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主役は祖父母の古家具と植物。大切なものを活かした唯一無二の空間づくり DATE : 2025.05.21
LIFESTYLE

主役は祖父母の古家具と植物。大切なものを活かした唯一無二の空間づくり

都内の3LDKの戸建て住宅で暮らすkooさん。1年間で120種類の植物を迎え、どの部屋も植物が溢れています。植物と古物がつくりだすこだわりの詰まったインテリアと植物たちとの暮らしをご紹介します。

kooさん

職業:会社員

Instagram:https://www.instagram.com/koo_greenhouse/


「いつかやりたい」を現実へ。植物との暮らしのはじまり

− どの部屋にも植物がたくさん並んでいますが、いつくらいから植物に興味を持ったのですか。

kooさん:実はまだ1年しか経っていなくて。最初は1年前に通販でガジュマルとヘデラを買いました。
それを育ててみて、まだその時はそれほどでもなかったんですが……後日、たまたま近所の花屋さんでビカクシダを見かけて、「面白い植物があるんだな」と思って。「こんな面白い姿の植物があるなら、もっと面白くていろんな姿の植物に出会えるのかもしれない」と思い、調べてみたら本当にいろいろな植物があることを知って、園芸店や花屋さんのサイトを見るようになり、さまざまな種類の植物を知って、どんどんハマっていきました。

それがきっかけで、植物への興味がどんどん深まっていった感じです。

アンドプランツのInstagramライブでお迎えした植物も並ぶ

− これだけの植物を1年で!ちなみに、現在どれくらいの数があるか、ざっくりでもわかりますか?

kooさん:多分、120ぐらいです。株分けや挿し木で増えたものも含めてですが、それくらいですね。

− 年間で考えると、3日に1回のペースで植物が家に増えている計算になりますね。

kooさん:言われてみると、ちょっとやばいですね(笑)。でもそれだけ夢中になっていたんだと思います。

− 1年前に植物を迎えたきっかけって、何だったんですか?

kooさん:以前から植物をインテリアに取り入れたいという思いはずっとあったのですが、家の事情でなかなか実現できなくて。
「いつかやりたいな」という想いから、「1つぐらい、ちょっと試してみよう」と気軽な気持ちで始めたのがきっかけです。

− ネットで集めたとのことですが、よく買う場所はどこですか?

kooさん:最初はネットと近所のお花屋さんで、そこから専門店の実店舗にも行くようになりました。今は実店舗とネットの両方です。大きいお店では「オザキフラワーパーク」さんと「garage」さんには比較的よく行きます。
他にも、熱意のある方が運営している個人のお花屋さんや園芸店をネットやGoogleマップで見つけて行くこともあります。

− 気に入ってるお店はあるけれど、それ以外のお店も見てどんどん取り入れていったということですね。植物を選ぶ時は、どんな基準で選んでいますか?

kooさん:基本的には「家にまだない種類」を選ぶようにしています。その中から見た目で「面白いな」「見たことないな」と直感で惹かれるものを選んでいます。
あとは置ける場所や、その植物がその環境で元気に育てられるかを考えて、「ちゃんと枯らさずに育てられるかな」と思えたら、購入します。

− インテリアの空間を埋めていくというよりは、植物との出会いを楽しんでいる感じですね。

kooさん:そうですね。植物に限らず、いろいろなものの「組み合わせ」が好きなんです。この家も、ひとつのスタイルに統一するより、いろんな要素が混ざったインテリアをテーマにしています。ひとつのものからさまざまな組み合わせができること、物と物の掛け算で面白さが生まれる方に惹かれますね。

窓辺に飾っているネフロレピスは買ったとき正直、置く場所を深く考えていなくて。でもそのシルエットがすごく印象的で。
「窓辺に飾ったら映えるかもな」って、帰ってから考えました。植物の種類が被らないように組み合わせたり、視覚的なバランスも見ながら配置しています。

