リュウビンタイの育て方

植物名	リュウビンタイ
学名	Angiopteris lygodiiffolia
英名	Elephant fern
科目/属名	リュウビンタイ科リュウビンタイ属
原産地	台湾、日本南部

リュウビンタイの特徴

リュウビンタイは、ゴツゴツとした株元からゼンマイのように渦を巻いた新芽を出して葉を広げるシダ植物です。羽のように美しく広がる葉姿は、おしゃれなグリーンインテリアとして人気があります。

耐陰性があるため、初めて植物を迎える方にも育てやすいでしょう。葉は大きく広がるので、置く場所はあらかじめスペースを取っておく必要があります。

薄暗い森に自生しているため、直射日光が苦手です。直射日光の当たらない明るい場所で育ててください。

高温多湿を好むため、葉水によって湿度を保ちながら、冬は室内で管理すると育てやすいでしょう。

リュウビンタイの花言葉

リュウビンタイの花言葉は「誠実」「魅惑」「愛嬌」です。間隔よくきちんと葉を付ける姿から名付けられています。

リュウビンタイは胞子で増えるシダ植物であるため花は咲きませんが、ゴツゴツとした株元から出てくる美しい葉が魅力的で人気の観葉植物です。おしゃれであり、花言葉もよいためお祝いのプレゼントにも喜ばれるでしょう。

お部屋をおしゃれにしたい方にも喜ばれるので、花言葉を添えて贈ってみてはいかがですか。

リュウビンタイの風水

リュウビンタイには、リラックス効果を高める風水効果があるとされています。葉が垂れ下がる観葉植物は気を静める効果があるので、リラックスして落ち着きたいリビングや寝室などに飾ると効果的です。

忙しい毎日を過ごしていて、落ち着きを取り戻したい方にプレゼントすると喜ばれるでしょう。リュウビンタイは小さなものであれば、棚やデスクに置いてもおしゃれです。

大きなものは一つあるだけで、お部屋の雰囲気をガラッと変えることができます。風水効果は植物を元気に育てることで十分に発揮されるので、こまめな手入れをして管理してください。

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リュウビンタイの育て方

日当たり	直射日光の当たらない明るい場所
温度	最低5℃以上をキープする
耐寒性	やや弱い
耐暑性	強い
水やり	春夏：土の表面が乾いたら 秋冬：手で土を触って水分を感じなくなったら（鉢の中央部分までしっかり乾いてから）
肥料	緩効性肥料、液体肥料
剪定時期	5～10月

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置き場所と日当たり

リュウビンタイは日当たりと風通しのよい環境を好みます。ただし直射日光や西日など強光に当たると葉焼けしやすいため、注意が必要です。

耐陰性はありますが、ほとんど日光の光が入らないような暗すぎる場所では徒長や根腐れの原因になり、うまく生育できません。軟弱に育ち葉色も悪くなるため、明るい窓際に置いてください。

温暖な森の湿った木陰に自生している植物なので、強い直射日光を嫌います。夏の直射日光が差し込む場合は、レースカーテン越しの柔らかい光にしてあげましょう。

また、湿った環境を好みますが、風通しが悪いと根腐れしたりカビが発生したりするので注意が必要です。

温度

リュウビンタイはやや寒さに弱い植物です。最低5℃以上をキープして育ててください。

5℃以下の温度や霜雪に当たり続けると、葉が黒く枯れる恐れがあります。冬に5℃以下の環境になる場合は、室内へ移動させてください。

冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離れた明るい場所に置きます。ただし、暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷みやすいため、直接当たらないように注意しましょう。

水やりの頻度

春夏の生育期には、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。

冬は手で土を触って水分を感じなくなったら（鉢の中央部分までしっかり乾いてから）水やりをします。この時期は空気が乾燥するので、水やりと一緒に葉水も与えるとイキイキとした元気な葉を維持しやすいです。

気温が低い時間帯に水やりや葉水を与えると逆効果なので、室内が暖かい時間帯に与えてください。もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめです。

肥料

リュウビンタイには、生育期の5～10月に2か月に1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は与えません。

リュウビンタイは肥料が少なくても十分に育ちますが、葉をを茂らせたい場合は土に混ぜ込んだ元肥以外に追肥もしましょう。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。

