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花屋に資格は必要?取得のメリット・デメリットや役立つ資格の選び方

花屋に資格は必要?取得のメリット・デメリットや役立つ資格の選び方

「花屋で働きたいけれど、資格は必要?」「どの資格を取るべき?」などと、悩んでいませんか?

花屋で働くならお花の知識や技術が必要と考える方も多いですが、未経験での募集もたくさんあります。知識や技術は働きながら身に付けることができるため、お花の資格が必ずしも必要とは限りません。

しかし、お花の資格を取得したことで、採用されやすかったりキャリアアップに繋がったりと、有利に働くこともあります。

この記事では、花屋になるのに資格が必要なのか、資格以外になにが必要なのかを、実体験を交えてまとめました。

お花の資格を取得するメリットデメリットや、資格の種類についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

花屋になるのに資格は必要?

結論から言うと、資格がなくても花屋にはなれます。ここではその理由や、資格があると有利なことがあるのか、花の資格以外に持っていた方がいいものはあるのかについて、解説していきましょう。

資格がなくても花屋になれる

専門の資格や免許がなくても、花屋はできます。花屋で従業員として働くケースだけでなく、自分で花屋を始める場合も資格は必要ありません。

花屋の仕事に技術や知識は必要ですが、働きながら経験を積んでスキルアップすることは十分可能だからです。花屋の仕事は、専門の技術や知識が必要な内容ばかりではありません。レジの扱いや掃除、水やりなどでは、技術や知識より接客マナーや丁寧さが重視されます。

未経験でもアルバイトから思い切って飛び込んでみて、やっぱり欲しいとなったら資格取得に動くのもありです。

技術資格が有利なこともある

お花の技術を証明する資格を持っていることが、有利になることもあります。即戦力を求めている場合は、技術的な資格を持っているとアピールしやすいからです。

資格の種類や級数で、どれだけの技術や経験値があるかを判断してもらいやすくもなります。資格取得によって一定の技術が身についていることで、花屋の仕事が未経験でも、早く仕事を任せてもらえるようになることも考えられるでしょう。

やれることが多ければ、仕事の幅も広がります。目指すポジションがあれば、短い期間で到達することも可能です。

ただし、資格にこだわりすぎると、マイナスイメージを与えることもあるので気を付けましょう。資格を持っていることに慢心しているように見られてしまっては損です。

人の好さや将来性から全くの未経験者を採用するケースもありえます。花屋の仕事には知識や技術だけでなく、人間性も大切なことを心得ておきましょう。

運転免許はあった方がいい

花屋の仕事をする場合、花関係の資格以外にあったほうがいいものとしては、運転免許が挙げられます。市場に花材を仕入れにいったりお客様のところに配達に行ったりと、花屋の仕事には車が必要なシーンが多いです。ウェディングや葬儀関係では、制作物の搬入や搬出もあります。

もちろん、運転免許が絶対必要なわけではありません。店頭作業や裏方仕事のみであれば、車を運転する機会がないこともあるでしょう。

ショッピングセンター内の花屋などでは、配達を行っていないところもあるため、仕入れなどを任されているのでなければ運転する機会はありません。しかし、筆者自身の例ですが運転免許を持っていたことで、市場に行く機会を得られて知見が広がったという経験があります。花屋としてスキルアップしたい、仕事の幅を広げたいというのであれば、運転免許は持っていた方がいいでしょう。

花屋になるのに必要なこと

資格があってもなくても大丈夫なことは分かりましたが、花屋になるためには資格以外に何が必要なのでしょうか。必要な条件としては、主に次の3つが挙げられます。

  • 花や植物への愛情
  • コミュニケーション能力
  • 根気

その理由を、具体的に解説していきましょう。

花や植物への愛情

花屋になりたい方は、「花が好き」「植物に癒される」など、花や植物に対して愛情を持っている方がほとんどでしょう。

花や植物は生き物なので、きれいな状態で維持管理するには、愛情を持って手入れする必要があります。そのため、自分が扱う商品にたいして、真心を持って接することができるかが大切です。

