光沢のある美しいグリーンが特徴的で、インテリアプランツとして人気のあるコーヒーの木。お部屋をおしゃれな空間にしてくれる観葉植物として、育ててみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
コーヒーの木をお部屋に迎えるにあたって、育て方に悩んでいませんか。特に、植え替えについて「いつするのか」「植え替え手順」などがわからず、そのまま育てる方も多いと思います。
今回は、コーヒーの木の植え替えについて解説します。植え替えは、鉢植えで植物を健康に育てるためにも大事な作業です。
筆者の経験談も踏まえて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
コーヒーの木の植え替えが必要な3つのサイン
コーヒーの木を元気に育てるためには、2~3年に一度植え替えが必要です。コーヒーの木を植えっぱなしにしていると、鉢の中で根詰まりを起こして水分や養分を吸収できなくなるので注意してください。
また、コーヒーの木を植え替えるサインは、年数だけではありません。以下の3つのサインに気を付けましょう。
- 鉢底から根が出ている
- 水やり後に土の吸水が悪い
- 葉がよく落ちている
①鉢底から根が出ている

鉢底からコーヒーの木の根が出ている場合も、植え替えが必要です。鉢の底から根が出てきている状況は、生育が順調で土の中で根を伸ばすスペースが減っていることを表しています。
コーヒーの木の生育状況によっては、植え付けて2年経たずと鉢底から根が出てくることも。一回り大きな鉢に植え替えることで、根がのびのびと成長して、さらに元気に育ちます。
筆者は小さなコーヒーの木の苗を育てていますがありますが、小さな苗でも根がぐんぐん伸びて、鉢底から根が出てきていました。そのまま植え替えをしていなかったら、数ヶ月で根詰まりを起こしていたので、サインを見逃さず植え替えてください。
写真はコーヒーの木の根っこではないですが、コーヒーの木の根っこも同様に細い根が鉢底から出てきます。
②水の染み込みが悪い

コーヒーの木の植え替えは、水の染み込みが悪い場合も行います。「水の染み込みが悪い」とは鉢の表面に水が溜まっていたり、鉢底から水が流れたりする時間が長い状態です。
同じ土で長年育てていると、鉢の中で土の団粒構造が崩れてしまいます。結果的に、泥のようになり、空気の隙間が無くなるので、水がスムーズに流れず吸水が悪くなるので注意が必要です。
鉢底で崩れた土が詰まると排水が悪くなり、根腐れの原因になります。そのため、水やり後に水が土の表面に溜まっていたり、鉢底から流れる時間が遅くなったりしたときは、植え替えをしてください。
写真は筆者が育てているフィカス・ジンの鉢植えです。表土が粗いにもかかわらず、水が溜まっているのは、鉢の中で崩れた土の屑が溜まっているためです。
写真のように、コーヒーの木の鉢植えでも水やり後に水がスッと染み込まず、溜まる場合は植え替えをしましょう。
③葉が垂れ下がったり、落葉したりしている
コーヒーの木の葉が垂れ下がったり、落葉したりしている場合も植え替えのサインです。葉がよく落ちる原因には、根が傷んでいる可能性が考えられます。
もちろん、病害虫や日当たり、寒さの影響でも葉は落ちますが、いずれにも当てはまらない場合は根傷みの可能性が高いです。暖かい生育期に鉢から取り出して、根をチェックしてください。
スカスカな根や黒ずんでいる根を取り除き、新しい土に植え替えることで綺麗な葉が出てくるでしょう。黄葉や葉先だけ黒くなった葉は、一緒に取り外しておくと見た目や風通しがよくなります。
根詰まりしている場合も、葉がよく落ちるので気を付けましょう。AND PLANTSの記事編集スタッフによると、「やたらと葉が落ちていたら根詰まりしていた」と話されていました。
そのため、2~3年以上植え替えていなかったり、鉢底から根が出ていたりして葉がよく落ちているのであれば、根詰まりの可能性が高いです。根詰まりした根をほぐして適切に植え替えてください。
根腐れした場合も植え替えが必要
コーヒーの木は土が常に湿っていたり、受け皿に水を溜めていたりすると根腐れする植物です。根腐れすると、水分や養分を吸収することができずに、次第に葉が黄色くなってぽろぽろと落ちてきます。
また、鉢底から異臭が漂うこともあるので気を付けてください。そのままでは根腐れの症状は止まらないため、新しい土に植え替えます。
その際に、溶けたような根や黒ずんだ根はすべて取り除きましょう。植え替え後は、発根剤を薄めた水で水やりをしながら様子を見てください。
AND PLANTSでは、発根を促進する「微生物の力で植物を元気にする水」を取り扱っています。根腐れしたコーヒーの木を回復させるためにも、ぜひ水に薄めて与えてみてください。
[https://andplants.jp/products/microorganismswater]コーヒーの木の植え替え時期は「5月~9月」が最適

