植物名 | マイクロ胡蝶蘭 |
学名 | Phalaenopsis |
英名 | Micro Phalaenopsis |
科目/属性 | ラン科ファレノプシス属 |
原産地 | 東南アジアの熱帯地域 |
性質 | 着生植物 |
高さ | 30~40cm |
日当たり | 直射日光が当たらない室内の明るい場所 |
生育適温 | 18~25℃ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春夏:2,3日~1週間に1回 秋:10~14日に1回 冬:2週間~1か月に1回 |
肥料 | 液体肥料を2週間に1回 |
剪定時期 | 5~10月 |
胡蝶蘭をすぐに見たい方は、下記ページをご覧になってみてください。
[https://andplants.jp/pages/phalaenopsis]マイクロ胡蝶蘭の特徴
マイクロ胡蝶蘭は、胡蝶蘭を小さくした可愛らしいサイズの花が魅力です。
胡蝶蘭の中でも一番小さく、1本立ちだと鉢のサイズが2.5号(直径6cm)くらいなので、テーブルの上や棚の空いたスペースなど、気軽に飾れます。
花の大きさは直径2~4㎝程度ですが、小さいからと言っても凛とした美しさと存在感は健在です。
高級感が感じられるので、母の日や敬老の日、誕生日プレゼントのほか、ちょっとした贈り物にも人気があります。
マイクロ胡蝶蘭の育て方

次に、マイクロ胡蝶蘭の育て方を解説していきます。
- 日当たりと置き場所
- 栽培温度
- 水やり
- 肥料
- 剪定
マイクロ胡蝶蘭は花持ちがよく育てやすい花なので、適切な管理をしてあげれば長く花を楽しむことができますよ。
日当たりと置き場所
マイクロ胡蝶蘭は、室内の風通しがよい明るい日陰に置いてあげましょう。
直射日光が苦手なので、直接日が当たると株が弱ったり葉焼けしたりしてしまいます。特に、真夏の直射日光や西日には注意してください。
日が当たる窓際に置く場合は、レースカーテンで遮光してあげるとよいでしょう。
また、エアコンの風が当たる場所は避けてください。
栽培温度
マイクロ胡蝶蘭の栽培適温は、18~25℃です。
寒さに当たり続けると、葉が黒くなって枯れてしまいます。冬は10℃以上をキープできる場所に置きましょう。
窓際は気温が下がりやすいので、冬の間は窓から離れた温かい場所に置くのがポイントです。
また、マイクロ胡蝶蘭は、夏の暑さでも株が弱ってしまいます。30℃を越えない場所で育てましょう。
屋内では、冷暖房の風が直接当たらないように、注意してください。
春から夏は戸外の日陰に置いても大丈夫ですが、気温が下がり始めたら屋内に入れて管理しましょう。
水やり
マイクロ胡蝶蘭は、水を与えすぎると根腐れを起こしてしまうため、控えめを意識してください。
水やりは、水苔などの植え込み材がしっかり乾いたか確認してから行いましょう。また、頻度は季節によって異なります。
- 春~夏:2,3日~1週間に1回程度
- 秋:10日~14日に1回程度
- 冬:2週間~1か月に1回程度
水やりは午前中に行うのがベストです。午後から行うと水を吸収しきれずに、根腐れを起こす原因になってしまいます。
また、乾燥しやすい時期は葉水を行うことで、葉がいきいきと元気に育ちますよ。
肥料
肥料は、5~10月の生育期に液体肥料を、2週間に1回くらいのペースで与えましょう。花を咲かせるには、リン酸が多めの肥料がおすすめです。
窒素が多いと葉ばかりが繁ったり、病気の原因になったりするので注意しましょう。
蘭専用の肥料を使うのが、一番効果がでやすいです。
剪定
マイクロ胡蝶蘭は、5~10月に剪定を行います。花が終わった後の花茎や枯れ葉を、株の根元から剪定しましょう。
花が咲き終わった後に次の花を咲かせたいときは、花茎を3節くらい残してカットします。節から新しい花茎が伸びれば、次の花を楽しめるかもしれません。
花がら摘み
花がしおれてきたら、花がら摘みを行いましょう。そのまま放置しておくと、余分なエネルギーを取られてしまいます。
花を覆うように掴んで、花首をひねるようにすると簡単に摘み取れますよ。
マイクロ胡蝶蘭を長く育てたいなら植え替えをする

マイクロ胡蝶蘭の花が散ったら終わりではなく、「長く育てたい」「また花を咲かせて楽しみたい」という方は、植え替えに挑戦してみましょう。