花や植物への愛情やどのように扱っているかは、お客様にも自然と伝わるものだということも、心得ておきましょう。

コミュニケーション能力

花屋は、接客を含むサービス業のため、店頭でのやり取りだけでなく、アレンジメントや花束を制作する時も、お客様から希望を伺ったり提案したりするために、コミュニケーション能力は欠かせません。

花屋には、いろいろな人が来店します。お花に詳しい人だけでなく、アドバイスが欲しい人や何でもいいのでおすすめしてほしい人などさまざまです。

ブライダルや葬儀などの店頭以外のお花の仕事も同じで、お客様はひとりとして同じ人はいません。お客様との装花の打ち合わせでは、毎回できうる限りのコミュニケーション能力を駆使していました。

相手が何を求めているのか、悩みを解決するのに何を提案してあげたらいいのか、未経験のうちは上手くできなくても、誠意をもって接する心がけが大切です。

根気

花屋の仕事は一見華やかに見えますが、実は地味で体力のいる仕事です。きれいなお花たちに囲まれているためキラキラして見えるだけで、根気がなければ務まりません。

お花が入荷する日は大量の花材を抱えて運んだり、水あげや水替えでは重いバケツを持って何往復もしたりと、力仕事も多いです。冬の寒い時期でも暖房をつけられないため、足元の小さなストーブだけで震えながら仕事をする日もあるでしょう。

働き始めはレジや掃除ばかりの繰り返しで、なかなかお花に触らせてもらえないかもしれません。しかし、根気のいる仕事の先に、やりがいや喜びがあるのが花屋の仕事です。

花の資格を取得するメリット

花屋になるのに資格は必要ありませんが、取得するメリットもあります。花の資格を取得するメリットは、次の3つです。

  • 知識や技術が身に付く
  • 自信につながる
  • キャリアの幅が広がる
順番に解説していきましょう。

知識や技術が身に付く

資格を取得することで、花屋の仕事に必要な知識や技術が身に付きます。未経験で花屋になるとしても、一定のスキルを持っていれば仕事に馴染むのも早いでしょう。

筆者自身は事務職で働きながら資格を取得し、未経験で花屋に就職しましたが、基本の知識や技術が身についていたことで、一通りの仕事を覚えるのにそれほど時間がかかりませんでした。

お花は、種類によって処理や管理方法が異なります。制作などでお花を扱う際にも経験が必要なため、雇う側としても教える手間が省けることはメリットです。

自信につながる

知識や技術を得ることは、自分の自信にもつながります。広く認められている資格には、年単位の実務経験や履修期間が必要なため、資格取得のためにかなりの時間を修練に費やさなければなりません。

実際、筆者は事務職の傍らで資格取得を目指したので、上位の資格を取るまでに3年かかっています。

努力した分だけ高い達成感を得られ、頑張ったことを誇りに感じられることが、お花の仕事をしていく上での自信になるのです。

キャリアの幅が広がる

身に付けた知識や技術は一生ものなので、上手く生かせばキャリアの幅も広がります。花屋というと、店頭でお花の販売をしていたり、花束やアレンジメントを制作しているイメージを持つ方が多いですが、実際には仕事の幅はとても広いです。

生花店、園芸店、ブライダルや葬儀関係、ホテルや商業施設の装飾など多岐に渡ります。自分が何を目指すかによっては、資格によって可能性も広がるでしょう。

花の資格を取得するデメリット

花の資格の取得には、メリットだけでなくデメリットもあります。デメリットには、主に次の2つが考えられるでしょう。

  • 時間とお金がかかる
  • 習ったことをそのまま活かせるとは限らない

デメリットの理由だけでなく、メリットに変えるポイントも解説していきます。

時間とお金がかかる

花に限らず資格の取得には時間とお金がかかるため、その負担がデメリットになることもあります。

花の資格を取得しなければ花屋になれないわけではないので、取るかどうかは自分の考え次第です。人によっては、資格取得にかける時間とお金をムダだと思うかもしれません。

しかし、専門学校やフラワースクールに通った期間は、自分の財産にもなります。いろいろな人と交流ができたり、イベントに参加できたりなど、さまざまな経験が得られるからです。得た経験が自分にとって有益なものであれば、時間とお金をかけたとしてもデメリットにはならないでしょう。

