アガベ・雷神の育て方

植物名	アガベ・雷神
学名	Agave potatorum
英名	Agave potatorum
科目/属性	キジカクシ科リュウゼツラン属
原産地	メキシコ
日当たり	日当たりの良い置き場所
温度	最低0℃
耐寒性	やや強い
耐暑性	強い
水やり	春夏：手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2～3日後 秋冬：手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間後
肥料	緩効性肥料、液体肥料
剪定時期	5月～9月

アガベ・雷神の特徴

アガベ・雷神は、肉厚な青白い葉と赤みがかったトゲが特徴のアガベです。株姿がバラの花のように美しいロゼット型になります。

ブルーグレーの魅力的な葉色と赤みを帯びた長いトゲのコントラストが人気です。アガベの品種の中でも流通量が多いため、小さな株でも手に入れやすいでしょう。

雷神と呼ばれる通り、かっこいい姿に成長します。最大で80㎝ほどになる中型種で、大きく成長した姿は見ごたえ抜群です。

比較的寒さには強いですが、0℃以下の寒さに当たり続けると傷む可能性があります。冬は暖かい室内で育てると安心です。

アガベ・雷神の花言葉

アガベ・雷神の花言葉は「気高い貴婦人」「繊細」です。

どちらもアガベ共通の花言葉であり、花言葉「気高い貴婦人」はゆっくりと成長する美しい姿からイメージされて名付けられています。「繊細」の花言葉は、生涯に1度しか花を咲かせない性質が由来です。

花言葉「気高い貴婦人」は、恋人やパートナーへのプレゼントにおすすめ。誕生日や記念日に花言葉を添えて贈ると喜ばれるでしょう。

アガベは無骨でワイルドな姿から男性に人気のある植物ですが、雷神はブルーグレーの美しい葉が特徴。ぜひ花言葉を添えて、女性にプレゼントしてみてはいかがですか。

アガベ・雷神の風水

アガベ・雷神には、「邪気払い」の風水効果があるとされています。風水では葉先が尖っている植物は邪気払いにも効果的とされているためです。

アガベの葉先は針のように尖っているので運気の入り口である玄関や窓際に置くと、悪い気を払ってくれるでしょう。仕事や私生活がうまくいかないときは、アガベを飾ると良い運気に恵まれるかもしれません。

また真上に伸びていくアガベには「陽の気」を発するとされています。何事にもやる気がみなぎり、ポジティブな気持ちで毎日が過ごせるようになるでしょう。

ただし、置くだけでは十分な風水効果は得られません。置く場所を整理整頓して、アガベ・雷神をこまめに手入れして元気に育てることが重要です。

関連記事：観葉植物の風水｜場所と効果別のおすすめ

アガベ・雷神の育て方

アガベ・ポタトラム・スポーンは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすい植物ですが、育て方にはポイントがあります。

ここでは、アガベ・ポタトラム・スポーンの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。

置き場所と日当たり

アガベ・雷神は日当たりと風通しのよい環境を好みます。ただし、真夏の直射日光に当たると葉焼けする可能性があるため、注意が必要です。

耐陰性はありますが、ほとんど日光の光が入らないような暗すぎる場所ではうまく生育できません。葉色が綺麗に青白くならなかったり形が崩れたりするため、真夏を除いて日当たりの良い場所で管理してください。

強い直射日光が差し込む場合は、レースカーテン越しの柔らかい光にしてあげましょう。特に夏の直射日光には当てないように育ててください。

温度

アガベ・雷神は、寒さにやや強い植物です。最低0℃以上をキープして育ててください。

しかし、0℃以下の寒さに当たり続けると、葉が傷みます。美しく育てたい場合は、5℃以上をキープした室内で育てると安心です。

冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた明るい場所に置いてください。ただし、暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷みやすいです。

暖房の風が当たらず、窓から離れた暖かい場所で管理しましょう。

水やりの頻度

春夏の生育期には、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2～3日後に鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