コーヒーの木の植え替え時期は、5月~9月です。4月にも植え替えはできますが、4月中は遅霜が降りる、または最低気温がグッと低くなることがあるため注意してください。
安定して最低温度が15℃以上になる時期に植え替えると安心です。5月~6月に植え替えを行えば、湿度が高まる7月には写真のようなツヤのある新芽が出てきます。
真夏や冬の植え替えは避けるべき
8月も植え替え時期ではありますが、猛暑日が続く真夏は避けましょう。また、気温が下がり始める11月以降は植え替えないようにしてください。
30℃を超える日が続く真夏に植え替えると、コーヒーの木の生育が緩慢になるため、植え傷みや根傷みから回復できません。35℃を超えるような場合は、植え傷みが悪化して枯れる場合もあります。
冬の場合、室内が暖房で暖かいとしても、暖房を切った後は急に気温が下がります。コーヒーの木は寒さに弱いので、冬に植え替えると傷みやすく枯れやすいです。
コーヒーの木は、真夏や真冬の季節を避けて植え替えしましょう。
コーヒーの木の植え替えに必要な道具
ここでは、植え替えに必要な道具を紹介します。
植え替えに必要なものを準備する際に「これ以上、鉢を大きくしたくないな…」「土って色々あるけど、どれがいいのかな」と、鉢や土の選び方に悩む方も多いでしょう。
コーヒーの木の植え替え準備の際に、悩みやすい鉢や土について、以下の2点についても解説します。
- 鉢の選び方|大きくしたいかで変える
- 土の選び方|水はけのよいものがおすすめ
鉢の選び方|大きくしたいかどうかで変える
コーヒーの木の鉢は「株を大きくしたいかどうか」を考えて選びましょう。
植え替え後にコーヒーの木を置くスペースが広い場合は、大きく育っても問題ありません。大きく育てたい方は、1~2回り大きな鉢を選んでください。
「置くスペースが限られている」「小さいまま楽しみたい」といった方は、同じサイズまたは、0.5号だけアップした鉢を準備します。例えば、植え替え前が4号鉢であれば、4号または4.5号の鉢です。
大きくしたくない方は、土をほぐしてすべて取り除きます。全体の1/5~1/4程度の根を剪定して整理してください。併せて、同量の葉も剪定しておくと株の負担を減らすことができます。
その後は準備した小さめの鉢に植え替えてください。植え替えの手間は増えますが、あえて生育を緩やかにすることで植え替え後も小さいまま育てられます。
土の選び方|水はけのよいものがおすすめ
コーヒーの木の土は、基本的に水はけのよいものを選んでください。水はけのよい土であれば、根腐れをする可能性が低く、根の生育にも良いためです。

筆者は、硬質赤玉土(小粒):硬質鹿沼土(小粒):軽石=6:2:2の割合でオリジナル用土を作り育てています。しかし、コーヒーの木においては、腐葉土やピートモスを混ぜたり粒度を下げたりするべきだったと後悔しています。
水はけを重視しすぎたため、水切れを頻繁に起こして葉が垂れやすいためです。
AND PLANTSでは、植物の生育に適した乾きやすさだけでなく育てやすい保湿性を両立した「AND PLANTS SOIL 観葉植物の土」を取り扱っています。
水分保持力があまりないコーヒーの木には、保湿性も併せ持つ「AND PLANTS SOIL 観葉植物の土」をおすすめします。ぜひ土について悩んでいる方は、使ってみてください。
[https://andplants.jp/products/andplantssoil-25l]
コーヒーの木の植え替え手順
植え替えに必要な道具を準備したら、実際にコーヒーの木を植え替えましょう。植え替えの手順は以下の5つです。
- 鉢底網を敷いて鉢底石を入れる
- 新しい土を入れる
- コーヒーの木を鉢から取り出す
- 根鉢をほぐす
- 準備した鉢にコーヒーの木を植える
それぞれの手順を解説します。以下の記事もあわせて参考にすると、正確に植え替えを行うことが可能です。
①鉢底網を敷いて鉢底石を入れる
作業前に園芸シートを敷いておきましょう。その上に植え替える鉢を準備し、鉢底網を敷きます。