習ったことをそのまま活かせるとは限らない

もうひとつのデメリットは、習った知識や技術をそのまま活かせるとは限らないことです。お花の仕事は結果が良ければいいわけで、そこに至る課程が異なることは多々あります。そのため、指示されたやり方が、習ったことと全く違うケースもあります。

例えば、キャスケードブーケの一番長い部分は、ワイヤーをかけてしっかり固定すると習ったのですが、実際の現場ではワイヤー加工をする必要はないと言われ驚いたことがあります。

花の資格にはどんな種類がある?

花の資格には、大きく分けて「国家資格」と「民間資格」とがあります。さらに、民間資格には公益団体が主催するものから、一般のスクールが発行するディプロマまでさまざまです。生け花の流派が、習熟度に応じて発行する免状も、資格のひとつになります。

ここでは、比較的花の仕事に直結する主な資格について、紹介します。

資格や習ったことに固執せず、臨機応変に適応していくことも大切です。資格は知識や技術力の目安であって万能ではないので、こだわりすぎない姿勢も必要でしょう。

国家資格

花や植物関係の国家資格は、「フラワー装飾技能士」と「園芸装飾技能士」の2種類があります。一度取得すれば更新の必要がないため、一生持ち続けられる資格です。

1級を取得した際は、厚生労働大臣名の入った合格証書が交付されるため、権威のある資格とも言えるでしょう。

フラワー装飾技能士

フラワー装飾技能士は、アレンジメントや花束などの制作、ディスプレイなど、花の装飾に関わる技能や知識を習得する資格です。

1級~3級まであり、それぞれ規定の実務期間が必要ですが、専門学校などで受験資格を得ることもできます。花屋業務の全般に通じるため、取得を目指す方も多いです。

園芸装飾技能士

園芸装飾技能士は、屋内の観葉植物の装飾や配置、維持管理に関わる知識や技能を習得する資格です。

多くの花屋は、切り花とともに観葉植物などの屋内グリーンも扱い、販売だけでなく公共施設や商業施設などの装飾や管理業務も行います。

フラワー装飾技能士と同様に1級~3級まであり、取得には実務経験も必要ですが、比較的取得しやすい資格です。

民間資格

公益団体が主催する資格の中で、花屋の仕事に直結しやすい資格を3つ挙げました。

国家資格との違いは、資格試験に合格したら団体への会員登録が必要で、登録料と年会費がかかることです。資格を維持し続けるには、年会費を払い続ける必要があります。

NFDフラワーデザイナー検定

フラワーデザイナー検定は、日本フラワーデザイナー協会(NFD)が発行する資格で、お花の知識や多様なフラワーデザイン、アレンジメントの技術を学べます。

1級から3級まであり、受験資格を得るには認定校に通い、必要な単位を取得する必要があります。ただし、フラワー装飾技能士を取得済みであれば、同じ級数の受験が認められています。

FDAフローリスト検定

フローリスト検定は、フラワーデコレーター協会(FDA)が発行する資格で、生花店勤務や冠婚葬祭の生花部門の知識や技術に特化していて、実務への理解度を示すものです。

1級から5級まであり受験要項は特にないため、誰でも受験できます。FDAでは、ほかにもフラワーデコレーターやフラワーカラーコーディネーター、プリザーブドフラワーなど、多様なライセンスの取得が可能です。

グリーンアドバイザー

グリーンアドバイザー検定は、日本家庭園芸普及協会が発行する資格で、植物に関する知識や特性、育成や管理方法、園芸デザインなどを学べます。受験資格は特になく、協会が実施する認定講習を受けて、認定試験に合格することで取得が可能です。

その他の民間資格

花に関する資格は、他にもいろいろあります。広い範囲で考えれば、生け花の免状やフラワー教室で交付されるディプロマも資格のひとつです。

生花だけでなく、プリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーの資格もあります。

役に立つ花の資格の選び方

 

