植物名 | プリムラ・ジュリアン |
学名 | Primula juliana |
英名 | Primrose |
科目/属性 | サクラソウ科サクラソウ属 |
原産地 | 中国・ヨーロッパ |
日当たり | 直射日光の当たる屋外 |
温度 | 最低5℃以上をキープする |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 弱い |
水やり | 春夏:土の表面が乾いてから 秋冬:土の表面が乾いて2~3日後 |
肥料 | 緩効性肥料、液体肥料 |
剪定時期 | 10~4月 |
プリムラ・ジュリアンの特徴
プリムラ・ジュリアンは、花の色や咲き方のバリエーションが豊富な多年草の植物です。基本的には室内ではなく、屋外の日当たりと風通しがよいベランダや花壇などでに植えていると元気に育ちます。
プリムラ・ポリアンサとジュリエを交配して生まれた品種です。ポリアンサに比べ、株や葉の大きさがコンパクト。
花の咲き方には一重咲き以外にも八重咲きやバラ咲きなどがあり、花色も華やかなものからシックなものまで多種多様です。寒さに強いので冬~春の花壇や寄せ植えのお花として人気ですが、暑さに弱い性質があるため日本では基本的に一年草として扱われます。
夏は半日陰の涼しい場所に置くことで夏越ししやすくなりますが、暖地での夏越しは難しいでしょう。
プリムラ・ジュリアンの花言葉
プリムラ・ジュリアンの花言葉は「青春のはじまりと悲しみ」「青春の恋」です。プリムラの開花時期は10~4月であり、暖かくなる春を迎えると同時に花が終わってしまう様子から「青春のはじまりと悲しみ」と名付けられています。
花言葉「青春の恋」は、豊富な色の花が咲き乱れる姿を青春時代の恋に見立てたことが由来です。恋愛の花言葉を持つプリムラ・ジュリアンは、パートナーへのプレゼントにぴったり。
花言葉「青春の恋」をメッセージカードに添えて贈ると喜ばれるでしょう。
プリムラ・ジュリアンの風水
プリムラ・ジュリアンには「新たな活動を後押しする」風水効果があるとされています。そのため、心機一転新しいことにチャレンジする方へのプレゼントに最適です。
また、花色が豊富にあるため色別による風水効果もあります。ピンクは恋愛運に、黄色は金運に、白色は邪気払いに効果的です。
恋愛運を上げたい方は北の方角に、金運を上げたい方は西の方角に飾るとよいとされています。悪い気を払い、よい気を取り込んでくれる白いプリムラ・ジュリアンは気の入り口の玄関付近に飾るのがおすすめです。
花色による風水効果も考えて、ガーデニングが好きな方にプレゼントすると喜ばれるでしょう。
プリムラ・ジュリアンの育て方
プリムラ・ジュリアンは、初めてお花を育てる方にもおすすめの植物ですが、育て方にはポイントがあります。
ここでは、プリムラ・ジュリアンの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。
置き場所と日当たり
プリムラ・ジュリアンは日当たりと風通しがよい環境を好みます。基本的には室内ではなく、屋外でしっかり日光に当てて育ててください。
半日陰でも育ちますが、ほとんど日光が入らないような暗すぎる場所では、軟弱に育ち花も咲きにくくなります。また、風通しがよく雨が避けられる場所に置くことで、病害虫発生の予防が可能です。
耐寒性がありますが、朝晩の冷えで土が冷えると株が傷んでしまいますので、気温が5℃以下にならないように管理します。気温が5℃以下になる前に室内へ移動させると安心です。
温度
プリムラ・ジュリアンは極端な暑さが苦手です。夏場は風通しのよい日陰だと、夏越しできる場合があります。冬は、5℃以上をキープして育ててください。
冬の寒い時期は水やりをすると朝晩の冷えで株が傷んでしまいます。5℃以下になる場合は、明るい窓際へ移動させましょう。
ただし、冬に暖かい部屋で管理すると、花首が伸びて花姿が乱れる原因になります。また、花も春を待たずに終わってしまうことも。室内に入れる場合は、暖房のついていない明るい場所で管理してください。
プリムラ・ジュリアンの生育適温は10~20℃ほどです。日本の夏は30℃を超えるので夏越しが難しいです。しかし、半日陰の涼しい場所で蒸れないように管理すると、夏越しすることもあります。
水やりの頻度
- 春夏:土の表面が乾いてから
- 秋冬:土の表面が乾いて2~3日後
秋と春の生育期には、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいにしっかり水やりしてください。ただし、水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。
水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。
冬は土が乾いたら、2~3日後に水やりします。屋外で育てている場合は、生育が緩慢で土の乾燥が遅いため水のやりすぎに注意してください。
冬の水やりは、気温が高くなる時間帯に与えましょう。気温の下がる夕方以降では、凍結する可能性があるので注意します。暖かい室内では花が咲き続けることがあるので、土の乾燥具合を確認しながら水やりをしてください。
地植えのプリムラ・ジュリアンは根付くと水やりの心配はいりませんが、雨が降らない時期や気温の高い真夏に土の乾燥が続くようなら株元にたっぷり与えます。
プリムラ・ジュリアンは葉だけの場合は比較的乾燥に耐えますが、花が咲いているときに乾燥を経験するとしおれやすいです。そのため、開花している場合は土の乾燥しすぎに気を付けて育ててください。
もし、鉢植えの水やり頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめです。
肥料
