ハート型の大きな葉が特徴的なフィカス・ウンベラータ。観葉植物の多くは、寒さに弱いため、冬越しに不安を覚える方も多いでしょう。
初めてフィカス・ウンベラータの冬越しを経験する方ほど、寒い冬の間に起こりやすいトラブルに、間違った対処をするかもしれません。そこで、今回はフィカス・ウンベラータの冬越し方法について詳しく解説します。
冬越し中に起こりやすいトラブルや原因、対処法についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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[/collections/umbellata]フィカス・ウンベラータの特徴
フィカス・ウンベラータはゴムの木の仲間で、ハート型の葉をしている観葉植物です。葉が薄く幅広で葉脈がくっきりしていることもあり、ナチュラルな雰囲気を持っています。
一鉢置くだけでおしゃれな空間を作り出してくれるでしょう。ただし、葉が薄いフィカス・ウンベラータは低温の影響を受けやすいです。
冬は暖かい室内での管理が重要。最低生育温度は10℃以上をキープして育ててください。
葉がポロポロと落ちても、再生力が非常に強いため、春に新芽が多く出てきて元気になります。
フィカス・ウンベラータの冬越し方法
フィカス・ウンベラータの冬越し方法のポイントは、以下の5つです。
- 日当たりと置き場所
- 温度
- 水やり
- 肥料
- 剪定
それぞれ詳しく解説します。一年を通した育て方が気になる方は、「フィカス・ウンベラータの育て方」の記事を参考にしてみてください。
日当たりと置き場所
フィカス・ウンベラータは、日当たりと風通しの良い場所を好みます。冬であっても、日当たりや風通しは意識して育ててください。
冬の窓際は冷え込むので、窓から距離を置いた明るい場所で管理すると安心です。冬も窓際の近くで管理していると、窓側の葉だけ寒さによって葉が落ちたり、葉が黒くなったりする可能性があります。
また、冬は室内に暖房を付けると思いますが、暖房の風が直接当たらない場所に置いてください。暖房の風が当たり続けると、急激な乾燥によって葉が落ちる原因になります。
温度
フィカス・ウンベラータは寒さに弱い植物です。最低生育温度は10℃以上をキープして育ててください。
寒さに当たると葉がクシュっと縮み、葉っぱがパタパタと落ちてしまうことがよくあります。そのため、フィカス・ウンベラータは冬は暖かく管理することが重要です。
ただし、冬の室内の窓際は外気と変わらないくらいに冷え込みます。窓際から離れた、お家の中心部分に移動させて、冷気に当てないように管理しましょう。
水やり
冬の生育緩慢期は、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2~3日後に、水やりします。水やりは室温の高い時間帯に行ってください。
水やり後、受け皿に水を溜めておくと根腐れの原因になるので、小まめに捨ててください。冬は根の吸水力が低下しているため、特に根腐れに注意が必要です。
フィカス・ウンベラータは、暖かい原産地では常緑樹ですが、日本の寒い冬に葉を全て落とすこともあります。もし、葉を全て落とした場合は、水やりを控えて断水気味に管理してください。
また、空気が乾燥しやすい冬は、水やりと一緒に葉水を行うと、イキイキとした葉を維持しやすいです。気温が低い早朝や夜に水やりや霧吹きをすると、フィカス・ウンベラータの葉や根が傷みやすいので、気を付けてください。
もし、水やりの頻度に困ったときは、水やりチェッカーの利用もおすすめします。
肥料
冬越し中は肥料を与えません。フィカス・ウンベラータは寒さに弱い植物であるため、冬の期間は生育が緩慢です。
冬に肥料を与えても、肥料成分はあまり吸収されません。余分な肥料成分は根傷みや土壌環境の悪化を引き起こします。
そのため、冬は肥料を与えずに管理してください。暖かい秋に置き肥をしている場合は、気温が15℃以下になり始めるタイミングで、取り除いておくと安心です。
剪定
冬越し中は、フィカス・ウンベラータの剪定は控えてください。枯れた枝葉であれば問題ありませんが、生きた枝葉は剪定しないようにしましょう。
冬は生育が緩慢であるため、剪定しても新芽が出てきにくいです。低温によって、剪定した枝から枯れ込むこともあります。
徒長している枝が気になっても、気温が十分に暖かくなる春を待ってください。
フィカス・ウンベラータは冬越し中に丸坊主になっても大丈夫
フィカス・ウンベラータは、冬越し中に葉がすべて落ちて丸坊主になっても大丈夫です。暖かい春を迎えたら、多くの新芽が出てきて元に戻ります。
非常に再生力が強い植物です。初めてフィカス・ウンベラータを育てる方は、冬越し中に葉がパタパタと落ちて丸坊主になると不安になると思いますが、安心してください。