その上から、鉢底網が見えなくなる程度に鉢底石を入れてください。鉢の大きさにもよりますが、鉢の高さの1/5~1/4の量を入れるとちょうどよいです。
[https://andplants.jp/products/andplants_drainagestones]②新しい土を入れる
鉢底網と鉢底石を入れた鉢に、新しい観葉植物の土を鉢の半分ほど入れてください。
[https://andplants.jp/products/andplantssoil-25l]③コーヒーの木を鉢から取り出す
これから植え替えるコーヒーの木を、鉢から優しく取り出します。この時に、強く幹を引っ張ると根が切れて傷んでしまうので、気を付けてください。
鉢を逆さまに向けるように持って、コーヒーの木の根鉢が落ちてくるように優しく取り出します。根が張って取り出せない場合は、鉢の縁をトントンと叩いたり、鉢底穴に棒を差し込んで押し出すように取り出したりしてください。
④根鉢をほぐす
根鉢が固まっている場合は、土と一緒にほぐします。根がスカスカに枯れていたり、根腐れしていたりするときは、ハサミやピンセットを使って取り除いてください。
複数のコーヒーの木が1鉢に植えられていて、お互いに根が絡まり合っている場合は、揺すりながら優しく取り外しましょう。どうしても取り外れない場合は、容器に水を溜めて土を丁寧に落とすと根の絡まりが取れやすいです。
⑤準備した鉢にコーヒーの木を植える
鉢底網、鉢底石、新しい土が入った植木鉢に、根を整理したコーヒーの木を入れます。植木鉢のサイズは、現状より一回り大きいものを選ぶといいでしょう。
また、植え替えの際は、鉢の真ん中にコーヒーの木を設置すると見た目が良いです。場所が決まったら、スコップで観葉植物の土を入れてください。
ただし、鉢の縁いっぱいまで入れると、水やり時に土がこぼれてしまいます。そのため、鉢の縁が1~2㎝程開くようにウォータースペースを取っておきましょう。
土をスコップで入れた後は、細い棒で土を突いて根と根の隙間にも土が入るようにします。その後、鉢の縁をトントンと叩いて土をならせば植え替えが完了です。
コーヒーの木を植え替えた直後は、鉢底から水が流れるようにたっぷりと水やりしてください。
植え替え後のコーヒーの木の育て方

コーヒーの木の植え替え直後は、土に根が張っていません。そのため、置き場所や日当たり、温度などの育て方に注意してください。
上手に植え替えができても、その後の育て方によっては枯れる恐れがあるためです。以下の4つのポイントに絞って解説します。
- 置き場所と日当たり
- 温度
- 水やりの頻度
- 肥料
その他、剪定やよくあるトラブルについては、「コーヒーの木の育て方」の記事で詳しく紹介しています。基本の育て方が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
置き場所と日当たり

コーヒーの木を植え替えた後は、直射日光の当たらない明るい日陰や室内で2週間ほど管理してください。直射日光に当てると葉焼けする恐れがあるため注意が必要です。
室内の窓際に置くと、植え替え直後に日差しが当たる場合があるので、窓際から離しておくとよいでしょう。2週間ほど管理すると新芽が出てきます。
新芽が出てくると、土の中で新しい根が伸びてきている証拠です。このタイミングで、元々コーヒーの木を育てていた場所に置くと、順調に育ちます。
温度

コーヒーの木の植え替え時期は、生育期の5月~9月です。そのため、気温が低いことはないので心配はいりませんが、植え替え直後は15℃以上を保ってください。
コーヒーの木は10℃以上をキープして育てる植物ですが、植え替え直後は植え傷みによって弱っています。このタイミングで低温に当たると枯れる恐れがあるので、暖かい環境で育てることが重要です。
特に、秋以降は気温が下がり始めるので、植え替えには注意してください。暖房が入っていても、冬に植え替えると調子を崩しやすいため、植え替え時期は守りましょう。
水やりの頻度

植え替え後のコーヒーの木の水やりは、土の表面が乾燥したらたっぷり水やりしてください。この時に、発根剤を水に薄めて水やりすると、発根が促進されて生育がよくなります。
特に、根腐れや根傷みが原因で植え替えている場合は、発根剤を与えながら水やりすると効果的です。ただし、受け皿に水を溜めたり土が乾いていないにもかかわらず水やりしたりしないでください。
発根したばかりの根が腐ってしまいます。また発根したばかりの根は、乾燥に弱いので水切れの状態が長く続かないように注意しましょう。
そのため植え替え後は、今まで通り適切に水やりすることが重要です。コーヒーの木はお水を好むので、水切れがないようにしっかり水やりしてください。
肥料