リュウビンタイの小さな苗に肥料を与えると、根焼けして生育に悪影響を及ぼす可能性があります。肥料を与える場合は8号鉢(直径24㎝ほど)くらいの鉢サイズから与えると安心です。

剪定方法

リュウビンタイの剪定時期は5～10月です。傷んだり枯れたりした葉を剪定します。

基本的には剪定を必要としない植物です。枯れた葉だけを取り除くように剪定してください。

株元の付け根から切る強剪定を繰り返し行うと、新芽が出なくなるので注意が必要です。リュウビンタイは葉が大きく広がるため、剪定を行わないで済むようにあらかじめスペースを取った場所で育てましょう。

リュウビンタイのよくあるトラブルと対処法

個性的な姿をしているおしゃれなリュウビンタイですが、トラブルも存在します。

ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。

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根腐れ

根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。

また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。

根腐れの対処法は以下の通り。

根腐れが起こった場合は、土を入れ替えて環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。

枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な鱗片で切り取り、鱗片挿しで発根させて回復させましょう。

根腐れが起こると、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状。根詰まりの症状は以下の通りです。

特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとリュウビンタイに悪影響です。

対処法はリュウビンタイの植え替えをすること。

リュウビンタイを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。

ただし、リュウビンタイは植替えの回数が多いとストレスを感じやすいです。毎年植え替えることはせず、あくまで根詰まりや根腐れなど必要な時に行うようにしましょう。

葉焼け

葉焼けでは、以下の症状が起きます。

強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。

葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。

対処法は以下の通り。

葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。

また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカファインスプレー・オルトラン）を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。

そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。

常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。

リュウビンタイによくある質問

 

最後にリュウビンタイのよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

リュウビンタイの成長速度は？

リュウビンタイの成長速度は早くはありません。気温が15℃前後になると生育が緩慢になり、冬は生育しないことが多いためです。

そのため、四季のある日本では1年でリュウビンタイが巨大化することは少ないでしょう。ただし、室内で常に温度を20℃以上で維持した場合は、冬でも生育を続けるので大きくなります。

また、株自体の成長速度はゆるやかですが、古い葉はどんどん大きく横に広がるため、葉尺が伸びるスピードは早いです。置き場所は広いスペースを確保するのがおすすめです。

水やりや風通しに気を付けて管理すれば、立派なリュウビンタイに育つかもしれません。早く大きく成長させたい場合は、温度管理してみてください。

リュウビンタイは育てるのが難しい？

リュウビンタイは、風通りが少ない場所では生育が難しいです。しかし、風通りを下k保できる環境なら育てるのは難しくありません。

冬は室内の明るい場所で管理すると育てやすいでしょう。また、多湿環境を好むので、葉水をして湿度を維持すると生育がよくなります。

風通りの良い場所に置き、水のやりすぎ、または極端な乾燥を経験させなければ育てやすい植物です。お部屋を彩るグリーンとして元気に育ててください。

リュウビンタイの冬の育て方は？

リュウビンタイの冬の育て方は、最低5℃以上をキープして管理することです。寒さに弱い植物なので、屋外で管理している場合は気温の下がる秋には室内に移動させます。

室内の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むため、窓から離れた明るい場所に置いてください。また、暖房の風が直接当たると急激な乾燥によって葉が傷むので、直風が当たらないように管理しましょう。

冬に土が常に湿っていると根腐れするため控えめに水やりをします。水やりや葉水は、室温が十分に上がった時に行ってください。

リュウビンタイが腐るのはどうして？復活方法は？

リュウビンタイが腐るのは、「水のやりすぎ」「風通しが悪い」が原因であることが多いです。

多湿を好むとはいえ、常に土が濡れている状態では根腐れする恐れがあります。また、受け皿に水を溜めている場合も、根腐れの原因です。

土の状態を確認しながら適切な水やりをしてください。受け皿に溜まった水はこまめに捨てることが重要です。

風通しが悪いと土が乾きにくい環境になるので注意してください。明るく風通しのよい場所で管理するとリュウビンタイは腐りにくいでしょう。

もし鉢から腐敗臭がする場合は、新しい土で植え替えをしてください。その時に、発根剤を与えることをおすすめします。

リュウビンタイは地植えできる？

リュウビンタイは、冬の最低温度が5℃以下の環境では地植えはできません。九州南部や沖縄などの冬も暖かい地域では地植えが可能です。

冬が5℃以上の地域でも急激な寒さによって、リュウビンタイが傷むので気温には注意してください。5℃を下回る地域では、鉢植えで育てて気温の下がる秋に室内に移動させると安心です。

