秋の花として親しまれるヒガンバナ。秋の彼岸の時期に花を咲かせることから「彼岸花」と呼ばれています。
ヒガンバナの花言葉は「情熱」「独立」「あきらめ」です。花の名前からも感じられるような少し寂し気な雰囲気が漂う花言葉です。
ヒガンバナは一般的な色である赤をイメージする人が多いかと思いますが、色の種類が豊富で、色別の花言葉も存在します。
今回はヒガンバナの花言葉をはじめ、由来や別名、特徴などについて解説していくので、ぜひチェックしてみてください。
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[/collections/custom_flower]ヒガンバナの特徴
植物名 | ヒガンバナ |
学名 | lycoris radiata |
科名 | ヒガンバナ科 |
属名 | ヒガンバナ属(リコリス属) |
原産地 | 中国 |
開花時期 | 7月~10月 |
ヒガンバナはヒガンバナ科の多年草の球根植物に分類されます。中国が原産といわれ、日本でも広く分布しています。
帰化植物で中国から日本に持ち込まれて、日本で自生するようになったため、日本でも古くから親しまれてきた植物です。
田畑のあぜ、墓地、堤防など日当たりの良い場所に生えていることが多い植物です。日本各地に群生して咲く名所があります。
夏の終わりから秋にかけて、黄緑色の茎を真っすぐ伸ばし、茎の先から小さなユリのような形の花が密集して咲きます。糸のようなおしべとめしべが花より長く突き出ているのも特徴です。
ヒガンバナの旬は秋
ヒガンバナの旬は秋です。ヒガンバナは彼岸が始まる頃に咲き始め、彼岸が終わる頃に枯れるといわれているので、花が咲いている時間はそう長くはありません。
鑑賞する際は、ピンポイントで旬の時期に合わせて見に行くのがおすすめです。日本各地にヒガンバナの名所と呼ばれる場所があり、あたり一面が真っ赤に染まる美しい秋の景色を堪能できます。
ヒガンバナは自然に咲く姿を楽しめる花なので、ぜひ自然の中で美しく咲くヒガンバナを楽しんでみてください。
ヒガンバナの花言葉
ヒガンバナの花言葉は「情熱」「独立」「あきらめ」をはじめ、「再会」「悲しい思い出」「また会う日を楽しみに」などの花言葉があります。
彼岸の時期に咲くことから、物思いにふけるような花言葉も含まれているのが特徴です。色の種類が多いヒガンバナは色別の花言葉もあるので紹介していきます。
ヒガンバナの色別の花言葉
赤 | 情熱、独立、再会、悲しい思い出 |
白 | 思うはあなた一人、また会う日を楽しみに |
黄 | 追想、深い思いやりの心、陽気、元気な心 |
ピンク | 快い楽しさ |
オレンジ | 妖艶 |
ヒガンバナには上記のように色ごとに花言葉があります。
一般的によく見られるのが赤のヒガンバナですが、白や黄色、ピンク、オレンジなどもあり、花屋さんでもよく売られています。
色が持つイメージが反映しているような花言葉が多いです。寂し気な意味のものもありますが、温かな意味の花言葉も含まれています。
補足:ヒガンバナは色の種類が豊富で魅力的な花
ヒガンバナは赤のイメージが強い花ですが、色別に花言葉があるように色の種類も豊富な花です。赤のように他の色も発色がよく、比較的鮮やかな色をしているのが特徴です。
「ヒガンバナ」という名前から少し寂し気な、地味な印象を持たれることが多いですが、黄色のヒガンバナはプレゼントのブーケにもよく使用され、可愛らしく魅力的な花です。
花屋さんでは「リコリス」の名で販売されていることが多く、秋に人気の花のひとつに数えられます。
筆者が以前花屋に勤めていた際にも、秋になるとリコリスがよく入荷していて、ブーケやアレンジメントによく使っていました。花の形に躍動感があるため、ブーケやアレンジのアクセントになり、生き生きとした雰囲気に仕上げることができます。
ヒガンバナの誕生花は9月20日
ヒガンバナの誕生花は9月20日です。他に9月13日、9月23日、11月15日の誕生花もヒガンバナとされています。
誕生花は1年365日に特定の花が当てはめられています。古来より、花や植物には神秘的な力が宿るものとされてきました。
ギリシャ、ローマでは日々を司る神がいると信じられており、日々の神々と花を結び合わせて暦にしたものが、誕生花といわれています。
誕生花を贈ることで、贈られた相手は神から守られ、幸福、愛、富がもたらされると信じて、始まったとされています。
ヒガンバナの名前の由来
日本で呼ばれている「ヒガンバナ」の名前は、秋の彼岸入りの頃に咲き始め、彼岸の終わりに咲き終わることが由来とされています。
また、ヒガンバナは別名が多い花としても有名で、代表的な名前が「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」です。この名前には仏教が関係しており、その他にも独特な名前がいくつもあるので紹介していきます。
