エリアより物件で選んだというメゾネットタイプの賃貸マンションで暮らすなつみさんとボルオさん。
ふたりが共通で好きなヴィンテージトイをはじめ植物や雑貨、インテリアのことなどを伺いました。
暮らしの中からのインプットを具現化する空間づくり
− 部屋づくりのこだわりはどちらの趣味が多いとかはありますか。また、コンセプトがあればお聞かせください。
ボルオさん:半々かと思います。かわいいものやカラフルなものが多いため彼女の好きなものが多い印象かもしれませんが、僕の趣味もわりと入っているんです。コンセプトは特に決まってはいないのですが、アメリカっぽいものや飲食店の雰囲気は意識しているかも。
いろいろなところからインプットがあって、そこから実現可能な形でアウトプットしたものがこの部屋になっている感じ。
窓が特徴的で、日当たりもいいから、雑貨や植物も置けるよなあと思って本棚を窓の下にしました。ここに置いているものはお互いが好きなもの。上が植物、下段が彼女の好きなK-POPの物が多いかも。
ボルオさん:お互いぬいぐるみやアメリカのヴィンテージトイが好きです。高円寺のおもちゃ屋さんとかに買いにいきます。今までは飾るところがなくて、ずっと押入れにしまっちゃっていたんですけど、意を決して2階の壁に有孔ボードを付けました。
ボードの取り付けは一回失敗しまして。垂直に取り付けるのがひとりだと難しくて。壁も汚れてきてしまいイライラも募り......後日2人でやり直しました。2人でやったら早かったです。
なつみさん:イメージとしてはおもちゃ屋さんにディスプレイしているような感じです。
− おふたりそれぞれ「ここは!」というお気に入り、こだわりの場所はありますか。
なつみさん:私はキッチンです。キッチンは好きに使っています。使うツールやお皿、カトラリーなどもキャラクターものやカラフルなものを選んでいます。お菓子作りが趣味なのでドーナッツ、ベーグル、ホットケーキ、マフィンとかよく作ります。
食器やカトラリーは韓国や陶器市で購入したものが多いそう
なつみさん:PACIFIC FURNITURE SERVICEで買ったコンテナを重ねたものは食品収納で、上に板を乗せて作業台として使っています。
ボルオさん:僕は階段下のエリアです。
「植物は階段の下にだけ」のはずが、はみ出し続ける植物たち
− 階段下というと、あのキャビネットですね。ドアを開けて一番のインパクトがありました。
ボルオさん:ここが一番のお気に入りの場所です。この家に住み始めた時は「植物は階段の下だけスペースに置く」というルールで。最初は棚から始まって、どんどん量が増えて徐々に階段下からはみ出し…
さらに植物の好みも変わって湿度を好む植物も増えてきたこともあり、2年前に育成ライトと加湿器を入れた室内温室を組みました。
− 階段の下からは、だいぶはみ出していますが。
なつみさん:(ボルオさんが)ナチュラルに他のエリアにも植物を置き始めて。
ボルオさん:ばれないように徐々に...育てていくうちに大きくなっていって、階段下では収まりきらなくなっていって。窓際へ…階段下のヤシはこの家に住み始めてから1年後くらいに買い足したもので、階段のところに置いたら周りにちょっと増えてもわからないかなと。大きい植物なので買う時はちゃんと相談しました。
[https://andplants.jp/products/calatheaorbifolia-tableplants-l?variant=44538742309110]左:窓辺にはいくつか鉢が並ぶ 右:伊藤蟻植物農園のアリ植物
− なつみさんはじわじわと増えている植物たちに気づいてはいたのですか?