水やり後は、受け皿に溜まった水はこまめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。

冬は手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間後に水やりをします。アガベは気温が5℃以下になると休眠期に入るので、屋外で冬越しさせる場合は、水やりは行いません。

もし、一年を通して水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめします。

肥料

アガベ・雷神には、生育期の5～10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。

アガベ・雷神は肥料が少なくても十分に育ちますが、葉の色や艶を出したい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。

原産地は栄養分の少ない乾燥した地域です。置き肥の量は少なく、液肥は薄くして与えることがポイントです。

剪定方法

アガベ・雷神の剪定時期は5～9月です。枯れた葉を剪定します。成長がゆっくりなので、基本的に形を整える剪定は必要ありません。

大きく成長したアガベの葉は大きく肉厚です。切れ味のよい丈夫な剪定ハサミやナイフで剪定してください。

もし枯れていない葉を剪定する場合は、剪定ハサミやナイフはしっかり消毒しておきましょう。病原菌の侵入を防ぐことができます。

アガベ・雷神のよくあるトラブルと対処法

赤みを帯びたトゲとブルーグレーの葉のコントラストが美しいアガベ・雷神ですが、トラブルも存在します。

ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

関連記事：観葉植物のトラブル｜主な症状と対処法まとめ

根腐れ

根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。

また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。

これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。

根腐れの対処法は以下の通りです。

根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。

赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。

葉先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。

根腐れが起こると枝が垂れ、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。

関連記事：観葉植物の根腐れ｜対処法や見分け方の紹介

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。

特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとアガベ・雷神に悪影響です。

対処法はアガベ・雷神の植え替えをすること。

アガベ・雷神を現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。

関連記事：観葉植物の根詰まり｜症状や対処法について

葉焼け

葉焼けでは、以下の症状が起きます。

強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。

葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。

対処法は以下の通りです。

葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。

また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。

関連記事：観葉植物の葉焼け｜原因や対処法の紹介

アガベ・雷神の害虫トラブルと対処法

肉厚で硬い葉を持つアガベ・雷神にも害虫トラブルは存在します。

害虫によるトラブルが発生したときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

アザミウマ

アザミウマの症状は以下の通りです。

アザミウマは繁殖力が強い厄介な害虫です。

放っておくと大量発生してアガベの鑑賞価値を著しく下げたり、他植物に移ったりする危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

アザミウマが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用するのが効果的です。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

アザミウマによる被害が大きい場合は、被害を受けている中心部分を含めた株を下葉を残して切りとします。殺虫剤を散布後、2～3か月後には下葉だけを残した親株から子株が複数出てくるので、子株から育てなおす方法もよいでしょう。

アザミウマは気温の高い夏に発生しやすい害虫です。室内で育てている場合は、屋外からの侵入が原因で発生しやすいです。

常にきれいな状態を保つために、予防としてオルトラン粒剤やベニカXガード粒剤などを土に混ぜ込んでおくなどの予防に努めてください。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用するのが効果的です。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。

常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。

関連記事：観葉植物に発生するハダニ｜対処と予防法の紹介

アブラムシ

アブラムシの症状は以下の通りです。

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

放っておくとアガベ・雷神の生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

アブラムシが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン）を使用すると効果があります。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物に発生するアブラムシ｜原因や対処・予防法

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。

放っておくとアガベ・雷神の生育が弱まり枯れる恐れもあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

カイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的。

カイガラムシの成虫には殺虫剤が効きにくいので、幼虫の時期である5～7月に使用するとよいでしょう。

既に貝殻をかぶっている成虫は、柔らかいブラシや布で擦り取ってください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

関連記事：観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ｜対処法と予防法を紹介

コバエ

コバエの症状は以下の通りです。

コバエ自体は植物に無害ですが、観葉植物を育てるうえでの不快害虫です。

放っておくとコバエは増えていくので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

コバエが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）を使用するのが効果的です。

コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるでしょう。

コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。

そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3～5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。

