ビジネスシーンで取引先の会社やお得意先が移転することになったら、移転祝いを贈ることがあります。
移転祝いには花や観葉植物を贈ることが多く、基本的には立札をつけて、飾った際に誰から贈られたものなのか分かるようにする役割があります。立札は会社同士のお付き合いを表すものでもあるので、とても重要です。
今回は移転祝いの立札について解説していきます。相手に失礼がないように、書き方やマナーを把握しておくことが大切なので、贈る機会がある方はぜひ参考にしてみてください。
移転祝いの立札の書き方
移転祝いの立札の書き方について解説します。立札には主に「お祝いの文言」「宛名」「贈り主の名前」の3つが入ります。
用途が変わることでお祝いの文言は変わりますが、開店祝い、リニューアルのお祝いなども記載する内容は基本的に同じです。
- お祝いの文言
- 宛名
- 贈り主
お祝いの文言
立札に記載する移転祝いの文言は以下の通りです。
- 祝御移転
- 祝移転
- 移転御祝
- 御祝
どの言葉を使用しても問題ありませんが、よく使用されるのは「祝御移転」です。四文字の並びが良くないとされることもあるので、「祝」と「御移転」の間を一文字分空けて記載されることもあります。
「御祝」は幅広い用途で使用できる言葉です。立札の文言に迷ってしまうような場合におすすめです。
宛名
送り先となる宛名の入れ方は、「会社名+代表者氏名」を記載することが一般的ですが、会社名だけの場合もあります。
また、立札に記載できる文字数は限られているため、文字が多くなるとそれだけ全体の文字が小さくなってしまいます。
立札は、宛名の部分は省略して作ることも多く、お祝いの文言と贈り主の名前のみで作成することも可能です。あくまでも誰から贈られた花なのか分かるようにするのが立札の役割なので、宛名を省略しても問題はありません。
贈り主
贈り主の名前も「会社名+代表者氏名」で記載するのが一般的です。「○○株式会社 代表取締役社長 氏名」と記載します。「会社名」のみや、「営業部一同」などと記載することもあります。
名前を連名で記載する場合には、肩書の高い順番に書きます。特に肩書が無い場合は順番に決まりはありません。
人数が多いと記載される名前の大きさが小さくなってしまうので、3人以上になる場合やバランスが悪い場合には「一同」と表記されます。
補足:社名や漢字の間違いに注意
立札を作る際に注意が必要なのは、相手の会社名や名前の間違いです。間違いがあれば大変な失礼となってしまうので、花屋さんに依頼するときには、入念に確認して伝えるようにしましょう。
間違えやすいポイントとしては、英語の綴り、「株式会社」が前につくのか、後につくのか、漢字の旧字、役職が「代表取締役」なのか「代表取締役社長」なのかなどです。
特に漢字の「高」「崎」「辺」など新字と旧字を間違えやすいので、気を付けましょう。
立札の種類
立札には主に「木札」「木目調札」「カード札」の3種類があります。贈る花や観葉植物の大きさ、用途別に使い分けられますが、どの用途にこの札を使用するといった決まりは特にありません。
また、お店によっても用意している札の種類は違うので、気になる場合には事前に確認が必要です。基本的には花屋さんで贈る花のサイズやタイプに合わせて適したものを用意してくれます。
さらに、立て札には縦書きと横書きのタイプがあり、こちらも贈る花や植物に合わせてつけられます。縦書きのものが多いですが、英語が入る場合には横書きの方がよく用いられ、きれいに文字が収まるのでおすすめです。
移転祝いに添えるメッセージカード
移転祝いの際に、立札は必須となることが多いですが、メッセージカードでお祝いの気持ちを添えることもできます。友人や親族などへ個人からお祝いを贈る場合は特にメッセージカードを添えたいと思う人が多いかもしれません。
メッセージの文例と注意が必要なポイントについて解説します。縁起が悪い言葉には注意が必要です。
- メッセージの文例
- 弔み言葉は注意
メッセージの文例
移転祝いに贈るメッセージの文例を紹介します。移転を祝福する気持ちと更なる発展を祈った気持ちを伝えるのがおすすめです。
- この度は移転おめでとうございます。新天地での更なるご発展をお祈りしております。
- 新オフィスでの新たなご出発、心よりお祝い申し上げます。貴社の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
- 店舗の御移転おめでとうございます。素敵な場所に移転されましたね。今後もたくさんの人に愛されるお店になりますように。応援しています。
弔み言葉は注意
メッセージを書くときにうっかりと「弔み言葉」を使用してしまわないように気を付けましょう。縁起が悪く、良くないことを連想させる言葉です。
例として、「切れる」「終わる」「失う」「廃れる」「倒れる」「燃える」などの言葉は使わないように注意が必要です。
移転祝いにおすすめの観葉植物