なつみさん:気づいています。「これなかったよね?」と聞くと「大きくなってきているだけだよ」と言われますが、配置もいろいろ変わっているなとは。明らかに増えているのはわかっています。
ボルオさん:ジャングルになると管理しきれないので、自分の目が届く範囲のみにとどめてはいます。スキルが上がれば増えるかも知れませんが。
瀕死の状態からの復活。積み重ねた経験が救った大切な一鉢
− たくさんある植物の中で、なつみさんのお気に入りの植物や選んだ植物はありますか。
なつみさん:アグラオネマを一人暮らしをしている時に買いました。買った当時は植物に関して知識がなくて。どうやら栄養剤とか与えすぎていたようで、瀕死の状態にしてしまい彼に見てもらって生き返らせてもらいました。
ボルオさん:受け取った時点では、葉っぱもなく、根腐れしきってほぼ枯れきった状態でした。そこから剪定して再生し今に至ります。
一度は瀕死状態になったアグラオネマ
− それはすごい復活劇。ちなみにその知識は一体どうやって身につけたのですか。
ボルオさん:実はグリーンアドバイザーの資格を持っていまして。昔、園芸関係の仕事に携わっていて、未経験から園芸関係の仕事に携わるには持っていたらいいのかなってと思って取得したんです。あとは植物を育てていくうちに自然と身につきました。
ボルオさん:僕自身、いくつも植物を枯らしています。その度に「何がダメだったんだろう」と気にして反省してやっているんで。うまく育てているというより、その分枯らしている数も多い。その経験が活かされているんじゃないかな。
ベランダでは多肉植物、サボテンなどを育てている
− そういうことだったんですね。枯らしてしまったり、根腐れさせてしまったり。植物と暮らしていると、すべてがうまくいくとは限らないですよね。ちゃんと原因と向き合っていたからこそ、救えた植物があると思います。
なつみさん:アグラオネマ、今では買ったときより良くなっています。
ボルオさん:フィッシュボーンカクタスは彼女のリクエストです。「うねうねした植物を吊り下げたい」と。
で、探してきたのがこれです。植え替えた当初、うまく根が張れなくて少しこじらせちゃったんですが、ワンシーズン超えたらいい感じに育っています。
なつみさん:鉢は韓国雑貨っぽいカラフルなものを希望しました。
ボルオさん:市販のハンギング用の鉢でリクエストに合うような鉢がなくて。カラフルな鉢を探して自分でハンギング仕様にしたほうが早いかなと。で、3Dプリンターで鉢を作っている「tanuki plants」さんの鉢にドリルで穴を開けてワイヤーを通しています。
なつみさん:もうひとつ気に入っているのがトロール人形の頭の上にエアプランツをのせたもの。これは韓国に行った時のお土産に買ってきたもので、トロール人形の頭の上に「エアプランツを乗せてね」って書いてあったんです。
ボルオさん:珍しく植物関係のものをもらってうれしかったです。
− たくさんあって選べないかと思いますが、ボルオさんのとっておきの一鉢は?
ボルオさん:スキンダプサスで品種は不明です。何が気に入っているかって、スキンダプサスって木を這って登るように育つ性質なのでそれを再現できるようにしてみたく、仕立て方にちょっとチャレンジしてみたものです。こういう不思議な仕立て方が好きなので、やりたいことができているなという点で気に入っています。
お菓子作りと植物。それぞれの趣味を楽しむ休日
− 休日はふたりで過ごすことが多いですか。
なつみさん:お休みの日は午前中は私がお菓子を作って、彼が水やりをしていて。大変だ〜って言いながらやっていますね。
ボルオさん:全部の植物をお風呂場に持っていって、水やりをします。そしてひとつひとつ様子をチェックしているので管理に2〜3時間かかっちゃう。午後は予定がなければお出かけしますね。
園芸ツールの収納になっている有孔ボード
− お互いが好きなことをして過ごしていて、和やかそうな光景が目に浮かびます。最後にこれから、やりたいことなどをお聞かせください。
ボルオさん:部屋自体は完成形に近いかも。細かいアップデートはしていこうかなとは。カーテンとかは変えていくかな。
あとは冷蔵庫を大きくする。植物だとすごく小さい植物も気になっています。パルダリウムとかもやってみたい。小さな世界を作ってみたいです。