ただし、丸坊主になったにも関わらず、水やりをし続けると冬越し中に根腐れしやすいです。葉がないため、吸水できずに土が湿り続けます。
冬越し中に根腐れすると、そのまま枯れる恐れもあるので注意してください。葉がすべて落ちて、丸坊主になったら、水やりを控えて断水気味に暖かい場所で管理しましょう。
フィカス・ウンベラータの冬越しトラブルと原因
フィカス・ウンベラータによくある冬越しトラブルと原因を5つ紹介します。
- 葉が下を向く|水切れ
- 葉が黄色になる|寒さ
- 葉が落ちる|根腐れ
- 害虫の発生|暖かい室内
- 縁がチリチリになる|暖房の風
それぞれの症状や原因を詳しく見ていきましょう。
フィカス・ウンベラータを含めた観葉植物の主なトラブルが気になる方は、「観葉植物のトラブル」の記事もチェックしてみてください。
葉が下を向く|水切れ
フィカス・ウンベラータの葉が下を向くのは、水切れが原因です。冬は、春~夏の生育期に比べて水やり頻度は少なくなりますが、極端に水やりをしない場合は、水切れによって葉が下を向きます。
冬越し中に、一度水切れによって葉が下を向くと、その後に急いで水やりしても元に戻りきらずに葉がポロポロ落ちやすいです。
冬に水を与えすぎるのもよくありませんが、水やりを全く行わない管理にも注意してください。冬はフィカス・ウンベラータにとって生育しにくい環境なので、なるべく株にダメージを与えないように育てることが重要です。
葉が黄色になる|寒さ
冬越し中にフィカス・ウンベラータの葉が黄色になるのは、寒さが原因であることが多いです。葉が黄色になる原因には、寒さ以外に日当たり不足や水切れ、新陳代謝などがあります。
日当たりや水やりに問題がなければ、寒さを疑いましょう。冬は生育が緩慢な時期であるため、新陳代謝は鈍く、新芽が出にくいです。
そのため、冬越し中に葉が黄色くなる原因として新陳代謝は考えにくいでしょう。
葉が落ちる|根腐れ
冬越し中にフィカス・ウンベラータの葉がポロポロと落ちる原因は、根腐れかもしれません。
葉が落ちる原因は、根腐れ以外にも、日当たり不足や寒さ、水切れなどがあります。土が湿っている状態が続いている中、葉が落ちるのであれば、根腐れを疑ってください。
フィカス・ウンベラータは寒さに弱いため、冬に水やりしすぎると根腐れしやすいです。つい水やりしすぎる方は、冬越し中の水やり管理に気を付けましょう。
害虫の発生|暖かい室内
冬に室内管理しているフィカス・ウンベラータに害虫が発生することがあります。冬越し中の害虫発生は、暖かい室内が原因であることが多いです。
寒い屋外よりも、暖かい室内の方が害虫にとっても過ごしやすい環境です。そのため、屋外から侵入した害虫や秋から付いていた害虫が、暖房で温められた部屋で増殖して発生することがあります。
特に、冬の室内は暖かいだけでなく空気も乾燥しやすいので、ハダニが発生しやすいです。そのほか、アブラムシやカイガラムシなども隠れ潜んでいることもあります。
葉の縁がチリチリになる|暖房の風
冬越し中にフィカス・ウンベラータの葉の縁がチリチリになるのは、暖房の風が直接当たっているためかもしれません。
フィカス・ウンベラータは寒さに弱い植物であるため、冬は暖かい室内で育てることが重要です。冬は室内をエアコンで温める方が多いと思います。
エアコンの暖房の風が直接当たり続けると、急激な乾燥によって葉の縁から水分が蒸発していき、チリチリになりやすいです。
フィカス・ウンベラータの冬越しトラブルの対処法
フィカス・ウンベラータによくある冬越しトラブルの対処法を5つ紹介します。
- 葉が下を向く|水やりをする
- 葉が黄色になる|暖かい場所へ移動
- 葉が落ちる|土を乾燥させる
- 害虫の発生|殺虫剤
- 縁がチリチリになる|暖房の風を当てない
それぞれの対処法を詳しく見ていきましょう。
葉が下を向く|水やりをする
冬越し中に葉が下を向くトラブルが起きた場合は、土の乾燥具合を確認して水やりをしてください。もし、土が乾いていない状態で、葉が下を向いていたら日当たり不足や根腐れを疑いましょう。
葉が下を向いていることに、すぐに気が付いて水やりすれば、吸水して葉がピンと元に戻ります。しかし、水切れによって葉が下を向いていたにもかかわらず、水やりをしていない期間が続くと、ポロポロと葉が落ちてきます。
ポロポロと落ちる前に水やりしても、すぐに気づけていない場合は、時間が経ってから葉が落ち始めることも。そのため、冬越し中に葉が下を向いた際は、すぐに土の状態や日当たりなどの生育環境の確認をして、水切れが原因であれば水やりしてください。
水やりと一緒に葉水も行うと、空気の乾燥も防ぐことができます。水やりや葉水は、気温が高い時間帯に与えてください。
葉が黄色になる|暖かい場所へ移動
