朝に凛と咲く姿を見せるアサガオ。夏を感じさせる日本人に馴染みのある花です。子供の頃に育てた記憶がある人も多いですよね。
アサガオの花言葉は「愛情」「結束」「明日もさわやかに」「あなたに絡みつく」です。早朝に花を咲かせることや、ツル性の特徴が花言葉に由来しているようです。
また、アサガオはいくつかの色の種類があり、色別での花言葉も存在します。
今回はアサガオの花言葉をはじめ、日本での古くからの歴史、種類の違いなどについて解説していきます。日本人に親しまれるアサガオの魅力をぜひこの機会にさらに知ってみてください。
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[/collections/custom_flower]アサガオの特徴
植物名 | アサガオ |
学名 | Ipomoea nil |
科名 | ヒルガオ科 |
属名 | サツマイモ属 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
開花時期 | 7月~10月 |
アサガオはヒルガオ科サツマイモ属の植物で、主にツル性の一年草です。サツマイモ属であることから、葉の形が似ており、サツマイモの仲間に属しています。
原産地は諸説あり、ヒマラヤやネパールから中国にかけての地域や熱帯アジアに自生種が存在し、原産とする説もありますが、現在では熱帯アメリカ大陸の地域が原産とされる説が有力です。
アサガオは円錐のラッパ型の花を咲かせ、涼し気な和を思わせる花型は、よく浴衣やうちわなどの絵柄のモチーフになっています。
開花時期は7月~10月頃で、夏のイメージが強いですが、種類によっては秋まで咲いており、10月頃も見られることがある植物です。
アサガオの花言葉
アサガオの花言葉は「愛情」「結束」「明日もさわやかに」「あなたに絡みつく」です。アサガオのイメージや特徴が由来となっている花言葉です。
アサガオは発色の良い多彩な色の種類があり、色別での花言葉があります。また、アサガオの英名や英語での花言葉も併せて紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。
- アサガオの色別の花言葉
- アサガオの英名と花言葉
アサガオの色別の花言葉
青 | 短い愛、儚い恋 |
白 | あふれる喜び、固い絆 |
紫 | 冷静、正常 |
赤 | 儚い情熱的な愛 |
ピンク | 安らぎに満ち足りた気分 |
青のアサガオの花言葉は「短い愛」「儚い恋」です。アサガオが朝に咲いて、夜にはしぼんでしまう様子が花言葉に由来していると考えられます。アサガオといえば青のイメージが強い人も多いですよね。
一方、白のアサガオの花言葉は「あふれる喜び」「固い絆」です。青のアサガオの花言葉とは打って変わり、ポジティブな花言葉があります。
紫、赤、ピンクの花言葉には、色が持つイメージとアサガオの特徴が反映されています。アサガオは1日でしぼんでしまうことから「儚い」イメージが強い花といえるかもしれません。
恋愛に関する花言葉を持つアサガオですが、他にも恋愛に関する花言葉やお花を知りたい方は、「一緒にいたい」の花言葉の記事でも多くのお花を紹介しています。
アサガオの英名と花言葉
アサガオの英名は「Morning glory(モーニンググローリー)」です。直訳すると「朝の輝き」となり、日本と同様に朝に咲くことが名前の由来となっているようです。
英語の花言葉には「love in vain(はかない恋)」「affection(愛情)」の意味があります。日本での花言葉とほぼ同じ意味を持ちます。
アサガオの誕生花|7月6日
アサガオの誕生花は7月6日です。他に、8月1日、8月6日の誕生花もアサガオとされています。
誕生花は1年365日に特定の花が当てはめられています。古来より、花や植物には神秘的な力が宿るものとされてきました。