- 英名「red spider lily(レッドスパイダーリリー)」
- 代表的な別名「曼珠沙華」
- ヒガンバナは別名が多い花
英名「red spider lily(レッドスパイダーリリー)」
英名では「red spider lily(レッドスパイダーリリー)」と呼ばれ、「Hurricane lily(ハリケーンリリー)」「Red magic lily(レッドマジックリリー)」などとも呼ばれます。
花型がクモの足に似ていることが「red spider lily=赤いクモの足」の由来です。花をひとつひとつよく見るとユリの花型に似ていることも関係しています。
代表的な別名「曼珠沙華」
曼珠沙華(マンジュシャゲ)は、サンスクリット語で「天界に咲く花」を意味します。「見る者の心を柔軟にする」といった意味もあります。
また、「めでたいことが起こる兆しに赤い花が天から降ってくる」という仏教の経典に由来しているようです。曼珠沙華を見た人は悪行から離れるといわれるほど崇高な花です。
ちなみにサンスクリット語は、南アジアおよび東南アジアにおいて用いられた古代語です。ヒンドゥー教の礼拝用言語であり、大乗仏教でも多くの仏典がこの言語で記されました。
ヒガンバナは別名が多い花
彼岸花は、別名が多いことでも有名です。
死人花、地獄花、毒花、痺れ花、幽霊花、剃刀花、狐花、雷花などの別名があります。仏具の天蓋に似ていることから「天蓋花(テンガイハナ」の別名があることでも有名です。
彼岸の言葉から、死や地獄など不吉な意味の別名が多くなっています。
良いイメージの言葉とはいえませんが、これほど別名が多いのは、それほど人々に愛されてきた歴史があるのかもしれません。
ヒガンバナに怖いイメージがある理由
ヒガンバナはその名のイメージから怖いイメージや不吉なイメージを持たれることが多い花です。怖いイメージは花の名前からだけではなく、ヒガンバナが持つ特徴も関係しています。
- 「彼岸」が付く名前
- 葉見ず、花見ずの特徴
- 球根に毒がある
「彼岸」が付く名前
ヒガンバナはその名の通り「彼岸」が由来になっていることが怖いイメージを持たれる原因のひとつとなっています。
そもそも「彼岸」の言葉はサンスクリット語で「悟りの世界」を表しており、あの世をさしています。対して、私たちのいる煩悩や迷いに満ちた世界は「此岸(しがん)」です。
「彼岸=あの世(死)」と連想されることが「不吉なものである」というイメージにつながってしまっています。
ヒガンバナに怖いイメージがあるのは日本だけで、外国では他の花と同様にネガティブなイメージは特になく、人気のある花です。
葉見ず、花見ずの特徴
ヒガンバナには、「葉見ず、花見ず」という他の植物とは大きく違う特徴があります。
ヒガンバナは茎が伸び、花を咲かせるまで葉の姿を一切見せません。通常の植物であれば、葉が茂って、花を咲かせますが、ヒガンバナの場合は、花が枯れてから葉を出します。
ヒガンバナは秋に開花し、花が枯れると葉が出て、冬は緑のまま越冬して春には球根に栄養を溜めます。
夏が近づくと葉が枯れ始め、休眠期に入り、彼岸の頃にまっすぐな茎を伸ばして花を咲かせるというのが1年の成長サイクルです。
他の植物にはない、「葉見ず、花見ず」の特徴があることで、少し不思議な植物として扱われることもあったようです。
球根に毒がある
ヒガンバナの球根には毒があります。アルカロイド系の毒が含まれており、誤って摂取すると、中毒症状をおこす危険性があります。
ヒガンバナには花、茎、球根すべてに毒があるといわれていますが、特に強い毒を持つのが球根の部分です。
地中に住むモグラやネズミは、他の植物の根はかじっても、ヒガンバナのものはかじらないといわれています。
そのため昔の人は、ネズミやモグラに稲や作物を食べられて荒らされないように、畦にヒガンバナを植えたと伝えられています。また、墓地でも遺体を守るために植えられていたようです。
畦や墓地にヒガンバナが多いのは、ネズミやモグラの侵入を防ぐためで、ヒガンバナの球根に毒があることで人々の生活が守られました。
毒があると聞くと怖いイメージを持ちますが、植物の球根や根に毒があることは珍しいことではありません。
むしろ、毒があることで人の生活に役立っていることもあるので、あまり怖いイメージを持つ必要はないかもしれませんね。
ヒガンバナの代表的な品種
ヒガンバナはたくさんの品種が存在し、切花の品種改良も盛んに行われています。切花では「リコリス」の名で売られており、黄色の可愛らしい品種の流通が豊富です。
一般的にヒガンバナとしてイメージされる赤の種類の他に白や黄色のヒガンバナもあり、種類の名前も異なります。