そもそもコバエは、完熟たい肥を使用した質のよい土であれば発生しません。また、土が常に湿っている状況を避ければ、発生する可能性は低いです。

コバエを発生させないためには、適切な土と水やり管理で育ててください。

関連記事：観葉植物に発生するコバエ｜対策と原因について

アガベ・雷神のよくある質問

最後にアガベ・雷神のよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

アガベ・雷神は室内屋外どちらを好む？

アガベ・雷神は日当たりと風通しがよい屋外を好みます。しかし真夏の直射日光は、葉焼けの原因になるので注意してください。

0℃以下の寒さに当たり続けると葉が傷み枯れる恐れもあるので、小さな株ほど冬は室内で管理した方が安心です。

もし一年を通して室内で育てる場合は、日当たりの良い窓際で管理しましょう。日当たりが確保できない場合は、植物育成LEDライトを使用して光を補うと形よく育てられます。

アガベ・雷神の成長速度は？

アガベ・雷神の成長速度は、遅いです。生育環境にもよりますが、1年間で葉が3～5枚程度。

非常にゆっくりなので、小さな株のうちは机や棚の上などの省スペースでも長く楽しめます。大きく育てるためには時間がかかる点には注意してください。

大きな株を飾りたい場合は、小さな株から育てるよりも大きな株を購入した方がよいでしょう。雷神は比較的流通量が安定しているので、大株も手に入れやすいです。

大株はお庭のアイキャッチにぴったりで、お家のカッコよさも引き立ててくれます。

アガベ・雷神は地植えできる？

関東以西で冬の最低温度が0℃を下回らない地域であれば、地植えが可能です。

寒さには比較的強いですが、0℃以下の寒さに当たり続けると葉が傷みます。美しい姿で育てたい場合は、鉢植えで管理して冬は室内に移動するとよいでしょう。

アガベ・雷神の植え替え時期/植え替え方法は？

植え替え時期は、5～10月です。7月以降に植え替える場合は猛暑日を避けて植え替えしてください。

およそ2～3年おきに植え替えます。鉢底から根が出てきたり、水やり後に土の吸水が悪かったりする場合も植え替えが必要です。

鉢から根鉢を取り外します。根が固まっていたりスカスカになっていたりしたら土と一緒にほぐして取り除き、一回り大きな鉢に植え替えてください。

鉢底から水が流れるくらいに水やりをして、風通しのよい明るい日陰で様子を見ます。その後、元の置き場所に戻して管理しましょう。

アガベ・雷神の適切な増やし方は？

アガベ・雷神は、「株分け」で増やすことができます。適期は気温が上がり始める4～5月。

葉が10枚程度になったアガベは、生育環境がよければ子株を作りやすいです。子株は葉が5㎝程度に成長したら取り外してください。

小さすぎる子株は、親株から取り外して植え替えても生育が悪く枯れる恐れがあります。株分けは植え替えと同じタイミングで行うとよいでしょう。

アガベの子株を強制的に発生させる方法もあります。下葉を数枚残して株を切り取る「胴切り」や株を真上から縦に切る「縦割り」です。

いずれも鑑賞価値はなくなりますが、切り口部分から子株が複数出てきやすいメリットがあります。増やしたい方はぜひチャレンジしてみてください。

アガベ・雷神のまとめ

アガベ・雷神は日当たりと風通しのよい環境であれば、一年を通して簡単に育てることができます。青白い神秘的な葉色と赤みを帯びたトゲのコントラストはおしゃれなインテリアグリーンとして活躍するでしょう。

「気高い貴婦人」の花言葉は、恋人やパートナーへのプレゼントに最適です。悪い気を払うとされている風水効果は、多くの方に喜んでもらえます。

名前通りのかっこいいインテリアグリーンとしてアガベ・雷神を育ててみてはいかがですか。