ギリシャ、ローマでは日々を司る神がいると信じられており、日々の神々と花を結び合わせて暦にしたものが、誕生花といわれています。
誕生花を贈ることで、贈られた相手は神から守られ、幸福、愛、富がもたらされると信じて、始まったとされています。
アサガオの歴史
日本でのアサガオの歴史は奈良時代まで遡ります。奈良時代に中国からアサガオが渡り、日本での歴史がスタートしています。歴史を見てみると、いかに日本人に愛されてきた花なのかが分かるので、ぜひチェックしてみてください。
- 日本での歴史は奈良時代から
- 古典園芸植物
- 江戸時代は朝顔ブーム
- 朝顔と七夕
名前の由来は「朝の容花(かおばな)」
アサガオの名前の由来は「朝の容花」という言葉からきています。「容花」とは美しい花を意味する言葉です。
元々、アサガオは朝に花が咲く植物を総称した名前で、その中には桔梗や昼顔なども含まれていました。アサガオが区別されてこの名で呼ばれるようになったのは、江戸時代頃からといわれています。
また、朝に咲き、午後にしぼんでしまうことから「朝の美人の顔」とも例えられたようです。
日本での歴史は奈良時代から
アサガオが日本に伝わったのは奈良時代末期、もしくは平安時代の初期といわれ、遣隋使によって中国から種を持ち帰ったのがはじまりとされています。
当時は花を楽しむのではなく、種子を薬として利用していました。その種子は当時貴重な財産であったことから牛と交換するほど高価だったといいます。
そのためアサガオの種子は「牽牛子(ケンゴシ)=種子を貰うと謝礼に牛を牽いていくという意味」と呼ばれ、今日でも漢方では「牽牛子」の名で呼ばれています。体の水分を排出する作用があり、利尿作用、下剤としての効果がある漢方です。
アサガオが現在のように観賞用として楽しまれるようになったのは、江戸時代に入ってからです。
古典園芸植物
アサガオは古典園芸植物(伝統園芸植物)といわれます。古典園芸植物とは、江戸時代に日本で育種、品種改良され、独自の発展を遂げた植物を指します。アサガオは古典園芸植物の中でも唯一の一年草の植物です。
江戸時代、遺伝子の法則も植物の受粉の仕組みも解明されていない中、アサガオの愛好家たちは、特殊な栽培技術で数千種類にも及ぶ品種を生み出しました。珍しい品種のものは、高値で取引されることもあったようです。
品種を競う「朝顔番付」も関西や関東で盛んになり、品評会が開催されていました。
江戸時代は朝顔ブーム
江戸時代に朝顔ブームが起きたのは、江戸大火がきっかけといわれています。
火事により下谷(現在の東京都台東区)に大きな空き地ができた際に、その場所で植木職人たちが品種改良したアサガオの栽培をはじめ、人々の注目を集めたのがきっかけとされています。
当時は、珍しい咲き方のアサガオや、大輪の品種、あまり見かけない黄色のアサガオなどが人気だったようです。特に、突然変異によって生まれた「変化(ヘンカ)朝顔」が人気を博しました。
朝顔と七夕
江戸時代にアサガオは「牽牛花(ケンギュウカ)」と呼ばれていました。アサガオの種子が「牽牛子(ケンゴシ)」と呼ばれていたことが由来です。そして、「牽牛」は七夕伝説の彦星を指す言葉でもあります。
夏に花を咲かせるアサガオは、七夕と関連付けられ、美しく咲くアサガオと織姫が重ねられ「朝顔姫」と呼ばれていました。
アサガオの花が咲くと、それは彦星と織姫の年に一度の逢瀬が叶った証だとして、縁起が良いとされていました。
アサガオの種類
アサガオの種類は1600種以上あるとされており、種類によって、色や咲く時期、花の特徴などが異なります。
主に種類は、日本朝顔、西洋朝顔に分かれ、加えて突然変異によって発生する変化朝顔の3タイプに分かれます。日本朝顔と西洋朝顔にはどのような違いがあるのか解説していくので、ぜひチェックしてみてください。
日本朝顔