手順等を解説していくので、参考にしてください。
- 時期
- 用土
- やり方
マイクロ胡蝶蘭は土に植える植物ではないので、植え替えも簡単にできますよ。
時期
マイクロ胡蝶蘭の植え替えは、4~6月ごろに行いましょう。暑さや寒さに弱いので、夏や冬に植え替えを行うと、株が弱ってしまうかもしれません。
春になってもまだ花が咲いているときは、花が終わってから植え替えてあげましょう。花が咲いているときに植え替えをすると、せっかくの花が落ちてしまうかもしれないからです。
また、植え替えは2~3年に1度くらいのペースがおすすめです。植え込み材の水苔やベラボンなども、根が張った部分は古くなるとカビが生えてきます。
きれいな植え込み材に変えて、マイクロ胡蝶蘭の生育環境を整えてあげましょう。
用土
マイクロ胡蝶蘭は、樹木の幹に着生する植物なので、土を必要としません。植え込み材には、「水苔」「ベラボン」「バーグチップ」がおすすめです。
それぞれ特徴を紹介するので、好みの植え込み材を使いましょう。
水苔
- 初心者におすすめ
- 水苔の乾き具合で水やりタイミングが分かる
- 保水性が高く通気性と排水性に優れている
- 柔らかいため根を傷つけにくい
- 抗菌作用がある
- 湿った状態が続くとカビやすい
- 水苔を厚くしすぎると、高温多湿時に蒸れやすい
ベラボン
- ヤシの実の繊維
- 保水性や吸水性、排水性に優れている
- 根腐れしにくく根を張りやすい
- 水に強く腐りにくい
- 乾燥しすぎると水が染み込みにくくなる
バーグチップ
- 樹皮を細かく砕いたもの
- こまめに手入れができる方におすすめ
- 排水性と通気性に優れている
- 乾きやすいため他の植え込み材より水やりの頻度が多め
- 乾きすぎを防ぐためにベラボンを混ぜるのもあり
- 落ち着いたブラウンで高級感を感じられる
やり方
マイクロ胡蝶蘭の植え替えを始める前に、必要なものを用意しましょう。
- 植え込み材(水苔やベラボンは水に浸しておく)
- ハサミ(ガスコンロなどであぶって、殺菌しておく)
- 鉢
- 霧吹き
植え替えは、次の手順で行っていきます。
- 鉢から優しく取り出す
- 根についている古い植え込み材はすべて取り除く
- ハサミで腐っていたり干からびたりしている根を切る
- 水苔を使う場合は、鉢の底に水苔を敷き、根を水苔で包んで鉢に入れる
- ベラボンは鉢に軽く入れて穴を開け、苗を植え込み隙間にベラボンを詰める
- バーグチップは鉢底に敷き、苗を入れて根を広げながら、隙間にバーグを詰めていく
- 植え付け終えたら、植え込み材や葉を霧吹きで湿らせる
マイクロ胡蝶蘭の植え付け後は、水やりをする必要はありません。発根を促すために、2週間くらいは葉水のみにしておきましょう。
また、植え替え直後は株が弱っているので、肥料は与えないでください。
マイクロ胡蝶蘭のよくあるトラブルと対処法

マイクロ胡蝶蘭は、生育環境や手入れの仕方によっては、トラブルが起こることがあります。
- 水不足
- 葉焼け
- 根腐れ
- 根詰まり
それぞれ対処法とともに見ていきましょう。
水不足
マイクロ胡蝶蘭が水不足になると、葉に次のような症状が起こります。
- シワシワになる
- 柔らかくハリがなくなる
- 垂れ下がる
- 黄色に変色する
マイクロ胡蝶蘭は頻繁に水やりをする必要はありませんが、水切れを起こすと枯れてしまう恐れがあります。植え込み材の状態をよく観察し、適切なタイミングで水やりをしましょう。
また、葉水も乾燥を防いでくれるので効果的です。
葉焼け
葉焼けは、直射日光が長時間当たることが原因です。主に、葉に次のような症状が現れます。
- 茶色や黄色に変色する
- 乾いて白っぽくなる
- 黒く焦げたようなスポットができる
葉焼けした葉は、元には戻りません。一部分であれば変色した部位だけカットし、全体に変色していたら根元から取り除きます。
鉢は直射日光の当たらない場所に移動させ、窓際に置く場合はレースカーテンなどで遮光しましょう。
根腐れ
根腐れは、水や肥料のやりすぎ、通気性の悪さによる酸素不足などが原因です。主に、次のような症状が現れます。
葉 |
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花 |
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茎 |
