パキラは人気の観葉植物の一つですが、その中でも編み込みパキラは特に人気があります。幹が編み込まれていることによって、見栄えが良くおしゃれです。
パキラは小さいものから大きなものまで、サイズ感のバリエーションが多く、比較的手に入れやすい植物。手に入れたパキラを編み込んでみたいと思いませんか。
今回は、パキラの編み込み方法について解説します。パキラの編み込みは、正しい方法や注意点を守らないと、苗が枯れる可能性が高いです。
紹介する編み込み方法を活用して、ぜひパキラを綺麗に編み込んでみてください。
編み込みのパキラを先に見ておきたい方は、下記より詳しくご覧になってみてください。
[/collections/pachira]編み込みパキラの特徴
観葉植物のパキラには、切り株タイプや朴タイプなどさまざまな樹形があります。その中でも編み込みパキラは見栄えがよいため、お祝いのプレゼントに人気です。
複数のパキラを寄せ植えしているため、葉のボリュームもあります。ビジネスでの開店祝いや社長就任祝いなどに贈られることも多いです。
パキラには、種から育てた「実生苗(みしょうなえ)」と、挿し木で増やした「挿し木苗」の2種類があります。実生苗は、幹が柔らかく成長に従って太くなります。
一方、挿し木苗は幹が硬く太くなりにくいです。そのため、パキラを綺麗に編み込みたい場合は、パキラの実生苗を手に入れるとよいでしょう。
日当たりやお水やりなどの育て方を今すぐ知りたい方は「パキラの育て方」を参考にしてみてください。
パキラを編み込むための道具
パキラを編み込むために必要な道具は、以下の8つです。
パキラの編み込みを作るには、寄せ植えをする必要があります。そのために、鉢や土、パキラの苗を準備しましょう。
このときに準備するパキラは実生苗だと、編み込みが綺麗になりやすいです。寄せ植えにするため、園芸シートを広げて作業をすると、床が汚れません。
園芸シートがない場合は、新聞紙やビニールシートなどを代用して敷いておくとよいです。
パキラの編み込み方法
パキラの編み込み手順は、以下の通りです。
- 苗を整理する
- 苗を寄せ植えする
- 優しく編み込む
- ヒモで縛る
- 余分な葉を剪定する
それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
①苗を整理する
編み込むためのパキラの苗を複数準備したら、寄せ植えする前に苗を整理してください。編み込みを行う上で、横に伸びた枝葉は邪魔になるためです。
幹同士が接触する部分での枝葉はすべて剪定はさみで切ってください。葉はパキラの苗の上部にだけ残します。
②苗を寄せ植えする
整理したパキラの苗を、鉢に寄せ植えしましょう。パキラの大きさによって異なりますが、苗同士が10㎝間隔になるように植えてください。
鉢に寄せ植えするときに、それぞれの苗の高さを合わせておくと、植えた後に編み込みやすくなります。編み込む本数によって、以下のように植え方を変えてください。
- 2本|植木鉢の中心で並列に植える
- 3本|植木鉢の中心で正三角形を描くように植える
- 4本|植木鉢の中心で正方形を描くように植える
バランスよく鉢に寄せ植えしないと、編み込む際に幹の長さが足りなくなります。注意して寄せ植えしてください。
③優しく編み込む
パキラ苗を寄せ植えしたら、優しく編み込みましょう。無理して強く編み込むと、幹が折れたり傷ついたりして枯れる恐れがあります。
編み込みは、一度で終わる作業ではありません。編み込んだ後に、新しく伸びた上部をさらに編み込む必要があります。
つまり、成長に合わせてゆっくりと編み込んでいく流れです。そのため、最初から最上部まで編み込む必要はないので安心してください。
パキラの苗を下から2/3編み込むくらいで十分です。隙間が空いても、成長して幹が太くなると埋まるので問題ありません。
④ヒモで縛る
パキラの苗を2/3ほど編み込んだら、上部をヒモでしっかりと縛りましょう。ヒモはなんでも良いですが、パキラの苗に対して太すぎたり細すぎたりしないようにしてください。
ヒモがほどけると、編み込みもほどけるので注意しましょう。麻ひもを水に濡らして縛ると、簡単にきつく縛ることができます。
⑤余分な葉を剪定する
パキラを編み込んだ後は、余分な枝葉を剪定してください。寄せ植えする前に苗を整理していますが、編み込み作業によって葉の重なりが出てくると思います。
葉の重なりがない場合は、そのままで大丈夫です。もし、葉が重なり合った部分があれば、全体のバランスを見ながら、一方の葉を剪定してください。
残ったすべての葉に、まんべんなく光が当たるようにしましょう。編み込んだパキラそれぞれに葉が付いていると、その後にバランスよく成長します。
最後に、倒れないように支柱で支えてあげると完成です。