日本朝顔の見頃は、7月中旬~10月頃です。葉は三方に分かれており、葉の裏側には産毛が生えているのが特徴です。大輪系の種類が多く、品種には「肥後てまり」「恋しぐれ」「平安の紅」などがあります。
アサガオは中国から伝わったものなので、日本朝顔は日本で原種として生まれたものではなく、品種改良によって生まれたものです。日本で独自の進化を遂げた日本朝顔は、海外でも人気があります。
ツルが伸びるのは1m~2m程までとあまり長くは伸びず、柔らかいツルをしています。
西洋朝顔
西洋朝顔の見頃は、9月~10月頃です。秋頃にかけて咲くのが特徴で、葉はハート型をしていて、産毛はありません。発芽後、双葉に切れ込みが入るのも特徴です。品種には「ヘブンリーブルー」「フライングソーサー」「スカーレットオハラ」などがあります。
丈夫でしっかりとしたツルが伸び、2m以上と長く伸びていきます。グリーンカーテンに適しているアサガオです。
日本朝顔の大輪系のものと比べると花は少し小さめで、花茎に3~5輪の花をつけるため、日本朝顔よりもたくさんの花を咲かせます。
朝顔、昼顔、夕顔、夜顔の違い
朝顔、昼顔、夕顔、夜顔どれも「顔」がつく名前で同じ種類の仲間なのか、違っているのか気になるところです。どれも花の形や雰囲気が似ています。
実は、朝顔、昼顔、夜顔はヒルガオ科の植物に分類されますが、夕顔のみウリ科の種類の植物になります。
夕顔の花はよく見るとヒルガオ科の花とは違って、花びらが一枚一枚分かれているのが特徴です。また、夕顔は実がよく食用にされており、馴染み深いのが「かんぴょう」です。かんぴょうと聞くと、夕顔の名前にピンと来る人も多いかもしれません。
朝顔は朝に花を咲かせ、昼顔は夏の昼間の暑い盛りに咲いて夕方にしぼみます。夕顔と夜顔は、夕方から夜にかけて花を咲かせるため、この名が付きました。
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[/collections/custom_flower]アサガオの花言葉によくある質問
アサガオの花言葉には怖い意味はあるのか気になる人も多いかもしれません。ぜひ参考にしてみてくださいね。
- アサガオに怖い花言葉はある?
- アサガオの珍しい色は?
アサガオに怖い花言葉はある?
アサガオには「あなたに絡みつく」という花言葉があります。しかし、怖い意味を持つ訳ではなく、アサガオがツルを伸ばして生長する姿が由来となっています。
言葉だけを聞くと怖いと感じてしまうかもしれませんが、実際には植物としての特徴を反映させた花言葉なので、あまり気にしすぎなくても良いかもしれません。
怖い花言葉が気になる方は、怖い意味の花言葉一覧の記事で紹介しています。
アサガオの珍しい色は?
青、紫、白、ピンク、赤と多彩な色があるアサガオですが、「幻のアサガオ」といわれているのが黄色のアサガオです。
元々、アサガオは青の花を咲かせる植物で、品種改良によって他の色も誕生しました。品種改良が盛んだった江戸時代には、黄色のアサガオがあったことが記録されていますが、現在には伝わっておらず、幻のアサガオといわれています。
まとめ
アサガオの花言葉について解説しました。アサガオの花言葉は「愛情」「結束」「明日もさわやかに」「あなたに絡みつく」です。アサガオが朝に花を咲かせること、ツル性の植物としての特徴が花言葉に反映されています。
日本の歴史に深く関わっている花で、古くから日本人に愛されてきたことが分かります。江戸時代の朝顔ブームで品種改良が盛んに行われたことで、多彩なアサガオを楽しむことができ、多くの人に馴染みのある花となりました。
夏はグリーンカーテンとしても活用できる涼し気なアサガオを楽しみながら、厳しい暑さを乗り越えたいですね。
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