根が傷んでいない状態であれば、植え替え後も通常通りに肥料やりしても問題ありません。液肥であれば、2週間に一回水に薄めて与えて、置き肥であれば2か月おきに与えるとよいでしょう。
ただし、根腐れや根焼けによって根が傷んでいる場合は、肥料を与えることは控えてください。根が傷んでいる状態で肥料を与えると、肥料を上手く吸収できないだけでなく、さらに根を傷めてしまうためです。
発根剤を水に薄めて水やりして様子を見ます。コーヒーの木から新芽が出始めたら、土の中で新しい根が伸び始めた証拠です。
新芽が伸びてきたタイミングで初めて肥料を与えると、根を傷める心配がありません。
[https://andplants.jp/products/andplants_fertilizer]コーヒーの木の植え替えに関するよくある質問

最後にコーヒーの木の植え替えによくある質問とその答えを以下にまとめました。
- コーヒーの木を植え替えた後にしおれるのはどうして?
- コーヒーの木を植え替えてすぐに肥料を与えてもいい?
- 植え替えに失敗した原因と対策は?
それでは具体的に見ていきましょう。
コーヒーの木を植え替えた後にしおれるのはどうして?
コーヒーの木を植え替えた後にしおれるのは、「根が傷んだ」「直射日光に当たっている」「寒さ」が考えられます。植え替え中に太い根が切れたり折れたりすると、根が吸水できずに、葉がしおれることがあるため丁寧に植え替えてください。
植え替え後に直射日光に長時間当たっていると、葉がしおれてしまいます。葉に直射日光が当たると、光合成のために水分を多く必要としますが、根がしっかり土に張っていないため十分に吸水できません。
結果的に、水分が足らずに葉がしおれてしまいます。また、真夏の直射日光の強すぎる日差しでは、葉焼けしたり土の中の根が暖められたりして、葉がしおれることも。
コーヒーの木の植え替え時期は5~9月です。気温の低い秋冬に植え替えると、寒さでしおれる可能性があります。植え替え時期を守って、植え替えることが上手に育てるポイントです。
コーヒーの木を植え替えてすぐに肥料を与えてもいい?
コーヒーの木を植え替えてすぐに肥料は与えない方がよいです。特に、根腐れしていたため植え替えた場合は、肥料は与えてはいけません。
植え替えでは、少なからず根が切れたり折れたりしてダメージが蓄積されています。さらに、土に根付いていないため、肥料分を吸収することができずに傷みやすいです。
水やり後にゆっくり肥料分が溶け出す緩効性肥料を土の中に混ぜたり、土の上に置いたりする程度であれば問題ありません。しかし、即効性のある液体肥料や必要以上の緩効性肥料を短期間に多く与えると、枯れる可能性が高まるので注意してください。
植え替えて、1ヶ月は肥料を与えずに様子を様子を見ましょう。根の成長を促す発根剤を与えると、根の回復が早まります。
植え替えに失敗した原因と対策は?
コーヒーの木の植え替えに失敗原因は、「根を傷めた」ことが考えられます。例えば、以下のような場合です。
- 植え替え時に、健康的な根を半分以上切った
- 植え替えに時間がかかり、根が乾燥した
- 植え替え後に、すぐに水やりしていない
- 植え替え後に、濃度の高い肥料を与えた
植え替えの際に、根を傷めたコーヒーの木は、調子を崩してしまいます。場合によっては枯れる可能性があるので、対策が必要です。
いずれの原因においても、「まずは発根剤を与えて明るく風通しの良い場所で様子を見ること」が対策です。
植え替え後に調子を崩して「植え替えを失敗した」と思うと、また植え替え作業をしたくなりますが、再度植え替えするのは避けてください。
コーヒーの木に限らず、短期間に何度も植え替えをすると、植物は植え傷みから回復できません。枯れる可能性が、より高まるので気を付けてください。
まずは、発根剤を与えて新芽が出るまで、じっくりと待ちましょう。
まとめ
コーヒーの木は、波打つようなツヤのある葉がおしゃれな観葉植物です。初めて植物を育てる方にも人気ですが、適切な植え替えをされていない方も多いかもしれません。
コーヒーの木は2~3年に一度、植え替えます。また、鉢底から根が出てきたり水の染み込みが悪かったり、葉がよく落ちたりしているときも植え替えが必要です。
これらのサインを見逃さずに植え替えて育てることで、コーヒーの木は美しく成長します。定期的な植え替えを心がけることで、コーヒーの実が収穫できるほど育てることができるでしょう。
AND PLANTSでは、さまざまなケアグッズを取り扱っています。ぜひコーヒーの木の植え替えにも役立ててみてください。
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