う頻度が少なくなったので植物を置いてしまおうと。
今では大きい植物を置いたり、弱った植物を養生したり、夫がアイロンがけする部屋になっています。

− 確かにとても明るい!植物に囲まれてのアイロンがけなら楽しめそうです。

2Fの客間の植物

寝室の大鉢はフェルトマットを敷いて配置


− 植物を飾る時、置き場所や置き方で気にかけていることはありますか。

佐藤さん:植物の顔がみえるようにはしています。それぞれが重ならないよう互い違いに置いています。


気がつくと増えているのは、あの家具


− 佐藤さんがプライベートで愛用している園芸グッズとか鉢が気になります。お気に入りのものや、植物との暮らしで便利だと思ったものを教えてください。

佐藤さん:鉢は派手な色やデザインは選ばないかな。植物の顔を魅せるためにも必然的にグレー系が多くなっています。素材も特にこだわりはなくて陶器、プラスチックといろいろ。お酒が好きなので、旅行先で買ったワンカップやおちょこも使っています。

お気に入りのおちょこにはユーフォルビア・ホワイトゴーストを合わせて

佐藤さん:便利アイテムは...スツール。スツールが便利でつい増えがちです。
植物が育って子株を分けたり、水に挿したりしていたらどんどん数が増えて……鉢を置く場所もどんどんなくなって。スツールを使うことで高低差をつけられるので鉢同士が重なることなく置けるので便利です。

− 植物の数に比例して増えるスツール。植物好きあるあるかもしれませんね。

佐藤さん:あと、あると便利なのはキャスター付き鉢皿やフェルトマット。寝室にいる大鉢はフェルトマットを敷いてします。重たい鉢も移動しやすく床が傷つくことも予防できるのでおすすめです。[https://andplants.jp/products/ecopots-saucer-wheels-l?variant=44798258446582] [https://andplants.jp/products/feltmat?variant=45195923783926]

アンドプランツでも人気アイテムの給水器「TWO TONE WATER DISPENSER」

[https://andplants.jp/products/twotonewaterdispenser-s-yg-1?variant=44988292792566]

完璧を求めない。「どうしよう」より「なんでだろう」になるといいな


− これだけたくさんの数を育てていると、週1くらいの管理とはいえ大変ではないですか。

佐藤さん:完璧を求めないようにしているので、大変ではないです。 そういう点では、特に冬は葉が黄色くなりがちで、気になってしまう方も多いと思います。枯れたり、黄色くなったりすると切りたくなっちゃう人もいるかと。でも寒い時期に葉を切ると傷みやすいんです。

好きなところに棚をつけれる「DRAW A LINE」は専用ライトをセットで愛用。


佐藤さん:葉先が枯れたり、黄色くなったりするのは育っていく過程。山など自然に生えている植物を見るとわかりやすいと思います。
観葉植物=「綺麗にしていないといけない」と身構えせずに自然のこととして気軽に楽しんでほしいです。

贈答用の胡蝶蘭。花が終わったあとは観葉植物として育てられる。


− 観葉植物を育てていると枯れ葉以外に、虫とかも気にする人は多いですが、こういった時はどうされていますか。

佐藤さん:植物と虫ってどうしても共生関係にあるから完璧にゼロにできません。
虫が出た時って虫が増えやすい環境になっていて、いざ出た時に「あ、虫が出た」と人間が気づきます。そこから「増やさないためにどうするか」を覚えておけば焦らず適切な対処ができるかと。

佐藤さんの著書。現在も新しい本を執筆中。

[https://andplants.jp/products/howto-book?variant=45116866986230]
[https://andplants.jp/products/drygarden-book?variant=45117168681206]

佐藤さん:それこそ風通しを良くすることや、日頃の管理で乾燥を防ぐために葉に霧吹きをするとか。お手入れができる日に葉を洗うこともそう。そのひと手間で虫は出にくくなります。
どっちかというと「たくさん出ないようにする」というよりは極力見えないようにするみたいな考え方のほうが良いのかもしれない。葉が枯れたり、変色したり、虫もそう。共通して「どうしよう」ではなくて、「なんでだろう」になればいいかな。
環境や水やりなど手入れの方法にの見直しにもつながるし、根本的な解決につながると思います。