移転祝いにおすすめの観葉植物を紹介します。インテリアとして重宝し、風水的にも良い効果が期待できる観葉植物は移転祝いによく贈られるギフトです。
観葉植物にはたくさんの種類がありますが、その中でも筆者がおすすめするものを2つ紹介します。今後更に事業が発展していくように良い意味合いが込められている植物です。
- パキラ|発財の木
- ユッカ・エレファンティペス|発展の木
パキラ|発財の木
日当たり | 日当たりの良い置き場所(直射日光を避ける) |
温度 | 最低10℃以上をキープ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後 |
パキラは、手のひらを広げたように葉っぱを咲かせる観葉植物です。別名「Money Tree(発財樹)」とも呼ばれることから金運アップの効果が期待され、開店祝いや移転祝いなどの贈り物にも適しています。
風水では金運アップの効果以外にも、邪気払いや健康運アップが期待できる植物です。葉水で葉っぱをきれいに保つと、さらに風水効果が高まるとされています。
また、一年を通して日当たりのよい置き場所で管理ができると、新芽がどんどん成長します。育てやすい点が贈り物にも適しているので「せっかくもらったのに枯らしてしまった」というリスクが低い植物です。
[https://andplants.jp/collections/pachira]ユッカ・エレファンティペス|発展の木
日当たり | 日当たりの良い置き場所 |
温度 | 最低0℃以上をキープする |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから2〜3日後 秋冬:土の表面が乾いてから4〜5日後 |
ユッカ・エレファンティペスは、象の足のような幹と剣のような葉っぱをもっている観葉植物です。その姿から別名「発展の木」「青年の木」と呼ばれています。
力強く明日に向かって成長していくさまから、仕事運や金運UPが期待できるとされており、お祝いごとでの贈り物に最適です。
強健な見た目から想像できるように、乾燥に強く、初心者でも育てやすいことで知られています。新天地のオフィスや店舗に最適な植物であるといえるでしょう。
置き場所によっては、水やりは1〜2週間に1回で大丈夫です。日当たりが確保できれば問題ありません。お祝いに贈る植物は丈夫で育てやすいものを選ぶことも大切なので、移転祝いに植物を贈る際にはぜひ検討してみてくださいね。
[https://andplants.jp/collections/yucca]移転祝いにおすすめの花ギフト
移転祝いに贈られることが多いおすすめの花ギフトの種類を紹介します。移転祝いには開店祝いと同様に胡蝶蘭やスタンド花が贈られることが多いです。それぞれの特徴を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
- 胡蝶蘭
- スタンド花
関連記事:移転祝いにおすすめの花|相場とマナー
胡蝶蘭
豪華で高級感のある胡蝶蘭はお祝いによく用いられる鉢物で、「幸福が飛んでくる」という縁起が良い花言葉があります。舞う蝶のような形をした花が幸せを運んできてくれるイメージができる花です。
また、鉢物は「根付く」の意味があることから、その地にしっかり根を張って商売が続いていくようにという縁起の良い意味もあります。
胡蝶蘭の良いところは縁起の良い意味があるところと、花持ちが良く、長く楽しめるところです。飾る環境にもよりますが、1カ月~2カ月程度はきれいな状態で花を鑑賞できます。
胡蝶蘭は温かい場所を好むので、オフィスやお店のような気温が一定の室内の環境が適しています。特性上も移転祝いに適しているので、おすすめの花ギフトです。
[https://andplants.jp/collections/phalaenopsis]スタンド花
スタンド花は開店祝いにもよく贈られますが、生花を大きくアレンジして作られたものです。
2m近い高さのあるスタンド花は存在感が抜群で、花のアレンジが1つの1段のものと下段にもアレンジがつく2段のタイプがあります。より豪華で見栄えが良いのは2段のタイプです。
お祝いにはやはり生き生きとした生花が相応しく、移転先を華やかに彩ってくれます。お店の場合は、スタンド花があることで、新しく開店したお店だと通る人にも分かりやすく、アピールにもなります。
スタンド花は贈る相手のイメージに合わせて花色や雰囲気をチョイスできるので、イメージがある場合はスタンド花がおすすめです。使う花や色によって全く仕上がりが異なるので、ぜひ贈り先に合わせたものを贈ってみましょう。
移転祝いについてよくある質問
移転祝いについてよくある質問を紹介します。移転祝いを贈る際のマナーが気になる人も多いかもしれません。相手に失礼がないようスムーズに贈りたいですよね。
気になるマナーや花以外でのおすすめのギフトについてなど解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 移転祝いはいつまでに贈るのがマナー?