リュウビンタイにカビが発生する原因は？

リュウビンタイにカビが発生するのは、「水のやりすぎ」「日当たりが悪い」「風通しが悪い」が原因の場合が多いです。

水のやりすぎで土が常に湿っていると、カビが発生することもあります。土の乾き具合を確認しながら、適切な水やりをしてください。

ほとんど日差しが入らず風通しのない場所で育てていると、菌が繁殖してカビが発生する恐れがあります。そのような環境では生育も悪いため、土も乾きにくいです。

明るい窓際に置いて、風が通るように窓を開けたりサーキュレーターを設置したり工夫を行いましょう。

リュウビンタイの植え替え時期/植え替え方法は？

植え替え時期は、5～9月です。7月以降に植え替える場合は猛暑日を避けて植え替えしてください。

およそ1～2年おきに植え替えます。鉢底から根が出てきたり、水やり後に土の吸水が悪かったりする場合も植え替えが必要です。

鉢から根鉢を取り外します。根が固まっていたら土と一緒にほぐして、一回り大きな鉢に植えてください。

用土は水はけのよい観葉植物の土がおすすめです。または、ココヤシチップのベラボンを使って植えても生育はよくなります。

植え替え後は鉢底から水が流れるくらいに水やりをして、風通しのよい明るい日陰で様子を見ます。その後、元に戻して管理しましょう。

リュウビンタイは水耕栽培(ハイドロカルチャー)できる？

リュウビンタイは水耕栽培には不向きです。シダ植物は多湿環境を好みますが、根が常に水に浸っている状態では根腐れしやすいためです。

穴の開いていない容器に水を溜めて生育させる水耕栽培では、リュウビンタイは枯れる恐れがあります。もし水耕栽培したい場合は、焼土を使ったハイドロボールやセラミスを使用して、鉢内に水が溜まらないように育ててください。

リュウビンタイの水耕栽培は管理が難しいので、鉢植えで育てることをおすすめします。

リュウビンタイが枯れる原因は？

リュウビンタイが枯れる原因は、「日当たり不足」「水のやりすぎ(やらなすぎ)」「寒さ」が多いです。

耐陰性があるとはいえ、日差しが入らないような暗すぎる場所では枯れる恐れがあります。日当たりのよい場所で育ててください。

水をやりすぎて、土が常に湿っている場合は根腐れを引き起こす恐れがあります。水やりは適切に行い、特に生育が緩慢な冬は乾燥気味に育ててください。根腐れした場合は、状態の悪い根を取り除いて早めに植え替えることが重要です。

水切れを何度も経験すると根が傷みます。土の乾燥具合を確認しながら水やりを行うことが重要です。

リュウビンタイは寒さに弱い植物であるため、気温の下がる秋からは室内で育ててください。冬は5℃以上をキープして冷え込む窓から離して管理しましょう。

リュウビンタイの適切な増やし方は？

リュウビンタイの適切な増やし方は「鱗片挿し」です。

大きくなった株元の根茎は1つずつ鱗のようにもぎ取ることができます。もぎ取った鱗片を一晩、水に浸けて吸水させてください。

その後は湿らせた水苔に包み、鉢や容器に水苔だけで植えます。水苔が乾燥しないように風通しのよい日陰で管理すると、1～2か月で発根して新芽が出てきます。

発芽後は、鱗片を包んだ水苔ごと観葉植物の土に植えなおして育ててください。リュウビンタイはシダ植物なので胞子でも増やすことができますが、鱗片挿しの方が簡単に増やすことができるでしょう。

リュウビンタイのまとめ

リュウビンタイは明るく風通しのよい室内であれば、一年を通して簡単に育てることができます。ゴツゴツした株元から出る美しく整った葉は、おしゃれなインテリアグリーンとして活躍するでしょう。

「誠実」「愛嬌」などの花言葉は、誕生日や記念日のプレゼントにも最適です。リラックス効果を高める風水効果があるとされるため、忙しい毎日を過ごしている方やマッサージ店など開店祝いの贈り物として喜んでもらえます。

ぜひ、個性的で美しいインテリアグリーンとして育ててみてはいかがですか。