ザミア・フロリダーナの育て方｜5つのポイントとよくあるトラブルについて

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ザミア・フロリダーナの特徴

ザミア・フロリダーナは、深緑色で光沢のある羽状の小葉が特徴です。また、丸く太る幹は荒々しい力強さを感じさせてくれます。

塊根植物を思わせる幹だけを見ると、力強い印象を与えますが、葉はザミア・プミラより細く繊細です。力強さと繊細さを持った植物として人気があります。

乾燥に強い性質のため、初心者でも育てやすい観葉植物です。和風や洋風どちらの鉢にも合うので、インテリアに合わせて飾るとお部屋をおしゃれにしてくれます。

明るい環境を好みますので、真夏を除いてなるべく明るい窓際で管理すると、美しい姿を常に楽しめるでしょう。

ザミア・フロリダーナの育て方

ザミア・フロリダーナは、荒々しく力強い幹肌と細長く繊細な羽状の葉が人気の植物です。

ここでは、ザミア・フロリダーナの基本の育て方を5つのポイントに分けて紹介します。

それぞれのポイントを守って育てれば、艶のある美しい葉を維持できるはずです。育て方の確認前に、ザミア・フロリダーナの魅力的な姿が気になる方は以下をクリックしてみてください。

置き場所と日当たり

ザミア・フロリダーナは日当たりのよい屋内を好む植物です。ただし、真夏の直射日光に当たると葉焼けしやすい点には注意してください。

日当たりが不足する環境では、葉柄が徒長して葉もポロポロと落ちやすくなります。真夏を除いて、日当たりの良い窓際で管理するようにしましょう。

もし、真夏の直射日光が当たっている場合はレースカーテンをして光を和らげてください。窓際から離して直射日光を避けるように置くのもおすすめです。

窓が一つしかなく、一方向からの光だけに当たる環境であれば、定期的に鉢を回してください。株全体にまんべんなく光が当たるようにすると、姿かたちがバランスよく育ちます。

温度

ザミア・フロリダーナは寒さに弱いので、最低10℃以上をキープして育ててください。室内で15℃以上を維持できると、より安心して冬越しできます。

ソテツの仲間なので、寒さに強い印象がありますが、ザミア・フロリダーナはソテツほど寒さに強くありません。もし屋外管理していた場合は、気温が下がり始める秋に室内に移動させましょう。

暑さには比較的強いですが、30～35℃以上の高温には注意してください。

水やりのタイミングで蒸れて根傷みすることがあります。冬は10℃以上、夏は30℃以下の環境で育てるようにすると、綺麗な姿を維持できます。

水やりの頻度

ザミア・フロリダーナの季節ごとの大まかな水やり頻度は以下の通りです。

春夏の生育期は、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いたら)水やりしてください。ただし、受け皿に水を溜めたままにしておくと根腐れの原因になるため、溜まった水はこまめに捨てましょう。

30～35℃を超えるような真夏は生育が緩慢になります。真夏の暑い時期に常に水をやりすぎると、蒸れによって幹が柔らかくなったり根傷みして葉がポロポロと落ちたりしやすいです。

冬の水やり頻度は、土が乾いたら与える程度です。室温によっては、一度水やりしたら土がなかなか乾かないこともあるため、水のやりすぎにならないように気を付けてください。

寒い冬に水やりしすぎると凍結や根ぐされのトラブルが発生しやすいです。季節に応じた水やりが苦手な方は、水やりチェッカーを利用するとよいかもしれません。

パッと一目で土の乾燥具合を確認できるため、気温や成長具合、鉢の大きさによる水やり間隔に悩まされなくなります。

肥料

ザミア・フロリダーナには、生育期の5月～7月、9月～11月それぞれに1度置き肥を置くか、水に薄めた液肥を2週間に1度のペースで水やり代わりに与えてください。真夏と冬は生育が緩慢なので、肥料は与えません。

葉の緑色や葉の艶を維持したい方は、元肥とは別に上記タイミングでの追肥をおすすめします。幹が大きくなる速度はゆっくりですが、生育期は葉がぐんぐん増えます。

肥料が少なくなりすぎると、葉色が薄くなりがちなので、ぜひ生育期に肥料を与えてください。

AND PLANTSでは、オリジナル肥料「アンドプランツ 植物を元気にする固形肥料」を取り扱っています。匂いも少なく、初心者にも使いやすい安心設計なので、肥料に迷っている方はぜひ使ってみてください。

剪定方法

ザミア・フロリダーナの剪定は、枯れた下葉を切る程度です。枯れた下葉を剪定する際は、葉柄が残らないように、幹に近い部分で切りましょう。

葉柄が少し残っても、自然とポロリと落ちるので安心してください。

葉が羽状なので、日当たり不足や根傷みで一部分だけ黄色くなることがあります。一部分だけが枯れてきた場合は、一枚一枚を摘まむように取り除くと良いでしょう。

AND PLANTSでは皇室献上品でもある、新潟県三条市の100年企業・株式会社坂源のハサミ「Sakagen Flower Shears」を取り扱っています。剪定に失敗しないためには、切れ味の良いハサミが欠かせません。