詳しい剪定方法は「パキラの剪定方法」を参考にしてください。
パキラを編み込むときの注意点
パキラを編み込むときの注意点は、以下の3つです。
- 5~7月に行う
- 何度もやり直さない
- 余裕をもって編み込む
それぞれ見ていきましょう。
5~7月に行う
パキラの編み込みは、生育期の5~7月に行いましょう。8~9月に行う場合は、猛暑日を避けてください。
生育期であれば、編み込みからの傷みからも回復しやすく、新芽も出てきやすいためです。気温が下がり始める10月以降に編み込みを行うと、傷みから回復することができずに枯れる恐れがあるので、注意してください。
編み込んだ後は、室内の日当たりの良い場所で管理します。冷房の風が直接当たると、極端な乾燥によって、枯れる可能性があるので気を付けてください。
何度もやり直さない
編み込み作業は、何度もやり直さないように気を付けます。編み込み作業は慣れていないと、うまくできないかもしれません。
しかし、「解いては編み込む」を繰り返すと、パキラの苗の傷みが大きくなります。何度もやり直すことによって、幹にダメージが蓄積されて枯れるかもしれません。
上手く編み込めず、格好が悪くても、やり直さずに編み込みをしてください。順調に生育して幹が太くなると、自然と格好がよくなります。
余裕をもって編み込む
パキラの編み込みは余裕をもって行いましょう。準備したパキラ苗の高さや太さにもよりますが、無理に編み込みをしないでください。
根元から先端まで強く編み込むと、幹が傷んだり折れたりします。パキラの苗同士に隙間があっても大丈夫なので、優しく根元から2/3の位置まで余裕を持たせて編み込んでください。
パキラの幹が太く成長すると、幹同士の隙間はなくなります。
編み込みパキラの育て方
編み込みパキラを上手に育てるには、編み込み後の育て方も重要です。以下の5つのポイントに絞って解説します。
- 日当たりと置き場所
- 温度
- 水やりの頻度
- 肥料
- 剪定方法
詳しい育て方を知りたい人は「パキラの育て方」を参考にしてください。
日当たりと置き場所
パキラは日当たりと風通しのよい環境を好みます。ただし、夏の直射日光や西日の強い光に当たると葉焼けしやすいので、注意が必要です。
編み込み後に出てきた新芽に、直射日光が当たると葉焼けする可能性があるので気を付けます。直射日光の当たらない明るい室内や、窓際であればレースカーテン越しの柔らかい光に当てて育ててください。
複数の苗を寄せ植えして編み込んでいるので、葉が茂り始めると風通しが悪くなりやすいです。そのため、普段から風通しの良い場所で育てましょう。
温度
パキラは寒さに弱い観葉植物です。最低10℃以上をキープして育てるとよいでしょう。
もし屋外の明るい日陰で育てている場合は、気温の下がる秋には暖かい室内に移動させます。室内であっても窓際は、屋外と変わらないくらいに冷え込むので、窓から離しておくと管理が簡単です。
また、冷暖房がパキラに直接当たると急激な乾燥によって、出てきた新芽が枯れる恐れがあります。そのため、冷暖房の風がパキラに当たらない明るい場所に置くことが重要です。
水やりの頻度
- 春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
- 秋冬:土が乾いてから一週間程度あけてから
生育期の春夏は土の乾燥が早いので水切れに気をつけましょう。
春夏は手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)、鉢底から水が流れるくらいにたっぷりと水やりをしてください。
しかし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になるので注意が必要です。秋から土の渇き具合を確認しながら、冬は土が乾いてから一週間程度あけてから水やりしてください。
冬は室内の温度がしっかり上がったタイミングで、水やりをします。気温の低い時間帯に水やりや葉水を行うと逆効果になるので気を付けましょう。
肥料
編み込みパキラの新芽を多く出したい場合は、土に混ぜている緩効性肥料とは別に即効性のある液体肥料を水に薄めて水やり代わりに与えてください。また、即効性のある置き肥も効果的です。
置き肥は2か月に1度。液肥は2週間に一度のペースで与えてください。肥料は与えすぎると根痛みの原因になるので、適切な量を与えます。
冬はパキラの生育が緩慢になるので、肥料は与えません。置き肥も取り除いてください。
剪定方法
編み込みパキラの剪定は、5~9月です。伸びすぎたり重なりあったりした葉を形を整えるように剪定します。
編み込んだ直後は、すでに剪定しているので剪定は必要ありません。しかし、順調に成長すると、それぞれのパキラから新芽が伸びてきます。