下葉を少ない仕立てにしたフィカス・ウンベラータ。土部分に小さい鉢植えを重ねて飾るのもおすすめ


紆余曲折あり。日本各地をまわる植物バイヤーになるまでの道のり


今ではアンドプランツのバイヤーとして活躍している佐藤さん。植物に興味をもつようになったきっかけや、バイヤーの仕事や休日の過ごし方を伺いました。


佐藤さん:父が公務員で山を管理する仕事をしていて、小さいころから山に行くこと多かったんです。その度に木や植物の説明してくれました。

− 子どもの頃から自然と触れていたんですね。園芸業界に入るためになにかそういう勉強をされていたのですか。

佐藤さん:いえ、大学は史学部なんです。共通点は土を掘るくらいかなと。 大学の時の先輩が住宅展示場で働いていて、その流れで展示場の受付のバイトをしていたんです。
その時「家、いいな」となりましたが、「庭ごと作れるなら楽しそうだな」って。それで造園部門もあるハウスメーカーに就職しました。


佐藤さん:希望のハウスメーカーに就職できたのは良かったのですが、最初の配属は全く違う部署で。経営企画部で社員へのシステム教育などをしていました。
そこから数年後、造園部門に移動し監督や、リースなどに携わりました。一通りのことを経験し観葉植物に携わることが最もしっくりきて、観葉植物専門店に転職し、店長になり10年弱くらい勤務し今に至ります。

中央にいるフィカス・ベンガレンシスが初めて購入した観葉植物

[https://andplants.jp/products/benghalensiscurvedoka-m?variant=45309637787894]

− 現在は植物バイヤーとして日本各地を飛びまわっていますね。これまでで何件くらいまわっているのでしょうか。

佐藤さん:どれくらいだろう......例えばですが、九州のある地域に行った場合、2日で20件は回ります。朝から日が暮れるギリギリまで回ります。夏はとにかくハード。お昼休みに一度着替えるくらい滝汗の時もありました。


− となると、かなりの数になっていそうですね。ハウスでは植え替えや梱包などを行って、買付にもいくとなると体力仕事なのがわかります。休日やプライベートな時間もアクティブなんですか。

佐藤さん:プライベートでは、山や温泉に行くか、街へ飲みと銭湯へ行くか。一人でドライブに出かけることもあります。銭湯が好きなのでいろんなところの共同浴場がある施設に泊まりに行ってだらだらするときもあります。とにかく仕事とは関係ないことをする。


旅先で見つけたワンカップのコレクション。

観葉植物は選ばれし強いものたち。びびらず、やってみる。


佐藤さん:そう、この場を使って伝えたいことがあって。「観葉植物は強いよ!」ということを伝えたいです。
今は鉢に植わって私たちと一緒に暮らしている観葉植物も元々は外で育っているもの。 その外で育っている植物の中でも、丈夫な種類だから室内の日光と風が弱い環境でも育てられるということで選ばれているのが「観葉植物」として流通しています。つまりはタフな種類なんです。
なので、アンドプランツや街で見かける観葉植物は「選ばれし強靭な種類」なんです。なので剪定もそうですが育てることにびびらず、まずは育てて見てほしいです。


− 環境に合わなかったり、水のやり過ぎなどで枯れたり腐ったりすることもあるかもですが、それも次に活かせる糧にはなりますしね。

佐藤さん:そして観葉植物って歴史も面白いんですよ。史学部だけあって歴史が好きなので...

− そうなんですね。歴史は気になります。最初に「観葉植物」というカタチを作ってくれた人も気になってきました。


− 最後に佐藤さんの今後の目標やこれからのことをお聞かせください。

佐藤さん:アンドプランツの使命でもあるんですが「日本の人口全員に、家に観葉植物が絶対ある」
これが目標。やりたいです。これだけ植物を販売していても「まだ初めての一鉢です」という人がたくさんいます。
欲を言うなら、私から買ったという人を増やしたいです。

− 佐藤さんありがとうございました。

AFTER INTERVIEW編集後記
「観葉植物はピカピカじゃなくてもいいんです」水やりをしながら話す佐藤さん。家にいる植物は葉先が黄色かったり、枯れた葉が残っていたり。よそ行きではなくて、家だからこそ見れる自然な姿なのかなと思いました。 また、バイイングの時の話ではそれぞれの農家さんが情熱を抱き植物を大切に育てていることを話してくれました。佐藤さんの目標でもある「一家に一鉢、観葉植物」これがどんどん広まっていきますように。
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