- リコリス・アルビフローラ(白花曼珠沙華/白彼岸花)
- オーレア(ショウキラン/ショウキズイセン)
リコリス・アルビフローラ(白花曼珠沙華/白彼岸花)
リコリス・アルビフローラは、白い花びらをしていることから「白彼岸花」「白花曼珠沙華」とも呼ばれます。
花びらの縁がゆるやかな波を打って外側に反り返るのが特徴があります。
ヒガンバナの突然変異で誕生した説もありますが、ヒガンバナとショウギズイセン(オーレア)との交配種である説もあります。
花後に出る葉は、ヒガンバナの葉と比べると幅が広く、花弁もヒガンバナほど反り返らないなどの特徴があります。
オーレア(ショウキラン/ショウキズイセン)
オーレアは鮮やかな黄色の花びらをした原種で、「ショウキラン」「ショウキズイセン」とも呼ばれます。
ヒガンバナの近縁種で、ヒガンバナよりも花弁が広く、花型も大きめなのが特徴です。アルビフローラと同様に、花びらが波打って外に反り返るようにして咲きます。
オーレアはラテン語で「金色」を意味します。切花でもよく出回っているタイプです。
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[/collections/custom_flower]ヒガンバナの花言葉によくある質問
人気アニメに青のヒガンバナが登場したことから、一時大きな話題となりました。青のヒガンバナはあるのか気になる方も多いかもしれません。
青のヒガンバナの花言葉からプレゼントに贈ることはできるのかなどを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 青のヒガンバナの花言葉は?
- ヒガンバナの花言葉は怖い?
- ヒガンバナはプレゼントに贈っても大丈夫?
- ヒガンバナとダイヤモンドリリーはそっくりだけど同じ?
青のヒガンバナの花言葉は?
青のヒガンバナは実在しないため、花言葉はありません。人気アニメで一躍有名になったことから、青いヒガンバナはあると思った方もいるかもしれませんね。
そもそも自然界に青の花の種類は数が限られており、ヒガンバナは青の色素を作り出す酵素遺伝子が少ないといわれています。
自然界で青の花が咲く代表的な花は、デルフィニウムやオキシペダラムなどです。バラやガーベラなどで青はありますが、試行錯誤の品種改良で誕生したものや、人工的に色素を吸収させたものになります。
ヒガンバナの花言葉は怖い?
怖い花言葉はないですが、「あきらめ」「悲しい思い出」などネガティブな印象を持つような花言葉があります。墓地で咲いていることが多いので、怖いイメージがある人も多いのかもしれません。
ヒガンバナは名前や別名から怖いイメージが先行してしまっていることも多いですが、実際は怖い意味の花言葉はないので、あまり気にしなくても良さそうです。
怖い花言葉が気になる方は、怖い意味の花言葉一覧の記事で紹介しています。
ヒガンバナはプレゼントに贈っても大丈夫?
ヒガンバナはプレゼントに贈っても、もちろん大丈夫です。
花屋さんでヒガンバナは「リコリス」の名で販売されていることが多く、秋には店頭によく並ぶ花です。黄色のヒガンバナは、可愛らしく、ギフト用の花束にも使いやすい色です。
ヒガンバナの花言葉は少し悲し気なものもあるので、気になる人にはあまりおすすめしませんが、ポジティブな意味もあるので、秋の花ギフトにはおすすめしたい花です。
ヒガンバナとダイヤモンドリリーはそっくりだけど同じ?
ヒガンバナとダイヤモンドリリーは花型がとても似ていますが、ヒガンバナはヒガンバナ科リコリス属であるのに対して、ダイヤモンドリリーはヒガンバナ科ネリネ属に分類されます。
同じヒガンバナ科の花ですが違う植物で、近縁種にあたります。
ネリネ属のダイヤモンドリリーは、南アフリカ原産で、花びらは細かいラメをあしらったかのようにキラキラしているのが特徴です。
また、ヒガンバナよりもとても日持ちが良く、切花でも人気がある花です。
まとめ
ヒガンバナの花言葉について解説しました。ヒガンバナは日本では秋の花として古くから親しまれている花です。
花言葉に「情熱」「独立」「あきらめ」などがあり、ヒガンバナの名前からも感じられるような哀愁のある花言葉の意味があります。
「彼岸」の言葉が名前に入っていること、球根に毒があることなどから、「怖い」「不吉」なイメージを持たれてしまう花ですが、実際には悪い意味がある花ではありません。
ヒガンバナは、一般的な赤だけでなく、他の色の種類もあるため、花屋さんではプレゼント用の花束にもよく使われています。
日本各地で自生する姿を楽しめる花であり、切花としても花屋さんで販売されている花なので、さらに多くの人に愛されてほしい花です。
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