伸びた幹をさらに編み込む場合は、幹を剪定しないように注意してください。
編み込みパキラが枯れた時の対処法
編み込みパキラは複数のパキラから作られているため、いずれか1株が枯れることもあります。
1株のパキラが枯れた状態をそのままにしておくと、編み込まれている他のパキラに悪影響です。
編み込みパキラが枯れた時の対処法を紹介します。
- 幹を触って確認する
- ほかの幹を傷つけないように剪定する
- 根元は植え替え時に取り除く
①幹を触って確認する
枯れた幹は、外見から判別が可能です。幹に付いた葉が枯れていたり、幹の色がくすんでいたりしています。
また、幹を触って枯れているかどうかを確認するとわかりやすいです。生きている幹には硬さがありますが、枯れている幹は柔らかさがあります。
根腐れで枯れている場合は、幹を押すと水分が出てくるので、さらにわかりやすいでしょう。パキラの幹がすべて枯れているか確認して、幹の剪定作業に移ります。
②ほかの幹を傷つけないように剪定する
パキラが枯れているのを確認できたら、幹の先端から剪定はさみで少しずつ切ってください。枯れている幹は柔らかいので、幹が太くても簡単に切ることができるでしょう。
ただし、他の生きている幹を傷つけないように注意してください。幹を傷付けてしまうと、傷口から病原菌が入って枯れる恐れがあるためです。
編み込みの先端を切って、広がった隙間に発泡スチロールを挟ませて、上から下へ剪定すると隙間が埋まりません。
隙間が埋まらないため、剪定ハサミの刃が入りやすいためです。筆者は編み込みパキラの1株が枯れた時は、他の幹を傷つけないように発泡スチロールを挟んで剪定していました。
③根元は植え替え時に取り除く
枯れているパキラを上から下へ、少しずつ切っていくと根元の近くまで切ることができます。しかし、幹が太いほど根元も太くなるため、柔らかくても切るのは難しいです。
枯れたパキラの根元は無理に剪定せずに、植え替えの時に取り除いてください。根元近くまで剪定が済んでいれば、植え替えの際に簡単に取り除けます。
枯れたパキラを取り除いたら、生きているパキラだけで新しい鉢に植え替えましょう。
編み込みパキラによくある質問
最後に編み込みパキラによくある質問とその答えを以下にまとめました。
- 購入した編み込みパキラは仕立て直せる?
- 編み込みパキラは育てると大きくなる?
- 編み込みパキラの寿命は?
それでは具体的に見ていきましょう。
購入した編み込みパキラは仕立て直せる?
購入した編み込みパキラの仕立て直しは難しいです。すでに、しっかり編み込まれて幹も太くなっているためです。
編み込みパキラの多くは、切断された上部の幹部分から伸びた枝が葉を茂らせています。伸びた枝同士を整理して、編み込むことは可能です。
編み込みパキラは育てると大きくなる?
編み込みパキラは育てると大きくなります。ご自身で編み込んだパキラの場合は、幹がそのまま伸びたら、再び編み込んでください。
購入した編み込みパキラの場合は、幹の上部が切断されていることが多いため、幹自体は大きくなりません。しかし、枝が伸びて高くなったり葉のボリュームが増えたりします。
編み込みパキラが大きく育って、枝葉が増えすぎた時は、剪定して形を整えてください。そのままにしていると、日当たりや風通しが悪くなり、生育に悪影響を及ぼすためです。
編み込みパキラの寿命は?
パキラは生命力が強く、寿命が長い植物です。適切な環境で植え替えを定期的に行うと、一生をともにするパートナーとなるでしょう。
しかし、編み込みパキラは、1鉢に複数のパキラを寄せ植えして編み込んでいます。つまり、1株だけを育てている状態に比べ、ストレスを感じやすい環境です。
1株だけのパキラに比べ、編み込みパキラの寿命は短くなりやすいです。とはいえ、適切な環境で育てれば、問題なく長年育ち続けるので安心してください。
もし、編み込んだうちの1株だけ枯れてしまった場合は、生きている幹を傷つけないように剪定して取り除くことが重要です。
まとめ
編み込みパキラは、見栄えとボリュームがよいのでプレゼントやお部屋飾りの観葉植物として人気があります。
観葉植物に興味のある方は「どのようにして編み込んでいるのだろうか」と考えたこともあるかもしれません。
今回、ご紹介した方法で、オリジナルの編み込みパキラを作ってみてはいかがでしょうか。大きくなるまで時間はかかりますが、自分で作った編み込みパキラは愛着を持って育てることができるはずです。
また、編み込みパキラの1株の幹が枯れた時も慌てずに取り除けば、生きている幹は育ちますので安心してください。ぜひ、素敵な編み込みパキラを育ててみましょう。
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