プリムラ・ジュリアンには、生育期の10~4月に2か月に1度花用置き肥を置くか、水に薄めた花用液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。土には完熟たい肥を混ぜ込んでおくと効果的です。
プリムラ・ジュリアンは肥料を好みます。生育期の秋と春に肥料不足になると、葉が黄色くなり生育が衰えるので注意してください。ただし、肥料の与えすぎは根を傷めるため、与えるペースや時期はしっかり守ってください。
花が咲く時期には、花の栄養素であるリン酸を多く含んだ肥料を与えると効果的です。春以降に夏越しをする場合は、肥料を与えないようにします。
剪定方法
プリムラ・ジュリアンの剪定時期は開花後の10~4月です。花が咲き終わったら、こまめに花がらを摘み取ってください。
花がらを残しておくと、種を付けるために栄養が偏ったり病害虫発生の原因になったりして生育に悪影響です。プリムラ・ジュリアンの花や葉は、水がかかると水が溜まりやすいため、枯葉や花がらをそのままにしておくと湿気によってカビが発生することもあります。
花や葉に水をかけないことも重要ですが、枯葉や花がらはこまめに取り除くようにしてください。
プリムラ・ジュリアンのよくあるトラブルと対処法
可愛い花が人気のプリムラ・ジュリアンですが、トラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
植物や虫のトラブルに対処できるケア用品をまとめました。詳しくは下記のページからご覧になってみてください。
[/collections/caregoods]根腐れ
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根黒く変色している
根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生し、土壌環境が悪くなることで発症します。
また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。これが原因で、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給することができなくなることで死んでしまう現象です。
根腐れの対処法は以下の通り。
- 鉢や地面から植物を抜き、悪い土を落として水はけのよい土に交換する
- 根の傷んでいる部分、腐っている部分をカットする
- 少量の水を与え、風通しがよく明るい日陰で管理する
※1週間を目安に水が乾くコンディションで管理する - 発根剤を与えてみる
- 傷んだ葉を取り除く
- 枯れた枝を切り取る
根腐れが起こった場合は、土を入れ替えて環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことで、水はけと根腐れを防止することができます。
枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。
根腐れが起こると、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。根詰まりの症状は以下の通り。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとプリムラ・ジュリアンに悪影響です。
対処法はプリムラ・ジュリアンの植え替えをすること。
プリムラ・ジュリアンを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
葉焼け
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで「葉焼け」というトラブルが発生します。
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
対処法は以下の通りです。
- 明るい日陰にならして直射日光に当てる
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
ハダニ
ハダニの症状は以下の通りです。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の色が薄くなり枯れている
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 傷んだ葉はカットする
- 葉の表裏、付け根や茎も水で洗浄する
- ハダニに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
アブラムシ
アブラムシの症状は以下の通りです。
- 新芽にアブラムシがたくさん付いている
- 枝葉の生育が悪い
- 葉の色が薄くなっている
アブラムシは繁殖スピードの速い、厄介な害虫です。
放っておくと大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
対処法は以下の通りです。
- 大発生している枝葉はカットする
- 新芽の茎や葉の裏についているアブラムシをテープなどで取り除く
- アブラムシに効果のある液体を噴霧する(殺虫剤のほか、2倍に薄めた牛乳、重曹と水を混ぜたもの、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢でも一定の効果あり)
アブラムシには市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には接着力のあるテープで取り除く方法もおすすめです。
プリムラ・ジュリアンのよくある質問
最後にプリムラ・ジュリアンのよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- プリムラ・ジュリアンは地植えで植えっぱなしにできる?