花屋の仕事をするうえで役に立つ資格の選び方には、次の3つのポイントがあります。

  • どんな仕事に就きたいか
  • 何に詳しくなりたいか
  • 花関係の資格以外に役立つものはあるか

それぞれ具体的に解説していきましょう。

どんな仕事に就きたいか

花の仕事に結びつけるために資格を取るのであれば、どんな仕事に就きたいかを考えましょう。花の仕事をする場所は、生花店や園芸店、冠婚葬祭での制作、施設での装飾、ネットショップ、市場、生産地などさまざまです。

自分がやりたい仕事、就きたい職場があるのなら、それに特化した内容を学べる資格を選ぶといいでしょう。

何に詳しくなりたいか

何に詳しくなりたいかによっても、役立つ資格は異なります。

花や植物に対する知識を深めたいのか、デザインやアレンジの技術やセンスを磨きたいのか、花屋の経営や管理について学びたいのかなど、自分が何を求めているのかを考えてみるのもいいでしょう。

花以外にも役に立つ資格はある?

花以外にも、持っておくと役立つ資格があります。ひとつは、運転免許です。花材の仕入れや配達、冠婚葬祭での搬入搬出などは、運転ができなければこなせません。

フラワーデザインやアレンジをするときは、花同士や器、背景などとの組み合わせが大切です。色彩検定やカラーコーディネーターの資格があると、クライアントに説明するときも言葉に説得力を持たせることができます。

最近では、ネット販売のみのフラワーショップも増えてきました。ネットショップを運営したいという方には、ネットショップ実務士やネットショップマスター資格認定といった資格も役立つでしょう。

花の資格の取り方

資格の取り方にもいろいろあります。花屋になりたいと思うスタート地点も、学生や社会人、家事や子育てしながらという方までさまざまです。自分のライフスタイルに合った資格の取り方を考えましょう。

専門学校に通う

学ぶことに集中したい、いろいろな経験を積みたいという方は、専門学校に通うのがおすすめです。

お花の資格を取るには、花や植物の専門学校だけでなく、ブライダルの専門学校もあります。ブライダルの現場で働きたいなら、ブライダルフラワー専科を選ぶのもよいでしょう。

在学中に資格試験を受けられるだけでなく、さまざまなイベントへの参加や実践で学ぶことができるのが専門学校のメリットです。

フラワースクールに通う

働きながら資格を取りたい場合は、休みの日に通えるフラワースクールがおすすめです。受験資格を得られる認定校に通いながら、知識や技術を学んでいきます。

基本的には、決められたカリキュラムをこなしていけば、資格の取得が可能です。専門学校ほどではなくても、実践を積んだりイベントに参加できたりするスクールもあります。

選ぶスクールによって所属する団体や得られる資格が異なるため、どこに通うかはしっかり検討しましょう。

通信講座

地域によっては専門学校やフラワースクールがなかったり、通うだけのまとまった時間が取れなかったりする方もいるでしょう。

アレンジメントや花束を作れるようになりたい、お花の知識が欲しいという方は、通信講座で学びながら資格を取得することも可能です。

DVDを見ながらのレッスンや、オンライン講座を行っているところもあります。フラワースクールによっては求人を紹介してくれるところもありますが、専門学校とは異なり、基本的には自分で仕事を見つける必要があります。就職の斡旋も行っているので、希望する仕事に就きやすいのは専門学校でしょう。

花屋は資格なしでもなれる!取るなら目的を明確にしよう

花屋は、働くにしても自分で経営するにしても、花関係の資格や免許がなくてもなれる職業です。 技術や知識は働きながら身に付けることができますし、どちらかというと花や植物への愛情やコミュニケーション能力、根気よく続けられるやる気の方が必要でしょう。

しかし、資格を持っていることで仕事の幅が広がったり、キャリアアップにつながることもあります。資格を取得するなら、何のために取得するのか何の役に立つのかなど、目的を明確にすることが大切です。

取得した資格は自分の糧となり、ムダになることはありません。花屋になりたいという気持ちを大切に、進みたい道によっては資格取得も目指しましょう。