- 事務所の移転祝いに花以外でおすすめは?
- 移転祝いに花を贈る際のマナーは?
移転祝いはいつまでに贈るのがマナー?
移転祝いは遅くとも1カ月以内に贈るのがマナーです。通常は前日、もしくは当日に贈るものなので、遅れてしまった場合は一言添えるようにしましょう。
また、1週間以上遅れてしまうときには、花以外のギフトにするのがおすすめです。お祝い花も当日に贈られることが特に多いので、ずれたタイミングで胡蝶蘭やスタンド花を贈ってしまうと、邪魔になってしまうこともあります。
移転の知らせを聞いたら、なるべく早めに準備することをおすすめします。
事務所の移転祝いに花以外でおすすめは?
移転祝いで花以外におすすめのギフトは「食べ物・ドリンク」「カタログギフト」「お酒」です。
食べ物・ドリンクのギフトはスタッフで分けることができ、忙しいときに差し入れがあると嬉しいですよね。贈る側も気軽に渡しやすいのが良いところです。
カタログギフトは、好きなものを選んでもらえるので、お祝いに何を贈ろうか悩んだときにおすすめです。自分のご褒美にしたり、お店で使える実用的なものを選んでもらったりすることができます。
お酒の贈りものは、相手の好みや贈り先の雰囲気にもよりますが、記念に飾れるオリジナルラベルのものを贈るのがおすすめです。
移転祝いに花を贈る際のマナーは?
移転祝いの花を贈る際に気を付けたいマナーは、「当日もしくは前日に贈る」「事業縮小による移転の場合はお祝いを贈らない」「香りや花粉に注意する」といったことがポイントです。
移転祝いの花は当日の午前中に贈るか、相手の都合が良ければ前日に贈ります。前日の方が花をセッティングした状態でオープンできるため助かると感じる人もいるようです。
また、移転は事業縮小のために行われることもあります。そのときにお祝いを贈ってしまうと失礼にあたるため、もしその可能性がある場合には、関係者へ事前に確認することをおすすめします。
お祝い花を贈る際は、香りが強いもの、花粉が落ちてしまうものはなるべく避けましょう。飲食店で香りが強い花は料理の邪魔になることがあり、花の花粉は周りを汚してしまう可能性があります。
お祝いの花は配慮が必要な部分もあるので、把握しておきましょう。
まとめ
移転祝いの立札について解説しました。新天地でオフィスを構えたり、お店を開店させたりした場合には、移転祝いを贈ります。ビジネスシーンで贈られることが多い用途で、立札をつけて花や観葉植物がよく贈られます。
移転祝いの立札の書き方は開店祝いと同様に、お祝いの文言と宛名、贈り主の名前を入れるのが一般的です。立札を作成してもらう際に注意したいのは、会社名や漢字の間違いです。漢字の旧字や社名の前株、後株には特に注意が必要となります。
立札の書き方は一度覚えてしまうとその後もビジネスシーンで役立てることができるので、ぜひお祝いを贈る際に参考にしてみてください。