傾きを活かしているネフロレピス

− 最初はあまり置き場所を気にせずに買っていたんですね。

kooさん:最初の頃はそうでした。だんだん植物が増えてきたので、最近はさすがにハンギングか置き型かくらいは意識して選ぶようにしています。

決め切らないでフレキシブルに。植物ファーストな模様替え

− 植物の配置って、よく変えたりしますか?

kooさん:今はだいぶ落ち着いてきましたが、新しい植物が入ってくると組み合わせも変わるので、割とよく模様替えはしますね。育成環境が近ければ、気分や見た目の変化で場所を変えることも多いです。

極端に寒い部屋から直射日光がガンガン当たる場所に持っていくようなことはしませんが、環境が近ければよく動かします。毎月、何かしらの小さな調整はしていると思います。

− 置き場所を決めてから買うというより、「この植物を迎えたら何かいい組み合わせが生まれそう」という考え方なんですね。

kooさん:そうですね。その“決めきらない”過程を考えるのが楽しいところでもあります。

− どの植物にも同じデザインのネームプレートがついていますが、これは自作ですか?

kooさん:スマホでデザインを作って、ラベラーで印刷しています。作る過程で植物の名前を覚えたり、調べたりするきっかけになるんです。

− ラベルだけでなく、鉢も統一感がありました。黒やグレーでまとめているんですね。

kooさん:できるだけグレーや黒でまとめています。特別高価なものや陶器の鉢ではなく、プラスチック製の鉢が中心です。
鉢自体を目立たせず、植物や古家具を引き立てたいんです。祖父母が使っていた家具や雑貨がこの家にはたくさんあって、それを活かしたい気持ちがあるので。


− とにかく数と種類が多いことは一目瞭然ですが、シンボルツリー的な存在の植物はありますか?

kooさん:シンボルツリーとしては、ベンガレンシスを選びました。この家で最初に迎えた大型の観葉植物です。ベンガレンシスって綺麗に仕立てられているものが多いと思うのですが、これはワイルドな姿をしていて、それが面白いなと感じました。

うちはモダンとか北欧系みたいな、綺麗に整ったインテリアではなく、いろいろなものがちょこちょこある雑多なインテリアなので、その雰囲気を象徴するシンボルツリーとして、このワイルドな感じが合っているなと思って選びました。とても気に入っています。

祖父母から受け継いだ古物を活かす部屋づくり

− インテリアやお部屋づくりにも強いこだわりを感じます。

kooさん:部屋づくりについては、家のインテリアがある程度先に決まっていて、後から植物が入ってきたという流れです。

もちろん、インテリアとして植物を置く意識もありますが、「生き物を育てる」という意味で、植物に無理をさせないことを第一に考えています。できる限り植物にとって居心地の良い環境をつくるようにしつつ、インテリアのバランスを崩さないように楽しんでいます。

小さな引き出しも祖父母が残していたもの

kooさん:この家について言うと、もともと祖父母が住んでいた家を建て替えています。私が小さいときに祖父は亡くなってしまったので、直接話を聞くことはできませんでしたが、祖父は船に乗っていた人だったそうで、仕事で行った先々から持ち帰ったお土産が家にたくさんありました。

kooさん:そういった雑貨や家具を活かすことが、この家のインテリアを考える上でのベースになっています。結果的に、それらと植物の相性が良かったんだと思います。椅子も押入れにあった古いものを直して使うなど、この家に元からあったものを活用しています。

祖父がどこかで買ってきたと思われる本や飾りが並ぶ


− どの家具や雑貨も状態が良く、大切に使っていたことが伝わります。

kooさん:大物の家具類はニトリなど、身近な場所で買えるものです。これも古家具を目立たせるためにシンプルなものを選んでいます。高級ブランドやデザイナー家具がなくても、インテリアは十分楽しめると思ってつくった家です。