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根 |
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植え込み材 |
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根腐れを発見したら、次のように対処しましょう。
対処法
- 鉢から取り出して植え込み材を外す
- 腐っている根を取り除く
- 1~2週間くらい根をしっかり乾かす
- 植え替える
また、植え付ける鉢は通気性のよい素焼き鉢がおすすめです。植え替え後は、1週間くらい水やりを控えましょう。
その後は、様子を見ながら水やりを始めてください。
関連記事:胡蝶蘭の根腐れ|症状の見分け方と対処法
根詰まり
根詰まりは、鉢の中で根が伸びるスペースがなかったり、根が絡んで傷ついたりすることが原因です。生育に影響を及ぼし、次のようなトラブルが発生しやすくなります。
葉 |
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花 |
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鉢 |
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また、根腐れと同じような症状が出ることがあります。
根詰まりを感じたら、植え替えを行いましょう。
マイクロ胡蝶蘭に発生しやすい害虫と対処法

マイクロ胡蝶蘭は、害虫が発生することもあります。
- カイガラムシ
- ハダニ
- アブラムシ
- アザミウマ
- ナメクジ
- コバエ
害虫を見つけたら、早めに対処することが大切です。
カイガラムシ
カイガラムシは、繁殖力が強く薬剤に耐性がある害虫です。主に次のような状態が見てとれます。
- 葉っぱに白い粉状の卵やかさぶた状の成虫がつく
- 汁液を吸い株を弱らせる
- 葉がベタベタする
発生初期は大きな変化は見られませんが、そのままにしておくと最終的に枯死してしまうので、早めの対処が大切です。
対処法
- 柔らかい布やヘラなどで取り除くか、湿らせた布で拭き取る
- 市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど)で駆除する
- 2倍に薄めた牛乳を噴射する
予防
- 日頃からよく観察する
- 周りを清潔に保つ
- 屋外から室内に入れるときは、しっかりチェックする
カイガラムシを駆除するときは、葉を傷つけないように注意してください。また、成虫には殺虫剤が効きにくいので、5~7月の幼虫期に対処するようにしましょう。
関連記事:観葉植物の白い綿はコナカイガラムシ|対処法と予防法を紹介
ハダニ
ハダニは、梅雨から夏の時期に繁殖しやすい害虫です。ハダニが発生すると、次のような症状が現れます。
- 葉の裏側がベタベタする
- 葉の色が悪くツヤがなくなる
- 葉裏にカスリ状の白斑が出る
- 葉の表も白っぽく見える
- 葉の裏側が褐色に変色する
- 茎や葉の伸長が悪くなる
- 葉が枯れあがる
- 葉が落ちる
- 株が枯死する
ハダニはマイクロ胡蝶蘭の栄養を吸い取り、枯らしてしまいます。早めに発見して対処しましょう。
対処法
- 葉裏を中心に株全体に葉水をする
- 殺ダニ剤を3種類ローテーションで使う
- 生育に影響ない程度に湿度を下げて乾燥させる
- 牛乳と水を1:1で混ぜてスプレーする
- 竹酢液や木酢液を薄めてスプレーする
予防
- 霧吹きでこまめに葉水をする
- 葉の裏側までしっかり葉水する
- 予防殺虫剤を散布する
乾燥しているとハダニが発生しやすいので、一番の予防は葉水をこまめに行うことです。また、殺ダニ剤はすぐに抵抗力がついてしまうため、3種類くらいを順番に使うとよいでしょう。
アブラムシ
マイクロ胡蝶蘭にアブラムシが発生すると、新芽やつぼみなどの柔らかい場所に群生し、汁液を吸って株を弱らせてしまいます。主に現れる症状は、次のとおりです。
- 花が黄色く変色する
- 花がしおれする
- つぼみが開花しない
- つぼみのまま落ちてしまう
アブラムシが発生すると、開花を妨げるだけでなくウイルスを媒介してしまうので、見つけたらすぐに対処しましょう。