- プリムラ・ジュリアンの冬の育て方は?
- プリムラ・ジュリアンは日陰で育つ?
- プリムラ・ジュリアンとバラ咲きジュリアンは違う?
- プリムラ・ジュリアンの花が終わったらどうすればいい?
- プリムラ・ジュリアンは寄せ植えできる?相性の良い植物は?
それでは具体的に見ていきましょう。
プリムラ・ジュリアンは地植えで植えっぱなしにできる?
プリムラ・ジュリアンは、関東以西で霜雪が被らず凍結の心配がない温暖地であれば地植えが可能です。やや寒さに弱いため、植えっぱなしにするのは難しいでしょう。鉢植えで管理し、0℃以下になる場合は室内に移動させてください。
温暖地では、秋から春にかけて植えっぱなしが可能であることが多いです。しかし、暑さに弱い植物であるため、夏越しをさせる場合は鉢に植え替えて涼しい半日陰で管理する必要があります。
プリムラ・ジュリアンの冬の育て方は?
プリムラ・ジュリアンの冬の育て方は、5℃以上をキープして霜雪や寒風に当てないことです。やや寒さには強い植物ですが、根が冷えると株が傷んでしまいます。
0℃以下の場合は、真冬は室内の明るい窓際に移動させると安心です。ただし、室温が高いと花首が伸びるなど花姿が乱れるので、暖房の効いていない場所で管理しましょう。
室内は屋外に比べ暖かいため、土の乾燥具合を確かめながら水やりしてください。冬は生育が緩慢な時期なので、肥料は控えます。
プリムラ・ジュリアンは日陰で育つ?
プリムラ・ジュリアンは日差しが入らない暗すぎる日陰では育ちません。明るい日陰や半日陰の環境であれば育ちますが、葉が黄色くなったり花数が少なかったりする可能性があります。
日当たりを好む植物なので、なるべく直射日光の当たる日当たりのよい環境で育てて下さい。ただし、真夏の暑さには弱いので、夏は半日陰で管理します。日陰で育てて調子が悪い場合は、日当たりのよい場所に移動して育てることで元気になります。
プリムラ・ジュリアンとバラ咲きジュリアンは違う?
バラ咲きジュリアンとは、バラのような咲き方をするプリムラ・ジュリアンのことです。そのため、同じプリムラと言えます。
しかし、プリムラジュリアンにはバラ咲き以外にも、一重咲きや八重咲きなど種類はさまざま。その中でも、バラ咲きは蕾の時からバラのような姿をしているため、人気のあるプリムラ・ジュリアンです。
その人気の高さから、バラ咲きジュリアンと呼ばれています。
プリムラ・ジュリアンは花が終わったらどうすればいい?
プリムラ・ジュリアンは花が咲き終わったら、こまめに花がらを摘み取ることが重要です。10~4月にかけて花が咲くので、花が終わるたびに花がらを摘み取っておかないと見栄えが悪いだけでなく、栄養が偏ったり病害虫の原因になったりします。
花が咲き終わった後の花がらをそのままにしておくと、種に栄養が偏るため株が弱る可能性が高いです。夏越しを考えている場合は、特に花がらを綺麗に摘み取りましょう。
夏越しをさせる場合は、涼しい半日陰の環境に置いて育ててください。
プリムラ・ジュリアンは寄せ植えできる?相性の良い植物は?
プリムラ・ジュリアンは冬~春の草花と寄せ植えができます。他の花苗やカラーリーフと比べて、株がコンパクトで大きさもあまり変化しません。
そのため、寄せ植えする場合は少し間隔を詰めて植えると綺麗に見えます。相性がよい植物は、同じ冬~春の花苗であるビオラ・パンジー・ハボタン・アリッサム・シロタエギクなど。
プリムラ・ジュリアンだけでも、さまざまな種類があるので美しい寄せ植えが作れます。ぜひ、素敵な冬~春に楽しめる寄せ植えを楽しんでください。
プリムラ・ジュリアンのまとめ
プリムラ・ジュリアンは日当たりと風通しのよい5℃以上の屋外であれば、秋~春にかけて美しい花を楽しむことができます。さまざまな色や花の形を楽しめるため、秋~春のガーデニングに活躍するでしょう。
「青春の恋」の花言葉は、パートナーへのお祝いのプレゼントにも最適です。花色によって恋愛運や金運が上がる風水効果があるとされているため、悩みの解決につながる花色を選んで飾るとよいでしょう。
ぜひ、ベランダや花壇で楽しむお花として育ててみませんか。