軽くて切れ味抜群の使いやすい剪定ハサミを使って、ザミア・フロリダーナの剪定を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ザミア・フロリダーナのよくあるトラブルと対処法

乾燥に強く初心者でも育てやすいザミア・フロリダーナですが、トラブルが発生する場合もあります。ここではよくあるトラブルと対処法を解説していきます。

ザミア・フロリダーナによくあるトラブルは以下の4つです。

対処法を知っておくと、いざトラブルが起きても安心して対処できます。それぞれ見ていきましょう。

根腐れ

ザミア・フロリダーナの根腐れでは、以下の症状が見られます。

根腐れは、土の中の酸素濃度が低下して土壌環境が悪くなることで発症します。また、土が常に湿っていると、根は呼吸できずに枯れてしまい、根自らが腐る症状でもあります。

根腐れの対処法は以下の通りです。

根腐れが起こった場合は、植え替えをして土の環境を変えることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な根が伸びる状態にしてください。

ケイ酸塩白土・ゼオライトなどの根腐れ予防効果のある土壌改良材も新しい用土に混ぜ込むと、より根腐れしにくくなります。

根詰まり

根詰まりとは、鉢の中が根でいっぱいになることで起きる症状のことです。

ザミア・フロリダーナが根詰まりすると、以下のような症状が見られます。

すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうと生育が悪くなるので注意してください。

対処法は、植え替えです。

5月～7月、または9月～11月に、土と根をほぐして植え替えます。現在の鉢より1回り大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。

葉焼け

ザミア・フロリダーナが葉焼けすると、以下の症状が出てきます。

強い日差しを浴びすぎると、葉が傷んで「葉焼け」のトラブルが発生します。葉焼けの症状に気がついたら、直射日光を避けるように対策してください。

対処法は以下の通りです。

葉焼けのトラブルが起きる場合、強い直射日光が当たりすぎている可能性が高いです。直射日光を弱めたり、置き場所を移動したりしてください。

株全体が強い直射日光で枯れていなければ、日差しの対処をすれば自然と新芽が出てきます。葉焼けした葉は、元には戻らないので、株全体のバランスを見ながら切り取ってください。

新芽が茶色になる

ザミア・フロリダーナを育てていると、新芽が茶色になるトラブルが発生するかもしれません。新芽が茶色になる原因には、「根傷み」が考えられます。

根傷みによって新芽が茶色になっている場合の対処法は、以下の通りです。

根傷みは、水のやりすぎ(やらなすぎ)や蒸れ、温度によって生じます。新芽が出てきてもすぐに茶色になって枯れるようであれば、土の中の根が傷んでいる可能性が高いです。

5月～7月、9月～10月の間であれば安心して植え替えできるので、根鉢を取り出して根のチェックをしてください。その上でスカスカになった根や黒ずんだ根は取り除き、発根剤を与えながら育てましょう。

健康的な白い根が少ない場合は、一回り小さな鉢に植え替えて発根を促すと回復しやすいです。

ザミア・フロリダーナの害虫トラブルと対処法

ザミア・フロリダーナに発生しやすい害虫は以下の4つです。

それぞれ見ていきましょう。

ハダニ

ハダニの症状は以下の通りです。

ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つ厄介な害虫です。

放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトランなど）の使用が効果的です。ハダニは一度では駆除しきれないことがほとんどなので、状態を見ながら、定期的に噴霧してください。

2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方は水で洗い流す方法がおすすめです。

乾燥に強いザミア・フロリダーナは水やり頻度が少なくなりがちな植物です。そのため、周囲の空気や土が乾燥してハダニが付きやすい傾向にあります。

ザミア・フロリダーナにハダニが現れたら、こまめに殺虫剤を吹きかけたり、ホースシャワーで株全体を水で洗い流したりすると良いでしょう。

ハダニは非常に小さいため、姿を確認しにくい害虫です。葉を触ってザラザラした感触がある場合はハダニがいるかもしれません。

ハダニがいるサインや対処法については、「観葉植物に発生するハダニ」の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

カイガラムシ

カイガラムシの症状は以下の通りです。

カイガラムシは繁殖力の強さと薬剤耐性のある厄介な害虫です。

風通しの悪い環境で育てていると、葉と葉の隙間や株元の付け根にカイガラムシが発生しやすいです。そのままにしていると、大発生してすす病を併発させたり株が弱々しくなったりするので注意してください。

見つけ次第、早めに対処しましょう。対処法は以下の通りです。

ザミア・フロリダーナにカイガラムシが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）の使用が効果的です。