対処法
- 水で洗い流す
- 粘着テープで張り付けて取る
- 歯ブラシでこすり落とす
- 水で薄めた牛乳を吹きかける
- 木酢液をスプレーする
- 薬剤を散布する
予防
- 鉢を風通しのよい場所に置く
- 葉が混み合っている場合は、剪定をして風通しをよくする
- アルミホイルを鉢の下に敷く
アブラムシは光を嫌うため、アルミホイルを敷くと寄ってこなくなります。また、屋外にあった鉢を室内に入れるときは、害虫が付着していないかよく確認しましょう。
アザミウマ
アザミウマ(スリップス)は気温が高く乾燥する時期に発生しやすい害虫です。マイクロ胡蝶蘭に発生すると、花弁に寄生して汁を吸い、花やつぼみを傷めてしまいます。
症状は、主に次のとおりです。
- 花弁の縁が黄色に変色する
- 花弁にシミのような変色が出る
- 花弁が茶色に変色する
つぼみに寄生すると開花せずに終わってしまうので、早めに対処しましょう。
対処法
- 薬剤を散布する
- 成虫が誘引されやすい黄色の粘着剤を、離れたところに置く
予防
- こまめに葉水を行う
- 卵が産み付けられていないか、よくチェックする
ナメクジ
マイクロ胡蝶蘭にナメクジが発生すると、食害を受けてしまいます。梅雨の時期は特に注意し、予防や駆除を行いましょう。
対処法
- 塩や熱湯をかける
- 発生しやすい場所に石灰を散布する
- 床に石灰を塗る
予防
- 鉢底の穴をふさぐ
- 日当たりと風通しのよい場所に置く
- 発生しやすい場所に鉢を置かない
- 市販の忌避剤を使用する
- コーヒーかすや木酢液、竹酢液をまく
置き場所に注意し、忌避剤などで寄ってこないように予防しましょう。
コバエ
コバエは、鉢の周りに水がたまっていたり、根が腐っていたりすると発生しやすくなります。マイクロ胡蝶蘭自体には無害ですが、飛び回っていると不快ですよね。
放っておくとどんどん増えていくので、早めに対処しましょう。
対処法
- 薬剤を散布する
- ハッカ油スプレーや木酢液を散布する
予防
- 鉢の周りを清潔に保つ
- 受け皿に溜まっている水をこまめに捨てる
- 水のやりすぎに注意する
- コバエの嫌がるアロマオイルを置く
コバエは、ペパーミントやローズマリー、ユーカリ、レモングラス、ヒノキなどの香りを嫌います。コバエが発生しやすい場所に、アロマディフューザーなどで香らせると効果があるでしょう。
マイクロ胡蝶蘭のよくある質問

最後に、マイクロ胡蝶蘭のよくある質問を3つ紹介します。
- 枯れたマイクロ胡蝶蘭は復活できる?
- マイクロ胡蝶蘭の寿命はどれくらい?
- マイクロ胡蝶蘭に新しい花芽を付けるのは難しい?
枯れたマイクロ胡蝶蘭は復活できる?
枯れたマイクロ胡蝶蘭は、株や葉が生きていれば復活できる可能性があります。ただし、葉がすべて枯れていたり根元が腐ったりしている株は、難しいでしょう。
対処法
- 傷んだ根や葉を取り除く
- 新しい水苔を発根剤を混ぜた水に浸し、植え替える
- 直射日光の当たらない暖かい場所に置く
- 水やりは春夏は週に1回、秋冬は月に1回程度行う
- こまめに葉のチェックを行い、病気が見つかったらすぐに対処する
根や葉を取り除くときは、火であぶるなどで消毒したハサミを使ってください。植え替え後は、水を控えめにしましょう。
マイクロ胡蝶蘭の寿命はどれくらい?
マイクロ胡蝶蘭の花は、1~3か月くらい咲き続けます。花が終わった後も適切に管理すれば、毎年花を咲かせてくれます。
マイクロ胡蝶蘭は生命力が強いので、根腐れや病気などで株が死んでしまわない限り、長く楽しむことができる植物です。
マイクロ胡蝶蘭に新しい花芽を付けるのは難しい?
マイクロ胡蝶蘭に新しい花芽をつけるのは難しくはないですが、水やりと適切な温度管理が必要です。
水不足になると花芽をつけにくいので、乾燥しやすい夏は特に注意しましょう。
まとめ
マイクロ胡蝶蘭は、コンパクトで手軽に飾って楽しむことができます。小さくても品のよさがあり、個人的なプレゼントにも人気です。
今回は、マイクロ胡蝶蘭の育て方やトラブルの対処法について解説してきました。花持ちがよくあまり手の掛からない植物なので、ぜひ育ててみてください。
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