藤の椅子や植物の乗っている台も押し入れからでてきたもの

ダイニングを彩る、自分なりのバックグラウンドを持った物たち

カウンターに並ぶ果実酒はkooさんの手作り

− ダイニングはリビングと雰囲気ががらりと変わって、まるでカフェのようですね。どういうイメージで作っていったのですか?

kooさん:料理が昔から好きで、キッチンに立っている時間も長いので、キッチンにも植物を飾っています。

カウンターキッチンなので、キッチン側から見える景色も、カウンター側に座ったときに見える景色も、どちらも楽しめるように、2つの視点を意識して考えました。
洗い物や料理をしている時でも目に入る場所に植物があると、愛着が湧くんですよね。キッチンって生活感が出やすい場所でもあるので、植物がそれを少し和らげてくれている気がします。

カウンター前のテーブルにはお気に入りのアイテムをまとめたコーナー


− どこにいても植物が楽しめる配置で、「自分が心地よい」と感じられる景色を作っているんですね。

kooさん:はい。植物の日当たりの好みに合わせて、耐陰性があるものは窓から離れた場所、日光を好むものは窓辺にと、植物に合わせて細かく考えています。


− 植物だけでなく、来客者にとっても居心地が良いように配慮されているんですね。ダイニングもですが、全体的に間接照明が多い印象を受けました。これは何か意図があるのでしょうか?

kooさん:植物の葉がつくる陰影を楽しみたくて、照明は植物と暮らすようになってから増やしました。植物がある程度増えてきたタイミングで、「間接照明があった方がもっと植物が面白く見えるかも」と思って、少しずつ揃えていった感じです。

− 照明によって枝葉のシルエットまでしっかりと愛でられるんですね。

趣味を追求。それでも枯らさないための工夫とは

− 仕事部屋にも植物が並んでいるようですが、少し見せていただけますか?

kooさん:この部屋は半分が仕事スペースで、奥に趣味の楽器コーナーがあります。楽器は学生時代からの趣味で、一度離れていたんですが、コロナ禍でまたやるようになりました。


− 料理、楽器、植物と多趣味で、毎日がとても充実していそうですが、これだけの植物を育てるとなると、お世話が大変ではないですか?

kooさん:大変ですね。水やりのタイミングが重なってしまうと特に…。冬場はあまり手がかからないのですが、夏は水切れも起こりやすくて頻度が増えます。

なので、アプリを使って管理しています。いつ水やりをしたかを植物ごとに記録して、アラートが来るようにしています。ただ、それをそのまま鵜呑みにするのではなく、あくまで目安として、植物の状態を見て判断しています。


この部屋は最上階で日当たりが良いので、日光を好む植物を多く置いています。湿度が必要な植物は加湿器の近くに。
仕事部屋ではハンギングで飾ったりして、座った時の視界にも植物が入るようにしています。


− 植物の生育と、自分の動線や視界の両方をしっかり考えた配置ですね。最後にこれからお家全体でやってみたいことなどこれからのことをお聞かせください。

kooさん:2つあります。1つは読書部屋を作ること。仕事部屋はPC作業が中心なので、静かに読書する空間が欲しくて、今少しずつ整えています。

階段上のスペースにハンギングをしてみている様子


もう1つは階段周りの空間づくり。この家の構造上、高さがあって抜け感のある場所なので、そこをもっと活かして植物を飾れたらいいなと考えています。

− 楽しみがまだまだ尽きないですね。本日はありがとうございました。

AFTER INTERVIEW編集後記
お宅にお邪魔してまず驚いたのは、1年という短期間で迎え入れたとは思えない植物の多さと、それらが自然に古家具や空間に溶け込んでいたこと。数を重ねるだけでなく、植物にも物にもひとつひとつに愛情を注いでいるのが伝わりました。今年はどれだけの数が増えるのかも気になるところです。植物と暮らす日常は決して楽ではないというリアルな声も伝えつつ、それを忘れさせるくらい豊かさがあることをあらためて教えていただきました。
パーソナル植物診断

AND PLANTS Journal
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