しかし、カイガラムシは殺虫剤が効きにくい害虫です。そのため、殺虫剤使用と布・ブラシでの拭き取りを合わせて行うと効率的に駆除できます。

予防や駆除に悩んでいる方は「観葉植物の白い虫はコナカイガラムシ」の記事の内容を参考にしてカイガラムシを駆除しましょう。

アブラムシ

ザミア・フロリダーナの葉を徒長させると、アブラムシが増えやすくなります。徒長した葉や生育不良の新芽は柔らかく、アブラムシが集まりやすいためです。

アブラムシが発生した際の症状は、以下の通りです。

アブラムシは繁殖力が強いため短期間で増え、ウイルスを媒介する厄介な害虫です。

脱皮を繰り返して短期間で成虫になるので、アブラムシが増えると、葉に白～茶色の小さなチリのようなものが目立ち始めます。このチリのようなものは、脱皮殻です。

脱皮殻を見つけた際は、近くにアブラムシがいますので、注意深く観察して見つけてください。放っておくと生育が弱まり綺麗な新芽が出てこなくなるので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

アブラムシを見つけたら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトランなど）の使用がおすすめです。殺虫剤が効きやすい害虫なので、すぐに対処すれば被害は大きくなりません。

観葉植物以外に、お花やお野菜を育てている方は、アミノ酸を含んだ有機肥料を扱う方が多いかもしれません。観葉植物にアミノ酸系肥料を多く与えると、アミノ酸に誘引されてアブラムシが引き寄せられることがあります。

もしザミア・フロリダーナをはじめとした観葉植物にアミノ酸の多い有機肥料を与えている場合は、控えた方が安心です。

コバエ

コバエの症状は以下の通りです。

コバエ自体は植物に無害ですが、ザミア・フロリダーナを育てるうえでの不快害虫です。

放っておくとコバエはどんどん増えていくので、早めに対処を行いましょう。

対処法は以下の通りです。

コバエが発生したら、市販の殺虫剤（ベニカXファインスプレー・オルトラン・スミチオンなど）の使用が効果的です。しかし、飛び回るコバエにスプレーするのは難しく、土にかけても飛んでいるコバエには効果がありません。

スプレーでうまく対処できない場合は、トラップを仕掛けて数を減らしましょう。コバエのトラップは食器用洗剤やお酢、めんつゆなどで作ることができます。

植物の近くに置いておくと、簡単にコバエを捕殺できるはずです。コバエは、発酵不十分な腐葉土やバーク堆肥、有機質肥料の匂いに引き寄せられます。

そのため、有機質肥料を取り除いたり土の表面に赤玉土や鹿沼土など3～5㎝程度敷き詰めたりするとコバエ発生を防ぐことが可能です。

つい水やりしすぎてコバエが出てきてしまう場合もあるかもしれません。コバエ対策を簡単に行いたい方は、「観葉植物に発生するコバエ」の記事を、ぜひ確認してみてください。

ザミア・フロリダーナの育て方に関するよくある質問

最後にザミア・フロリダーナの育て方に関するよくある質問とその答えを以下にまとめました。

それでは具体的に見ていきましょう。

成長速度は？

ザミア・フロリダーナの成長速度はゆっくりです。葉は新芽がぐんぐん出て広がりますが、幹そのものは1年で数センチしか大きくなりません。

特に3～4号鉢サイズ以下の小さい株ほど成長速度はゆっくりです。大きくなるのに時間がかかるため、大株を飾りたい方は小さい株を育てるよりも、最初から大きなザミア・フロリダーナの手に入れるとよいでしょう。

育てるのにおすすめの土は？

ザミア・フロリダーナを育てるのにおすすめの土は、水はけのよい観葉植物用の土です。水持ちのよい花・野菜の土や植木の土で植えると根腐れをして上手に育てることができないので注意してください。

AND PLANTSでは、オリジナル用土「AND PLANTS SOIL 観葉植物の土」を取り扱っています。観葉植物の生育に適した乾きやすさと、育てやすい保湿性を両立している土です。

原材料として使用しているダークピートは、腐食酸を置く含む良質なピートモスなので、ザミア・フロリダーナの生育もより良くなるはずです。ぜひ用土に悩んでいる方は、使ってみてください。

枯れる原因は？

ザミア・フロリダーナが枯れる原因には「日当たり不足」「水のやりすぎ(やらなすぎ)」「寒さ」が考えられます。

ザミア・フロリダーナは日当たりを好む植物です。日差しが差し込まない暗い環境に置くと、いずれ枯れます。

また、水やり頻度にも注意してください。乾燥に強いとは言え、生育期にまったく水やりしなければ葉がポロポロと落ちて枯れてしまう可能性が高いです。

寒さにも気を付けつつ、基本の育て方の5つのポイントをしっかりと守りましょう。

まとめ

ザミア・フロリダーナは、羽状の繊細な葉と力強い幹が特徴的な植物です。乾燥に強く、生育もゆっくりなので、初心者の方も安心して育てられます。

日当たりや水やり、温度などの基本の育て方ポイントを守れば、一生を共にするパートナーとしても楽しめるでしょう。もし新芽が枯れるトラブルが起きた場合は、根傷みをしている可能性があるので、根鉢を取り出して根のチェックをしてください。

その他のトラブルに関しても、「あれ、おかしいな」と思ったタイミングで、紹介した対処法をすぐに行うことで復活しやすくなるはずです。

育て続けると、より美しい姿になってお部屋の雰囲気をグッとよくしてくれる植物なので、ぜひ大事に育ててください。