冬越し中にフィカス・ウンベラータの葉が黄色になったら、暖かい場所へ移動させてください。葉が黄色になる原因には、日当たりや根腐れなどもありますが、日当たりや水やりに問題がなければ、置いている場所が寒いのかもしれません。
最低でも室温10℃以上の明るいお部屋に移動させましょう。フィカス・ウンベラータは寒さに弱いので、屋外での冬越しは難しいです。
気温の高い秋まで屋外管理している方は、最低気温が15℃を下回り始めたら室内へ移動させてください。
葉が落ちる|土を乾燥させる
冬越し中の根腐れによって、葉が落ちる場合は、まずは土を乾燥させてください。フィカス・ウンベラータを含めた観葉植物の多くは、冬に植え替えるとより傷みやすいです。
幹がしっかりしていれば、葉がすべて落ちて丸坊主になっても、春に新芽が出てくるので安心してください。そのタイミングで、植え替えをしましょう。
寒い冬に植え替えをすると、植え傷みによって株が深刻なダメージを受けて枯れる恐れがあります。幹が柔らかくなったり、土から腐った匂いがしたりしない限りは、まずは土を乾燥させて様子を見ましょう。
害虫の発生|殺虫剤
冬越し中のフィカス・ウンベラータに害虫が発生した時の対処法は、殺虫剤(オルトランやベニカXファインスプレーなど)を使うことです。もし柔らかい布やブラシで取り除ける程度であれば、殺虫剤を使う必要はありません。
害虫が大発生している場合は、殺虫剤で対処した方が効果的です。室内で殺虫剤を使うことが不安な方は、暖かい時間帯に屋外に出して、株全体に殺虫剤をスプレーしましょう。
その後、すぐに暖かい室内に戻してください。大発生している場合は、一度の殺虫剤では対処できないかもしれません。
その後も様子を見ながら、殺虫剤をスプレーしてください。冬に限らず、フィカス・ウンベラータに付く害虫が気になる方は、「観葉植物に付く虫」の記事を参考にしてみてください。
葉の縁がチリチリになる|暖房の風に当てない
フィカス・ウンベラータの葉が、暖房の風によって葉の縁からチリチリになる対処法は、「暖房の風に当てないこと」です。直風が当たって起きるトラブルなので、当たらない場所に置くだけで、大きく改善できます。
ただし、空気が極端に乾燥した室内だと、直接風が当たっていなくても、チリチリになることもあります。そのため、水やりのタイミングで霧吹きで葉水したり、加湿器を設置したりすると安心です。
フィカス・ウンベラータを動かせない場合は、パーテーションをして暖房の風が直接当たらないようにするのもトラブルの改善効果があります。
フィカス・ウンベラータの冬越しに関してよくある質問
最後にフィカス・ウンベラータの冬越しに関してよくある質問とその答えを以下にまとめました。
- 加温している部屋で冬越し中のフィカス・ウンベラータに、肥料を与えても大丈夫?
- 根詰まりした状態でフィカス・ウンベラータは冬越しできる?
それでは具体的に見ていきましょう。
加温している部屋で冬越し中のフィカス・ウンベラータに、肥料を与えても大丈夫?
室温が最低15℃を下回らず、安定して20℃前後を維持しており、十分な日当たりを確保できている場合は肥料を与えても問題ありません。しかし、生育最低温度の10℃ギリギリをキープしているような状態であれば、肥料は与えないほうが安心です。
温室で加温している状態を除けば、冬に肥料を与えるのはおすすめできません。
もし、冬でも十分な温度と日当たりを確保できる環境であれば、生育期の成長と相対的に考えて肥料濃度を薄めて与えると、冬でも生育してより大きなフィカス・ウンベラータになるでしょう。
根詰まりした状態でフィカス・ウンベラータは冬越しできる?
鉢底から根が少し出ている程度であれば、問題なく冬越しできます。冬越し中は、フィカス・ウンベラータの生育は緩慢になるので、鉢の上の土まで、びっしりと細根が張っている状態でなければ大丈夫です。
冬に植え替えをすると、根傷みをして株が傷む可能性があります。なるべく植え替えはしないようにしてください。
もし、鉢の上までびっしりと細根が張っている状態であれば、「土を足してあげる」または、「ゆっくりと根鉢を崩さずに、一回り大きな鉢に植え替える」のどちらかの方法がおすすめです。
まとめ
フィカス・ウンベラータの冬越し方法についてお話させていただきました。インテリアグリーンとしても人気の植物なので、お部屋で育てている方も多いのではないでしょうか。
初めてフィカス・ウンベラータを冬越しさせる方は、葉が落ちる姿に驚くかもしれません。葉が薄いため、寒さの影響を受けやすく、いくら上手に管理しても葉がポロポロと落ちることはあります。
その際に注意することは、水やりをしすぎたり寒さに当てすぎたりしないことです。この記事で紹介したフィカス・ウンベラータの冬越し方法を守っていただければ、冬越し中に枯れることは少ないでしょう。
もし丸坊主になっても、春になれば綺麗に芽吹いて元に戻ります。ぜひ安心して冬越しさせてください。